今回は少しだけ、戦闘シーンあります。
うまく書けてるか、不安です。
「俺と模擬戦をしませんか?」
そう達也は言った。
それを聞いた服部さんはとても怒ってる。
普通に考えたら二科生が一科生の先輩に戦いを挑むのは無謀だろう。
「思い上がるなよ………!補欠の分際で!」
その言葉を聞いた達也はふっと笑う。
「何がおかしい!」
「さっきご自分でおっしゃってたじゃないですか。魔法師は冷静を心掛けるべき、でしょう?」
さらに怒りを買う様に言って、少し後ろを見る。
「別に風紀委員に入りたい訳ではありませんが、深雪の目が曇っていないと証明する為にもやむ終えません」
その言葉を聞いた服部さんの怒りが頂点に達していた。
こんな状態。目で見なくても分かるね。
「良いだろう!身の程を弁える必要性をたっぷりと教えてやる!」
そうして、達也VS服部さんの勝負が決まった。
二人は何かの紙に承諾して書き込む。
「あ、そうだ。逆桐の実力も見たいから。これにサインしてくれ」
…………は?
「え?わ、私も戦うんですか!?」
「ああ、先に断っておくが真由美。こいつを一週間の部活紹介の時の風紀委員活動に借りて良いか?」
「良いわよ?」
「ありがとう」
と、勝手にトントン拍子で決まっていった。
何やらもう反論できない様になってる……!
私は諦めてそっとため息をついた。
そして第三演習場にやってきた。
先に達也VS服部さんの勝負をするということなので、
眼鏡を少しずらして見ておく。
達也の意識の波長、ほぼないじゃん。
感情も薄いし、凄いな、軍人かな?
いや、軍人でも、もう少し感情もあるとも思うんだけどな。
そんな思考に耽っていると、試合の流れの説明があった。
なんか色々言っていてよく分からなかったが、要は直接攻撃と打撲以上の怪我を負わせる魔法は禁止。そういう事だ。
服部さんの方を見てみると、大いに油断していた。
達也には相手が務まらないほど、相当勝てると思い込んでいるんだろう。
あさはかなり……。
結果、達也が一瞬で勝った。
文字どうり一瞬で、渡辺先輩に自己加速術式を予め用意していたのかと聞かれ、身体的な技術だと説明。
九重なんちゃら先生に教えを受けていると言い、他の人たちは驚いていた。
勝因は、波の合成?らしい。
その後魔法の理論を言っていたが何を言っているのか分からなかったので割愛します。
「さて、今度は私らの番だな」
とうとう私が戦わなければいけない時が来た。
はっきり言って勝てる要素が見当たらない。
誰かに剣道なり体術なりの教えを受けたことはない。
さらに魔法の使い方もいまいち分からない。
…………詰みである。
言っていても始まらないので、警棒を取り出そうとするが、そう言えば打撲させてはいけなかったのでしまう。
「ああ、武器は何使ってもいいぞ?そのくらいのハンデは必要だろう。」
そう聞いたので、わたしは普通に立つ。
「良いのか?さっきの警棒を使わなくて。武装一体型CADだろ?」
「武装一体型CAD?なんですか?それ」
………全員の空気が止まった。
「もう、始めましょう」
私がそう言うと思考を取り戻した様に声をあげた。
「それでは、始め!」
「ガードスキル handsonic」
私はそう呟いて剣を形成して迫る。
「音声認識!?」
何やら驚いていたがスルーする。
私は縦に振りかぶって振り下ろし、その勢いのまま前中しながら踵落としをする。
「くっ!」
ハンドソニックは避けれていたが、踵落としは避けれなかった様で両手をクロスして防いでいた。私はそのまま、左足でジャンプしながら回し蹴りをし、そのまま蹴り飛ばして着地する。
「いつつ、なかなか動けるな。」
「それはありがとうございます。」
「私からも行くぞ!」
そう言って渡辺先輩は走ってきて右ストレートを放ってくる。それをハンドソニックをしていない手で防ぐが、渡辺先輩が手を引いて横蹴りをしてくる。それを防げず、思わず座り込む。
そこにもう一度前蹴りが来たので横に転がって眼鏡を達也の方に投げる。
達也は何事か、みたいな表情を浮かべたがしっかりと眼鏡を受け取ってくれた。
「おい、逆桐。眼鏡外して大丈夫か?霊視放射光過敏症なんだろう?」
と、渡辺先輩も気を使ってくれる。
「大丈夫です。外してからが本気ですから」
私はそう答え、全力で走って行ってドロップキックをする。渡辺先輩は体ごと避け、畳み掛ける様に迫ってくる。
私はバク転をしながら、そのついでにサマーソルトキックを放つ。渡辺先輩は驚きながらも軽々と避ける。
そして、ハンドソニックを構え突撃し、もう少しで防がれるところでハンドソニックを解除。
渡辺先輩がその一瞬。
意識が揺らいだので、手を前に出して、叩く。
すると、渡辺先輩はふらっとして倒れた。
「はぁ、はぁ、疲れたー」
試合が終わり、壁にもたれかかりながら水を飲む。
「ねえ、日向ちゃん」
日向ちゃん?と思いながら七草先輩の方を向く。
「摩利を倒した、あの柏手。何かの魔法を使ったの?」
「?いえ、ただの猫だましですが?」
「猫だまし?」
「はい。古くには、相撲、と呼ばれた競技があったらしく、その試合の時に使ったそうです。私のは詳しくは違いますが」
「え?違うの?」
「はい。その相撲、でする猫だましはあくまで思考を一時停止させるだけです。ですが、私のは意識を麻痺させるものですから」
「麻痺?やっぱり魔法かしら?」
「いえ、そうではなくて。私の目、霊視放射光過敏症なんですが、他の人と違うんです」
「違う?」
「はい。私のは普通の霊視放射光過敏症と一緒の性質と、人の感情や意識の波長が見えるんです」
「感情が見える!?」
「え?あ、はい。そうやって驚くのは赤です。普通の状態は無色です。胸のあたりに光が見えて、その光で判断してます。例えば、嘘をつけば黒。誰かを好きだー、って思えばピンクです。深雪の様に」
私が言うと、顔が真っ赤になった深雪。
そう言うところは見なくても分かる。
「ああ、感情の点で言えば眼鏡を外さなくても見えます。意識の波長となれば別ですけど。………そろそろ用があるので帰ってもいいですか?」
「………。ええ、もう今日は大丈夫です。ありがとうね、日向ちゃん」
その言葉を聞いて、達也に眼鏡を返してもらって、礼をして第三演習場を出た。
どうでした?
次回は風紀委員の仕事です。