女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている   作:通りすがりの魔術師

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空前絶後のぉ!
超絶怒涛の孤独の王!
孤独を愛し 孤独に愛された男!
便所飯 先生と組む クリぼっち
全ての孤独の生みの親ァ!!
そう 我こそはぁぁ!!
サンシャイイイン!!!
ぼふっ!
通りでビラ配りをしています!!!
お小遣い3000円!貯金残高25000円!キャッシュカードの暗証番号は0721
財布は警察にありまァァす!
読者の皆さん!今がチャンスでぇぇぇす!
もう一度言いますよ!『0721』
「お、なにー?」で覚えてくださぁぁい!!
そう!全てをさらけ出した俺は!
サンシャイーン!
ぼふっ!
通りすがりのぉ……魔術師!!
イエェエエエエ!!!!
ジャス!!!ティス!

茶番終了

とりあえず最終回として用意しておいた内容です。
今、振り返るとマスターアップの回も十分最終回でした。

どうぞ



働くって青春なのだろうか。

打ち上げ

 

もう聞き慣れてしまった言葉だが、やはり釈然としない。

打ち上げると落ちて帰ってくるのは自然の摂理だし、たとえ空に上がってもいずれは帰ってくるのがオチだ。打ち上げ花火なんて大空で弾けて綺麗なアートを写し出すが、消える時は落ちるように広がって消えていく。それに小惑星探査機ハヤブサ2に括りつけられて小惑星を探査しようにも人間は大気圏を抜ける際に死滅するので不可能な話である。何の話だよ。

 

話を戻すが学生の打ち上げというのはファミレスやカラオケ、大学生にもなると居酒屋などで行われるが、社会人ともなるとあるホテルの1室を借りて行われる。出てくる料理や飲み物はサイゼとは比べ物にならないのだが、所詮一般家庭で育った俺としてはミラノ風ドリアの方が食べたいし、MAXコーヒーの方が飲みたい。

 

まぁ、つまり、学生時代の打ち上げなんて打ち上げと言えず、ただの学生が大人ごっこする会と言える。てか、前夜祭とか後夜祭も似たようなもんな気がするし、リア充はとりあえず打ち上げといたり、祭りをしとけばいいと思ってるよな。

 

フェアリーズストーリー3の発売が2週間。売れ行きはなかなか好調らしく、予定した販売数を超えており相当な人気を誇っているようだ。そうでなくては面白くない。まぁ、じゃなきゃこんなでかいホールで打ち上げパーティなんてできんだろう。てか、打ち上げってパーティじゃないの?どっちなの?

 

そんな疑問を持ちながらチキンにかぶりつく。なるほど、辛味チキンといい勝負じゃねぇか……やっぱり国産若鶏は違うな。日本の畜産農家の人に感謝だぜ…これって蝦夷農かな。

 

周りを見れば見たことない人でごった返しており、なかには声優さんやらお髭のおじ様たちも大勢いる。こういう人混みは嫌いだが、話が通じない人が大勢いる訳では無いから問題ない。ほら、なんか日本語通じそうなのに通じない人っているじゃん?あれって日本人なのかな?そう思ってると八神さんが挨拶を始める。

 

「えー…キャラクターまわりのリーダーをやらせてもらった八神コウです。……えっと、あれ…?何いうか忘れちゃった。すみませんこういうの慣れてなくて」

 

八神さんが照れくさそうに言うと笑いが起こる。すると、はじめさんと涼風が「いつもどおりでいいんですよー」「八神さん頑張ってくださーい!」とエールを送ると八神さんは落ち着いた感じで話し始める。

 

「…私は三部作の一作目からキャラデザとして携わって、この7年近くの間、いろいろなことがありました。辛いことも多かったですが…」

 

そう一旦切るとその視線は遠山さん、ひふみ先輩、ゆん先輩、はじめさん、涼風、そして俺に向けられる。

 

「…でも今作の開発は楽しいことばかりだった気がします。スタッフのみんなありがとう。今後ともよろしく」

 

そこまで言ったところで拍手があがる。俺も持っていたグラスを置いて手を叩いていた。そして、八神さんのマイクは次の人に渡される。

 

「では、最後にディレクターの葉月から」

 

司会と遠山が目配せすると、その葉月さんという人は口を開く。

 

「ディレクターの葉月しずくです。おかげさまで売り上げも好調なようでほっとひと安心。これでまた新たな一歩を踏み出せるかなと思っています。先ほどの八神のお話の通り一作目のスタートから七年近くが経ちます」

 

葉月さんという人はどういう人なのか俺にはわからないが、だが涼風が思い悩んでいた時に声をかけたり、食堂ではじめさんやゆん先輩と親交もあったから人当たりがいい人なんだろうと思う。まぁ、俺とは全く会話してないけど。

 

「最初から開発に携わってきた者。途中から参加した者。全員を含めるととても多くの人間の力でこうして発売まで辿り着けたと思います。みんなありがとうそれでは乾杯」

 

「かんぱーい!!」

 

こうしてディレクターや各お偉いさん、この作品に関わった重要な人達からの挨拶を終えて打ち上げは始まった。

 

 

###

 

 

乾杯の音頭があってから会場は賑わっており、会話を楽しむ者、食事を楽しむ者、あるいはその両方。はたまた、声優さんにサインをもらいに行く者。人それぞれにこの打ち上げを楽しんでいる。

俺はと言うと壁に持たれて手に持つグラスのジュースをチビチビと飲んでいた。こうしていると、やはり俺はこうやって遠目から見てる方が気が楽と感じられる。まぁ、そうしていても話しかけられるのだが。

 

「久しぶり、比企谷」

 

「おう、久しぶり」

 

えっと、誰だっけ川谷?たわし以外たわしじゃないよ?当たり前だけどね。違うな、川崎か。

 

「デバッグも呼ばれてるんだな」

 

「うん、クレジットに名前が載ってる人には声かけてるんだって」

 

「なるほどな」

 

軽く相槌を打つと、川崎からグラスを差し出させれる。どういう意味かわからんかったが、川崎が横目である人達を見るとそこではグラスとグラスをカーンと合わせて乾杯をしていた。俺はそれを見て理解すると川崎のグラスに自分のグラスを当てる。

 

「乾杯」

 

「うん、乾杯」

 

俺達はそう言うとグラスに入ったジュースを口に含む。まだ未成年だからここに出されてるオレンジジュースしか飲めねぇんだよな。お酒が飲みたいとは思わんが炭酸も飲みたい気がする。やはり、そのあたりサイゼは最強。何でも揃ってるからな。

 

「あ、グラスなくなった」

 

俺が中身を飲み干して独り言のように言うと川崎が「取ってこようか?」と言うが遠慮しておいた。これくらいは自分で取りに行くしそれに何か食べないとな。今回もタダ飯みたいなもんだし。テーブルの方に向かうとちょうどプレゼント抽選会が行われていた。

 

「3等は87番の方!」

 

「あー!はいはいはーい!!」

 

そう元気に手を挙げた桜は嬉嬉として受け取りに行くが、その景品はまさかのモデルガン。つまり、渡したのは…

 

「景品は阿波根さんよりN16アサルトライフルモデルガンでーす!」

 

「まさか桜さんに当たるとは、まぁデバッグを頑張ってくれたお礼になりますね」

 

やっぱりか……やっぱりうみこさんか。てか、あれ欲しいんだけど…

しかし、受け取った本人は「なにこれ…いらない…」と口を尖らせていた。それにうみこさんは怒りもせず、顎に手を置いて笑っていた。

 

「ははは、桜さんにはBK47の方がお似合いでしたね」

 

「そのネタがそもそもわかんないだよ!」

 

「なんでわからねぇんだよ!」

 

気付けば俺も自然に大声を出していて、今までひっそりとしていたためか、それともあの2人のやり取りも含めてなのか場が静まり返る。俺は慌てて口を塞ぐが時すでに遅し。そして、桜は口を尖らせて

 

「え……いや、わかんないもん」

 

と言うので

 

「え……あっ、そうですか…すんません」

 

なんで同い年に敬語なんて使ってんだろ。とりあえず、場は遠山さんの流れるようなトークで盛り返したが俺達3人は雑談という名のミリタリートークをしていた。

 

「ミリタリーってよくわからないんだよね」

 

「製造の歴史などを知れば少しは興味がわくかもしれませんよ?」

 

「まぁ、ガルパン見ろガルパン」

 

あれは戦車の方が多いが三日月ちゃんマジで可愛いから。ゲリラ戦大好きとか鉄華団かよ。でも、何故かオルガが大量にわくが気にしない。

 

「じゃあ次のデバッグの時までに調べておきますです!」

 

「残念ですが、今度からは専門の会社に発注する予定らしいのでデバッグの募集はもうありませんよ」

 

涼し気な声で言ううみこさんに対して衝撃の展開を見せられた桜はガチャンと持っていたモデルガンを指さすに落とす。

 

「私絵は描けないしそんな頭も良くないし想像力もないし、じゃあほんとにこれでお別れ…?」

 

想像力が足りないよ…とか思いましたが、そんなことダメですよね。ちらりと見るとライフルを拾うためしゃがみ込んだ桜の顔は張り詰めており、今にも爆発しそうだったが、うみこさんはサラサラと名刺に何か書き込んでそれを桜に渡す。

 

「何かあれば連絡してください」

 

「うみこさん……」

 

「泣き言は聞きませんからね」

 

やっぱりこの人は優しいのか優しくないのか……いや、この人は単なる気まぐれなのかもな。

 

「それではいよいよ一等に移りたいと思いまーす」

 

2人の後ろ姿を見送り俺はテーブル付近に戻ると一等の番号が発表される。

 

「82番の方!」

 

「あ、俺か」

 

ポケットから番号が書かれた紙を取り出すと、『82』と勝利の番号が刻まれていた。俺はガッツポーズを取るとそのまま前に出る。

 

「景品は私から東京デスティニーランドペアチケットです!」

 

「……」

 

どうしよう全然嬉しくない。こういう時どういう顔をすればいいかわからないよ。え、笑えばいいと思う?そ、そうか。ははは…。先ほどの場所に戻ると見知った顔の人たちが俺のかわりに喜んでくれている。

 

「よかったじゃん!八幡!」

 

「せや!デスティニーランドやで!」

 

「……よかった……ね」

 

「比企谷さんもよく頑張っていましたからね」

 

「そうだよ、ハッチは頑張った!」

 

はじめさん……良くないんだ……ゆん先輩…デスティニーランドであってもなくてもダメなんだ…ひふみ先輩…うん、ありがとうございます…うみこさん…ま、まぁ!俺、夜勤はしない残業しないお泊まりしないを守れなかった人ですし!桜、貴様は何様だ。

そうやって強がるも俺の表情は暗いようではじめさんに「大丈夫?」と顔を覗かれる。

 

「大丈夫ですよ…多分」

 

「多分って………なんでそんな暗いん?」

 

「これ…ペアチケットじゃないですか…」

 

俺がチケットを指しながら言うと全員がウンウンと頷く、それで察したのか桜は「ハッ!」と言う顔をする。

 

「それが……どうか…したの?」

 

「誘える人がいないし、誘ったとしても承諾してくれるか不安です」

 

それを真顔で言うと、全員が苦い顔をするかと思いきや、ため息をついたりホッとした顔をしていた。

 

「はぁ、そんなことですか。別に私は大丈夫ですよ」

 

「うちも平気やで。てっきり、あんたが絶叫マシーン無理なんかと思うたやん」

 

「私もいつでも空いてるからね!」

 

「……わ、わたしも…」

 

「私も行きたい行きたい!」

 

俺はどんな顔をしているだろうか。呆気に取られたような顔か、それともなんとも言えない顔か。今まで培ってきた人間観察の眼はこの人たちが嘘をついてるようには見えてないし、それは俺の直感もそう告げている。

でも、これペアチケットだからこの中から一人選ぶって至難の業なんですけど。まぁ、こんな俺でもいいと言ってくれるのならそれは喜ぶべきなんだろう。

 

「って、これペアチケットなんでこんな大人数じゃ無理ですよ…」

 

「それもそうか!」

 

はじめさんがわははと笑っていると、今まで席を外していた八神さんと涼風が戻ってくる。それぞれで2人をみんなで迎え入れる。

 

「あ、戻ってきた」

 

と、桜がチキンやポテトを頬張りながら言う。

 

「まったく…取引先の人が捜していましたよ?」

 

うみこさんは少し弱めのカクテルの入ったグラスを手に取ると優しく微笑む。

 

「そうだ、八神さんもサインくださいよ 記念に!」

 

「素直に欲しいっていえばええやろ?」

 

はじめさんが照れくさそうにサイン色紙を出し、ゆん先輩はそれを見て苦笑いしている。

 

「……おかえり。青葉ちゃんも連れてきてくれてありがとうね」

 

そして、この中で誰よりも八神さんのことを知り、八神さんのことが好きな人は誰よりも優しく朗らかな笑顔を向けた。

その笑顔を向けられた2人も遠山さん以上の笑顔を見せて涼風は「はい!」と。八神さんに寄り添いながら言った。

 

 

そんな光景を眺めながら、グラスに張られた水面にうつる自分を見て少しあることが脳裏をよぎった。

 

もしかしたら…もしかしたらだ。俺の探していたものはここにあるのかもしれない。今まで欲しがって探し続けていたものはどこかにある。それはあの部室もそうだし、ここにもあるのかもしれない。でも、手に入るかは別だ。だが、今はありのままを受け入れよう。

 

「え!比企谷君デスティニーランドのチケット当てたの!?」

 

「お、青葉。もしかして八幡と行きたいの?」

 

「そりゃ行きたいですよ!……って何言わせるんですか!?」

 

八神さんに茶化された涼風は顔を赤らめると八神さんを睨みつける。そして、俺を見ると顔を逸らしながらモジモジしていたので俺は一言だけ。

 

「まぁ……予定が合えばな…」

 

 

青春とは学生時代のことを言うらしい。

学び、遊び、友情を育み、恋をしたりすることを青春というのなら、会社もそれは同じなのではないだろうか。

 

もし、もしもだ。

その言葉が今でも使えるなら。使っていいのなら。

 

 

……働くって青春なんじゃないだろうか。

 

 

 

###

 

おまけ【八幡視点ではない】

 

「やっと一息つけるなぁ〜」

 

パーティが終わるとそれぞれに身体を伸ばす。

 

「そうだね〜。……てか、青葉ちゃんいいなぁ…」

 

はじめはあまり酒を飲んでいないため、身体はふらついていないが八幡が青葉と2人で出かけると知って少し落ち込むというか、嫉妬のような感情に駆られている。

 

「まぁ、同期やしなぁ〜。しゃあないんちゃうか」

 

逆にゆんは今回は少しにとどめたのだが、やはり酔いがまわっており楽観的だ。まぁ、彼女は八幡にはあまり気はないといえば嘘になるが今は特に考えることは無い。しかし、彼女が翌日酔いが覚める時には発狂することになる。

 

「……」

 

ひふみに関して言えば、ぼうっと空を眺めるだけだった。

彼女が何を考えているかはよくわからないが、とりあえず早く帰って愛しの宗次郎に会いたいという心だけだ。

 

「あ〜眠い。明日休みでよかった…」

 

そして話題の中心の1人とは言うと酒も飲めず、特になんの気持ちもなく出てきて大きなあくびをしていた。

 

「明日は全員休みだと思いますよ。流石に楽しんだ後に仕事ができるとは思いませんし」

 

八幡の後ろから出てきたうみこは酒に強いため酔ってはいないが顔が赤いことから相当飲んだことが窺える。

青葉やねね、コウやりんは帰り道が逆のためもあったが酔いが恐ろしい2人だったためうみこが先に帰らせたのだ。

 

「あの2人大丈夫かな……結構フラフラだったけど」

 

八幡がそんな心配をするとピクッと何人か反応を示す。今この場に残っている者は八幡以外は成人しているため全員酒を飲んでいる。

反応した全員の胸中は同じで酔った勢いで八幡の前で何かやらかさないかということだった。

 

「じゃ、また明後日ですかね?俺はこれで」

 

そうやって1人猫背で帰ろうとすると4人全員に背中のフードを掴まれる。

 

「比企谷さん、か弱いレディーをこんな夜中に1人で帰らせると?」

 

「……怖い…………」

 

「…ちょっと流石に私もこの時間はね」

 

「うちもなんか不安やわ…」

 

全員言ってることは女性らしいのだが、なんだか全員怖い。そんなふうに感じた八幡は時計を見る。

 

「いや、まだ11時ですよ。これくらいなら…」

 

大丈夫と続けようとしたところでいつも物静かな女性が八幡の耳元で囁く。

 

「……大丈夫……じゃ……ないんだよ……?」

 

それだけで童貞の男は揺れる揺れる。少し空を見上げればピンク色の看板にHOTELと書かれており、思わず唾を飲み込む。頭にはあんなことやこんなことが浮かんでおり、酔いがまわってるならいけるんじゃね!?とか考えているがさすがにそこまで勇気も元気もなかったため、身体をよじる。

 

 

しかし、異様な殺気に感ずいた八幡が振り返るとほかの3人も臨戦態勢を取っていた。あまりにも異様な雰囲気の彼女達に八幡は仕方なく全員を家に送り届けるのであった。チャンチャン♪




婦警は見た!きらら警察24時!

うちに…そんなものはないよ…


とりあえず最終回として用意していた話です。葉月さん以外は八幡と会話できました!やったね!

葉月「解せぬ」

まぁ、これからもやってくわけですが、もしかしたら途中で新作にフェードアウトするかもしれません(多分ないです)

考えているのは俺ガイル×ジョジョ、進撃の巨人×鉄血のオルフェンズ
それか僕の好きな作品オールスターズみたいなのをやりたいなーと仕事をしながら考えていました。

とりあえずこの作品は続きます!NEW GAME!二期来い!来なかったら泣く!てか、てめぇらアニメ見ろ!

おっと失礼…本音が…そんなわけでこれからも応援よろしくデース

あと、投稿時間が16時30分だったり、深夜2時だったりしますが作者の気分なのでお気になさらず〜

ついでに言うと明日は投稿しますが明後日はどうかわかりません
理由は少しは休ませてぇー!

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