女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている 作:通りすがりの魔術師
大晦日だよ!ドラえもんとか見ません
大掃除して友達の家行って帰ってきてガキ使見ます
で、正月は初詣行ってからアニメイト行きます
ちょっと通りすがってきます。
あとキーボードの調子が本当に悪いので誤字脱字が多くなると思われます
正月にソフマップで買おうかな…
ゲーム制作も終盤。俺の戦いは第二フェイズに移行していた。
「ミスが多発……ですか」
白い紙1枚にびっしりと敷き詰められた文字列は何度瞬きしても消えず、その黒い文字は俺の網膜にこびりつくように全く動かず消えることもない。
「えぇ、ミスといっても簡単なものばかりなのですぐに終わると思います。終わったら八神に報告しておいてください」
それだけ言うとプログラマーチームは仕事がまだまだ残っているのだろうか。目の下にはクマがあり、こちらのブースを出ていく時も「はぁ…」とため息をついていた。
うん、また休みにサバゲーに付き合ってあげよう。それでまたマグナムで追い詰めてあげよう。ほんとにライフル使ったら負けるのにマグナムかリボルバーだったら勝てるってどうなんだろう。サバゲーでリボルバーで即死クラスだと思うんだけど。
サバゲーしてて思ったのは、俺って運動神経は悪くないんだな。って常に思うんだ。でも、やる相手がいなかったからなぁ。それに比べてサバゲーはやる気と実力があれば相手してもらえるからな。
まぁ、そんな戯言を吐いていても仕事は終わらないドラゲナイわけで…ほんとに社会人になってからの仕事ってワードが怖い。夢に出てくるくらいに怖い。
それで仕事楽しいとか言ってるやつもめちゃくちゃ怖い。まぁ、自分の好きな職につけてて、思ったのと違うかったとか言わないやつは楽しいだろうな。俺の隣とか。
「比企谷君そっち終わった?」
「終わってねぇよ。終わらないパーティーだよ」
もうこのままMusic S.T.A.R.Tしちゃいたいくらいだよ。
連日座りっぱなしで俺のお尻がにっこにっこにーって言ってるよ。
「じゃあ、手伝おうか?」
「あー…」
手伝って貰えば早く終わるんだろうが、終わってもひふみ先輩とゆん先輩見てる限りじゃデバッグ作業するっぽいしな…。でも、この細かいミスをちまちま潰すのもな…。それに俺は養ってもらう気はあっても、施してもらう気はないし…。
「いや、いいわ。どうせすぐ終わるし」
「終わらないって言ってたのに……」
ぶつくさ言いながら涼風は席から立ち上がり八神さんのところに報告に向かったようだ。誰かに手伝ってもらうのは早く終わっていいが、なんか自分の仕事なのに他の人にかやってもらうのはやっぱり気が引けるんだよな。俺ってめんどくせぇ…
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やった……やったんですよ…必死に!その結果がこれなんですよ。
と言いたいばかりにミスをちまちま修正し終わった。まぁ、八神さんに報告する時にそんなことは言ってない。ちゃんと終わりましたとだけ伝えておいた。
「じゃあ後はデバッグしておいて」
「うぃっす」
……にしてもとてもマスターアップとは思えない静けさだな。あれか?嵐の前の静けさってやつか?
嵐の中で輝いて倍返しだぁぁぁ!!
だが、どうやらこの静けさはグラフィックチームだけらしく、俺の脳内や他のブースは色々と忙しいようだ。そして、この静けさも終わりらしい。
「あおっちー!ハッチー!」
「ねねっちどうしたの?」
「うみこさんが栄養ドリンク買ってきてくれって。だから2人も行こ!」
えぇ……別に俺いなくても良くない……?むしろ、桜一人でもいいんじゃないかと思うんだけど。…まぁ、こんな暗い中女子2人だけっていうのもやばいか。
「じゃあ、さっさと行こうぜ。チラッと見たけどプログラマーチーム死にかけてたし」
なんなら、俺が逆に殺されそうだった。何か言うはずだったのに忘れるくらいに殺気立ってた。
とにかく、俺は椅子に座る暇もなく、次の仕事を言い渡された。
バイトに。
3人で向かったのは会社近くで深夜にもやってるドラッグストア。ドラッグストアといってもリーズナブルに特化しておりお菓子やらジュース、アイスも売っている。ただし、マッ缶は売っていない。解せぬ。
マッ缶が無いことを確認した俺はふらりと2人のもとに戻ると涼風達が危なっかしい会話をしていた。
「そうだ、ねねっちお使いの時はね〜しっかり領収書を貰わないといけないんだよ」
「ふーん、レシートじゃダメなの?」
「……え?どうだろ……」
「いいんじゃない?記録は残るんだし」
「そっか確かにそうだよね」
「ねー」
あぁ、おいたわしや……。なんて馬鹿なことを…。俺こいつらと同年代だ…すげぇ悲しい。そんな気持ちが俺から滲み出ていたのか涼風が何も知らずに話しかけてくる。
「比企谷君どうしたの頭抑えて」
「いや、なんでもない…なんでもないよ」
「じゃ、なんで私達のことそんな可哀想な目で見てるの…」
見てないよ。別に養豚場の豚を見るような目はしていない。あぁ、これから出荷されて肉丼になるとか思ってない。やべ…銀の匙見たくなってきた。
「栄養ドリンク〜栄養ドリンク〜」
「どれがいいんだろ」
まぁ、妥当なとこでオロナミンFとか『ファイトォォォ!!!イッパァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ーツ!!!』じゃないですかね。
で、桜が「あ!すごそう、これ!」と指さしたのが。
「ケロリン大魔王!!」
「三千円!?な、なにこれ高過ぎない?」
確かに高いが、栄養ドリンクは高い方が疲れにはいいらしいからな。
でも、パッケージの『命を…燃やせ!おめめけろりん!』ってのはすごくブラック企業の社員向けのドリンクなんだろうなーって感じさせるよね。命燃やした結果が仮面ライダーだったりしたらどうなるんだろう。
「まぁ、これうみこさんが飲むんだろ?沖縄育ちならこれくらい飲まないと元気出ないんじゃねぇの?」
「そうだよ、あおっち!うみこさんに安物なんて効かないよ!『なんですかこの安物。水ですかー?』……って言われちゃうって!」
「ありそうで怖いよ…」
うん、あると思います。古い!
……どうでもいいが、桜のうみこさんのモノマネ上手いな。さすが、集中力がなくてうみこさんの隣に移動させられただけはある。
「あれ、そういえば、川…川……」
えっと、なんだっけな。あれだよ、あれガンプラ作る名人の…それは川口だな。あと、最近はあんまり出てないけどひろしの後輩でもある。
「あぁ、沙希っちなら会社にいると思うよ。忙しそうだったし」
へー、てか、もう川なんとかさんでわかるようになってるあたり、桜も俺に慣れてきたな。まぁ、いきなりハッチとかいうくらいだし。あれ?俺っていつ自己紹介したっけ?あれ?
俺が頭を抱えてる間に俺の持つカゴの重さはどんどん増えていった。
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会社に帰ってからはドリンクやらお菓子は涼風に任せて俺は自分の席に戻った。……やっぱり静かだなぁ。でも、プログラマーブースは少し騒がしいな…あのドリンクどんな味なんだろ。ブラック企業専用ドリンクって感じがするから少し飲んでみたい気もするんだが。
「比企谷」
呼ばれて振り向けばそこにいたのは川なんとかさんこと黒のレース。川崎沙希である。
「どした」
俺も疲れているからか、文字数が少ない単語を選んでしまう。昨日もあんまり寝てねぇしな…たわわチャレンジしてて。
「いや、今日で最後だから挨拶に回ってるだけ」
「そうか、お疲れさん」
アルバイトなのにこんな時間までほんとにご苦労様さまである。
残業代ってどれくらい出るんだろ?通常分に上乗せされるのだろうか。
「ほんとに静かだね。こんなに人がいるのに」
「疲れてるからな。それに騒がしいよりはいい」
「だね」
俺がそう言うと川崎は微笑む。高校の頃はこんな感じで2人きりで会話することもなかったから少し新鮮な感じがする。
「比企谷はさ、この会社で働くの楽しい?」
「まぁな。でも、やっぱり仕事っていうワードは嫌いだ」
「比企谷らしいね」
俺らしいか。まぁ、俺らしいな。いつまで経っても、ひねくれてるし、目と考え方は腐ってるし、悪いところは直さないし、なんでもそつなくこなすけど、コミュニケーションは素っ気ないし。
でも、そんな俺でも話してくれる人がいる。接してくれる人がいる。それも今の俺らしさがあるからなんだろう。
「じゃ、八神さん達にも挨拶してくるから」
「あぁ」
そう言うと川崎は軽く手を振ってから八神さんがいるブースに向かう。椅子から立ち上がって外の空を見てみれば月は出ていないが、珍しく満天の星空が舞っている。こんな都会でも星が見えるんだな。とかそんなことを思ってしまう。どれがなんの星かもわからんが、多分あれがデネブ、アルタイル、ベガなんだろう。繋げば夏の大三角形になる。よし、あれだな。
そんなくだらないことも考えてしまうのも俺らしい。
俺がここに来てから半年も経っていない。そんな中で俺はここに馴染めたのか、馴染んでいたのか。それは俺にはわからない。
でも……
「八幡、コーヒー買ってきたよー!」
いつも天真爛漫で出るとこは出てて健康的な身体をした特撮、アニメ好きな人が。
「……私は……クッキー、持ってきた……」
恥ずかしがり屋でコミュ障で天使で、なのにコスプレイヤーな人が。
「うちも色々買ってきたでー!」
関西弁で身体やらは小さいのにお姉さんで体型を気にしてるけど細くて可愛い人が。
「すごいよ、ハッチ!けろりんパワー!」
アルバイトだが、1日で会社に溶け込んで色々やらかしたトラブルメーカーが。
「おぉ、私もひふみんのクッキーもらおうかな」
天才と言われてるけど努力家でサバサバしてて会社でパンツで寝る人が。
「私もいただこうかしら」
上品だけど誰よりもしっかりしていて今日まで俺たちを導いてくれた人が。
「私も少しお菓子をもらいに来ました」
真面目で不器用でミリタリー大好きで面倒見がいい人が。
「よしっ!みんなで乾杯しましょう!」
中学生みたいな童顔と容姿で俺と同い年でめげずに頑張ってるやつが。
そんな人達がいるこの会社を嫌いではない。
仕事は嫌いでもこの職場を嫌いにはなれない。なってはいけないし、なれるはずがない。
「比企谷君もおいでよ!」「ハッチー!」
「ほら、八幡、マッ缶だよ!」
「はよ、こななくなんでー!」「…クッキー…美味しい……」
「これは美味しいですね…比企谷さんも早く来て食べた方がいいですよ?」
「全部飲んで食べちゃうよー」
「ダメよ、コウちゃん。でも、早く来ないと私が食べちゃおうかしら」
今はこの瞬間を。このひと時を。ただ受け止めよう。そして、楽しもう。
それが今の俺にとっての幸福であり、彼女達の幸福だと信じて。
今年最後の更新ということで少し頑張りました。
一番最後に何か八幡のセリフを入れようと思ったのですが、八幡なら無言で少し笑いながら行くだろうと思い、消しました…
あった方が良かったかな?
まぁ、八幡らしさ……が出てるといいですが。
二回目になりますが、これが年内最後の更新です!大晦日特別編とかお正月特別編とかは書きません!ごめんなさい!
次の更新は1月3日(予定)
では、良いお年をお迎えください!
(追記)
投稿時間を今日の16時にするはずが先程になり、しかも行間詰めが行われていたのに気付いたのが2分前
そして、キーボードの調子が本当にメチャくちゃくそ悪い