卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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1日目〜2日目

 

 

さて、寝床は確保したぞ。あとは雛森さんを抱き枕にして寝るだけ……と、思ったら、「んっ……」と息を漏らして雛森さんが起き上がった。

 

「えっ」

 

あ、起きちまった⁉︎まずい!また戦闘が始まっ……‼︎

 

「えへへ〜、お兄ちゃーん‼︎」

 

「ええええええ⁉︎」

 

抱きついて来た。

 

「お兄ちゃーん、えへへー♪」

 

「ええっ⁉︎な、何これどういうプレイ⁉︎一時間いくら⁉︎」

 

「何言ってるの?桃はお兄ちゃんの妹だよ?」

 

「妹⁉︎」

 

「えへへー、お兄ちゃん。遊ぼ?」

 

「いやいやいや、待て待て待て!一体全体これはどういう……!」

 

そこで、ハッとした。確か、雛森さんを眠らせた時、催眠術をかけたよな……。まさか、あの適当な催眠術でこうなったのか⁉︎

マズいだろそれは!いくらなんでも流石に罪悪感がヤバイ!なんとかしないと……!

 

「桃ね、大きくなったらお兄ちゃんと結婚するんだー♪」

 

「そうか、俺も桃と結婚したいなー」

 

悪くないな。

 

 

翌日、確保した寝床である木の上で目を覚ました。すると、トランシーバーから声が聞こえた。

 

『こちら夜一じゃ、起きとるか?』

 

「はい、今起きたとこです……」

 

『そうか。こちらの準備はもう少し掛かる』

 

「りょかい。あ、一護もそっち呼べば?単独じゃ危ないでしょ」

 

『一護はこちらにいる』

 

「えっ?」

 

『というか、捕まってる連中以外はこちらにいる』

 

「ま、待てよ!なんで俺だけハブ⁉︎」

 

『それより、昨日の時点での報告はどうなってる?』

 

「ああ、あの後、桃……雛森さんと檜佐木さんに襲われて、檜佐木さんは返り打ちにしたよ。文字通りピッチャー返しで」

 

『ヒナモリ?は?』

 

「俺の隣で寝てるよ」

 

『待て祐作!それはどういうことだ⁉︎』

 

『なんじゃ砕蜂、うるさいのう』

 

『何してた⁉︎昨日の夜ナニしてた⁉︎』

 

「あーなんかよく分からんけど催眠術にかかって……」

 

『さ、さささ催眠術⁉︎どんなプレイだそれは‼︎』

 

「うるせーな」

 

『それで、倒した藍染はどうした?』

 

『今どこだ祐作⁉︎私か今すぐにそこへ行って貴様を……』

 

『瞬閧‼︎』

 

『ぎゃす!』

 

「それどころじゃなかったよ。雛森さんに襲われてトドメ刺す前に逃げられたっぽい」

 

『ふむ、そうか。奴が今回の事件の黒幕じゃ、そう簡単にはいかぬと思っておったが……』

 

「わーってますよ。もしかしたら、昨日気絶した藍染も鏡花水月かもしれねーんだ、倒したなんて思ってませんよ」

 

『それなら良い。とりあえず、朽木ルキアを盗むのを処刑当日と決めた今、戦力が揃うまで逃げよ』

 

「けど、向こうが先に処刑をはじめちまったらそうは行きませんよ。俺一人でも助けに行きます」

 

『その時は、砕蜂だけでも行かせる』

 

「りょうかい」

 

『じゃあの』

 

「え?あ、うん」

 

『あれ?おい恋次、そこにいた砕蜂はどこへ行っ』

 

切れた。と、思ったら背中から気配を感じた。後ろを見ると、砕蜂が指をコキコキと鳴らして立っていた。

 

「おい……祐作……」

 

「え、あ、うん。コンニチハ!」

 

「どういうことか聞かせてもらおう」

 

「あの、それはこっちの台詞なんですけど……」

 

寝てたはずの雛森さんの声が聞こえた。

 

「雛森、起きてたのか?」

 

「砕蜂隊長、藍染隊長が黒幕って、どういう事ですか?」

 

………そこから聞こえてたんだ。

 

 

事情を説明した。直後、雛森の顔は青ざめていった。

 

「そんな、まさか、本当に……⁉︎」

 

「ああ、残念だけど、その通りだ」

 

「ねぇ、桃。俺のことお兄ちゃんって呼ばないの?」

 

「う、嘘です!あの藍染隊長に限って、そんな……!」

 

「事実だ。現に、平子真子や六車拳西が現世で見つかっている」

 

「桃、ほら、お兄ちゃんって」

 

「………そんな、水上君のいうことが正しかったなんて」

 

「それを止めるために、とりあえず朽木ルキアを私達は救いに来た」

 

「桃ちゃーん、お兄ちゃんですよー?」

 

「ちょっと黙ってて変態」

 

殴り飛ばされた。

 

「分かりました。そういうことなら、私も藍染隊長を止めるのを手伝います」

 

「それは構わないが、お前は大丈夫なのか?立場とか」

 

「平気です。それに、水上くんのことを疑って、私は斬魄刀を水上くんに向けました。あの時、私が邪魔をしなければ勝っていたかもしれないのに……!だから、私もお手伝いしたいんです!」

 

「………わかった。祐作もそれでいいな?」

 

「任務了解」

 

「で、でもそれならマズイですよ!」

 

「へっ?」

 

突然、雛森さんが焦ったような声を出した。

 

「四十六室から命令があったんです。水上祐作が5人以上の隊長を倒した時、卯ノ花烈を人質にしておびき出し、仕留めろって……!」

 

………今なんつった?

 

 


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