女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている   作:通りすがりの魔術師

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今回ダラっとしてます

ちなみに「揶揄う」ですが「からかう」と読みます

からかい上手のなんちゃらさんって面白いですよね(うろ覚え)


阿波根うみこは揶揄うのが好き

キービジュアルのコンペが終わっても俺の仕事は終わりません。やってもやっても無くならない作業。同じようなことを何度も繰り返しで、それでいてクオリティは落としてはいけないのだ。

 

 

まぁ、焼肉の時に聞いた話では俺のやってる作業はPVや完成版で初めて出るキャラなのでそこまで急ぐ必要は無いらしい。なんだよ、それ。1週間で仕上げろって言うから頑張ったのに。

 

 

俺はその時思ったね。仕事に終わりはないが、辞められるんだぜ……?

辞めないけど。辞めたところで希望の未来はない。高卒の目も根性も腐った一般男性を他の会社が取るわけがない。最悪、YouTuberかニコ動主にでもなるか。小学生のなりたい職業1位らしいけど大丈夫か日本。あのイキすぎた先輩よりはいいのか?

 

 

 

真面目に変なことを考えていたら、プログラマーブースからうみこさんがやってくる。俺と目が合うとぺこりと一礼して口を開く。

 

 

「今日、面接があるのですがお2人には面接官をお願いしたいのです」

 

 

突然過ぎて、タブペンを走らせていた手を止めて2人で顔を見合わせて首を傾げる。

 

 

「今日の希望者にはお2人が適任ですので」

 

 

どういうことか、そんなことを聞く間もなく俺達は食堂へと通された。

 

 

「ここでやるんですか?」

 

 

「いえ、奥の一室を使います。ここは待合室です」

 

 

うみこさんの視線の先には見慣れない赤い髪をしたのと黒い髪の子がスーツ姿で静かに佇んでいた。

一昨年くらいの俺もあんな感じだったのだろうか。まぁ、俺は来たのは冬だしあんなに落ち着いてなかったが。

 

 

部屋に通され涼風、うみこさん、俺の順で席につく。うみこさんが面接を担当するということはプログラマーの面接だらう。

ならば、俺達は不要だろう。涼風はもちろん、俺もプログラムに関しての知識は高校で教えてもらえるレベルでしか知らない。

その事を言うとうみこさんは「構いません」と言う。実力は把握してるらしく、今回は素行調査らしい。

 

 

「どうぞ」

 

 

ドアが3回叩かれ、うみこさんが返事をすると扉が開かれる。入ってきた黄色い髪をポニーテールに纏めたその少女は俺と涼風に関わりのある人物だった。

 

 

「失礼します!」

 

 

「ねねっち!?」

 

 

「あ、あおっち!?それにハッチーも!?なんで!?」

 

桜ねね。人の休みをひったくるは、仕事終わりに電話を入れてくるわ。お前は俺の母ちゃんか。しかし、確かに桜ならプログラマーの腕はうみこさんは把握しているだろう。ならば、言葉通り素行調査が目的なのだろう。

 

 

「あおっちとハッチーとはなんですか。面接中ですよ?」

 

 

ギロりと私語を放った桜にうみこさんが釘を刺す。それに桜は慌てながらも訂正する。

 

 

「え?……あ!涼風さん、比企谷さん」

 

 

「はい、正解です」

 

 

苦笑しながら涼風が答える。よかったー俺の苗字覚えててくれた。ヒキタニって呼ばれなくて良かったぜ。

 

 

「自己紹介」

 

 

「あ、はい!きらら女子大学の桜ねねと申します」

 

 

「お座りください」

 

 

「失礼します」

 

 

あそこ女子大だったの!?……ほんとに俺入ってよかったのか…?いや、この会社にいる時点で大丈夫な気がするけど。目の前の女子大に男子を呼びつけたとびきりイカれた女はゆっくり席につくと、涼風が肩を震わせて笑いを堪えている様子だ。

 

 

「どうした」

 

 

「う、ううん、マナーを守ってて、つい…」

 

 

え、あぁ、そう。わりとどうでもいい理由で笑ってた。桜も礼儀作法は弁えてるだろ。きらら女子大って俺でも聞いたことがあるくらいの有名校だし。材木座が志望校リストに書いてたからよく覚えてる。

 

 

「それではまず志望動機をどうぞ」

 

 

「う…あお…涼風さんの前でホントに言うんですか?」

 

 

「俺はいいのかよ」

 

 

「……涼風さんに聞かれてはまずい動機なんですか?」

 

 

「うぅ…そんなことないですけど」

 

 

言うと、桜は志望動機を淡々と語る。昨年したアルバイトで会社の雰囲気や作品に対する姿勢に感銘を受けて入社したいと考えたことを。それに涼風は感心したように口を開けている。

 

 

「すごいそんなこと考えてたんですね」

 

 

 

俺も思った。別に悪くない動機じゃないか。ただ、涼風が丁寧語になると煽ってる感じで凄いな。涼風煽葉かな?

にしても、桜のやつぎこちなくてやりにくそうだな。それもそうか、面接官が全員知り合いだもんな。うみこさんはこの状況でも面接を無事終えられるかを試してるんだろう。それに気づいたのか桜は背筋をビシッと伸ばす。

 

 

「……涼風さん。なにか桜さんへ質問はありますか?」

 

 

「えっと…いつから弊社に入社したいと考えるようになったんですか?」

 

 

「ほ、ホントはデバッグのバイトをしてた時はただ楽しかっただけでまたデバッグできたらいいな~と思ってるだけでした」

 

 

かなりぶっちゃけたな。どうせ取り繕ってもバレると想定したのか。意外に頭回るんだなと自然に頷く。

 

 

「でも、デバッグの募集はもう無いと聞いて最初はなんとなく、プログラムを始めてみただけだったんですが、使ってるうちにあお…涼風さん達が凄く頑張ってゲームを作ってるってわかってきて…ゲームを1本自作していく中で自然ともう1度御社で働いてみたいと思いました!」

 

 

動機としては充分すぎる理由で思わず「ブラボー!おお・・・ブラボー!!」と拍手したくなってしまうくらいにはよかった。危ない危ない。

 

 

「……結構です。涼風さん。他にはなにかありますか?」

 

 

「い、いえ、今は別に…」

 

 

「それでは涼風さんお疲れ様でした。ご退室ください」

 

 

「え、私が退室ですか!?」

 

 

「そうです」

 

 

うん、これ俺いらなかったよね?ため息を吐かぬように注意して立ち上がろうとすると太ももにカチャリと鈍く黒く光るアレが突きつけられていた。

 

 

「比企谷さんはステイです」

 

 

「……俺は犬か何かですか」

 

 

呟いて椅子に座り直すと、涼風が退室する。ここから本番なのだろう。で、俺は何すればいいの?犬でも連れてくればいいの?

 

 

 

……その後も俺は特にすることは何もなかった。

桜は週3日出勤の3ヶ月間のアルバイトで課題や雑用続きとなること。そして、うみこさんは私の期待を裏切らないようにと。そう言われた桜は目尻に涙を浮かべる。

 

 

「えへへ、期待してるなんて生まれて初めて言われました。頑張ります!」

 

 

しかし、その顔に悲しみの色はなく。いつもの元気ハツラツとした表情だ。

 

 

「最後に比企谷さんからなにかあれば」

 

 

流石に来させて何も喋らせないのはあれかと思ったのか、もしくはあらかじめ最後に何か言わせるつもりだったのか。この人の考えてることはわからない。

 

 

「特に何も。言いたいことはその時その場で言います」

 

 

言いたいことはたくさんある。人の休日を邪魔するな、仕事終わりに電話をするな、人の気苦労を無駄にするな。でも、それは彼女が悪意があってやってるわけではない。それに俺も怒りはしていない。いつの間にか、それなりに楽しんでる俺がいるのだ。だから、一つだけ強いて言えることがあるとすれば。

 

 

「まぁ、楽しいゲームを作れるようにこれから頑張ろうぜ」

 

 

言うと、桜は「はい!」と力強く頷く。そんな俺達のやり取りにうみこさんは微笑む。

 

 

「さぁ、もう開発室に行ってもいいですよ。改めて涼風さんに挨拶してきてはいかがですか」

 

 

「はい!ありがとうございました!」

 

 

ドタドタと騒がしく音を立てて出ていた桜が出ていった扉を温かい目で見つめる。

 

 

「付き合わせてしまってすみません。仕事詰めだったようなので息抜きにと思いまして」

 

 

「あぁ、そういう事ですか」

 

 

納得するとドアの向こうに目を向ける。そういえば、まだ2人くらい残ってるんだっけか。

 

 

「じゃ、俺も開発室に戻ります。いい気分転換もできたので」

 

 

立ち上がって部屋を出ていく前にそう言って俺も退室する。また少し騒がしくなるな。そう思いながら。

 

 

 

桜の花は散れども、桜は葉をつける。それが何のためなのかは学校では教えてもらえない。人はたいてい教えてもらわなかったことを聞かれると「そんなの知らねぇよ。学校で教わってねぇんだから」と返す。

教えてもらわなかったからどうなのだろうか。自分の人生が教科書に載っているわけが無いし、人生まで学校に教えてもらう事はない。

 

 

何故ならば、これは自分の物語なのだから。




デデドン!(絶望)


重大発表ぉー!!



Twitterの方でアンケート取ります。



アニメオリジナルの百合温泉があったじゃろ?あれ書こうと思ったけどあれは八幡がいない方が美しいと思うのよ。

それでなにか別の話を書きたいわけよ(ホントは書きたくないんだけど)



それで、俺はあるイベントを考えた……





それが!




『作者が考えた!夏だ!海だ!花火だ!夏休みだ!フェスティバル!』





前置きはここまでにして、ざっくり言うと

①八幡がイーグルジャンプにはいったきかっかけ

②ひふみ先輩視点回

③そのまま6巻の内容に入るか

④夏だし水着回やろうぜ


のどれをやるか投票で決めようぜ!っていうもの。


①に関しては何度か指摘があったので。
ちょうど5巻がまるまる青葉の過去編なので青葉と八幡メインで過去編やっちゃうか。となりました。


②→感想欄にひふみ狂が湧いてるので。話の内容は…まぁ、楽しみにしてろ。


③これが1番作者的に楽


④俺はな!誕生日だからとか!何かのイベントだからって特別な話は書かない主義なんだよ!!……とか言いましたがTwitterの投票機能が4つまであるので、たまになら……みたいな感じで。


以上が今回の『夏だ!フェスティバルだ!』(略した)の概要です。

「Twitterやってないから投票できない……」という人で感想や個人メッセや評価付与の際のコメント、過去の活動報告へのコメントで『〇番で~』とされても無効とします。(というか、したら泣く)


(追記)新しく活動報告でもアンケート受け付けます。だから、感想で言うなよ!


投票期間はこの話が出てから24時間です。なので投票終了後に書き始めるので投稿は"早く"て月曜日になります。
(6巻分の話は書いておく予定ですが…FGOイベが……ゴホゴホ!)


ということでよろしくお願いします。


その他アテンション


八幡の入社理由については「平塚先生からの助言」としてましたが変更しました。オリキャラは出さないつもりですが、最悪出るかもです。


水着回ですが、作者は女性の下着には関心と造詣がありますが水着に関してはありません。だから、公式さんのイラストを見て書きます。その方が皆さんイメージしやすいからいいよね!


ひふみ先輩視点回ですが…多分「……」が多くなります。あと、過度な期待はしないように。(マジで)


6巻分ですが、特にいうことは(ないです)
強いて言うなら新キャラ出るよ!くらい。(ヒロインが増えるよ。やったね八幡!……え?胃薬?効いたよね?早めのアヴァロン♪)


では、よろしくです~

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