ぱーてぃーは初めてかもしれぬ。
吾輩は走っていくこいしを追っていくのである。吾輩はなかなか足には自信があるのである。毎日にちゃんと毛づくろいをしているからして、マッサージは十分なのである。
けいねも足のマッサージは必要だと吾輩のにくきゅうをもみながら言っていたのである。吾輩はちゃんと覚えているのである。
こいしとふらんもなかなか早いのであるが、吾輩はそれを追い越していくのである!
「猫さん!」
こいしの声がするのである。吾輩はたったか走っていく。なんだから楽しくなってきてしまったのである。追われているのは楽しいのである。
なんだか少し高いところがあるのである。吾輩はぴょーんと飛び乗ると、ここからはよくぱーてぃーが見えるのである。むむ、やはりしっている顔が結構いるのだ。吾輩は紳士だからして、挨拶に行かねばならぬ。
「へっへー」
この声はこがさであるな! 吾輩は振り向くのである。
……?
とんがりなぼうしを被った少女であるな、しかし、目にはお星様のような形のものをかけているのである。手には大きな傘を持っておる。……こがさであろうか、しかし奇妙な恰好である。
「猫さん! いいでしょ、このサングラス!」
さんぐらす? を外すとべーとこがさが顔を出したのである。
違う姿であるな。おしゃれは良いことである。
「ふふふ」
さんぐらすをまたかけるのである。黒のマントをつけているこがさは似合っているのである。
「ふふふ、ふははは! 今日はみんな私を怖がる日よ」
うむうむ。楽しそうなのはいいことである。こがさは大きく腕を広げているのである。吾輩もこう、真似してみるのであるが、2本足でたつのは難しいのである。
「何を高笑いしているんだ」
もみじであるな。振り向かずともわかるので振り向かないのである。
「お前ら……いつもいつも一緒にいるな。ところで小傘はなんだその恰好」
こがさはさんぐらすをちょっとずらして上目遣いでもみじを見るのである。
「いやーなんか最近さー、全然人里の人が怖がってくれなくて……いろいろ考えたらこうなったの」
「ふーん。血迷っているな」
もみじを振り向くと、着物を着ているのである。うむ似合っているのである。
「まあ、お前がどんな風になろうと私には関係ないしな。せいぜい恥をかかないようにすることだ」
「椛」
「なんだ」
「この写真」
こがさが懐から一枚の紙を取り出したのである。見えぬ。吾輩は見たいのである。
「おま! その写真!」
「へへへー。ほたてさんからもらったんだぁ」
「はたてだ! いや、あいつのことなんてどうでもいい、いやごほん。あの人のことはどうでもいい、その写真を渡せ」
「やーだよー」
しゃしんであるか! 吾輩にも見せてほしいのである。
しかし、こがさは逃げていくのである。もみじも追っていくのであるが、吾輩も走るのである。
パーティーの中を走るのである。みんなもみじたちを見ているのである。
「くそ! 走りにくい!」
もみじが着物のひもを緩めて、足を出したのである。それから体をいぬのようにかがめたのである!
「唐笠風情が!! なめるな!!」
おぉ! もみじがすごい速さで飛んでいくのである。地面がぼこって抉れて、ちょっと土がかかったから体を振って払わねばならぬ。
「うわー!」
こがさを後ろから押し倒してもみじがしゃしんを奪おうとしているのである。吾輩はまだ見ておらぬ!
「早く渡せ、コラ」
「ううー、暴力反対!」
「何が暴力だ!」
「ねー何してんの?」
こいしがいきなりやってきて写真を取ってしまったのである。
「あーかわいー。猫さんも写っているね」
こいしが吾輩にも見せてくれたのである。これはいつぞやのもみじの恰好であるな。じーとみているといつの間にかこいしが吾輩をなでなでしてくれている。おぉ、気持ちいい。
「あれ? いつの間にか手にない!」
「貴様! どこに落とした! あんなものが文なんかに見つかってみろ!」
こいしともみじは楽しそうに遊んでいる。吾輩はこいしの手でりらっくすしているのである。すると何となく知っているにおいがしたのである。吾輩が顔を上げると、紅い目をした黒髪のしょうじょが見下ろしていたのである。
肩が見える黒いきらきらしたドレスを着ているのである。耳が長いのであるが、……しゃめいまるであるな! 思い出したのである。にっこり笑っているのである。
「こんばんは、猫さんとお嬢さん。よかったら私にもその写真を見せてくれませんか?」
「うんいいよー」
こいしがしゃめいまるに見せるとにこにこしているのである。
「あ、あ……あ」
うむ? もみじよおなかがいたのであるか?。
「射命丸……様」
「椛、これ」
もみじはうっといって後ろに下がったのである。むむむ。これはしゃめいまるがもみじをいじめているのやもしれぬ。吾輩は間に入るのである。そうしようとしたら、こがさに抱きかかえられたのである。はなすのだ!
「ど、どーしたの猫さん! 私のこと嫌いになったの?」
うーむ。そういわれるとていこうできぬ……もみじよすまぬ。……うむ? よく見たら周りに大勢集まってきたのだ。みんな何かたべたり飲んだりしながら何か期待しながら見ているのである。
しゃめいまるが言ったのだ。
「椛がかわいい写真を撮ったのなら私にも教えてくれればいいのに」
「……そ、それは無理やり。はたてが……」
「あー。なるほど」
もみじがまた後ろに下がったのである。しゃめいまるがいうのだ。
「なるほどなるほど、じゃあ私のモデルにもなってくれますよね?」
「…………」
もみじよあおいかおをしているのである。
「い、いや、それは。ほら、私の仕事ではありませんし」
「えー? はたてにはこんなにサービスしてくれたのに、私にはないんですか?」
しゃめいまるが手をカメラを持ったのだ。どこから出したのであろうか。
「いい写真は新聞に使いますから!」
「い、いや。わ、私なんかよりほら。周りを見てください!」
きょろきょろ。みんなきょろきょろしているのである。
「今日は幻想郷中からいろんなものが集まっているのですし、ドレスを着ている皆さんを撮った方が絶対にいいですよ」
「それ、いいわね」
うむ? 今のはしゃめいまるではないのである。
みんなが声の方を見ると、紅いドレスを着た少女がたたずんでいたのである。後ろにはさくやがいるのである、いや、吾輩はさくやの手の中にいるのである? さっきまでこがさのもとにいたはずなのである! 遠くでこがさの「ねこさーん!? どこー」と泣き声が聞こえるのである。
れみりあは吾輩をちらりと見て言うのである。
「今日はこの幻想郷を華やかにしてやろうと企画したパーティーだったけど、いいことを思いついたわ」
れみりあはみんなの前で空に浮かんで腕を組んだのです。
「どうせなら、お前たちと弾幕を含めて美しさを競うのも面白いわ。弾幕とドレスで一番美しかったものが勝ち」
おぉとみんな言っているのである。その中のひとり……まりさであるな! が言ったのである。
「賞品はあるのか!?」
「ええ」
れみりあは言ったのである。
「勝ったやつにはなんかいいものを送るわ!」
ざわざわしているのである「ふわっとしている」「おお」「すごい」と聞こえてくるのだ。
うむ? れみりは吾輩を見ているのである。
「そこの猫でもいいわ」
吾輩であるか。
「なーにー!」
こがさが出てきたのである。言ってやるのだ。
「猫さんは私のものよ! 勝負してやるわ!」
こがさがなんかせんせんふこくしているのである。そうではない……