今回、やっと原作メンバーが出ます。
それではどうぞ。
入学式の次の日、昨日よりは遅く家を出た。
私は家を出る際に兄から渡された物を手に取る。
普通、魔法科高校の生徒としてはCADとやらを持っていないといけないらしい。それが何なのかわからないが。
スイッチを入れると、ジャキって音がしてその棒が伸びた。兄曰く警棒、なのだとか。流石に何時も家で兄をしばくための木刀は、大きくてカバンに入らないし、手に持てば目立つので兄に相談したところぱっと作ってぱっと渡された。私はその警棒?のスイッチを切り、カバンの中にしまう。
1-Aについてドアを開けると、その場にいた全員の視線がこっちにとんでくる。私はその視線をさらっと流し、席に着く。その際に後ろには昨日みた新入生総代の司波深雪さんがいた。
「おはよう。日向」
そう聞き覚えのある声が聞こえ、顔を上げると見知った顔があった。
「おはよう。ほのか、雫」
そう挨拶を返すと何やらほのかが手招きしている。
そして、小声で、
「ねえねえ、司波さんに声をかけてみようよ」
「ほのかがすれば?」
「雫!?そこは二人で、とかじゃないの!?」
「だって、今話しかける理由がない」
「…………」
そう言って何かほのかが決意して司波深雪に話しかけようとした。
「あの、司波さ、きゃあ!」
その時、ほのかの足が机に引っかかってずっこけた。手を差し伸べてくれたのはほのかが話しかけようとした司波深雪だった。
「大丈夫?」
「は、はい!大丈夫です!あ、あの私は光井ほのかって言います。よろしくお願いします。」
「私は北山雫。よろしく。」
「私は逆桐日向です。よろしくね」
私たちがババッと自己紹介すると、ポカンとした表情を浮かべ挨拶を返してきた。
「え、ええ。私は司波深雪です。こちらこそよろしくお願いします。それで?何かご用ですか?」
「え、えっと、司波さんは」
「深雪でいいですよ?同級生じゃないですか」
「う、うん。深雪は今日の昼休み一緒に食堂でご飯でも食べない?」
「ええ、いいですよ」
そう深雪が答えると、ほのかの表情がぱあっと明るくなる。
「本当!?」
「え、ええ」
そう聞いた瞬間に後ろの雫とハイタッチする。
と、ここで私は聞きたいことがあったので少し入らせてもらおう。
「司波さん。私も深雪って呼んでもいい?」
「ええ、どうぞ。」
「深雪のお兄さんってさ、」
そう言いながら顔を近づけ、深雪に聞こえる声で囁く。
「二科生の人?」
私がそう言うと少し表情を曇らせた。
「何故?そう思うのかしら?」
「入学式の答辞の時、時々二科生の方を見てたから。それと、二人のオーラが似てるから」
そう、オーラが似てるからと言った瞬間にとても驚いた表情を浮かべた。
「あなた、霊子放射光過敏症?」
「うん。でも安心して?私は一科生とか二科生とかどうでもいいから。あなたの大事なお兄さんへ侮蔑の視線とか向けないから」
「…………そう。」
大事なお兄さんと少し強調すると、深雪は少し顔を赤らめた。
そして昼休み、深雪に声をかけ一緒に食堂に行こうとしたら数名の男子が声をかけてきた。
「司波さん。一緒に食堂へ行かないか?」
深雪は少し顔を曇らせ、何も発せず少しだけ頷いた。
その前でガッツポーズをする、男子数名。
そして意気揚々と歩いていくモブ達の後ろを歩いて食堂についた途端深雪が走り出した。
「お兄様!」
その方向を見ると入学式の時に見た男子生徒たちがいた。
「お兄様、一緒に昼を食べてもよろしいですか?」
「ああ、いいよ」
「深雪、こっち空いてるよ」
「ありがとう、エリカ」
と、深雪が座ろうとすると男子たちが、
「君たち、場所変わってくれないか?」
そんなこと抜かした。
「司波さん、もっと広いところに行こうよ」
「え、でも私はお兄様と」
「いやいや、司波さん」
その生徒が深雪の兄の肩を見て、ふっと鼻で笑った。
それを見て、私は、
「
腰から警棒を抜いておでこに振り抜いた。
「な、何するんだ!」
とか言ってるのを無視して深雪のそばに立った。
「ねぇ、」
「ああ?なんだ?」
私が声をかけるとガタイのいい男が少し苛立ったように言ってきた。ので、
「あなた達と一緒に食べていいかな?」
そう言うと、全員がポカンとした表情を浮かべた。
「は?」
「聞こえなかった?一緒に食べていいかな?って聞いたんだけど?」
「ちょ、ちょっと逆桐さん、」
「何?ええッと、ごめん名前知らないや」
「僕は森崎駿だ。
「あなたは一般的な常識も知らないの?なんでこうやって普通にご飯食べてる人に退けとか言うの?先に座ってて、しかも他に場所があるのに?」
「そ、それは」
「一緒に座って食べさせてもらうならともかく、いきなり来て退けとか横暴だとは思わないの?」
「だが、こいつらは
「だから?」
「は?」
「だから何って聞いてるの。同じ人間でしょ?ただ今少し劣っているだけの人だからいいの?そんなことが。見下すような言葉を選んでいいと思うの?少しは常識を考えなさい」
私が圧倒的な言葉で攻め立てると、えっと、モブ崎が黙った。
すると、後ろの席から立つ音が聞こえた。
「深雪、俺はもう済ませたから行くよ。」
そう言う男の皿にはまだ残っていたが、そう深雪に言って立ち去って行った。
「達也くん!?」
「おい!達也!」
さっき一緒に座っていた二人も達也と呼ばれた男の人についていった。
私は思わずため息をついた。
そしてまた変わって放課後。
またモブ崎達が揉めている。
「いい加減諦めたらどうなんですか!?」
「僕たちは彼女に用があるんだ!」
「そうよ!少し時間を貸してもらうだけなんだから!」
「はっ!そんなもん自活中にやれよ!そう言う時間はちゃんと取ってあるじゃねえか!」
「それに相談なら予め本人の同意を取ってからにしたら?
深雪の意思を無視しての相談なんかあったもんじゃない。そんなルールも知らないの?」
「とにかく何度も言ってるじゃないですか!深雪さんはお兄さんと帰るって言ってるんです!何の権利があってお二人の仲を引き裂こうって言うんですか!?」
「み、美月ったら、何を…何を勘違いしてるの!?」
「深雪、何故お前が焦る?」
「へ?あ、焦ってなんか、おりませんよ?」
「そして何故に疑問系?」
と、話し合いが激化している。ほのかも雫も戸惑っていた。
「これは1-Aの問題だ!
「同じ新入生じゃないですか………!?あなた達
眼鏡の女子がそう言うとモブ崎がニヤッと笑った。
「まずいな」
私はふとそう口にする。
「どれだけ優れているか知りたいか?」
「おう、是非とも教えて貰おうじゃねえか!」
「いいだろう。……だったら教えてやる!これがーー才能の差だ!!」
そう言ってモブ崎が銃を持って魔法を発動しようとするが、
赤髪の女子が私と同じような形の警棒でモブ崎の銃を弾き飛ばした。
「ひっ!」
「この距離なら、身体動かしたほうが早いのよね」
「お前俺の手ごと叩こうとしただろ!」
「あら、そんなことしないわよ。」
「誤魔化すんじゃねえ」
赤髪の女子は口に手を当てて上品に「オホホホ」と軽く笑う。
「くっ!」
他の一科生が二科生の方を睨む。すると、
「みんなダメ!」
そう言ってほのかが魔法を発動しようとするが、
「きゃあ!」
「ほのか!」
いきなり魔法式?が吹き飛んだ。
「そこまでだ!」
後ろから風紀委員と書かれた物をつけた先輩であろう女子生徒と、生徒会長の七草真由美がきた。
「自衛目的以外の、魔法による対人攻撃は犯罪行為ですよ!」
そうなんだ。と少し感心する。
「風紀委員長の渡辺摩利だ。1-Aの生徒と1-Eの生徒だな、事情を聞きます。全員ついて来なさい!」
渡辺摩利と言った風紀委員がそう言う。
全員が黙っていると、深雪の兄が前に出た。
「すみません。少々悪ふざけが過ぎました。」
「悪ふざけ?」
「はい、森崎家のクイック・ドロウは有名ですから。自分の工学のために少し見せてもらおうとしたのですが、あまりにも真に迫っていたので思わず手が出ていまいました。」
「では、そこの女子生徒が攻撃性の魔法を使おうとしていたのは何故だ?」
「あれはただの閃光魔法です。威力もかなり抑えられていました。」
「ほう、君は起動した魔法式を読み取ることができるみたいだな」
「ええ、実技は苦手ですが、分析は得意です」
「誤魔化すのも得意なようだ。」
「そんな、俺はただの、二科生のですよ」
深雪の兄が自分の肩を指差す。
「ちょっとした行き違いだったんです。お手を煩わせてしまい申し訳ありませんでした。」
そう言って深雪は頭を下げた。
こうして頭を下げられて、戸惑った渡辺摩利に見計らったように真由美が私たちの前に躍り出て、渡辺摩利の方を向く。
「もう、いいじゃない?摩利。達也くんも本当にただの見学だったのよね〜?」
「はい、仰る通りです。七草会長。」
そう深雪の兄に向けていた目を私たち全員に向ける。
「生徒同士で教え合うことが禁止されているわけではありませんが、魔法の行使には、細かな制限があります。魔法を伴う自習活動は控えたほうがいいでしょうね」
「会長もこう仰せられている事だし、今回は不問とします。以後このような事のないように」
その言葉に同意するかのように全員頭を下げる。それを見届けた渡辺摩利は悠然とした雰囲気を醸し出しながらその場を去っていく。
「君の名前は?」
「1-Eの司波達也です。」
「……………覚えておこう」
そう言って去っていった。
どうでした?
切るタイミングが分からずこのようなところで切る事にしました。司波兄妹は出ましたが、レオとエリカと美月のフルネームが出せませんでした。
次回出そうと思います。
次回もお楽しみに。