やはり俺の界境防衛機関での物語は間違っている   作:つむじ

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結構短いです


彼は呼んでもらえた

木虎とのランク戦の翌日の昼休み。

俺は今学校の机に突っ伏している。

別に今日は天気が悪いわけでもない。

ならどうして俺がこんなところにいるか、理由は簡単だ。

昨日由比ガ浜から依頼内容についてのメールが来た。

内容はこうだ。

『依頼内容はとべっち、大岡くん、大和くんに関するチェーンメールだよ。葉山くんは犯人を特定しないで解決して欲しいんだけど、ゆきのんは犯人を特定する気満々なんだ。ねぇヒッキーならどうする?あ、あと依頼については私がやるから。ヒッキーこういうの苦手でしょ?だから、手出さないでね!』

と、なかなか面倒くさそうな依頼内容だった。

チェーンメールってなに?俺回ってきてないんだけど。

あ、このクラスで由比ヶ浜以外のメアド持ってなかったんだった。

いやー納得。

流石に由比ヶ浜だけに任せるのも悪いと思い俺も会話を見る。

サイド・エフェクト発動

どうやら今話しているのは部活の危険性のようだ。

うわー、すげーどーでもいー。

こちらは何も起こってなかったようなので由比ヶ浜の方を見る。

なんか好きな人の話になってるんだけど・・・。

見なかったことにしよ。

俺はこれ以上見る必要が無いと決め寝る体勢に入った。

 

 

 

 

 

 

 

5分か、10分か、はたまた数秒か、どれほど経ったのかわからない。

まだ俺の意識がはっきりしていない時

「・・・やくん、比企谷くんってば」

どこからか天使のささやきが聞こえる。

まだ寝ぼけてる俺の視界で小さな手が振られてる。

んっ、なんだと思い目をこすると俺の前に戸塚が座っていた。

「おはよ」

今は昼だが戸塚に言われるのなら、俺はいつでも戸塚の時間に合わせる。

「・・・毎朝俺の味噌汁作ってくれ。」

「え・・・ええ!?ど、どういう・・・。」

「あ、いやなんでもない。寝ぼけてた。」

危ねー、うっかりプロポーズしかけちまった。

まず、お付き合いしてからお義父さんとお義母さんに挨拶してからにしなきゃ。

「あんたの味噌汁くらい言ってくれれば私が作るわよ。」

あれ、戸塚ってこんなに勢いのある声だっけ?

俺は声のするほうを向く。

するとそこには操がいた。

「お前の作った味噌汁一度だけ飲んだだろ。そんとき、具入ってなかったじゃねーか。」

「な・・・あれから勉強したのよ!・・・あんたの作り方見て。」

「見ただけじゃねーか。実技はねーのかよ。」

こんな馬鹿げだ会話を見て戸塚が

「ふふ、二人とも仲いいね。なんか羨ましいなー。」

「ま、家族だからな。それで、なんか用?」

「ああ、そうだった。」

戸塚はなにかに気が付きぱんと手でも打つように両の手のひらを合わせた。

「比企谷くんは、もう職場見学の場所決めた?」

「いや、まだだ。どっかの班に余ったら入れてもらうつもりだからな。」

実際、決めてもボーダーになるんだが。

べ、別に自分から余ってるだけなんだからね!

みんなに省かれてるわけじゃないんだからね!

まさかの二連続。

「それじゃあさ・・・僕と一緒に行かない?」

「喜んで!」

俺は気がつくと戸塚の手を握っていた。

これが恋の始まりなのか・・・

「八幡、いつまで男のて握ってんのよ。キモチワルイ。握るんなら玲の手にしなさい。」

「うっせーなー操。そんなんだから彼氏に振られるんだぞ。」

「なっ!なんであんた知ってんのよ!」

「俺のサイドエフェクトが見たからな。」

「じゃ、じゃあ分かれた理由も知ってるの?」

「いや、そこまでは悪いと思ってな、見てねーわ。」

「そ、そう・・・なら良かった。」

そういえば、友達ってのは気軽にファーストネームを呼ぶものと俺は理解している。

現に俺と操の関係性を知らないやつからしたら友達に見えてるのかもしれない。

・・・そんなんで友達になれるんならいくらでも試してるっつーの。

でも、ものは試しだしな〜、少し試してみるか。

実際、ファーストネームで呼ぶことで友達とまではいかずとも人間性は変化する。

「彩加」

「・・・」

俺がファーストネームで呼ぶと戸塚は固まった。

大きな瞳を2、3回瞬かせて口をぽけっと開けている。

ほら、やっぱし仲良くなれねーじゃーねーか。

・・・謝るか。

「ああ、悪い。今のはわす・・・」

「嬉しいな。初めて名前で呼んでくれたね。」

「なん・・・だと・・・」

戸塚は少し目をうるませながらニッコリと微笑んだ。

おいまじかよ、俺のリアルが充実し始めてるよ。

「ぼ、僕もヒッキーって呼んでいい?」

「それは断る。」

なんでそっちにいく。

そんな不名誉なイメージがつきまとう呼び方をしてくるのは今のところ1人しかいない。

俺が断ると戸塚は幾分か残念そうな表情をしてからんんっと喉の調子を確かめてから再チャレンジした。

「じゃあ・・・八幡?」

ズッキューン!

俺のハートが飛び出た。

「も、もう3回プリーズ。」

「・・・八幡」

照れながら

「八幡?」

きょとんとした表情で

「八幡!聞いてるの!?」

ちょっと拗ねた感じで。

「あ、ああ悪い。少しボーッとしてた。」

「もー、しっかりしてよね八幡。」

「ああ、悪かった。」

そんな時だった。

俺と戸塚の微笑ましい空間を壊すようなやつがこちらに向かい始める。

な、なんでテメーがこっちに来る!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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