更新が遅れて申し訳ありません。
ちょっと、リアルで色々ありまして……。
今回は前回の続き、1日目の続編です。
それではどうぞ!
達也と一緒に風紀委員のパトロールに出かけた私。
首にCADを巻き、腰に警棒を携えている。
達也はブレスレット型のCADを二つ持っていた。
今回は部活動勧誘週間のパトロールで、毎年何か揉め事があるらしく、全員が全員、部活動勧誘の為にそういった諍いが起こる。
中学ではなかった光景だ。
部活動は柔道や水泳、剣道部など普通の学校にあるものから、マーシャルアーツ部や剣術部など魔法を使った魔法科高校ならではの部活もある。
私はもう生徒会へ入ったから勧誘される事はないと思う。
さて、こうしてパトロールに出ていると早速目の前でトラブルが発生、と言うか揉みくちゃにされていた。
見ると、見覚えのある顔で、確か千葉エリカとか言う人だ。
私は横にいる達也にどうするか尋ねる。
「達也、どうする?」
「はぁ、助けるか」
達也はため息をつき、何かの魔法を発動、千葉エリカを囲んでいた人たちのバランスが崩れたその隙に達也は千葉エリカの手を取って走っていく。
私はその人混みを某一方通行見たくベクトルを操作してありえないほど飛び上がる。
降りるときもベクトルを操作して着地する。
体育館裏に行くと、千葉エリカがつま先を抑えて痛がっていた。
「……何したの?」
そう達也に聞いてみる。
達也はため息をつきながら、
「俺の脛を蹴って痛がっている」
そう言った。
逆に蹴った方が痛がっているわけか。
御愁傷様です。
千葉エリカは達也を恨めしそうに見て、そこから提案をした。
「悪いと思ってるならこの後付き合いなさいよ」
そう言われた達也はこちらに目を向けてくる。
私はコクンと頷き了解する。
そう言って千葉エリカが来たがっていたのは武道場の剣道部の演舞だった。
今、やっている女の人が壬生紗耶香先輩だそうで、千葉エリカ曰く中学より桁違いに強くなっているらしい。
そうやって剣道部が演舞をしている時に数名の男の人達が割り込んで行った。
「桐原君!剣術部の時間まであと1時間以上あるでしょ!?どうしてその時まで待てないの!?」
「壬生、俺は手伝ってやったんだぜ?こんな決まり切った演舞を盛り上げてやってんだ」
桐原と呼ばれた生徒が言うと周りの男子が笑う。
………ああ言うの見ると腹が立つ。
「心配するなよ、壬生。剣道部のデモだ、魔法は使わないでおいてやるよ」
「剣技だけであたしに敵うと思っているの? 魔法に頼り切りの剣術部の桐原君が、ただ剣技のみに磨きをかける剣道部の、このあたしに」
「大きく出たな、壬生。だったら見せてやるよ。身体能力の限界を超えた次元で競い合う、剣術の剣技をな!」
壬生先輩の方には、防具をつけていない相手へ打ち込むことに対する躊躇もあっただろう。
先に動き出したのは、桐原と呼ばれた生徒。
いきなりむき出しの頭部目掛けて、竹刀を振り下ろしたのだ。
竹刀と竹刀が激しく打ち鳴らされ、二拍ほど遅れて悲鳴が生じた。
竹と竹が打ち鳴らされる音、時折金属的な響きすら帯びる音響の暴威。
二人が交える剣撃の激しさは、既にこの体育館の雰囲気を殺伐としたものに塗り替え、観客は声を出すことさえ出来ずに、その試合を固唾を呑んで見守る。
試合は壬生先輩が優勢。
そしてこの試合初めて雄叫びをあげながら突進していく桐原と呼ばれた生徒。
そして、両者は真っ向からの打ち下ろし。
桐原と呼ばれた生徒の竹刀は壬生先輩の左上腕を捉え、壬生先輩の竹刀は桐原と呼ばれた生徒の右肩に食い込んでいる。
桐原と呼ばれた生徒は真剣なら致命傷。対して沙耶香の方は行動不能に陥る程ではない。
明確なルールの決まった試合ではなかったが、勝者がどちらなのかは、誰から見ても明らかだった。
「……真剣なら致命傷よ。あたしの方は骨に届いていない。素直に負けを認めなさい」
「は、ははは……」
凛とした表情で勝利を宣言する壬生先輩。
その壬生先輩の指摘が正しいことを、感情が否定しようとしても、剣士としての意識が認めてしまっていることに、桐原と呼ばれた生徒は顔を歪める。
そして、突如桐原と呼ばれた生徒が虚ろな笑い声を漏らす。
その笑い方に壬生先輩は危険だと思ったのか改めて構え直し、切っ先を真っ直ぐに向け、桐原と呼ばれた生徒を鋭く見据えている。
「真剣なら?俺の身体は、斬れてないぜ?壬生、お前、真剣勝負が望みか?
だったら……お望み通り、『真剣』で相手をしてやるよ!」
そう言って、桐原と呼ばれた生徒が竹刀から離れた右手で、左手首を抑えた。
その突如、ガラスを引っ掻いたような不快な騒音が、竹刀から、聞こえた。
一足跳びで間合いを詰め、左手一本で竹刀を振り下ろす桐原と呼ばれた生徒。
壬生先輩はその一撃を受けようとせず、大きく後方へ跳び退った。
あの生徒が言ったことが本当なら竹刀では受けれない。
壬生先輩の胴に、細い痕が走っている。
桐原と呼ばれた生徒の竹刀が、かすめていたみたいだ。
それだけで、固い胴に痕が走ったのである。
壬生先輩は冷や汗を流しているだろう。
もう一撃、桐原と呼ばれた生徒が竹刀を振り下ろす。
私はその間に割って入り、竹刀を正面から素手で掴んでベクトルを操作し
そして、前中をしながら桐原と呼ばれた生徒の頭に踵落としを決める。
「こちら、第二小体育館。逮捕者一名。気絶していますので担架をお願いします」
そう淡々と報告する達也。
……おお、仕事が早い。
「魔法の不適切使用の為、桐原先輩にはご同行願います」
気絶してるけどね。
「どうして桐原だけなんだよ!剣道部の壬生だって、同罪じゃないか!」
「魔法の不適切使用の種、言いましたが?そちらの壬生先輩は魔法を使用しておりませんので、今回は桐原先輩だけの逮捕となります。」
達也の告げた言葉を聞いた全員が、一瞬で口を噤んで押し黙った。先程の出来事を一部始終見ていた者であれば分かり切っている事実だからだ。
「ちっ!……ふざけんな!」
さっきから言葉を投げ掛けていた男子生徒が、正論ばかりを言われて堪え切れなくなったのか、逆上して殴り掛かってくる。私は達也と背中合わせになりながら、言葉を交わす。
「そっちは頼んだよ?」
「分かった」
そう短く交わして、私は警棒を取り出し走る。
殴りかかってくる人の手を警棒で防ぎ、空いてる手でその手を持って引っ張る。後ろ向きになったところで膝カックンをして前に蹴り飛ばす。
蹴り飛ばした時に後ろから殴ってきたのをその場で回転しながら避け、その手を掴み回転の勢いのまま足をかけて投げる。
もう一人は投げた途端に来たので警棒を振り上げて、手を離し柏手を打つ。
すると、その生徒は倒れた。
全員が倒れたのを見て、警棒をしまった。
どうでしたか?
手伝いとして頑張ってやっております。
次回もお楽しみに