卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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1日目(続・3)

 

ひっくり返る明王。俺はその隙にワンコを殴ろうとした。だが、ワンコも何故かひっくり返っている。なんだ?巻き込まれたか?と、思ったらワンコの頬が赤く腫れあがってることに気付いた。さらに、明王と同じ感じで倒れている。

………これは、明王へのダメージはワンコにも入る、ってことでいいのか?

 

「グッ……!やってくれたな……‼︎」

 

顔を抑えながら立ち上がるワンコ。明王も立ち上がろうとしたが、俺は脚を木刀で殴り、再び転ばせた。

 

「ぬをっ⁉︎」

 

ワンコもひっくり返る。俺はニヤリと口を歪ませた。

 

「き、貴様……‼︎って、なんだその顔は……‼︎」

 

素敵な笑みを浮かべたまま、倒れてる明王の股間に向かってある。ワンコの顔が真っ青になってるのが、見なくても分かった。

 

「ま、待……‼︎」

 

「6番、ファースト、大竹文雄」

 

「お願いまって‼︎てか、何その懐かしい漫画のチョイス‼︎」

 

「一振!」

 

「おごっ!」

 

「二振!」

 

「うごっ!」

 

「三振ッ‼︎」

 

「ぬぐおおおおおっ……!お、おお……‼︎」

 

場外ホームランと共に、ワンコは股間を抑えて悶絶し、卍解が切れたのか明王は消え去った。

 

「木刀をなめてっからだワン公」

 

唾を吐き捨ててそう言うと、俺は次の隊長を探しに行った。

 

「………腹減ったな」

 

 

イヅルとギンの猛攻を避けがら、砕蜂はボロボロになりながら逃げていた。

 

(チィッ……!不殺でやるとすると雀蜂は使えん。斬魄刀無しで隊長と副隊長を撒けるのか⁉︎)

 

イヅルが侘助で突撃し、その後ろからギンが神鎗で援護する。

既に7回ほど侘助を受け、砕蜂の雀蜂はかなりの重量になっていた。

 

「チッ、仕方ない……。こんな所で使うつもりは無かったが……‼︎」

 

「………なんや?」

 

「精々、死なないように気を付けろよ」

 

砕蜂は斬魄刀を元の刀に戻すと、隊長羽織を脱ぎ捨てた。

背中と両肩に高濃度に圧縮した鬼道を纏い、霊圧が高まっていった。

 

「な、なんだそれは……⁉︎」

 

イヅルが声を漏らした。

 

「そうか、貴様は知らないか。これはつい最近まで私が編み出したと思っていた技だ。まぁ、夜一様に見てもらったら、『いやそれ瞬閧やん』と言われてしまったがな。これは、瞬閧という技だ」

 

「いや、なんで瞬閧二回言った?」

 

「………二回?」

 

「『いやそれ瞬閧やん』と、『これは、瞬閧という技だ』」

 

「…………」←顔真っ赤なそいぽん

 

「…………」←敵とは言え申し訳ないことをしたと思うイヅル

 

「…………」←腹抱えて爆笑のギン

 

「………本来は隠密起動総司令官に継承される技だ」

 

(なかったことにしようとしてる!何事もなく話を進めようとしてる‼︎)

 

「この技は、まだ私どころか夜一様にですら上手く手加減できん。怪我しないように気を付けろよ」

 

(ダメだ、笑うな僕……今更カッコつけるなとか思うな……!)

 

「イヅル、退き」

 

「隊長………?」

 

「これ以上はキツイ。隊長の斬魄刀は封じたし、十分やろ。それに、さっき旅禍が侵入して来たみたいやし、こんな大技出されたら、援軍が気付いてこっち来るのも時間の問題や」

 

「………了解」

 

ギンとイヅルはその場から退いた。砕蜂はそこで腰を下ろし、息をついた。

 

「………先を急がねば」

 

砕蜂は瞬閧をしまい、すぐに立ち上がって先を急ごうとした。その直後、

 

「嘘や」

 

ギンの声が聞こえた。後ろから侘助に思いっきり背中を殴られた。自分の体重が倍になり、動けなくなる。

 

「なっ……⁉︎」

 

「ははっ、相変わらず砕蜂隊長は純粋やなぁ。少し霊圧消して逃げただけで気を抜いちゃうなんて」

 

「貴様っ……‼︎」

 

「さて、じゃあ連行しよか」

 

縛道でしばられ、砕蜂は捕まった。

 

 

一護達は、兕丹坊との戦闘を終えて、瀞霊廷に侵入した。

 

「さて、とりあえずどうする?夜一さん」

 

「ふむ、あのデカイ白いのは見えるか?あれが双極じゃ」

 

「あれが、ルキアを処刑する奴か……」

 

「あそこの一番デカイ建物に檻があるはずじゃ。そこまで行くが、纏まっていると隊長達を全員相手にせねばならん。二手に分かれて……」

 

そう言いかけた所で、ピクッと夜一は空を見上げた。一護もだ。

 

「これは……!」

 

「砕蜂の霊圧が、消えた……⁉︎」

 

「………なんかパクられた気がする」

 

最後にチャドが余計なことを言ったが、少なからず夜一と一護に動揺が見えた。

 

「すまん、儂は砕蜂の元へ行く。一護とチャド、石田と井上に分かれて進め!」

 

「分かった。石田、井上。気を付けろよ」

 

「ああ」

 

「黒崎くんもね」

 

二手に分かれた。

 

 

一護とチャドは二人で檻を目指す。その途中、影が二つおりて来た。二人の前に、一角と弓親が現れた。

 

「死神……‼︎」

 

「出やがった……‼︎」

 

「………チッ、水上の野郎じゃねぇのか」

 

「どうする?一角、出直す?」

 

「いや、せっかくだ。さっさとぶっ倒して祐作をやるぞ」

 

四人は構えて殴りかかった。

 

 


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