卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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3日目

 

 

精霊廷、一番隊隊舎。総隊長の山本が隊長達を集めて話し出した。

 

「事態は重要性を増した‼︎昨晩、六番隊隊長朽木白哉が『オセロ王に、俺はなる‼︎』という書き置きを残し旅に出た‼︎そして十番隊隊長の日番谷冬獅郎が『俺は絶対、あっち向いて火影になるってばよ‼︎』と言って隊舎に引きこもってあっち向いてホイを始めた‼︎奴の能力は未だに不明であるが、非常に危険なものと判断した‼︎」

 

別の意味でな、と全員が心の中で思ったのは言うまでもない。

 

「よって、これからは油断なく引き締めて掛かれ‼︎そして、隊長格ではなく必ず隊長が同行するように‼︎以上‼︎」

 

との事で、解散した。砕蜂はさっさと二番隊隊舎に戻ろうとした。が、その途中でいつもの無表情ながらも、何処となく不安そうな顔色の卯ノ花の顔が見えた。

 

「………祐作っ」

 

ギリッ、と奥歯をかみしめた。

 

 

浦原商店。穴の中に落とされて、よう分からん修行をしている一護と、卍解を習得しようと頑張ってる恋次を見ながら、俺は浦原の隣に座って話していた。将棋やりながら。

 

「……と、いうわけで、俺が奴らの卍解を乗り越えて副隊長三人と隊長二人追い返しました」

 

大嘘だけど結果はあってるので大丈夫だよね。

 

「ホウ、やりますね。隊長2人掛かりで追い返すなんてアタシでも難しいっスよ」

 

「はは、よゆーだよよゆー」

 

だってあいつらメンタル弱いんだもん。

 

「じゃ、しばらく見張りの方は水上サン一人でお願いします」

 

「えっ」

 

「阿散井サンの方も黒崎サンの方も、まだまだ隊長と戦うには戦力として心許ないんス。けど、隊長二人を退ける水上サンならしばらく大丈夫っスよね」

 

「い、いやいやいや‼︎無理無理無理無理‼︎一人は無理だって‼︎俺右手の親指こんなんだし‼︎」

 

「あらぁ?余裕で一人で隊長を二人退けたのならその程度のハンデはあってもいいんじゃないンスか?」

 

こ、こいつ……‼︎

 

「まぁ、大丈夫っスよ実際。今、アタシの友人が黒崎サンのお友達を鍛えてるンス。そっちはこっちほど時間掛からないと思いますし、それまで持ち堪えて下さい」

 

「はぁ?友人って?てか一護の友達って、人間?」

 

「はい。けど、ちゃんと戦力になる能力を持ってるっス」

 

「ふーん……」「その中の一人なら、その親指治してもらえると思うっスよ。多分、その無くなった耳も」

 

「…………耳も?」

 

「はい。ちょっと特殊な能力を持ってる子でしてね……。まぁ、治して欲しかったら今日あたり行ってきたらどうスか?」

 

「いいの?」

 

「はい。今回の件でどんな方法であれ、水上サンが隊長二人を追い返したのは事実っス。尸魂界側も、朽木サンや阿散井サンより、まず水上サンを潰しに来ると思うので、ここに居られる方が困るンスよね」

 

「あんた今ものっそい酷いことをなんの躊躇もなく言ったからね?その辺自覚あるんだろうね?」

 

「たぶん、この場所にいると思いますから、行ってみてください」

 

言われながら、俺はメモ用紙を受け取った。

 

「あ、ところで水上サン」

 

「うるさい、投了なのだよ」

 

「緑間サン?」

 

 

そんなわけで、義骸を借りて、「夜一」という人のいる建物へ。なんか名前がエロいな……。こう、夜の市場みたいな感じで。でもまぁ、名前の感じからかなりイケメンな男って感じするし、正直会うのはあんま楽しみじゃねぇなぁ。

………あ、ゲーセンある。

 

「………………」

 

寄ってってもいいよね!どうせ待ち合わせしたわけじゃないし‼︎大丈夫だよね‼︎

ご入店。お金は浦原商店からパクッ……貰ってきたし、大丈夫でしょ。さぁて、何やろっかなー。

ウキウキしながら、とりあえず太鼓○達人の前に立った。

 

「さて、やるか」

 

100円玉を入れた。鬼モードを選択し、選んだのは千本桜。どっかで聞いたフレーズのような気がする……なんだっけ?まぁいいや。

 

『さぁ、始まるドン!』

 

ゲームを開始した。

 

 

どっかの建物。

 

「⁉︎」

 

「どうしました?夜一さん?」

 

「すまん、二人とも、儂は一度ここを離れる」

 

「へ?」

 

「すぐに戻る!」

 

夜一は建物から飛び降りた。

 

「この霊圧は………⁉︎」

 

 

太鼓をリズムに合わせて叩き始めた。今のところはフルコンボ、そして「ICBM」の辺りまで差し掛かったところまできた時だ。

 

「見つけたぞ、祐作」

 

なんだ?声が聞こえた気が……気の所為か。

 

「我々を裏切っておいて、良く呑気に遊んでいられるな。祐作?」

 

うるせーだな、誰だよこいつ。ゲーム中だっつの。見てわかんねえのか。

 

「というか、あっさりと背後を取られるなんて随分と鈍ったようだな、祐作」

 

あっぶね、一つ打ち漏らすところだった。おい、マジてめっ誰だよ。邪魔すんなっての。

 

「ふむ、この姿勢からならいつでも貴様を殺せるわけだが……そうだな、貴様が許しを請うなら殺さんでやらん事もない」

 

おい、つーか俺がテメェを殺してやろうか?

 

「………お、おい、聞いてるのか?殺しちゃうぞ?いいの?」

 

神威かテメーは。俺がお前を殺しちゃいたい。

 

「わ、わかった!チャンスをあげよう!10秒だけ待ってあげる!だからせめて返事してよ‼︎」

 

おい、しつけぇんだよ。何様だよマジで。埋めるぞコノヤロー。

 

「はい、じゅ〜う!きゅ〜う!はぁ〜ちぃ……」

 

あ、不可………、

 

「しつけぇんだよこの野郎おおおおおお‼︎」

 

振り向きザマに顔面に拳をダンクした。「ぶべらっ」とぶっ飛ばされるそいつの正体は二番隊の隊長さんだった。

 

「あれ?iPhone?」

 

「砕蜂だ‼︎」

 

「何してんのこんなとこで」

 

「お前こそ何やってんだ宣戦布告しておいて‼︎」

 

「太達。一緒にやる?」

 

「やるか‼︎私はここに遊びに来たのでは……‼︎」

 

「まぁそう言うなって。対戦が熱いんだまたこれが」

 

「い、いや私は……!」

 

「いいからいいから」

 

「お、おい!手を握るな‼︎」

 

太達を始めた。

 

 


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