魔法科高校に一般人?が入るようです。   作:そろばん

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どうも。
今回は風紀委員の仕事、1日目です。
二つに分けていきたいと思います。


入学編 その7

服部さんと達也、私と渡辺先輩の模擬戦をした翌日。

私は風紀委員の手伝いをする為に風紀委員会本部に来ていた。

そこには風紀委員の上級生の人たちやあのモブ崎もいる。

私たち全員が揃ったのを確認して渡辺先輩が話を始めた。

 

「さて。今年もまた、あの馬鹿騒ぎの一週間がやって来た。風紀委員会にとっては新年度最初の山場になる。

この中には去年、調子に乗って大騒ぎした者も、それを鎮めようとして更に騒ぎを大きくしてくれた者もいるが、今年こそは処分者を出さずとも済むよう、気を引き締めて当たってもらいたい。

いいか、くれぐれも風紀委員が率先して騒ぎを起こすような真似はするなよ」

 

「今年は幸い卒業生分の補充が間に合った。紹介しよう。立て」

 

その紹介を受けて私たちは立ち上がる。

 

「1-A 森崎駿。同じく1-Aの逆桐日向。そして1-Eの司波達也だ。なお、逆桐に関しては生徒会からの助っ人として参加してもらう。」

 

私はお辞儀をする。

しかし、数名が疑わしげにこちらを見てきた。

 

「さて、前回も説明したが、部員争奪週間は問題が多発するからな、各自単独で巡回する。勿論、新入りであっても例外じゃない」

 

「大丈夫なんですか?」

 

達也の左胸に目線が向けられたまま、二年生の男子生徒が疑問を口にした。

その表情から、別に二科生を見下しているから、というわけではなく、単に、魔法技能の劣る二科生が一人で巡回をする、ということを心配している様だった。

 

「ああ、心配ない。今年は特に優秀でな、全員使えるヤツだ」

 

摩利さんがニヤリと笑みを浮かべながら言うと、姐さんがそう言うなら、と二年生の男子生徒は引き下がった。

 

「他に言いたいことのあるヤツはいないな?」

 

「これより、最終打合せを行う。巡回要領については前回まで打合せのとおり。今更反対意見はないと思うが?」

 

渡辺先輩は全員を見渡して意見がないことを確認して少し頷く。

 

「よろしい。では早速行動に移ってくれ。レコーダーを忘れるなよ。一年生については私から説明する。他の者は、解散!」

 

渡辺先輩の一声で、全員が一斉に立ち上がり、踵を揃えて、握りこんだ右手で左胸を叩いた。

 

そこで皆散らばって行った。

 

「まずこれを渡しておこう」

 

私たちを除いた六名が出て行ってすぐ、渡辺先輩は薄型のビデオレコーダーを手渡してきた。

 

 

「今後、巡回のときは常にそのレコーダーを携帯すること。違反行為を見つけたら、すぐにスイッチを入れろ。スイッチは右側面のボタンだ。まあ、撮影を意識する必要は無い。風紀委員の証言は、原則としてそのまま証拠に採用されるからな。念の為、くらいに考えてもらえれば良い」

 

「各々の携帯端末に、委員会用の通信コードを送信しておいた。

報告の際は必ずこのコードを使用、こちらから指示ある際も、このコードを使うから必ず確認するように。」

 

「最後にCADについてだ。風紀委員はCADの学内携行を許可されているわけだが使用についても、一々誰かの指示を仰ぐ必要は無い。

状況を判断して適切に使用してくれ。無いとは思うが、一応言っておくと、不正使用が判明した場合は、委員会除名の上、一般生徒より厳重な罰が課せられることになっているからな。

一昨年はそれで実際に退学になったヤツもいる。甘く考えないことだ」

 

「説明は以上だが、何か質問はあるか?」

 

渡辺先輩の説明が終わったところで達也が質問していた。

 

「CADは委員会の備品を使用してもよろしいでしょうか?」

 

「……構わないが、理由は?釈迦に説法かもしれないが、あれは旧式だぞ?」

 

「確かに旧モデルではありますが、プロ仕様の高級品ですよ。調整は面倒ですが、設定の自由度が高く応用範囲の広い点が一部で熱狂的に支持されている機種です」

 

「……そうなのか」

 

「ええ、多分、あれを購入した人がファンだったんでしょう。バッテリーの持続時間が短くなるという欠点に目を瞑れば、処理速度も最新型並みにクロックアップできますから、しかるべき場所に持ち込めば、結構な値段がつくと思いますよ」

 

「……それを我々はガラクタ扱いしていたということか。なるほど、君が片付けに拘った理由がようやく分かったよ」

 

「コホン。まあ、備品のCADなら好きに使ってくれ。どうせ今まで埃をかぶっていた代物だし、他に誰も使わんだろう」

 

「では……この二機をお借りします」

 

「二機……? 本当に面白いな、君は」

 

「では、これで解散にする。私は部活連本部へ行かないといけないからな。各自、風紀委員としての自覚を持って行動するように」

 

渡辺先輩が話を締めくくって私たちは部屋を出た。

出て達也と同じ方向に行くと、

 

「おい」

 

モブ崎から声がかかった。

 

「なんだ?」

 

「お前、CADを二つ……………だろう!調子に乗るのもいい加減にしろ!」

 

モブ崎は何故か怒って行ってしまった。

私が達也の顔を見ると、分からないとばかりに首を振っている。

 

「そうだ。今日は一緒に行動していいかな?」

 

「ああ、構わない」

 

「ありがと」

 

こうして、私たちは風紀委員の仕事の1日目がスタートした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
次回は一応1日目続きです。

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