ほら、書いたよ。とても短いから、簡単に楽しめるよ。ほら、楽しんどいでよ♪
あるある壊しで疲れてる君へのプレゼントだよ!

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人を見る目は、時に恐ろしい。

 バスケ部のマネージャーをやっている。鐘目(かねめ)と申します。私は、何だか少し人とズレているらしいです。

 それは、赤司くんと仕事をしている時です。

「鐘目、学校生活は楽しいかい?」

「楽しいですねぇ〜!!特に、人の話を盗み聞きするのは。」

「いつも、そんな事をしているのか?」

赤司くんは、自分の作業を机に置いて私の話に耳を傾けた。

「はい!…だって、」

私は、立ち上がると手を机に置いて、赤司くんに顔を近づけた。

「人は面白く滑稽なんです!言葉は矛盾するし、言動一致はまたも劣る!!この学校に新聞部があるなら、隅から隅まで些細な事を全て調べあげて私は人間新聞を作ってるところですよッ!!!…ありゃりゃ、はしゃぎ過ぎました。さて、」

私は、呆然としている赤司くんを置いて、少し暗めの色のカーテンを開けると、体育館を眺めた。

「黄瀬くん!今日で何回目コクられてんすかい!メモじゃ!メモ!」

「…その、メモには何が書かれているんだい?」

「ん?あー、人の微細な行動だよっ!後、矛盾する陰口かな!?まぁ、余り宜しくないものだから、見ない方がオススメする。赤司くん達に対する憎悪や、黒い所が書かれてる…あ!私ね、一言だけ言ってみたい言葉があるんだ!

────私は、貴方の全てを知っています。」

 

 鐘目の言葉は赤司、俺の中では信憑性的な物が強かった。それだけに鼓動はドクドクと唸っていた。何だ、これは…ああワクワクしてるんだ。

「鐘目、そのメモを見せろ。」

潔く鐘目は見せてくれた。ページを捲る度、人の黒さが分かった。それと同時にゾクゾクした。

それからも、鐘目は頼めば見せてくれた。だが、それは少しずつ変わっていった。

「赤司くん、もう止めよう。赤司くんの身が保たないよ。」

鐘目は、ただ突っ立っているだけなのに恐怖を感じた。俺は、咄嗟に鐘目から距離を取った。

「…ほら、止めとこう?……人が、私が怖いでしょう?」

と鐘目は、メモを取ると続けて言った。

「私は慣れたけど、赤司くんみたいな純粋な子には駄目なの。こういう代物は…。……ありがとう、赤司くん。じゃあね。」

鐘目のじゃあねや、さよならが最近ヤケに胸に刺さる。

でも、何故か今のは一番刺さる。

恐怖? 悲しみ? 分からないな。

 次の日、鐘目はバスケ部から存在を消していた。桃井は、少し悲しそうに仕事をしていた。でも、告白の回数を数えられていた黄瀬や、写真集を何回見ているかを数えられていた青峰、お菓子が何個あるかを調べられていた紫原、一日何回躓いたなどを見られていた緑間、何回気づかれていなかった数えられていた黒子達のバスケは続く。そして、途中から何回精神的に辛くなっていたかを数えられていた俺のバスケは続けれる。

 

「赤司くんのバスケは、此処からだよ。

 周りの言葉は時に聞いて、時に無視する事が良いよ。」

そんな鐘目の言葉が聞こえた気がした。

 

 もうちょっとマシな趣味にしとけよ、今度…会う時はな。

 

 

「鐘目、高校生活は楽しんでるかい?」

窓際、振り向く鐘目は中学の時より大人びていた。眼鏡もコンタクトに変えたのか、メガネをしていなかった。

「楽しいよ。

──────赤司くんを見るのはね。」

「……俺も、…鐘目を探すのは楽しかったよ。」

「何それ、可笑しいよ」

鐘目は、人を見る時と同じ楽しい顔をして俺を見た。

「鐘目、鐘目灯里(かねめあかり)。

俺は、君が好きだ。」

「……やっぱ、赤司くんは見てて飽きたりないや。もっと、見てていい?……隣で。」

「是非。」



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