卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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4日目

何故か、俺は砕蜂とデートすることになった。卯ノ花隊長とした事もないのに。

………そういえば、卯ノ花隊長元気かなぁ。ちゃんと書類仕事してるかなぁ。事こうなった以上、まず間違いなく俺はもう副隊長でも何でもないんだろうけど、あの人の部下としてはすごい心配だ。

つーか、彼氏出来てないよね?出来てたらその彼氏の事ブッ殺さないといけないんだから、マジで勘弁してよ?例えそれが山爺でも殺しにかかる。………想像してたら不愉快になってきた。

 

「おい、祐作。顔怖いぞ?」

 

隣の砕蜂が口を挟んできた。

 

「ん、ああ。ごめん。ちょっと卯ノ花隊長が心配でさ」

 

「ああ、そういえば、随分と不安そうな顔してたぞ」

 

「あら、意外。割とせいせいしてるもんだと」

 

「そんな事はないだろう。というか、貴様が四番隊に入ってからは卯ノ花隊長はよく笑うようになっていたぞ。女性死神協会本部でも、よく貴様の話をされたもんだ」

 

「うわあ、多分ボロクソ言われてたんだろうなあ」

 

「いや、たまにだが顔がにやけていることもあったぞ」

 

「人の悪口言う時にほくそ笑んでる辺り、本当あの人悪魔超人だよなあ」

 

「………………」

 

「……なんだよ。何その目」

 

「いや、普段は頭の中も確かにパッパラパーだが、こういう事に関しては別の意味でダメな奴だなと」

 

「は?つーかパッパラパーじゃないし。パンパカパーンだし」

 

「そっちのほうが頭悪そうだが……。まぁいい」

 

なんか呆れられたぞ。まぁ呆れられるのには慣れてるからいいけど。

 

「それより、さっさと服屋に案内しろ。貴様はよく無断で現世に来ていただろう」

 

「え、なんで知ってんの?」

 

「いや、割とみんな知ってたけど」

 

マジかよ……。

 

「というか、自分で言ってたろう。『現世で遊戯王買ってきた!』とか」

 

「ああ、そうだったっけ?」

 

「そうだ。私の機甲忍者は強かったろう」

 

「あ、うん。懐かしいネ」

 

ほとんどブレードハート無双だったけどな……。

そんなことを話してるうちに、ユニ○ロに到着した。

 

「ここ」

 

「おお……服屋だ……」

 

や、どんな感動の仕方?

 

 

その頃、尸魂界のどっか。

 

「いやあ、一時はどうなることかと思いましたね」

 

「ふふ、問題ないよギン。まさか隊長格が返り討ちに遭うとは思わなかったが……今回は私が彼の裏を掛けたからね」

 

(うわあ、すごいドヤ顔)

 

「さて、朽木ルキアは無事、僕の元に来たわけだが、それだけではまだ足りない。水上祐作、彼は必ず私の天敵となる。その前に何とか仕留めておきたいものだ」

 

「うーん……そう言われましてもね……」

 

「頼むよギン。奴に対抗するには君しかいないんだ」

 

(なんで僕が対水上祐作用最終決戦兵器みたいになっとるんやろ)

 

「なぁギン」

 

「うざいなあ」

 

「え?今、ウザいって言った?」

 

「なら、いっそ総隊長と水上クンをぶつけてみたらどうです?」

 

「なるほど、現世にあのハゲを向かわせるんだな?」

 

「あほ、死ね、カス、ヨン様。違います」

 

「おい、お前今何つった?特に最後何つった?」

 

「そんな、直接的なことしたらバレるでしょう。タダでさえ、水上クンのお陰で何人かの隊長は怪しんでるというのに」

 

「じゃあ、どうするんだ?」

 

「何、水上祐作にはいくつか弱点があります。いえ、いくつか、というより何人か、と言った方が正しいですけど」

 

「………なるほど。やはりギン、君を部下にして良かったよ」

 

「ほんとですね。僕いなかったらほぼほぼ間違いなくあんたヤバかったですね」

 

 

「おおおおー」

 

俺の眼の前で、砕蜂が現世の私服を着ていた。とりあえずミニスカとキャミソールを着させて見たわけだが、思いの外似合っていた。

 

「お、おい……これは、その、露出が過ぎるんじゃないか……?」

 

「あ?現世の女の子はみんなこんな感じだよ」

 

知らんけど。

 

「うぐっ……な、なんだこのスカートは……。これではもはや下着が見えてしまうぞ……」

 

「どーでもいいけど、スカートでパンツ隠そうとしてると余計にエロいからやめたほうがいいよ」

 

「んなっ⁉︎き、貴様!」

 

「いや丁寧に忠告してやったんだろ……。じゃ、でもなんか、こう……キャミソールにミニスカってアレだな……」

 

なんか違う。短パンのがいいか。

 

「うん、そうしよう。短パンにしよう」

 

「タンパン?短いパンチ?」

 

「短いパンツだ。てかそれジャブでいいだろ」

 

「ぱ、パンツをむき出しにして歩けというのか⁉︎」

 

「いやそうじゃなくてズボンな。半ズボンって事だよ」

 

「ふむ、そうだな。隠密機動隊だし、動きやすい格好のほうが」

 

「馬鹿、任務に私服着てく奴がいるかよ。そうじゃなくて、そうだな。夜一さんとプライベートで出掛ける時とかに着てみろよ」

 

「よ、夜一様と⁉︎プライベートで⁉︎」

 

「何度か経験あるだろ。………あれ、あるよね?」

 

「ま、まぁ、百十年前ならあるにはあるが……」

 

「せっかく仲直りしたんだし、また行ってみればいいじゃん」

 

「………ふむ、そうか?そうだな。でも、行ってくれるかな……」

 

「恋する男子かお前は。女同士なんだから気楽に行け気楽に」

 

「で、でもなぁ……」

 

「…………」

 

なるほど、こいつクソレズって奴か。そいつは面白いな。

 

「………俺に任せな」

 

「…………えっ?」

 

ニヤリと口を歪めた。

 

 

〜砕蜂side〜

 

ある程度服を買った後、街に現れた虚を駆逐しつつ、浦原商店へ帰宅した。

結局、余りにも祐作が可愛い可愛いと言うので、調子に乗って服を10着以上買ってしまった……。けど、これで夜一様や祐作に可愛いと言ってもらえるなら安いものだ。

そう思って、お風呂を借りて階段を上がると、夜一様の部屋の前に祐作がいるのが見えた。

 

「………?」

 

祐作?こんな所で何を……?

不思議に思ってると、祐作はこっちを見た。気付かれたか?いや、気付かれてるなこれ。ジーッと睨めっこしてるもん。

そのまま目を合わせること数秒、祐作は突然ウィンクして、親指を立てた。

 

「ッ⁉︎」

 

あまりに血走ったウィンクに、私は思わず壁に隠れる。

 

「…………」

 

な、何する気だあいつうううう‼︎あんな血走ったウィンク見たことないぞ⁉︎どういうつもりだ⁉︎

 

「ラーカイラムに乗ったつもりでいな」

 

それ大船って言ってるつもりかああああ‼︎というかどっかで見たことあるぞこの流れ‼︎

私は慌てて部屋の中を覗いた。部屋の中では、祐作と夜一様が何か話していた。

 

「……それで、何の用じゃ?」

 

「単刀直入に言うわ。砕蜂が夜一さんと全裸で布団の中に入ってお互いの中に入るような関係になりたいそうです」

 

「」

 

た、短刀どころかビームサーベルを自分のブリッジにぶっ刺されたああああああ‼︎⁉︎

 

「………言ってる意味が分からないんじゃが」

 

「だから、子供は孕めなくてもベジータとブルマがトランクスを生むためにおそらくやったであろう行為を」

 

直後、私は飛び蹴りで部屋に突入し、あのバカの後頭部に蹴りをブチ込んだ。

 

「そ、砕蜂?」

 

「お前ええええええ‼︎何を言ってくれてんだああああ‼︎」

 

「いってえな。いや、あんま痛くねえや」

 

「うるさい‼︎おおおおお前はいきなり何を言い出すんだ‼︎違いますからね夜一様⁉︎わ、私はクレイジーサイコレズなんかじゃありませんからね⁉︎」

 

「俺別にそこまで言ってな、ゲフ‼︎」

 

「お前は黙っていろ‼︎」

 

蹴りを入れた。

 

「と、とにかく失礼します夜一様‼︎」

 

部屋を出た。この後、ボコボコにした。

 

 


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