女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている 作:通りすがりの魔術師
テスト終わりました(悲壮)
早めに帰れる生活からクソみたいな部活をしてからの帰宅の生活に戻ります。死にたいとは言いませんがやめたい。
やっと新作書けます(歓喜)
正直、テスト期間中にかけましたがこれやほかの2本で手一杯でした
自分の技術不足が恨めしい
新作の内容(ネタバレはしない)
モンハンです。多重クロスの。ほら、XXが出るかモンスターハンター多重クロスっていうのがあってもいいよねみたいな
モンハンに俺ガイル、鉄血のオルフェンズという謎の組み合わせです
まぁ、あくまで予定です。
日曜日からバイト(働くって青春だ)
お金は労働の対価、拾う、ギャンブル、強盗など様々な方法で手に入れることができるが、どれもこれも手に入れるのにはしたくないことをしなきゃいけないものである。
生きていくうえではお金の存在が絶対不可欠であるという事は、万人が理解するところであろう。無ければ路頭に迷い公園暮らしのアリエッティになる可能性がある。……あの手の人はお金を手に入れたらどうするのであろうか、という一筋の疑問がわいてきたが触れてはいけない気がするから置いておこう。
ある人は言った
「人の価値はお金の使い方で決まる」
お金の使い方は人それぞれで、貯金する人もいれば欲しいものを買うのに使う、更なる高みを目指し企業投資する人もいれば人生ワンチャンあるでしょと大博打に挑む人もいるだろう。
では、俺は。社会人として、1人の大人となった比企谷八幡は。
この初給料を何に使うのだろうか。
時は遡ること2時間前__
「比企谷君、はいこれ」
そう言われて渡されたのは高校時代に2、3回だけ見た封筒。
それは俺が夏休みに資金不足でバイトをした時だったか…仕事を覚えるのが早すぎて「可愛くないやつ」とか言われて上司というか先輩が鬱陶しかったからバックれたんだったけか。
そのことから紐解くにどうやらこれは給与明細ということらしい。
「…ありがとうございます」
こういうのって会社でも手渡されるものなんだな…。
てっきり、今日給料日だから銀行いけよみたいな感じだと思ってた。
中身を確認してみるとそこそこの額だ。俺の働きが正当に評価されているのだとしたら、これは少し多いような気もする。
そんな疑問を持ちながら渡してくれた遠山さんを見ると最後の涼風に渡し終えて、こちらを振り向きつつ言う。
「青葉ちゃんと比企谷君は初給料ね」
「はい!バイトもしたことないのでホントに初です!」
涼風は初給料が嬉しいのかそうハツラツと答えると、俺の方を見る。
「比企谷君は?」
「…高校の時に少しだけバイトしてたから給料を貰うのは初めてではないな」
言うと涼風は「凄い…」と感嘆の声を口にするが、本当はもう少しお金が欲しかったが先輩が嫌でバックれたことを知ればどういう反応になるのだろうか。いや、やめておこう。
「でも振込だとやっぱりこういう明細書だけなんですね」
「ん?」
涼風は給与明細の封筒を透かすようにしてみながら、彼女の妄想を話し始める。
「だって、お給料といえば封筒の厚みで『おっ、今月は多いな!』とか『少ないな…』って一喜一憂するものかと」
お前はいつの時代の人間だ…。そう思ったのは俺だけないらしく、遠山さんは苦笑いの表情を浮かべている。
「青葉ちゃんホントに10代?」
多分俺と同い年ならそうなんじゃないですかね。でも、まだ歳下と言われても信じちゃうけどね。
俺も苦笑いを浮かべていると涼風は表情を曇らせる。
「で、でも貰っていいんですかね…まだこれしか作ってないのに…しかも残業代まで」
彼女の目にはパソコンに映る2体のキャラクターが。
確かにそれは俺も疑問だった。俺は4体だが、残業というほど残業はしてないし、なんなら定時に帰っている日の方が多かった。だから、この額が多いのかはわからんが俺に合っているのか不安だ。
そんな不安をよぎらせているとはじめ先輩の「そう!」で現実に戻される。
「だから青葉ちゃんは早く会社に貢献できるように頑張らないとね!そして会社から評価されれば〜お給料も上がるわけですよ!」
あーどうやら今回ではじめ先輩のお給料はレベルアップしたらしい。
そのことを涼風が尋ねると、少しだけ、上がったそうだ。
「どうせデスクのおもちゃに消えるんやろ」
ジト目でそう言うゆん先輩にはじめ先輩はすこし怒りながら言う。
どうでもいい話だが、飯島先輩と呼んでいたら「そろそろ下の名前で呼んでくれてもええんちゃう?」と言われてしまいゆん先輩呼びにチェンジした。まぁ、本人に言ったことはないが。
「いいだろ別に!それに資料にもなってるし。現に八神さんがよく持ってくし」
デスクに並べられてフィギュアを眺めるとはじめ先輩はガシッと光る剣を掴む。
「特にこれ!」
その言葉と共に持ち手の側面についているスイッチがカチッ。
そして、暗く透明だった剣は徐々に光を帯びていく。さらにはじめ先輩が振り回すとブゥン、ブゥゥンという効果音が鳴る。なにその機能。
「これがあるだけで仕事が捗るんだ」
そう言って振り回す姿はすごく楽しそうだし、なんか中二心を燻られる。……くっ!どうやら第2の俺が魔剣を欲しがっているようだぜ…!!……ってこれじゃどこぞのザザ虫みたいじゃねぇか…。
「ついでに西洋の剣もあります」
なんだよ、ジャパネットはじめかよ。しかし、チャキって音が鳴ったけど大丈夫なのかそれ。
「はい、八幡」
ニコニコしながらしかも名指しで渡されてしまったとなれば受け取る他ない。一度剣を納刀しなおし、俺はここで過去の記憶を呼び覚ます。中学時代、遊ぶ相手もいなかった俺だが1人でチャンバラに明け暮れたあの日々を。音も立てずに剣を抜刀していくと全ての神経が研ぎ澄まされていくようだった。
あぁ、もし俺が剣の時代に生まれていれば有名な剣豪になれていたのではないかという錯覚に陥るほどの境地。まさに阿修羅すら凌駕する存在!!
俺の覇気に触発されたのかはじめ先輩は違う剣を抜き構える。互いに見合うがどちらも指一つ動かさず相手の出方を伺っている。
室内はそこまで暑くなく、お互いに服装は涼し気なのに妙な汗が出てくる。このブースだけ異様な空間に包まれる。__そして次の瞬間
「はい、お2人ともストップです」
涼風が手で制すと互いに剣を納刀。そして握手を交える。
今日の敵は明日の友とかなんとか。戦ってもないのに友達になっちゃったぜ!!
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一部始終を見終えた遠山さんは俺とはじめ先輩が席につくと先ほど止まっていた給料について話す。
「お給料の査定は年に1回だから、2人とも来年には昇給してるといいわね」
つまり、会社が不況に陥らない限りは俺の給料はこのままということか。特別ボーナスも出るかはわからんが少しは期待してもいいかもしれない。気になることがあったのか涼風はあることを口にする。
「評価っていい仕事をしていれば上がるものなんですか?」
「2人はまだ与えられた仕事をこなしてくれればそれでいいわね。でも目の前の仕事以外にもどれだけチームに貢献できたかも大事よ。ちなみに青葉ちゃんと比企谷君、キャラ班はキャラリーダーのコウちゃんとADの私が評価して社長に報告するの」
じゃ、ボーナスはないのか。サラリーマンじゃないんだし当たり前か。しかし、貢献か……難しいな。ただでさえ役に立ててるのかわからんのに。
「…そうね、でも比企谷君と青葉ちゃんはいいと思ったことをまずはやってみてね」
どうやら、俺の独り言は少しだけ口に出ていたらしく遠山さんはそれを俺の悩みと受け取ったのだろう。
「八神さんって仕事には厳しいし、大変だよねキャラ班」
そう言うのは先ほど戦友となったモーション班のはじめ先輩だ。
あ?そういえば……
「そういえばはじめ先輩ってモーション班なのになんでこっちに?」
俺のその疑問がはじめ先輩にはグサッと刺さったのか声のトーンが一気に下がる。
「ごめんね……私もね。モーション班のブースにいたいんだけどね……ごめんね……」
2回も謝らなくても…涼風も同じことを聞こうと思っていたのかすごく気まずそうな顔をしている。
「モーション班の席が余ってなくてね。それに隣だし」
遠山さんがフォローするように言うがあまり効果が無いらしく、はじめ先輩はまだ拗ねている。しかし、俺の顔を見ると微笑み、顔を逸らしてデスクに向き直ると誰に向けたのか小さな声で「……まぁ、別にこっちの方がたのしいからいいんだけどね」と、俺の耳には届いてきた。
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「初給料は何に使うか決めてる?」
……と遠山さんに聞かれてからだ。俺がここまで悩んでいるのは。
いや、全く考えていなかった。それは涼風も同じだったらしく。隣で「どうしようかな…」と呟いている。よかった…悩んでいるのは俺だけじゃないらしい。
参考までに他の人に聞くとゆん先輩は服。はじめ先輩はフィギュア。
八神さんと遠山さんは八神さんは忘れていたが日帰り温泉に行ったらしい。
で、ひふみ先輩はコスプレ衣装らしいんですが写真ないんですか?なんなら、もう久しぶりにTwitter開いて見つけちゃうよ!!
「比企谷君は何に使うの?」
涼風に問いかけられ手を止める。高卒とはいえ社会人になって初の給料だ。自分の時間をこの会社のために使い働きそれで得たものだ。だから、自分に使うのが妥当なところだろう。だが、特に欲しいものもないし食べたいものもない。
「……特に何も考えてねぇな」
「そっか…比企谷君もか…」
お互いに手も口も動かず、画面ではなくどこを見ているのかわからない。遠山さんは言っていた。
「貯金もいいけど、なにか思い出に残ることをしておくのもいいと思うわよ」
しかし、貯金という選択肢はなかった。それは涼風も同じらしく。自分のスーツの襟を優しく触っている。涼風は「よし、決めた」というと俺の方を見る。
「会社おわった後、少し…いいかな?」
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特にすることもなく、お金の使い道も決まっていなかったので涼風の誘いを断る理由はなかった。どこに行って何をするのかはわからないがもしかしたら涼風の用に付き合えば何か見えてくるものがあるらしい。
定時時間になるとはじめ先輩がパソコンの電源を落とし、席から立ち上がる。
「よしっ!新しいフィギュア買いに行くぞぉ〜!」
そう言うとはじめ先輩は元気よく「お疲れ様でしたー!」というとブースから出ていく。
それを苦笑いしながら見ていたゆん先輩も電源を落として「うちも今日は服買いに行こかな」と言い、社内をあとにする。
そして
「じゃ、行こっか」
帰宅準備万端になった涼風は俺の横に少し顔を赤らめて立っている。
待たせては悪いので俺も速やかに帰り支度を済ませる。
カバンを持ち、涼風に一声かける。
「よし…行くか」
「……うん」
なんで顔赤らめてんだよ…なんかむず痒いな。
そんな俺達を見てどこからか「付き合い立てのカップルかよ」とそんな声が奥の方で聞こえた。
会社を出ると外はすっかり夜の街だ。俺は自転車を取りに行き、愛車を手押ししながら涼風のところに向かう。
そのまま無言のまま道を進むと、涼風が口を開く。
「私さ、同い年の男の子と一緒に帰るのって初めてなんだよね」
お、おう…。なにその素敵な告白みたいなの。
ちょっと勘違いしちゃうじゃない?まぁ、したところで意味は無いしする必要性がない。本当にないからこそ言ったのだろう。それなら少し緊張して顔を赤らめているのも頷ける。
「だからさ、なんだろ少しドキドキする」
「まぁ、人間初めてのことは何かしら心の高鳴りとかあるらしいからな」
「比企谷君も初めてじゃないの?」
普通なんじゃねぇの、と続けようとしたが涼風に遮られてしまう。
そのニュアンスだと俺に今までそういうことがなかったみたいな言い方だな。
「まぁ、妹がいるからな。まだマシなほうだ」
うん、ホントに。小町万々歳である。
「で、どこに行くんだ?」
まさか、まさかとは思うけど本当にまさかホテルとかじゃないよね。まだ18歳だよ?ちょっと早すぎるんじゃない?しかも、こんな合法ロリみたいなのと…
「ケーキ屋さんだよ」
あ、ですよね。……ん?
「ケーキ?」
「うん。このスーツさ、高いのにお母さんとお父さんが買ってくれてさ。だから、2人に何か買ってあげたいなって思って」
それでケーキか。なるほど、涼風らしいというか…
涼風らしい?まだ1ヶ月も一緒にいないのに勝手にわかった気になっている。俺の悪いクセだな。しかし、まぁ、家族に贈り物か。
「いいんじゃねぇの。多分、喜んでくれるだろ」
俺が言うと涼風は笑顔でケーキ屋の前で立ち止まる。
「だよね!…だからさ、一緒にお母さんとお父さんのケーキ選んでよ!それでさちょっとだけここでケーキ食べようよ。私たちの初給料でさ」
そう言う涼風はとても楽しそうで幸せそうな顔していた。
人のお金の使い方は人それぞれだ。使うか貯金か博打。
正しいお金の使い方があるかはわからない。でも、誰かのために贈り物をすることは悪くないことだろう。
俺には誰かにケーキを送るほど、親しい人間などいない。家族にも大学受験せずに就職したから半ば追い出されたようなもんだからな。
それに自分で稼いだ給料だ。自分のために使うのも悪くないだろう。
「そうだな。食うか…」
もし、お金の使い方で悩んでいる人がいるのなら。
お金があるけど使い道がないのなら。
たまには自分や誰かにご褒美をあげてもいいんじゃないだろうか。
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おまけ(という名の後日談)
「まんがタイムきららキャラット!!」
青葉「比企谷君、ケーキ美味しかったね!」
八幡「そうだな…悪くなかった」
青葉「…素直に美味しいっていえばいいのに」
八幡「いや、悪くなかったって言ってるじゃん…」
青葉「うーん、まぁ、いっか。比企谷君だし」
八幡「え、それってどういう…」
青葉「まんがタイムきららキャラット!毎月28日発売!芳文社!」
八幡「えっちょ、だからどういう……」
ひふみ『私も行きたいな……(><)』
がはまさん(とか雪乃とかいろはすと帰ったことあるのになんか「妹以外はお前が初めてだよ」みたいな言い方する八幡
あざとい。
最後に一度入れてみたいやつをやってみました!反応次第で続けるし、消します(震え声)
次はいつになるかな…(遠い目)