卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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1日目(続・2)

 

 

マックの話をしたあと、新作ガンプラの話になり、ゲーセンの音ゲーの話になり、好きな音楽の話になったあと、どんな楽器が弾けるかという話になり、伊勢さんをボーカルにしてバンド組むかという話になり、けいおんの話になったあと、アニメの話で盛り上がり、荒川アンダーザブリッジについて盛り上がった後、最近現世の川が汚いという話になり、環境問題について話し合ったと思ったら、原発について話をして小一時間経った頃、一護達が侵入してきたのを確認してようやく本題の話をして、目の前の隊長達は唸った。

 

「………なるほどね」

 

「ちなみに、百十年前に消えた隊長達も俺と砕蜂が現世で確認しています」

 

「いやあ、そうだとすると彼らには悪いことしちゃったね」

 

「そうだな。……しかし、藍ぜ」

 

「あ、浮竹さん。奴がどこで話を聞いてるかわかりませんので、チンカスとコードネームを決めましょう」

 

「そうだな。しかし、チンカスが……」

 

「無論、お二方は浦原や夜一さん、鉄裁さんに会ったわけじゃないですし、チンカスが犯人だという物的証拠はどこにもありません。もしこの場で俺とやるなら、それはそれで仕方ないですし、俺も覚悟を決めますけど」

 

「……いや、信用するよ。確かに、僕もこの処刑は疑問だったんだ」

 

「ああ、俺もだ。それで、俺たちはどうすれば良い?」

 

「お二人がこちらの味方についてる事は尸魂界は誰も知らないはず、ですがチンカスだけは分かりません。もしくは、チンカスには仲間がいる可能性もあります。なるべくいつも通り動いて下さい。お二人なら俺や一護達を捕らえない言い訳を考えるのは容易い事でしょう?」

 

「……ああ、分かったよ」

 

「それと、オレンジ色の髪、頭に花のヘアピンを付けた女の子、黒い猫、ロン毛ゴリラは味方です。けど、戦力としてはオレンジと黒い猫以外は正直期待してません。ピンチになったら、お二人が仕留め、自分達の隊舎に捕らえてください。そうすれば、安全に保護できる」

 

「………なるほどね」

 

「とりあえず、各地でこれから混乱が起こると思いますが、よっぽどのことがない限りは敵のフリをして下さい。そこから先は臨機応変に対応して下さい」

 

「分かった。お前はどうするんだ?」

 

「俺は、まぁ隊長格を一人でもおおく引きつけます」

 

「無理するなよ」

 

「わかってます」

 

俺は二人と別れた。

 

 

とりあえず、二人の隊長を仲間にできた。

さて、これからまずは隊長達にちょっかい掛けないとな。

そんな事を思いながら走ってると、ものすごいスピードで迫って来る影があった。それをガードすると、そこにはワンコがいた。

 

「! ワンコ?」

 

「さっきぶりだな、水上祐作‼︎」

 

剣を押し込まれ、後転しながら受け身を取る。

 

「何怒ってんの?」

 

「貴様、先ほどあれだけ挑発しておいてよくそんな口が叩けるな」

 

「お前が砕蜂泣かすからだろ」

 

「ふん、まぁいい。とにかく、反逆者として貴様の命をもらう」

 

「!」

 

「卍、解‼︎」

 

わんこの霊圧が高まり、ワンコの上に巨大な何かが形成されていった。

 

「『黒縄天譴明王』‼︎」

 

………マジかよ、デッカ。まぁいいや、隊長が一人釣れた。

 

「死ね」

 

デッカい刀が振り下ろされる。それを横に回避した。

 

「オイオイ、ここ瀞霊廷だぞ。なんつーことしやがる」

 

「黙れ。貴公はただ殺されれば、良い‼︎」

 

わんこが刀を横に振ると、上の明王(笑)も刀を横に振った。

なるほど、つまり動きが連携してるわけだ。なら、本体を叩けばこっちのもんだよな。

地面を蹴って、走ってわんこに斬りかかった。

 

「ふん、甘い」

 

自分の前に剣を突き刺すわんこ。直後、俺の目の前に明王の刀が突き刺さった。

 

「………なるほど」

 

こりゃ迂闊に近付かんわ。なら、目の前の刀の強度はどうだ?俺は斬魄刀で目の前の刀を斬った。

が、傷一つ付かない。硬さも中々のもんだ。刀を折るのは難しいな。目の前の巨人を潜り抜けて本体を殴るしかないか。

けど、そんなことはワンコも気づいてるはずだ。それなりに対策しているだろう。なら、まずは向こうが対策してない部分から攻めさせてもらおうか。

 

「………打撃に変えよう」

 

俺は距離を取って斬魄刀を構えた。

 

「最古の樹海の中、女、目覚めし刻、中央に聳え立つ一千年の巨木、我に力を分け与えよ、吸えよ魂、射せよ光、汝の身を削って、我が剣となれ『神木ノ太刀』」

 

「むっ?斬魄刀の解放か?」

 

直後、俺の斬魄刀は木刀になった。

 

「………なんの冗談だ?」

 

「うるせぇよ‼︎俺のこと刀こんなんなんだよ‼︎」

 

「ふん、斬魄刀に恵まれなかったのか。残念な奴だ‼︎」

 

地面に刺した刀を抜いて横に払うワンコ。それを俺はジャンプして躱すと共に、刀の上に乗った。相手とのリーチが違うなら、機動戦に持ち込んだ方がいいだろう。その為に、軽い木刀に変えたのだ。

 

「何っ……⁉︎」

 

そのまま刀の上を走って、明王の顔面に向かう。

 

「このっ……‼︎」

 

刀を振って俺を振り落とそうとするわんこ。そんな事、俺が読んでないわけがない。刀を踏み台にして、明王に向かってさらにジャンプした。

空中に舞い上がった俺に、明王の反対側の手から拳が飛んだ。その拳が直撃する前に、拳の下から木刀を突き刺し、ぶら下がりながら回避した。

拳を明王が張り切ったところで、体を大きく揺らして木刀を抜きながら腕の上に立ち、拳に向かう。

相手のもう片方の手には刀が握られている。つまり、刀から攻撃はこない。ワンコに取れる行動は頭突きするか腕を振り回して落とすか。

わんこは後者を取った。腕を振って俺を振り落とそうとする。落とされる前に、再び大きくジャンプした。

目の前には顔面がある。

 

「なっ………⁉︎」

 

「寝てろ、巨人」

 

木刀で思いっきり顔面をブン殴った。

 

 






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