魔法科高校に一般人?が入るようです。   作:そろばん

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どうもです。
今回はちょっと優等生の方に行きます。

とは言っても漫画も持っていないので他の作品を見させて貰ったり、BOOK OFFとか古本屋とかで読んで少しずつ書きました。
まあでも、半分以上、オリジナルって感じですけど。

まぁ、とりあえずどうぞ。


入学編 その10

部活動勧誘週間ももうすぐ終わりになる。

あと、1日2日やればいいだけだから。

 

さて、そんな事も考えつつ見回りをしている私。

今は生徒にhandsonicを使う訳にも行かないので警棒を持ち歩いている。

そうすれば武装一体型CADと間違えてくれるからである。

校門近くを巡回している時に見知った顔をみた。

何故か外を気にして。

私は不思議に思ったので聞いてみる。

 

「どうしたの?深雪」

 

「日向。いえ、雫たちが何故か外に出て行ってしまったから。……っ!」

 

深雪の説明を聞いている時に近くで甲高いバイクか何かの音が聞こてた。深雪の反応を見る限り、雫たちが行った方向みたいだ。

 

「深雪!」

 

「ええ!」

 

私たちは言葉少なく了解して走り出す。

その途中に私は魔法を使う。

 

「ガードスキル Angelwing」

 

そう首元のCADに呟くと、私の背に大きな天使のような翼が生えた。

ベクトル操作で思いっきり跳躍して校門の壁を越え、雫達のいる場所に滑空し、雫達を囲んでいた男達をも越えて着地する。

雫達は何かの魔法を受けたのか少し気分が悪そうだった。

男が雫達にナイフを向けていたので翼を一回羽ばたく。

 

その音で私に気づいたようで驚いた表情で私を見ている。

そしてわざわざ何故か指輪をこちらに向けてきた。

私は威圧するように思いっきり翼を広げる。

 

「な、何故キャスト・ジャミングが効かない!?」

 

そんなことを言っているが何のことか分からないので無視

する。丁度深雪も来てはさみ打ちの形になった。

あと、深雪の魔法か何かの影響で凄く寒い。

 

「当校の生徒から離れなさい」

 

鋭いナイフのような冷たさを感じる声で言う深雪。

私も雫達を危険な目に合わせたこの男達を思いっきり睨む。

すると、男が持っていたナイフの刃が消えた。

一人だけでなく全員の刃も。

 

「もう一度言います。当校の生徒から離れなさい」

 

冷たい眼差しを男達に向ける深雪。

男達は二人のうち、翼が生えていない少女がナイフを壊したのだと気づき、それに驚愕した。

 

「バ、バカなこのアンティナイトは高純度の特注品なんだぞ。その影響下で魔法が使えるはずが…」

 

目の前の状況を飲み込めず、男は声を震わせる。

 

「おい、もっと出力を上げろ!」

 

「無駄です。非魔法師のキャスト・ジャミングなど通用しません」

 

深雪は男達に向けて冷たく蔑むように言った。

 

「ハッタリだ。キャスト・ジャミングの影響下で魔法が使える筈が無い!」

 

そんなことを言う男に私は溜息をついた。

 

「あのねぇ、既に私が魔法を使ってるって気付いてる?」

 

呆れるように言う私は、深雪に視線を向けた。

 

「深雪、雫達の介抱は任せたよ。こっちは私が処理する」

 

そう言葉を交わし、深雪が頷く。

右手を横に伸ばして、

 

「ガードスキル handsonic」

 

そう呟いた。

手首から剣が作り出される。

Angelwingを解除して、走り出す。

 

「くそぉ!」

 

そう言って男が拳を振るってくる。

私はそれを避け、肩の筋を切る。

そして、素早くアキレス腱も切って蹴り飛ばす。

バックステップで後ろに下がって、handsonicをもう一つ使い、両手を上にクロスになるように掲げる。

 

「ガードスキル howling」

 

首元のCADに呟くとhandsonicが共鳴する。

すると、耳を劈くような音が出て男達に地面を抉りながら迫っていき、

 

「「ぐぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

男達に直撃した。

そして、数秒ほどで全員が地に伏っした。

私はそれを確認すると、両手のhandsonicを止めた。

 

「ふぅ。これで終わりっと。深雪!雫達は?」

 

「向こうにいるわ」

 

「そう。で、これを秘密裏に処理出来ない?多分、やり過ぎたよ」

 

「大丈夫よ、このくらい。一応相手もナイフを向けてきたのだから、正当防衛と言えばいいのよ。処理は私の知り合いに頼んでおくわ」

 

「よろしくね」

 

そう言って携帯を取り出して何処かへ電話している深雪の横を通って、雫達のいる場所に行く。

 

「雫、ほのか。それと……、ごめんなさい、名前分からないけど大丈夫?何処も怪我をしてない?」

 

「だ、大丈夫大丈夫。少しアンティナイトのせいで酔っちゃっただけだよ。あ、私は明智・ゴールデン・英美。エイミィって呼んでね」

 

「よろしくね、エイミィ。それで雫もほのかも大丈っ夫!?」

 

エイミィの自己紹介を受けてからもう一度聞き直すと、雫もほのかも抱きついてきた。

 

「ど、どうし「怖かった」……」

 

そう言って、少し泣きそうになりながら声を紡ぐ。

 

「あの時、深雪と日向が来なかったら、私たち、殺されて……」

 

「……何も、出来なかった……」

 

雫達は、あの時に何も出来なかったことを後悔または、反省しているようだった。人に殺されそうになったのだから後悔も反省もしなくてもいいと思うんだけどね。

それでも、私は落ち着かせる為に二人をぎゅっと抱きしめた。

 

「大丈夫だよ。今回はちょっと踏み込み過ぎちゃっただけ。今回の失敗は次に活かせばいいんだよ。ま、犯罪にはあまり関わらないほうがいいけどね」

 

「「………」」

 

……少し茶化したんだけど無反応。

これはこれで少し悲しい。

 

「今回は動けなかった。それは事実。でも抵抗しようとした。これも事実。でも、私と深雪が来なければ死んでいた。これは事実ではないよ。可能性だった」

 

「「………」」

 

「今は生きている。これだけが唯一の事実だよ。前のことを気にしてもいい。自分の不甲斐なさを嘆いてもいい。でも、それだけでは何も変わらない」

 

「「……」」

 

「何も出来なかった、なら、次、もし同じような目にあった場合にどう動くか。どう対処するかを考える。それが大切なんだよ。それに、

 

過去は未来を変える為にあるものだ。

 

どんな結果であったって過去は変えられない。もう起きてしまったことだから。でも未来は違う。過去を踏まえてこれからどうするか、どうしなければいけないのか。これを考えることも大切だよ」

「「…………」」

 

「さて、長々と話してしまったけど、言いたいことは一つ。

 

これからが大事。

 

これだけ。

どれだけ過去を恨んでも、どれだけ過去を後悔しても変わらない。なら、この過去から踏み出して未来へ進む。明日はまたやってくるんだからね。とりあえず今回は、無事で良かったよ。雫、ほのか」

 

そう言って笑いかける。

二人がこれからを踏み出していけるように。

それと、恐怖を忘れるくらいまでたくさん泣けるように。

それから数分は二人が泣き止むことはなかった。

 

 

 

 

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二人が泣き止んでから、私たちは家路についていた。

二人とも泣きすぎて目が真っ赤になっている。

 

「ぐすっ、言い、忘れてた、けど、ぐすっ、助けてくれてありがとう、日向、深雪」

 

「どういたしまして」

 

「無事で何よりだけれど、あまり無茶は禁物よ」

 

「うぅ、反省してます……」

 

「うん……」

 

「エイミィも、危険なことにあまり関わらないほうがいいわよ」

 

「そうだね。あんなことにもう会いたくないし。それにしても、かっこいいね。日向ちゃん」

 

「何がかっこ良かったのかしら?」

 

「だって、あれだけ優しく説教出来てるし。更に、二人の気持ちを考えつつ、それでいて次に進めるように言ってさ。『過去は未来を変える為にあるものだ』、だっけ?もう名台詞だよね〜」

 

「……いやぁ、今思えば、なかなか恥ずかしいこと言ってるね、私」

 

エイミィに私が言っていたことを復唱されて、少し恥ずかしくなった。

……そんなこと言ってたなぁ。

 

「うん。日向、かっこ良かったよ」

 

「そうそう」

 

「……あまり照れるからやめてよ」

 

多分顔が真っ赤になっていると思う。

顔が熱くてしょうがない。

 

「ねえ、日向」

 

恥ずかしさに顔を俯けていると雫が声をかけてきた。

 

「……何?」

 

「戦い方を教えてくれない?」

 

「戦い方を?」

 

「うん。今回の私たちは手も足も出なかった」

 

「相手は、アンティナイト?ってのを使ってたんでしょ?魔法師が受けたら船酔いみたいになるって言うの」

 

「そうだよ。だから、アンティナイトを受けてもその場から離れるくらいのことは出来るようになりたい」

 

「う〜ん、でも、私、素人だよ?そもそも、教えられることなんて何も……」

 

「え?日向って何処か道場とかは行ってはいなかったの?」

 

「そうだよ?深雪。まぁ、普通科の中学校で、多少、剣道とかは習ったけど、あの動き方は我流だよ?」

 

「そう、だったのね」

 

「日向、それでもお願い」

 

「……分かった。私に出来ることならやるけど、一応、達也にも相談してみよっか」

 

「達也さん?」

 

「何故お兄様に?」

 

「剣道場の時の争いを止めていた時だけだけどあの身のこなしは普通じゃないね」

 

「でも、その時一緒に戦ってたんでしょ?」

 

「多分、体術だけなら達也には勝てないと思うよ。何せこっちは我流で、向こうは武術の心得があるんだから」

 

「でも、あまり達也さんには迷惑かけたくない。今回も、達也さんを襲ってた人を追ってたから」

 

「……分かったよ。出来ることはやるけど、私のは絶対じゃないからね。こうしたほうがいいかも、とかしか教えられないよ。私だって初心者だから」

 

「分かった」

 

「それじゃ、私こっちだから。じゃあね。みんな、気をつけて」

 

「「「「うん(ええ)(まったね〜)」」」」

 

そう言ってみんなとは別れて家に帰った。

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
オリジナル要素が多かったでしょう?
それに、ちょっとだけ雫とかが強くなることになりました。主人公も言いましたが武術の心得はありません。

次回もお楽しみに。

see you next time!

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