今回からほのか、雫登場です。
その他原作キャラも出していけたらとおもいますね。
入学編 その1
魔法科高校入学式当日。
私は少し家を早めに出たおかげで余裕を持って学校に着いた。しかし、周りを見るとそれほど生徒は集まっていなかった。私はカバンの中から懐中時計を取り出して確認すると、
「早すぎたかな」
まだ式が始まるまであと30分もあった。
「どうしよう。電子書籍なんかも持ってきてないし」
と、頭で考えた末、
「する事もないし、少し学校探検でもしようかな」
そういう風に決め、少し学校を歩くことにした。
懐中時計をそのまま上の制服の裏ポケットに入れて歩き出す。
その数分後、
「………ここどこだろ?」
私は迷子になっていた。
「あれ?ちゃんと地図見ながら歩いたはずなのにおかしいな」
そんな風につぶやきながら歩いていると、
「ちょっとそこのあなた」
そう声をかけられたので、振り返ると一人の小柄な女性が立っていた。
「はい?」
「新入生の方ですね?」
そう聞かれたので頷きながら、
「ええ、そうですけど?」
「そろそろ講堂の方に行かないと間に合いませんよ?」
「そうなんですか?わざわざありがとうございます。ええっと?」
「ああ、自己紹介がまだでしたね。私はここの生徒会長をしています。七草真由美です。「ななくさ」と書いて「さえぐさ」と読みます。よろしくね」
「私は逆桐日向です」
私が名前を答えると少し驚いたような表情をした。
「そう、あなたが……。」
「私の事をご存知で?」
「ええ。先生方の間で少し話題になっていましたから。入試の7教科のテストの平均が100点満点中85点というまぁこの学校では普通。普通の教科はオール満点。魔法理論が100点満点にもかかわらず、魔法工学が0点。しかもその魔法工学は間違えて0点ではなく一切答えずに0点だったからおかしいな、こいつ。見たいな話になってたわ」
「あ、そうですか。」
私は先輩の話を聞いてそりゃそうだ、と思った。
あのたった2週間で全く知識のない状況から1教科でも100点満点なんだから褒めて欲しいくらいだ。
「あ、引き止めてごめんなさいね。」
「あ、いえ。わざわざ知らせてくれてありがとうございました。では」
私はお辞儀をして、その場を離れた。
……あ、そういえばここどの辺なのか聞けばよかった。
そうして、少し急ぎ足で歩いて入学式にはギリギリ間に合った。
講堂に入ると、そりゃ分かりやすいぐらい「一科生」と「二科生」に分かれていた。私は元一般人なので正直な話、どこに座っても良かったが、なんか周りの視線が痛くなりそうなのでとりあえず前の方に座っておく。ポケットから懐中時計を取り出して、カバンの中にしまう。そうして、前をぼーっと見ていると、
「あの…」
横からか声がかけられた。
「はい?」
「初めまして、私、光井ほのかって言います。よろしくお願いします」
「北山雫。よろしくね」
「よろしく。私は逆桐日向です。」
挨拶されたのでとりあえず返しておく。
「逆桐さんは「日向でいいよ」、日向さんは入試の時に魔法理論が満点なのに魔法工学が0点って本当?」
「うん、そうだよ。兄のせいで2週間しか勉強する時がなかったからね。片方を完璧にするので精一杯だったよ」
「でも、元々学校で習ってたんなら普通は工学の方も点数は取れたんじゃ?」
「私は元々、普通の学校を受験する予定だったの。魔法が使えるなんて私自身知らなかったから。突然試験2週間に「お前は魔法適正がある」なんて言われてもどうにもならなかったよ」
「え?魔法使い出したのそんなに最近なの?一科生になれるくらいだから魔法力も高かったんじゃない?」
「いや、私はこの目のことすら知らなかったからね。何がどうなったら魔法力が高いのかも分からない。両親はもう死んじゃったから両親が何してたかも知らないしね。ほら、なんか魔法力は遺伝する、みたいなこと聞いたから」
「……ごめんね。なんか言いにくいこと聞いちゃったかな」
「いや、いいよ。さっきも言ったけど両親の顔も知らないからね。っと。もうそろそろ式が始まるかな」
そんな話をしながら待って、入学式が始まった。
新入生総代の子が可愛いというか綺麗って感じの女の子だった。顔を動かさずに周りを見るとみんながみんな感嘆なり見惚れてたりしている。
私は眼鏡をずらして裸眼で見つめる。
司波さんのオーラは他の魔法師の人とは比べものにならないくらい迸っていた。あと少し何か言葉に別の意味を感じる。二科生に気になる人でもいるのだろうか。視線が時々上に行っていて、何やら感動しているように見える。
私の目は何かが違う。
そう、今でも思う。
普通の霊子放射光過敏症の人がどのように見えるかは分からないけど、オーラはともかく人の鼓動や感情の動きが見えるのは明らかにおかしい。
同じ目の症状の人がいたら聞いてみよう。
そんなことを考えていたらいつの間にか式が終わっていた。
「ねぇ、日向もホームルーム覗きに行かない?」
そうほのかに提案された。
他にやることをないし、いっか。
「いいよ。行こう」
私がそう答えるとほのかの顔がぱっと晴れた。
その顔を見て雫の顔が少し緩む。
「そういえば」
と私が思ったことを口にする。
「何?」
「ほのかと雫ってもしかして幼馴染だったり?」
「うん、そうだよ。小学校からの友達」
「へぇ、いいね。私は元一般人だから他の友達はみんな違う学校に行ったよ」
「だ、大丈夫ですよ!私たちはもう友達です!」
そうほのかが大きな声で言ってくれた。
私も、知り合いが増えた安堵感から少し顔が緩んだ。
「ありがとう。ほのか、雫」
私がお礼を言うと二人ともニコッと笑って、ホームルームを見学しに動いた。
「そういえば、日向」
ホームルームを見学しに行って帰り際、雫から声をかけられる。
「どうしたの?雫」
「日向は何組?」
「私はA組だよ?ほのかと雫は?」
「私たちもA組だよ。」
「良かった。知り合いがクラスにいて」
「あと、新入生総代の司波深雪さんも同じクラス。」
「へぇ、そうなんだ。凄い魔法師なんだよね。あの子」
「そりゃそうだよ。新入生の総代。すなわち入試一位だから」
「やるね。多分明日になってクラスに行ったら囲まれてるよ。そんなに凄いならね」
「おまけに美人だし」
「日向も負けてないと思うよ?」
「いやいや、私はそこまで可愛くないよ。白髪に目は金色だし。他の人からしたら外国人かそこらに見られるよ」
「そういえば、式の前から気になってたんだけど、日向って霊子放射光過敏症なんだよね?」
「そうだよ。なんか色々な事が見えるしね。人の鼓動や感情の動きとかも見える」
「それは凄いね。他の人もそうなのかな?」
「流石に人の鼓動や感情の動きは見えないんじゃない?調べてみてもそんな記述ないから」
「なら日向の目はなんなんだろ?」
「さあ?ま、そこまで気にしなくても大丈夫でしょ。あ、私はこっちだから」
「うん、またね。日向」
「バイバイ」
「うん、バイバイ」
私はほのかと雫に手を振って別れた。
そして、カバンから懐中時計を取り出して時間を確認する。
「もう、こんな時間か。夕飯なににしよ?」
そう言って買い物してから帰ろうと家とは違う方向に歩き出した。
どうでした?
アニメしか見てないこともあって優等生の方のストーリーが分かりません。
じゃあなんで一科生でやっているのか、と聞かれれば、
一方通行を見るととても賢いので、ならとりあえず上の方で書こうと思った次第です。
次回、やっと司波兄妹登場?の予定です。
あと、モブ崎たちも。