どうも、ふぁもにかです。今回は8割方、理子視点のお話です。理子の心情吐露回かつ第三章ヒロインとしての本領発揮回なので純度100%のシリアス……だと思います、うん。
まぁそれは置いといて。誰かメイドブラドのイラスト描いてくれな――いや、ウソですよ!? 冗談ですよ!? だから誰もくれぐれも描かないでくださいね!? そんなもの描かれたら色々と取り返しのつかない事態になりそうですし!
「えーと、この辺なら大丈夫そうだな」
機転を利かしてオオカミ二匹を追い払ったキンジは横浜ランドマークタワー屋上を後にしていた。階段を使って数階下へと降りたキンジは近くの物陰を見つけるとそこにお姫さま抱っこ状態の理子をゆっくりと下ろす。
「う、く……」
「悪い、理子。ちょっとここで待っててくれ。ブラド倒したらすぐに病院に連れていくから」
「遠、山、くん……」
「安心しろ、理子。あんな奴、俺たちの敵じゃねぇからさ」
急いでアリアと合流しようとするキンジの袖を理子の手が弱々しく掴む。まだ痺れの残る体で何かを口にしようとする。誰一人いない、薄暗い場所に取り残されることに不安を感じているのだろうと理子の心情を予測したキンジは、理子を安心させるように優しく言葉をかける。しかし。理子の紡いだ言葉はキンジの想定したものとは全く違っていた。
「……逃げ、て」
「は?」
「……ブラドは、とっても、強いんだ。強すぎる、んだ。勝てるわけ、ない。……ありがと、ね。遠山、くん。ボク、なんかの、ために、ドロボー、手伝って、くれて。でも。ボクの、ことは、もう……いいから」
「……おい。何を、言っているんだ、理子?」
「ボクは、所詮、出来損ない、だから。生きる価値、なんて、ないから。だから、二人、だけでも、逃げて。ボクが、ブラド、の……所に、行けば、きっと……ブラドは、二人を、見逃して、くれる、から。……多分」
「……」
理子の発言の意味を上手く飲み込めないキンジをよそに、理子は途切れ途切れの言葉を口にする。自分を見捨ててアリアと一緒にブラドから逃げるようキンジに提言する。
「君たち、には、幸せに、生きていて、ほしい。……だから、お願い。逃げて。ボクの、ことは……忘れて、いいから。だから――」
理子は上手く動かせない両手でキンジの手を優しく包みこむと、ニヘラと笑う。明らかに無理をした笑顔でキンジにお願いをする。その表情は、何もかもを諦めきっていた時のユッキーの笑みとよく似ていた。
その笑顔を見た瞬間。キンジの中で、何かが音を立ててキレる音がした。
◇◇◇
――時は少しさかのぼる。
キンジの腕の中に抱かれながら、理子は思う。ブラドが約束を反故にして自分を連れ帰りに来た以上、今日をもって外の世界で過ごす生活は最後なのだと。明日からはまた狭くて暗い牢獄の中に逆戻りなのだと。
理子は改めて振り返ってみる。小夜鳴に何度も蹴られた痛みに意識が遠のきそうになる中、理子は中々考えが纏まらない思考回路を使って今までの生活を見つめ直す。それからふと、理子はあることを仮定してみる。理由なんてない。ただ考えてみたくなったのだ。
――もしも武偵高の皆に、2年A組の皆に、ボクがあのアルセーヌ・リュパンの四世だって言ったらどう反応するんだろうか。
パパとママがまだ生きていた頃にボクの周りにいた人たちみたいに、腫物に触るように接してくるようになるのかな? リュパン四世としてしか見てくれないようになるのかな?
「……」
スッと目を瞑り、2年A組クラスメイトを筆頭とした武偵高の生徒たちの顔を思い浮かべた理子はフルフルと力なく首を振る。
……ううん、それはないよね。だってあのメンバーだもん。血統をやたら重視していたあの人たちとは違って、皆今までと何も変わらずにボクに話してくれる気がする。むしろ、かえってボクがリュパンの血を受け継いでいるって信じてくれないかもしれない。
逆に教師の人たちはボクがリュパンの血族だからってことで、ボクが何か窃盗行為に走らないか警戒してくるかもしれない。何たって、ひいお爺ちゃんは卓逸した窃盗行為で世界に名を轟かせた世紀の大怪盗だもんね。
でも。それでも。ボクのことを才能を受け継がなかった出来損ないの四世だと、五世を生むための道具にしかなれない無能だという目で見たりはしないだろう。それに。ボクは今は退学処分になったとはいえイ・ウーに所属していたんだから、教師の人に警戒されるのなんて今更だ。陰からジッと睨みつけられたり尾行されたりするのは怖いけど、それはそこまで問題じゃない。
だって。皆がボクにどんな感情を抱くのかはわからないけれど、少なくともボクを一人の人間として、峰理子リュパン四世として扱ってくれることは確実だから。誰一人ボクのことをただのDNAとして、持ちのいい実験体として見ることなんてしないってことだけはわかるから。
……そうだ、そうだよ。ボクをリュパン四世としてじゃなくて、ボク個人として見てくれる人たちに囲まれて、一緒に授業受けて、休み時間に色々話して、笑って、怒って、泣いて、弄られて。
――あぁ。ボクって幸せだったんだね。ボクはブラドの檻から出た時点でとっくに自由で、人間になっていたんだね。
それなのに。ボクは無駄に怯えて、震えて、折角の人生の楽しみを自分から敬遠していた。他人が何を考えているのかわからなくて、それが無性に怖くて、いつも人の顔色ばかりうかがっていた。人の考えなんてわからないのが当たり前なのに。
ボクはいつもそうだ。いつもいつも怖がってばかりで、そのせいで絶好の機会を取り逃がす。そして。今回もタイムリミットは来てしまった。ブラドがボクを捕まえに来てしまった。もうボクは武偵高にいられない。帰らないといけない。あの、狭くて、暗くて、汚い牢屋に。
……嫌だな。帰りたくない。もっと、もっと外にいたい。武偵高にいたい。まだやってないこと、たくさんあるんだ。これからしようと思って、でもその先の一歩を踏み出せなかったこともいっぱいある。ここで終わりたくない。戻りたくない。ボクは、もう――ただのリュパン四世に戻りたくない。
でも。ダメだ。この思いを口にしたらダメだ。こんなこと、少しでも言葉に出したら遠山くんは絶対ブラドと戦おうとする。遠山くんは優しいから、何が何でもブラド相手に勝とうとする。けど、それはダメだ。ブラドは強い。強すぎる。倒すなんて、それこそ
だからこそ。二人をブラドと戦わせるわけにはいかない。負けたらブラドが二人に何をするかわかったものじゃない。だから、ボクは二人を逃がさないといけない。一時は二人を殺そうとしたボクに手を差し伸べてくれた二人を。いくら打算があったとはいえ、最初から
……あぁ、なんで今更気づいちゃったんだろう? これまでの生活が充実していたってことに気づいてしまったんだろう? 最後まで気づかなければ、ボクはきっと檻に帰ることをここまで躊躇なんてしなかっただろうに。
「ボクは、所詮、出来損ない、だから。生きる価値、なんて、ないから。だから、二人、だけでも、逃げて。ボクが、ブラド、の……所に、行けば、きっと……ブラドは、二人を、見逃して、くれる、から。……多分」
「……」
痺れが残ったままにしては、ボクの口はよく動く。それは今のボクにとっては好都合だった。
……ちゃんとボクは笑顔で言えているだろうか。遠山くんを安心させるような顔で言えているだろうか。肝心の遠山くんが無言のままだからよくわからない。ここはただ、上手くいっていることを願うしかない。
「君たち、には、幸せに、生きていて、ほしい。……だから、お願い。逃げて。ボクの、ことは……忘れて、いいから。だから――」
二人には生きてほしい。幸せになってほしい。不幸になるのはボク一人だけでいいから。それが今のボクにできる二人への精一杯の恩返しで、贖罪だから。遠山くんの手を両手で包み込んで、ボクは言葉を続けようとする。だけど――
「――うるせえよ」
ボクの言葉は遠山くんのたった一言ですげなく突っぱねられた。見上げると、遠山くんが鋭い眼差しをボクに向けてきた。これは明らかにマジギレした人の目だ。
「と、とと遠山、くん……?」
「……気に入らねぇんだよ、その顔。何もかも諦めきったユッキーの顔とそっくりだ。なんでだよ? なんでそう簡単に人生を諦められる!? 自分の幸せを諦められる!? たった一度の人生だぞ!? ブラドの所に帰ったらロクなことにならないって知らないわけじゃないんだろ!? だったらもっと足掻けよ! 抵抗しろよ! なに自分から犠牲になろうとしてんだよ、ふざけんじゃねぇぞ!」
「ひぅ!? ご、ごめんなさい……」
どうして遠山くんが怒っているのか。その理由を尋ねようとしたボクに遠山くんが声を荒らげる。遠山くんの言い分は尤もだ。ボクだって諦めたくて人生を諦めているわけじゃない。本当ならもっと抵抗するべきなんだろう。例えその姿が他人から無様に見えたとしても。
……でも。無駄に足掻いた所で結果なんてわかりきっている。ブラドの圧倒的な強さにはどうしようもない。だから、これは仕方ないことなんだ。ボクは遠山くんとオリュメスさんから受けた恩を仇で返そうとした。飼い主の手を噛むような
「……なぁ、理子。正直に答えろ。お前は、どうしたいんだ?」
「へ?」
「恥も外聞も、見栄も建前もプライドも意地も全部捨てろ。捨てた上で望みだけを答えろ。お前は何がしたい? 俺たちに何をしてもらいたい?」
「……」
一度ボクに怒りをぶつけたことで冷静さを取り戻したらしい遠山くんがボクの手をギュッと掴み直して問いかけてくる。
ボクが何をしたいか。遠山くんたちに何をしてほしいか。
……決まってる。やり直したい。武偵高での生活を。イ・ウーを退学となった以上、ボクの居場所はあそこしかない。それに、やっと自分の幸せに気づけたんだ。気づけたのなら、きっとこれから武偵高で過ごす日々は絶対今まで以上に楽しくなる。
でも、ダメだ。ここで本音を言ってしまったら本当に手遅れになる。遠山くんとオリュメスさんをブラドから退かせることができなくなってしまう。今ならまだ何とかなるはずだ。まだ遠山くんにブラドとの戦いを回避してもらうことはできるはずだ。
「ボ――」
だから、言ってはいけない。この思いを口にしてはいけない。つい本音が零れてしまいそうになるけど、ボクはありったけの理性を総動員して本音を心の奥深くに閉じ込める。
「ボ、クは――」
ごまかすんだ。遠山くんを騙すんだ。犠牲者は一人でいい。檻に囚われるのは一人でいい。遠山くんやオリュメスさんまで巻き込むわけにはいかない。笑え、ウソをつけ、峰理子リュパン四世。それぐらい簡単なはずだ。仮にも傑人の子孫ならそれぐらいやってのけろ。
そこまで考えた所で、遠山くんのまっすぐな瞳がボクを射抜いていることに気づいた。まるでボクの内心を見透かしたかのような遠山くんの目に、ボクの気持ちは容易にぐらついてしまう。
「ぁ……」
……あ。ダメだ。言っちゃダメなのに。体が言うことを聞いてくれない。遠山くんの眼差しは優しくて。遠山くんの手は温かくて。
失いたくない。この温かさに浸っていたい。あの冷たい檻には戻りたくない。戻ったら二度と、この温かさを経験できなくなる。
それは、嫌だ。凄く嫌だし、怖い。
嫌だ、嫌だ嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だッ!
ボクは! ボクは――!!
「帰りたくない! あんな檻の中なんて、もう嫌だ! 助けて! 助けてよ! 遠山くん……!」
膨大な感情に飲み込まれ、気づけばボクは遠山くんに助けを求めていた。一度口にした本音は止める間もなくドンドンあふれていく。涙も堰を切ったようにあふれていく。止めようにも止まらない。ここまで言ってしまえば、さすがに撤回はできないだろう。
「よし。よく言った、理子。お前の口から直接本音が聞けて良かった。そんじゃ今から軽くブラドの奴をぶっ倒して全部終わらせてくるから、だからここで少し待ってろよ」
「……」
「そんな死地に向かう人を見るような目するなって。俺もアリアも死ぬつもりはない。ブラドを倒す秘策もあるし、イ・ウーナンバー2の化け物なんて軽く一捻りだ。それに、ジャンヌ曰く、俺には主人公補正があるらしいからな。
ボクの本音を聞いた遠山くんは待ってましたと言わんばかりにニィと笑みを浮かべる。そして。ボクの頭をよしよしと撫でた状態で力強い言葉をくれる。
普通に考えれば、遠山くんとオリュメスさんの二人がブラドに勝てるわけがない。それなのに。今の遠山くんを見ていると、遠山くんの言葉を聞いていると、どうしてもそうは思えなくなってきた。ブラドが負ける姿は想像できないというのに、遠山くんたちが負ける姿も想像できない。
遠山くんとオリュメスさんなら勝てるかもしれない。ブラドを倒せるかもしれない。ボクは、それを信じてもいいのだろうか? そんな都合のいい未来を信じてもいいのだろうか。
「で、でも――」
「大丈夫だ。俺たちを信じろ。理子を倒した、俺たちを信じろ。俺たちの強さはお前がよく知ってるだろ?」
ホント、遠山くんの言葉は不思議だ。一言一言がボクの心に沁み込んでくる。さっきまでブラドを倒せるわけがないと思っていたのに、今では遠山くんとオリュメスさんの勝利を信じられるようになっている。
「……う、ん」
わかった。ボク、信じるよ。二人の勝利を信じる。だから。二人とも、死なないでね。せっかくブラドに勝っても、二人がいなくなっちゃったら意味ないんだからね。
「じゃあ、行ってくる」
遠山くんはポンポンとボクの頭を優しく叩いてから屋上に戻ろうとしたものの、何かに気づいたのか「あ、そうだ」と立ち止まる。そして。ボクの方へとUターンすると、ポケットから何かを取り出して「ほら」とボクの手に無理やり握らせた。
「え、これ……!?」
遠山くんから渡された者を確認しようと手を開いたボクは思わず自分の目を疑った。だって。ボクの手の中にあったのは、あの時屋上から落とされたはずのボクの
「さっき理子に渡した奴だけど、あれ実はここに来る前に武藤に頼んで急ピッチで作らせた偽物なんだよ。だから、今理子が持ってるのが正真正銘の本物だ」
「どう、して……」
「理子が俺たちとの約束を反故にする可能性があったからな。実際に約束を反故にした理子が自分の持ってる
遠山くんは未だ現実味の湧かないボクを放ったまま、ボクの元から去っていく。ダッシュでブラドの元へと向かっていく。
「――ありがとう、遠山くん」
ボクはあっという間に小さくなっていく遠山くんの背中に涙声で感謝の言葉を投げかける。すると、遠山くんはボクに後ろ手をひらひらと振ることで返してくれた。
「本当に、ありがとう」
ボクは手元にある
◇◇◇
(ブラド、お前はタダじゃ倒さねぇ)
屋上へと向かうキンジはブラドへの怒りをその身に募らせつつ全力で走る。怒りに煮えたぎる目とともに階段を駆け上がっていく。
理子とはこれまで色々あった。ただのビクビクオドオドしている小動物みたいな女の子かと思えば実は犯罪組織たるイ・ウーの一員で、しかもあのアルセーヌ・リュパンのひ孫。さらには武偵殺しで、俺やアリアを殺そうとしてきたこともあった。兄さんに関することを無神経に口にしてきたせいでキレかけたこともあった。
――だけど、俺にとって峰理子リュパン四世はやっぱり友達だ。その友達が心身ともに深く傷ついている。その元凶はブラド。なら、やることは一つだ。
(完膚なきまでにぶっ潰す!)
キンジは憎しみに満ちた形相で屋上へと急ぐ。この時、ブラドへの深い憎しみを抱えるジャンヌの気持ちがよく理解できたキンジであった。
キンジ→久々に主人公っぽさを全力で発揮したっぽい熱血キャラ。ちなみに、武藤は偽物の十字架を10分で製作してたりする。さすがは万能男。
理子→自らブラドの犠牲になる形でキンジ&アリアを助けようとしたビビり少女。今回はきちんとヒロインをやっている。
というわけで、78話終了です。これは堕ちたな、りこりん。……とか言ってみましたけど、別にこれでりこりんが堕ちたわけじゃないですよ。ここのりこりんって雰囲気的に恋愛事に疎い気がしますしね。いくらキンジくんがカッコいい所を見せても恋慕じゃなくて憧れを抱いちゃう感じですしね。
~おまけ(その1 何にでも例外はあるものです)~
理子(だって。皆がボクにどんな感情を抱くのかはわからないけれど、少なくともボクを一人の人間として、峰理子リュパン四世として扱ってくれることは確実だから。誰一人ボクのことをただのDNAとして、持ちのいい実験体として見ることなんてしないってことだけはわかるから)
中空知「ん?」 ←例外
~おまけ(その2 一方その頃:アリアVS.ブラド 一部抜粋)~
ズガン! ズガン、ズガン!
アリア「……本当に再生するみたいですね」
ブラド『ふふふ、私に鉛玉なんて通じないわよ』
アリア「――なら!(←白黒ガバメントをしまいつつ、ブラドに急接近)」
刹那。アリアは思わず固まった。意図せず石像のごとく硬直した。その視線はある一点に集中している。
アリア(お、女物のパンツを穿いている、だと……!?)
アリアのSAN値がガリガリ削られた瞬間であった。