卯ノ花さん護衛します!   作:杉山杉崎杉田

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1日目(続)

さて、啖呵を切ったはいいけどまずはルキアを探さないとな‼︎じゃないと何も始まらないもんな‼︎

そんなわけで、街の中を歩き回ろうとした。

 

「………ま、待てよ祐作」

 

声がした。振り返ると、恋次が立ち上がっていた。

 

「あれー?気絶してなかったっぽい?」

 

「ま、待て!そうじゃねぇ‼︎」

 

指をコキコキと鳴らしながら恋次の方へ歩くと、恋次は手を俺の前にかざした。

 

「じゃあなんだよ」

 

「テメェ一人じゃ、隊長格が襲い掛かってきた時に対処しきれねぇだろ」

 

「あー」

 

どうなんだろうな。隊長格とガチで喧嘩したことないから分からん。

 

「だから、俺もルキアを守るのに手を貸してやる」

 

「…………は?」

 

「だから、手を貸してやるって言ってんだ‼︎………俺も、このままルキアが殺されんのは納得いかねえ」

 

「本気で言ってんの?」

 

「ああ、マジだ」

 

「……………」

 

ま、いっか。この際、一人でも仲間が欲しいし。

 

「わーったよ。足引っ張るんじゃねぇぞ」

 

「はっ、こっちの台詞だよバーカ」

 

「それより、ルキア探さねえとな。あいつがいないと始まらん」

 

「ああ、確かにな。まずはルキアを探さねえと……」

 

ルキアが目の前の交差点から姿を現した。

 

「………………」

 

「………………」

 

「………………」

 

「「確保おおおおおおおお‼︎」」

 

「な、なんだ貴様ら‼︎なんでここに……わぎゃああああああああ‼︎⁉︎」

 

 

追いかけ回してたら調子に乗りすぎて蹴られました。

 

「………と、いうわけで、俺たちはここにいます」

 

「なるほど……。つまり、私の件は既にバレているというわけか」

 

あまり怒ってないのか、ルキアはそっちの方を不安げに感じていた。まぁ、それもそうか。捕まれば即処刑だ。しかも自分の護衛が副隊長二人。不安になるのも当然だろう。

と、思ってると俺と恋次の頭にゲンコツが二発きた。

 

「「いだっ⁉︎」」

 

「何をしているこの馬鹿者共‼︎私なんかのために、尸魂界を裏切りおって‼︎」

 

「何だよ!何キレてんだよ‼︎」

 

「怒りもするだろう‼︎何故、こんな無茶をした貴様ら‼︎」

 

「ああ?テメェの命繋いでやっただけでもありがたく思え馬鹿野郎‼︎」

 

「頼んでないわ‼︎というか質問に答えろ‼︎」

 

「おい、落ち着け二人とも」

 

俺とルキアの間に恋次が割って入った。

 

「ルキア。俺と祐作はお前に死んでほしくないから動いたんだ。だから、頼む。お前を守らせてくれ」

 

「………」

 

まとめるように恋次が言うと、ルキアは照れたように顔を赤くしてそっぽを向いた。

 

「………礼は言わんぞ」

 

「はい、いただきました〜。ルキたそのデレとデレ顏」

 

「貴様には本当に礼は言わん‼︎」

 

「顎が痛い‼︎」

 

昇竜拳バリのアッパーカットを食らった。

 

「………とにかく、貴様らは味方であると私は思って良いのだな?」

 

「ああ。そうだ。で、ルキア。テメェはどいつに死神の力をくれてやったんだ?」

 

「あ、ああ。それは……」

 

「ルキア‼︎」

 

途中で、誰かの声がした。俺も恋次もそっちを見ると、オレンジ色の髪に黒装束を着た男が立っていた。

 

「…………? 知り合いか?ルキア」

 

「テメェら、ルキアに何してやがる‼︎」

 

「奴は黒崎一護、色々と事情があったわけだが、私が死神の能力を分け与えた人間だ」

 

「へぇ、あんなナルトみたいな髪型したヤツに」

 

「まぁ霊圧は悪くねえんじゃねえの?」

 

「おい!聞いてんのか‼︎ルキアから離れろ‼︎」

 

「中々使えるヤツだ。この前は大虚を退けた男だ」

 

「おいおい、マジかよ。じゃあマジで強い奴なんじゃね?」

 

「そうだな。でも、ガサツそうで正直仲良くなれそうにないな」

 

「話聞けって‼︎斬るぞ、いいのか斬っちゃうよー⁉︎」

 

「それなりに事情はあるんだ。私は奴の家で厄介になっていたわけだが……貴様らに感づかれる前に立ち去ろうとしたのだ。……まぁ、貴様らが味方というのなら、その必要はなくなったがな。とにかく、詳しい事は奴の家で……」

 

「人の話聞けって言ってんだろうがああああああ‼︎」

 

「うるせええええええええ‼︎」

 

走って襲いかかってきたナルトの顔面を木刀でホームランした。ギャグマンガのようにフル回転しながら思いっきりぶっ飛び、15メートルほど飛んだあたりで落下していった。あれ、20メートルは飛んだな。

その様子を見ながら、恋次は呟いた。

 

「…………生きてるのかあれ?」

 

「さぁ?」

 

 

黒崎家。俺と恋次は一護くんとやらの部屋に集まった。

 

「……と、いうわけだ」

 

ルキアが死神の力を渡す羽目になった大体の事情を聞いた。

 

「………ふぅん、大変だったんだなお前らも」

 

「それより、煎餅の一つも出ねえのかこの家はよぉ」

 

ベッドの上でワンピースを読みながら呟くと、一護が立ち上がった。

 

「うるせぇ‼︎何、テメェだけ寛いでんだよ‼︎」

 

「あ、終わった。おい、ストロベリー。37巻取って」

 

「誰がストロベリーだ‼︎ていうかそこの本棚にあんだろ‼︎テメェで取れ‼︎」

 

「チッ、使えねえ召使いだ。いいよ、自分で漁るから」

 

「おい‼︎勝手に出歩くな‼︎ここ俺ん家、それ俺のワンピース、それ俺のかっぱえびせんんんんッ‼︎」

 

「落ち着け、一護」

 

「俺が落ち着くの⁉︎俺が落ち着かなきゃダメなの⁉︎」

 

隣のルキアが一護を止めた。

 

「奴には何を言っても無駄だ。ストライクフリーダム以上に自由な奴だからな」

 

「おいおい、ワンピース38巻までしかねえじゃねぇか。おい、一護。お前今から全巻買ってこい」

 

「あーだめだこれ。一発殴る」

 

「おい、良いから話を進めるぞ」

 

恋次の台詞で、俺以外の二人は真面目な顔になった。

 

「とにかく、尸魂界に喧嘩を売った今、向こうからは隊長格以上のメンバーが俺達の所に攻めて来る事は間違いない」

 

「隊長格以上だと?」

 

「祐作はお前も知ってる通り副隊長だし、俺も副隊長に昇進した。それなら、確実に俺達倒してお前を連れ帰れるように副隊長を3人以上連れてくるのが妥当だろ」

 

「なるほど……。しかしどうする?そうなると、我々だけでは凌ぎ切れんぞ」

 

「なぁ、その隊長格ってのはそんなにヤバイのかよ」

 

「ああ。隊長と副隊長ってのがいるんだが、特に隊長がヤバイ。卍解は始解の5倍〜10倍の戦闘力になる」

 

「待て待て、まずその始解って何なんだ?」

 

「はぁ?お前もしかして斬魄刀の名前も聞けてねえのか?そんなんで大虚を追い返したのかよ」

 

「うるせーな。つーか、お前らは斬魄刀に名前なんて付けてんのか?いてーなオイ」

 

「ダメだ、こいつはまるで戦力にならねえ」

 

「ああ?ナメんなオイ‼︎」

 

「まぁ待て。一護は死神になってまだ数ヶ月だ。今、我々のすべき事は各々の戦力の増強だろう」

 

「増強って……現世で修行しろとか言い出す気か?ていうか今から修行なんてしたって……」

 

「それについては、一人アテがある。奴がどこまで力を持っているのか分からないが、話だけでも聞いて貰えば良かろう」

 

「………信用できるヤツなのか?」

 

「一応、私が現世にいる間は色々とサポートしてくれた人だ」

 

「………じゃあ、一応明日行ってみるか」

 

「おい、えーっと水上、だっけか?方針決まったぞ」

 

「Zzz………」

 

「人のベッドで寝るんじゃねえ‼︎」

 

 


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