卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。なんやかんやで復活しました。


2日目

「どういう事だ?」

 

砕蜂が聞いた。

 

「実は、中央四十六室から、余り水上祐作が捕まらないようなら最終手段としてそうしろと……」

 

「それで、卯ノ花隊長は今どこに?」

 

「途中で見つかったら計画が台無しとのことで、朽木さんと同じ場所にいます……」

 

「と、言うと?」

 

「1番隊隊舎です」

 

「おい、祐作。まだ手を出すな……って、あれ?祐作?」

 

いなくなってた。

 

 

1番隊隊舎前に到着すると、建物の前では山本が待っていた。

 

「クソジジィ、卯ノ花さんはどこだ」

 

「卯ノ花隊長なら、中でお茶を飲んでおるよ」

 

「は?お、お茶?」

 

「うむ。彼女は貴様をここにおびき寄せるための餌じゃ。本人はお主のことを知らずに中でナルトを読破しようとしておる」

 

 

一番隊隊舎の中。

 

「勇音、いちゃいちゃぱらだいすとは何ですか?」

 

「卯ノ花隊長が知るべき言葉ではありません」

 

 

マジかよ……と、祐作は膝をついたところでハッと気が付いた。

 

「………だったら別に俺帰ればいいだけじゃん。邪魔したね、山爺」

 

「お主は何を言っておる?」

 

「あ?」

 

「貴様はここに来た時点で、儂に捕まる運命なのじゃよ」

 

直後、霊圧をビンビンに放つ山本。祐作は立ち上がった。

 

「では、始めようかの。君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ、破道の三十一『赤火砲』」

 

直後、火の塊が飛んで来た。体を後ろに逸らして回避する祐作。

 

「あぶなっ」

 

その隙に杖を握って接近する山本、それを刀でガードした。

 

「良いのか?斬魄刀を解放せんで」

 

「あ?」

 

「破道の九十六『一刀火葬』」

 

「おいおい……‼︎」

 

直後、爆発。瀞霊廷内の全員が爆発の中央に目を向けた。

煙が舞い上がる中、山本は杖に手を置いたままジッと祐作のいた所を眺めた。

その煙の中から、ビュワッと木刀が飛んで来た。

 

「‼︎」

 

煙の中から、上半身の黒装束が燃えて上は白、下半身は黒という中途半端な姿の祐作が出てきた。

山本は杖で突きをガードする。

 

「生きておったか」

 

「服が燃えたんですけど。テメーオセロみたいにしてくれやがってどうしてくれんだコノヤロー」

 

「というか、木刀というのはなんの冗談じゃ?」

 

「そのクダりもう飽きた」

 

木刀を握っていない右手で山本の顔面に拳を突き出した。それを山本は左手で受け止めると、力任せに放り投げた。壁に背中を強打する祐作。

その祐作に山本の杖の突きが迫った。顔面の前でキャッチするも、あと1mmで目ん玉を抉られる距離まで突き込まれた。

 

「ッ……‼︎」

 

「諦めんか。お主ごときで儂に刃向かうのは自殺行為に過ぎん」

 

杖に力を入れながら山本は言った。

 

「朽木ルキアの処刑は決まった事じゃ、阿散井恋次ものう。ルール違反を犯したのは奴らじゃ、処刑して何の問題がある?」

 

「うるせーよ、耄碌じじいは黙ってろよ……!」

 

言いながら祐作は杖を退かそうとする手に力を入れた。

 

「問題起こしたら即処刑ですか……わかりやすいなぁ、そういうの。難しいこと考えなくて済まし、上からの命令に従うだけで楽でいいもんなぁ。けどな、あんたら動物じゃねぇんだろ。ある程度コミュニケーション取れるんだろ?だったら少しは話を聞いてやろうとか思えねぇのか」

 

「聞いて何になる。結果は変わらんというのに話を聞いても無駄じゃろう」

 

「はっ、無駄、ねぇ。なら俺があんたに教えてやるよ」

 

杖が段々と祐作の顔から離されて行った。山本も力を入れているのにだ。

 

「悪足掻きって言葉をな」

 

「ぬ、ぬぅ……‼︎」

 

完全に祐作の顔から杖が外れた。

祐作は懐に手を突っ込んでから拳を作った。

 

「オラァッ‼︎」

 

そのまま山本に殴り掛かる。防御しようとする山本。が、祐作の拳はその防御を避けて山本の髭の下に伸びた。そして、カチッとライターを付けた。髭に点火する。

 

「………はっ?」

 

「オイルSOS」

 

そして、そのライターをへし折り、中の液体を山本にぶちまけた。さらに、自分の懐からライターを取り出して、へし折っては液をブチまけ続けた。燃え上がる山本。

 

「⁉︎ あっづぁっ⁉︎お、おおおお前マジか⁉︎アレだけカッコつけといてそうやって攻撃すんの⁉︎汚ねえぞこの野郎‼︎」

 

「ハハハハハ‼︎知るかバーカ!戦闘員、しかも自分の斬魄刀は火系能力なのに髭をサンタみたいにしてるテメェの頭の軽さを恨むんだな‼︎フハハハハ‼︎……ハ?」

 

高笑いしてると、自分の服にも飛び火してることに気付いた。笑顔が凍りつく祐作。

 

「うおおおおおおおお⁉︎やっちまった!やっちまった!」

 

「フハハハハハ‼︎バカはお主のようじゃの!策士、策に溺れるとはこの事じゃ‼︎」

 

「笑ってる場合かテメェ‼︎テメェも燃えてんだよクソジジィ‼︎」

 

「儂は斬魄刀解放すれば平気じゃもーん!」

 

「じゃもーん、じゃねぇよ!気持ち悪ぃんだよクソジジィ‼︎」

 

「くそじじぃしか言えんのか。まぁ、良い。万象一切、灰燼と為……‼︎」

 

「させるかぁっ‼︎」

 

解放しようとした山本の顔面を燃えてる祐作は木刀で殴った。思いっきり殴り飛ばされる山本。

 

「お、おおおおお前!何するんじゃ!」

 

「斬魄刀の解放なんてさせるわけねぇだろ‼︎アホかクソジジィ‼︎くたばれやァッ‼︎」

 

「き、ききき貴様ァッ‼︎万象一切……!」

 

「だからさせるかバァァァァァァカッッ‼︎」

 

今度はドロップキックが炸裂する。お互いに火達磨の状態で。解放しようとしては殴られる、というバカ一色の絵面がしばらく続いたが、結局二人とも燃えて倒れた。

祐作は捕まった。

 

 


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