【完結】熱血キンジと冷静アリア   作:ふぁもにか

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パトラ「あらまぁ。画面の向こうの皆様方、ごきげんよう」

 というわけで。どうも、ふぁもにかです。今回はサブタイトルからお察しの通り、パトラさんが己の脅威を存分に発揮する回です。原作4巻においては、凄まじく強力で使い勝手の良さそうな素晴らしい超能力を持っているのに、無能力者の分際で何かもうテラ強い金一お兄様のせいでかませ犬と化した可哀想なキャラですからね。てことで、頑張れパトラ。それゆけパトラ。



104.熱血キンジと魔女の手のひら

 

 カジノ「ピラミディオン台場」から少々離れた路上にて。

 

「ごきげんよう、遠山キンジさん」

 

 砂鉄でその体を構築したジャッカル男の肩にちょこんと腰を下ろした女性、パトラ・Cがフッと聖母のごとき微笑みを浮かべてキンジを見下ろす。先ほどアリアを押しつぶしたオオカミとアリアを脇に抱えたジャッカル男に頭を下げさせる眼前の女性を前にして、キンジは警戒の念を最大限にまで強めていた。

 

 当然だ。目の前の光景から、砂人形たるジャッカル男を操っている人物が、ブラドの下僕だったはずのオオカミを従わせている人物がパトラ・Cなのは明白で。それはつまり、カジノを襲撃し、今現在アリアをかっ攫おうとしている首謀者がパトラ・Cであることと同義だからだ。

 

 

「先ほどもお目にしましたけれど……実に凛々しく可愛らしいお姿ですわね。全く、貴方たち兄弟はどうしてこうも女装が似合うのかしら?」

「え? 兄さんを、知っているのか?」

「もちろん。だって(わたくし)もイ・ウーの一員ですもの。今は残念ながら『元』という文字がついてしまいますが」

「ッ!?」

(ここでイ・ウー側の人間が出てくるか。元って言ってたけど、こいつも理子みたいに退学させられたのか? って、そんなことはどうでもいい。この状況はちょっとマズすぎやしないか?)

 

 パトラ・Cがさらっと口にした発言にキンジは驚愕に目を見開く。同時に、目の前の女性が元とはいえイ・ウーの構成員であり、そのイ・ウー側の人間にアリアを奪われているという現状にキンジの心は自然と危機感を募らせていく。

 

 

「その様子ですと、カナさんは私のことを貴方に話していないようですわね。なら、ここで改めて自己紹介といきましょう。私はクレオパトラ7世。遥か太古の王国から現世への転生を果たした覇王(ファラオ)ですわ。あくまでクレオパトラの子孫などではなく、クレオパトラの魂をそのまま引き継いだ正真正銘の本物ですので、あしからず」

(え、は? クレオパトラ7世ってあの!? 己の美貌と知略を駆使して古代エジプト・プトレマイオス王朝をローマの侵略から守ろうとした、あの!? しかも転生って、武藤が勧めてくるネット小説でよくある神様転生って奴か!? いや、いやいやいやいや! さすがにいくら何でもそれはあり得な――いや、でもブラドなんて吸血鬼が普通に存在してるくらいだし、転生者がいたっておかしくはない、のか? ってことは、何だ。今俺は歴史上の超有名人と相対してるってことか!? そうなのか!? そういうことなのか!? お、おおおおおおおおおおおお! な、なんかいきなり過ぎて凄く緊張してきたぞ……!)

 

 「ちなみに、パトラ・Cは世を忍ぶ仮の名前、って奴ですわ」と口元に手を当てて流暢に言葉を付け加えるパトラ・C、もといパトラをよそに、パトラの自己紹介を真に受けたキンジは内心で興奮する。アリアのことなど忘れて、緊張の汗を額に浮かべる。実際の所、パトラは生まれ変わりでもなんでもなく、ただ自分はクレオパトラ7世の生まれ変わりだと信じ込んでいるだけの何かもうとにかく哀れな子なのだが、今のキンジが知る由はない。

 

 

「それにしても、貴方たちは二人そろってマヌケですわねぇ。まさか二人して私が砂に身を隠した私の可愛い下僕(オオカミさん)に対処できないなんて。ふふ、仮にも強襲科(アサルト)Sランクの武偵だというのに、情けない限りですわ」

「……何が目的だ? どうして俺たちを、カジノを襲った?」

「目的は2つありますわ。1つは――貴方。キンジさんの実力把握」

「俺の?」

「ええ。貴方はあのカナさんを無傷で瞬殺した、という話を人づてで聞かせてもらいましたわ。それだけに、『わたくしのかんがえたさいきょうのぷらん♡』を実行するにあたり、貴方がどれほどの実力を持つかを試させてもらいましたの。ですが、この程度なら全く問題ありませんわ。どう転がろうと、私の作戦の脅威にはなり得ません。……ふぅ。カナさんはこんなのにどうして敗れてしまったのか、非常に理解に苦しみますわ」

 

 己を侮られたことで内心の興奮が一瞬で冷めたキンジはアリア奪還のチャンスをうかがいつつパトラから少しでも多くの情報を抜き取ろうとする。対するパトラはピンと人差し指を立てながらキンジに目的を説明する。どうやらパトラはキンジの問いかけにしっかり応じてくれるようだ。

 

「おい、兄さんを愚弄するな!」

「あらまぁ、気迫だけは一人前ですこと。もしかして貴方、そっちの人でして? 私、そういうのは嫌いではありませんことよ、腐腐(ふふ)ッ」

「ん?」

 

 自分だけでなく己が敬愛してやまない兄までバカにされたことにキンジは声を荒らげるも、パトラの言葉の意味を理解できずに首を傾げる。パトラは理解できないならそれでいいと言わんばかりに「話が逸れてしまいましたわね、本題に戻りましょう」と話を続けていく。今度は中指を立てて歌うように言葉を紡いでいく。

 

 

「2つ目の目的は――私の可愛い下僕(オオカミさん)の実地訓練ですわ。この子はつい最近下僕に迎えた新入りですから、どこまで使えるかをちょっと確認したかった、そういうことですわ」

「クゥン……」

「あらまぁ、そんなに心配そうな眼差しをしなくても大丈夫でしてよ。貴方は私の想定以上に使える子。この分なら他の子たちも十分使えそうですし、スカウトの成果は上々ですわね。ふふ、わざわざ手間をかけてブラドから引き抜いた甲斐がありましたわ」

「ブラドから引き抜いた? てことは、そいつはやっぱり――」

「そう。この子はあの愚鈍で蒙昧なブラドが躾けたにしてはとても優秀なオオカミさんでしてよ。だから筋肉だけがご立派なブラドというご主人様を失い、あてもなくさ迷っていた所を皆さん回収させてもらいましたの。この子を始め、どの子も働き者で、有能で、とても助かっておりますわ。ブラドがブラック企業レベルに過重労働させていたせいか、ホワイト企業レベルの待遇を与える私への忠誠心が素晴らしいのも特徴的ですわね。ふふ、ご主人様思いの下僕をたくさん手に入れられて、私は本当に幸せ者ですわね。貴方もそう思いませんこと?」

 

 夏の日差しを逃れるために差してある純白のコウモリ傘をクルクル回しながら、「尤も、約2割は私に使えるのを望まず、野生に帰ってしまいましたの。残念なことに」とパトラは言葉を付け加える。一方、ブラドが従えていた下僕の内、コーカサスハクギンオオカミの8割をパトラがちゃっかり引き継いでいたという衝撃の事実にキンジは「マジかよ……」とうめくしかなかった。

 

 

「――って、待てよ。その2つだけが目的ならアリアを回収する必要はないんじゃないか?」

「そんなことはありませんわ。何せ、神崎・H・アリアさんは『わたくしのかんがえたさいきょうのぷらん♡』に欠かせない重要なファクターですもの。……ふふふ、まさかこんな所で偶然にもアリアさんを手に入れられるなんて思いませんでしたわ。私、ツイてますわね」

 

 『アリアを返せ』と暗に要求したキンジに軽く言葉を返したパトラは腰を軽く上げてぴょんと大地に飛び降りる。そして、大した音も立てずに着地したパトラはアリアを脇に抱えたままのジャッカル男から頭から血を流すアリアを受け取ると、唐突にアリアの武偵制服を脱がし始めた。

 

 

「は、はぁ!?」

「あらあらまぁまぁ。キンジさんは初心でしたのね」

 

 何の脈絡もなく、いきなりアリアのブラウスを脱がしにかかるパトラについキンジが素っ頓狂な声を上げ、うっかりヒスらないために視線をアリアの体からズラす中、パトラは微笑ましいものを見るような視線をキンジに向けつつアリアのブラウスを脱がす。

 

 そうして、ブラで隠された部分以外のアリアの上半身が晒される中、パトラは懐から拳銃を取り出し、アリアの背中にあてがい、何のためらいもなしに発砲した。ダンという音が周囲を反響し、「うッ!?」とアリアの体がビクンと反応する。

 

「なッ!? アリア!?」

 

 オオカミに踏みつけられた影響でただでさえ死に体のアリアに銃弾の追撃が行われたことにキンジはサァァと血の気が引く思いのまま、アリア奪還のために足を踏み出そうとした。踏み出そうとして、できなかった。目の前のオオカミの繰り出す眼光で牽制されたから、ではない。否、それも一因だが、主因ではない。いくつもの視線を感じたからだ。左右から、背後から、上から、キンジを獲物と見定める、何体ものジャッカル男の気配を感じたからだ。

 

(やられた。いつの間に囲まれたんだ!?)

 

 いつの間にやら完成していた遠山キンジ包囲網の中心にて、キンジはギリリと歯噛みする。強襲科Sランク武偵の分際で自分を追い詰める包囲網が形成される前兆に気づけなかったことに、キンジの胸の内に己の無力さを呪う感情が染み渡っていく。

 

 

「これでよしっと」

「お前、アリアに何をした!」

「ご安心くださいまし、キンジさん。これは呪弾、撃った所ですぐには死にませんわ。尤も、今からきっかり24時間後、明日の午後6時には散ってしまう儚い命ですけれど」

「ッ!?」

「ふふふ、少々長話が過ぎましたわね。これから教授(プロフェシオン)と交渉するという一大行事も控えていることですし、そろそろお暇させてもらいますわ。あと、貴方の大事なパートナーは頂いていきますわね。……大丈夫。私の名に誓って淑女に手荒な真似は致しませんわ。利用価値があるうちは、ですけれど」

 

 キンジに存在を察知された以上、こっそりと包囲網を形作る必要はないと言わんばかりにワラワラとジャッカル男たちが姿を現し、キンジを円状に囲っていく中。パトラは神聖さと残虐性とが織り交ざったような微笑を浮かべると、人差し指をクイッと突き上げる。すると、傍らのジャッカル男が下着姿のアリアを脇に抱えて一目散にその場からの離脱を開始した。

 

 

「アリアッ……!」

「それでは、ごめんあそばせ」

 

 パトラはペコリと物腰柔らかにキンジに頭を下げる。その後、オオカミの背中に飛び乗ると同時に、パトラを乗せたオオカミが「オオオオオォォォォ――ン!!」との遠吠えを引っさげ、アリアを連れ去ったジャッカル男に追随するように去っていく。

 

 

「アリア! アリアァァッ!! くそッ! どけ、どけよ! 邪魔なんだよお前ら!!」

 

 キンジは弾かれたようにアリアの元へと駆け抜けようとする。眼前に立ち塞がるジャッカル男にキンジは怒声とともに小太刀2本による斬撃を次々と繰り出す。キンジの左右・背後のジャッカル男がキンジを妨害しようと振り下ろす斧の範囲から逃れるように前へ前へと足を踏み出し、己の行く先を妨げるジャッカル男の頭と胴体とを離婚させる。細切れにする。そのようにして、次々とジャッカル男たちを物言わぬ砂鉄へと還していく。

 

 しかし、ジャッカル男はまるで数を減らす様子がない。包囲網の一か所のみを重点的に狙っているというのに、まるで包囲網に風穴ができあがる様子はない。それどころか、包囲網がより分厚く、より強固に補強されたかのようにキンジには思えて仕方なかった。

 

(ふざけるな! ふざけるなよ! こんなのに時間稼ぎされてる場合じゃないってのに!! アリア、アリア!!)

 

 自分が恋する少女。守りたいと切に思える少女。共に背中を預けあって戦いたいと心から感じられる少女。そんなアリアが今この一瞬の間にも自分から遠ざかっていることに、キンジはただただ焦りを募らせる。と、その時。

 

 

「え?」

 

 突如。キンジの前方に立ち塞がるジャッカル男たちの体に風穴が生まれたのだ。腹部に、頭部に、脚部に、ボーリング玉サイズの風穴を開けられたジャッカル男たちが為すすべもなく砂鉄へと還っていく。

 

 刹那、キンジの双眸がこれでもかと開かれた。無理もない。何せ、ジャッカル男たちの体を突き破るようにして、これまた砂鉄で組み上げられた約20羽もの鷹がキンジの目前にまで迫って来ていたからだ。

 

(これが狙いか!)

 

 ジャッカル男の大群は時間稼ぎなんて姑息なものではなく、単なる目くらまし。その巨体でキンジの視界を狭め、本命である鷹の特攻を直前まで悟らせないようにするためだけの存在。そのことを瞬時に悟ったキンジはきりもみ回転で突撃してくる鷹の大群を凌ぐために小太刀を振るう。

 

 しかし、さすがに風を切って接近してくる20羽すべてに対応することはできず、キンジの体に計7羽の鷹のくちばしが突き刺さる。瞬間、キンジは体全身を一気に金属バットでぶん殴られたかのような衝撃を一身に受けた。それは、防弾制服を見に纏っている時に銃弾を喰らった時の衝撃とあまりに酷似していた。

 

「ガフッ!?」

 

 体全体をほとばしる激痛に耐えきれず、キンジは吐血とともにガクッと力なく膝をつく。気を抜けば意識を失いそうになる中、ふと下を見ると、キンジへの特攻を見事果たした鷹たちがパタリコと地に倒れ、満足そうに一鳴きしたのを最後に物言わぬ砂鉄の小山へと回帰する光景があった。そして、その小山から現れたのは、例の黒いコガネムシと――7発の銃弾。

 

 

「ま、さか……」

 

 キンジがバッと顔を上げると、オオカミに乗ってその場を去ったはずのパトラが拳銃を片手にニコリと微笑む姿があった。この時、キンジはパトラの講じた策の全貌を悟った。

 

 パトラはこの場を去ってなどいなかった。去ったフリをしてジャッカル男たちの背後に控えていただけだった。そして。中々ジャッカル男の包囲網を突破できずに焦燥感に駆られまくっているキンジ目がけて、パトラはジャッカル男ごと撃ち抜くつもりで正面から発砲。その際、銃弾を隠すために砂鉄の鷹で銃弾をコーティングしたものをキンジへと放ったのだ。すべては、キンジをより確実に無力化するために。

 

 

(俺は、ずっとクレオパトラ7世の手のひらで踊らされていただけってことか。これが、これが歴史上の偉人の実力だってのか……)

「貴方はカナさんの弟ですから、今回は特別に殺さないであげますわ。ご縁が会ったらまたお会いしましょう、キンジさん。……尤も、次に敵として出会った時は容赦しませんけれど」

 

 パトラの知略に見事なまでにハマり、完全敗北してしまったキンジは身を裂くような痛みを堪えつつパトラを精一杯睨む。しかし、当のパトラは涼しげな顔のまま、つらつらと言葉を続ける。そして、言いたいことを全て言い切ったパトラはキンジに背を向けて歩き出す。今度こそ、悠々とした足取りでこの場を後にする。

 

 

「……待て、よ。アリアを、返せ……ッ!」

 

 キンジは己の意思に反してほんの少ししか動いてくれない体にムチを打ってパトラへと手を伸ばす。アリアを取り戻したい一心で、ただただ手を伸ばす。しかし、伸ばした手は当然ながらパトラには届かない。

 

「それでは。改めて、ごめんあそばせ。そして――お休みなさい、キンジさん」

 

 キンジがどうにか体から絞り出した切実な言葉を無視しつつ、パトラはキンジに背を向けたまま挨拶の言葉を口にする。直後、キンジを取り囲むジャッカル男の内の一体が斧を持たない方の手で拳を作り、キンジへと軽く振り下ろす。

 

 今のボロボロキンジに頭上から振り下ろされる暴力を避けられるはずもなく、後頭部を強烈に殴られたキンジは地面へと叩きつけられ、わずかながら残っていた意識をもれなく刈り取られる。かくして。パトラにより、むざむざ大切なパートナーを奪われてしまうキンジであった。

 

 




キンジ→パトラの発言に驚いてばっかりで結局アリアを助けられなかったダメダメ主人公。以前、吸血鬼という非現実的な存在と出会ったせいでパトラの虚言をまともに信じているため、パトラを歴史上の偉人と勘違いしている。純真な心って、怖いね。
アリア→死に体の状態で背中に呪弾撃ち込まれる辺り、相変わらず扱いが酷いメインヒロイン。でもって次回からしばらく出番なくなっちゃうんだからもう、救いようがない子。桃髪ツインテールの子かわいそう。
パトラ→かつてブラドが使役していた下僕たちを勧誘し、自身の戦力へと着実に加えていった強かなお嬢さま口調の女性。策を張り巡らせて戦うタイプ。『わたくしのかんがえたさいきょうのぷらん♡』を成功させるため、アリアを攫った。なお、腐ってる模様。何がとは言わない。

パトラ「実は、私はクレオパトラ7世の生まれ変わりですの」
キンジ「な、なん…だと…!?」
理子「実はね、キンジくん。ボク、アリュセーリュ・リュピャンの生まれ変わりなんだ」
キンジ「え、ちょっ、ウソだろ!? 初代のリュパンもビビりだったんだな、意外すぎるぞ……」
ジャンヌ「実は、我はジャンヌ・ダルクの生まれ変わりなのだ」
キンジ「へぇー。そいつは凄いなー(←棒読み)」
ジャンヌ「何なんだ!? この反応の差は何なんだ!? 納得いかないぞ!?」

 というわけで、104話終了です。今回の話でパトラさんの脅威が少しでも読者の皆さんに伝わったのなら幸いです。ちなみに、パトラさんの虚言を真に受けて本物のクレオパトラ7世だと信じちゃってるキンジくんが個人的にツボです。果たして、キンジくんの誤解の解ける日は来るのだろうか。


 ~おまけ(その1 本編の雰囲気的にカットした一幕)~

パトラ「……ふぅ。カナさんはこんなのにどうして敗れてしまったのか、非常に理解に苦しみますわ。身内びいきでもしたのか、それとも生理中だったのかしら?」
キンジ「な、ななななななな何をいきなり――!!(←赤面)」
パトラ「あら、だってカナさんは性別:秀吉でしょう? 何もおかしなことはありませんわ。違いまして?」
キンジ「いや、確かにそれはそうかもしれないけど! そうかもしれないけど!」

 キンジくん、動揺しすぎである。


 ~おまけ(その2 ネタ:カジノに襲撃を仕掛ける前のパトラさんの一幕)~

パトラ「ふぅ。これで準備も済んだことですし、あとは襲撃するだけですわ」
パトラ「あら? この本は何かしら?(←傍らに落ちていた本を拾い、めくるパトラ)」

武藤『キンジ』
キンジ『剛気』

 至近距離で見つめ合う上半身裸の二人。

武藤『キンジ!』
キンジ『剛気!』

 ガシッと熱い抱擁を交わす上半身裸の二人。

武藤『キンジ!!』
キンジ『剛気!!』

 ディープキスを決める上半身裸の二人。

武藤『キンジィ!!』
キンジ『剛気ィ!!』

 本能の赴くままベッドインする上半身裸の二人。そして――

パトラ「あ、あらあらまぁまぁ。これは続きが非常に気になりますわね。襲撃は後回しにしてひとまずこの作品を堪能いたしましょう、腐腐腐(ふふふ)腐腐腐腐腐(ふふふふふ)ッ」
背後に控えるオオカミ「クゥン(訳:あぁ、ご主人様の発作がまた始まっちゃったワン)」

 腐ってやがる。

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