卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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サバゲー:1日目

 

 

「井上織姫さんってさぁ、メチャクチャ良い子だよなぁ」

 

「………いきなり何を言いだすんだ。君は」

 

高台の上で寝転がり、双眼鏡を覗きながら俺が言うと隣の石田が冷たい声を発した。

現在、サバゲー大会が始まって一時間が経過したが、どこからも戦闘音は聞こえない。流石に瀞霊廷内は広過ぎたか……。

 

 

〜昨日の夜〜

 

「と、いうわけでサバゲーだ」

 

言った直後、全員から足や拳が飛んできた。

 

「いってぇな‼︎何すんだよ⁉︎」

 

「アホか!え、ほんとにサバゲーにしちゃったの?マジ?」

 

こういう時、いの一番に文句言ってくるのは大抵が砕蜂だ。

 

「なんだよ、お前が昨日言ったんだろ。『それで通るもんなら通してみろ』って」

 

「通ったの⁉︎マジで⁉︎」

 

「まぁ待て、そう怒るな。お前らの言うことも分かるがな?これでこっちも向こうも同じ戦力で戦えるようになったんだ。斬魄刀のまま斬りあって山爺やら更木隊長に勝てる奴いるか?」

 

俺が言うと、全員黙り込んだ。例えその二人がいなくても、向こうに隊長はまだたくさんいる。京楽さんや浮竹さんがこっちにいてもギリギリだろう。

 

「斬魄刀は流魂街の人達に預けることになったから、夜一さんお願いします。流魂街の人に化けて斬魄刀は誰も取りに来れないようにしてください。万一、虚が攻めてきたーとかの時は、敵も味方も関係なく全員に迅速に斬魄刀を配って下さい」

 

「承知した」

 

「で、メンバーだけど、」

 

今、この場にいるのはなんやかんやで俺、ストロベリー、静かなマッチョ、竜宮城乙姫、メガネ滅却師、夜一さん、そいぽん、ぶた前田、マイスイートエンジェル桃たそ、オセロ、電子レンジ、京楽さん、七緒さん、ひばんたに番長、おっぱい、浮竹さんとその愉快な十三番隊達、ここからメンバーを9人選択しなければならない。

夜一さんは斬魄刀預かり人、浮竹さんと京楽さんには不正のないように審判、そしてある役割をしてもらうとして、それ以外から選ばないと。

 

「よし、まずは俺だろ。それからー……一護」

 

「お、俺?」

 

「それと、メガネ」

 

「石田だ!」

 

向こうが詳しくない人間を選んだ。この二人の思考は向こうサイドは読めないだろう。

 

「白哉」

 

「前々から思っていたが、兄は私を何故呼び捨てにしている?」

 

「うるせーオセロ黙って俺に従えうんこ。あとひばんたに盲腸」

 

「落ち着け朽木!キレるのはわかるが……!って、日番谷隊長だ!」

 

隊長はこんなものだろ。これで5人、あと4人か。

 

「? どうしたんスか砕蜂隊長。何そわそわして」

 

「うるさい黙れ大前田」

 

ふむ、あと四人か……。

 

「よしっ、」

 

「!」

 

「桃たそ」

 

「…………」

 

「砕蜂隊長?」

 

「わ、私⁉︎なんで⁉︎」

 

「鬼道得意だし、斬魄刀もどっちかというと中距離ようだし、立ち回りとか分かってそうだからな」

 

「だ、大丈夫かな……」

 

「大丈夫、俺が守るから」

 

「えっ?」

 

「あーごめん、ちょっと言ってみたかっただけ」

 

まぁ、守るけどね。さて、残り3人。

 

「砕蜂隊長。何、チラチラ祐作見ながら咳払いしてるんスか。恋する乙女ですか。やりたいなら素直に」

 

「黙れ!違う!」

 

「あー、それなら」

 

「っ!」

 

「恋次なら雛森さんと連携取りやすいっしょ。霊術院からの中だし」

 

「ああ!任せろ!」

 

「砕蜂隊長………」

 

「…………」

 

大前田が切なそうな声を漏らした。

…………仕方ねえな。

 

「砕蜂」

 

「………何、今更」

 

………拗ねてるよ面倒くせぇ。

 

「突撃し過ぎんなよ。周りと連携して、合わせられるなら入れてやる」

 

「約束する!」

 

ガキかこいつは。さて、ラスト一人。

 

「ルキア」

 

「え?わ、私?」

 

「お前がいなきゃダメなんだよ」

 

俺の作戦では、こいつがいなきゃ始まらない。

 

「………わかった」

 

「よし、」

 

メンバーは決まった。

 

 

1番隊隊舎。

 

「と、いうわけで、サバゲーをすることになったのじゃが、サバゲーに出たいものはおるかの」

 

山爺は隊長全員を集めて聞いた。すると、剣八が手を挙げた。

 

「おい。つーか、まずサバゲーってなんだ?」

 

「ふむ、儂もようわからん」

 

このジジイは意味のわからないゲームを了承したのか、と全員が思ったのは言うまでもない。

すると、藍染が手を挙げた。

 

「サバイバルゲームのことですよ。エアガンという銃のオモチャで戦争ごっこを本気でやる、ということです」

 

「ああ?オモチャだァ?下らねぇ。しかも銃なんて楽しさゼロじゃねぇか。俺はゴメンだ」

 

剣八はそう言って隊舎から出ようとした。が、それに藍染が言った。

 

「そうでもないよ。サバイバルゲームは全体の士気やチームワークもさることながら、個人の器用さや戦力、技量の高さも必要になる。何より、これから先、銃を持つ虚が出てきた時、対応できるようになった方がいいと思わないかな?」

 

「そんなもん出てくるかなんてわかんねぇだろ」

 

「出るよ。僕の部下にスターグゴフッ⁉︎」

 

言いかけた直後、藍染にギンと東仙の拳が炸裂した。

 

「僕、出ますわ」

 

「私も出る」

 

「あとヨン様も出るそうや。な?」

 

「え?ぼ、僕は別に」

 

「出るよな……?」

 

「は、はい……出ます……」

 

「ふむ、了解じゃ」

 

これで山爺、藍染、ギン、東仙は決まった。

 

「ま、なんかよくわかんねぇが、俺も出てやるよ。あと、俺のとこから一角と弓親を出す」

 

剣八がそう言い、さらに7人に決まってあと2人。

 

「そゆことなら、僕のとこからイヅル出します」

 

「あと一人じゃが……卯ノ花隊長、任せても良いかの?」

 

「私ですか……?」

 

「奴らはおそらく、水上の小僧が指揮を執るじゃろう。奴の思考が一番読めるのは卯ノ花隊長、主しかおらん」

 

「了解致しました」

 

こっちも決まった。

 

 

で、現在に至る。俺たちのチームは、基本、二人一組で1チームだけ三人。司令塔は俺だ。

チームは誰と組みてぇだの、なんだのという希望が出るのは分かり切っていたので、独断と偏見で俺が決めた。

 

「で、なんで僕とチームなんだ……」

 

「いいじゃん、あんま話したことないし」

 

司令塔たる俺は高台の上で、辺りを見回している。狙撃は石田に任せた。

 

「分かってると思うけど、不用意に撃つなよ。自分の場所をバラすことになるからな(ワールドトリガー知識)」

 

「ああ、分かっている」

 

何より、このザバゲーはオペレーションの立場の者がいない。どこに誰がいるか、などの情報は現場の俺たちで探すしかないのだ。だから、俺がここにいる。

ちなみに、他のチームは白哉ルキア、雛森恋次一護、ひばんたに砕蜂の3チームである。

 

「で、石田。井上さんってどう思う?」

 

「ま、まぁ、確かに可憐だとは思うが……」

 

「だよなぁ、おっぱいでかくて可愛くて優しくて家庭的で……」

 

「おい、セクハラだぞそれは」

 

「なんだよ、じゃあお前おっぱい嫌いか?」

 

「超好き」

 

「だろ?」

 

「しかしだな、好きだからといって口に出すのは良くない。例えあのおっぱい揉みしだきたいとか、むしろ食い付きたいとか、なんなら枕にしたいとか思っても口に出してはいけないんだ」

 

「思いっきり口に出てんぞ。お前普段そんなこと考えてんの?」

 

「どこが良いとは言わないが、夜一さんも良いと思う」

 

「お、おお。まぁ確かに……」

 

「あの人って服の下どうなってんだろうなぁ……。全身黒いのかなぁ。僕さ、服の下は色白って少し好きなんだよね」

 

「………おまえ割と気持ち悪ぃーな。風俗とか行く人?」

 

「常連だ」

 

「……………」

 

通報したい。

 

 


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