女の子だらけの職場で俺が働くのはまちがっている   作:通りすがりの魔術師

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さーて久しぶりの更新ですよーと。
ここから2話くらいコンペの話です。


どうしてか涼風青葉は期待される。

 

 

 

「は? キャラコンペ?」

 

 

 

成人式という人生の節目と呼んでも差し支えのないイベントを終えて、いつも通りの社会人生活に戻った俺は目の前で瞳をギラつかせる後輩の言葉に耳を疑う。

 

 

 

 

「はい、はじめさんの企画のゲームのキャラクターデザインを決めるんです」

 

 

 

「いや、それは分かるんだが」

 

 

 

まぁ結構前の話のように感じるが、そういえばPECOの次にイーグルジャンプが出すゲームにはじめさんの『ドッジボールファイト(仮)』に白羽の矢が立ったんだよな。企画に四苦八苦してた様子を見てただけあって採用された時はとても喜ばしかったが、そうだよな俺って企画でもモーション班でもなければキャラクターデザイナー班なんだよな。自分の立ち位置を危うく見失うところだったぜ。

 

 

 

「やっぱり望月は出るのか」

 

 

 

「もちろんです」

 

 

 

ですよねーと俺は苦笑して望月の視線から逃れようとするが、そうは問屋が卸さないと言わんばかりにタイヤ式の椅子を器用に使って俺の側面に回り込んでくる。

 

 

 

「八幡さんも出るんですよね?」

 

 

 

ここしばらくの望月の変化として、俺の事を下の名前で呼んでくるようになった。もちろん、会社では勤続年数的に俺が上なので「さん」がついてる。会社外でもなのだが、それはこちらとしてはありがたい。急に呼び捨てにされたら「気安く呼ぶんじゃねぇ!」と顔を赤くして逃げ帰ってしまいそうだ。どんなツンデレだよ。

 

 

 

これは成人式の日に俺と同い年だと知った望月と鳴海が決めたことで、翌日の出勤日にそういうことになりましたと2人で伝達に来た。いや、別に呼ばなくてもいいんだよ?

ついでに俺に下の名前で呼んでもいいですよとか言ってきたが、そこは断っておいた。

 

 

 

「聞いてますか?」

 

 

 

「あぁ、悪い。考え事してたわ。で、何?」

 

 

 

 

「むー…」

 

 

 

おいおいそんな頬膨らませるなよあざとく見えるけど可愛いじゃねぇか。そこら辺の男ならコロッと落ちて溶けちゃうぜ。

さて、コンペか。あれあんまり好きじゃねえんだよな。いや、選ばれる選ばれないの問題じゃなくて考えるのがな…。しかも、八神さんに負けるのが目に見えてたからキャラクターじゃなくてアイテムの方に逃げたからな。そのおかげでエフェクト班の人とも交友が出来たぜ!

 

 

 

まぁそういうことで前回出てるし今回は出なくていいかなと高を括っているとキャラコンペの概要の書かれたプリントを持ってきたはじめさんがやってくる。

 

 

 

「じゃーん!まずチーム構成は当初の5人から改め3人となりました。プラス常時外野ポジションの3人とで計6人チーム!」

 

 

 

葉月さんや大和さんとの話し合いでより企画をブラッシュアップしたのだろうか。にしても、ドッジボールか。懐かしいな。低学年の時はまだ混ぜてもらえたが歳を重ねるごとに外野より向こう側にいた気がする。

過去の思い出に身を蝕まれていると涼風が仕様書を見ながらはじめさんに尋ねる。

 

 

 

 

「世界観の指定は?」

 

 

 

「学園ものかなーなんて私は思ってるけど…PECOの時同様自由! ただしターゲット層は小学生男子を想定してるよ」

 

 

 

だから、そういうことでと俺を見る。

 

 

 

「男の子代表の八幡には有利なんじゃないかなー」

 

 

 

 

「はぁ。でも、俺出る気ないんですけど」

 

 

 

「え!?出ないの!!?」

 

 

 

驚愕の表情を見せるはじめさんに他のメンバーも口を開けて俺を見ている。

 

 

 

「いや、自由参加なら俺はいいかなと」

 

 

 

八神さんがいない今、確かに俺でもメインキャラクターデザイナーになることは出来るだろう。しかし、前回メインになった実績のある涼風に新たに加わって初のコンペに闘志を燃やしてる望月。それに今回はゆんさんも出る気みたいだし、俺の勝つ確率は0パーセント。敗北者行き確定である。…は、敗北者…?

 

 

 

「んー、出来れば八幡には出て欲しかったんだけど…」

 

 

 

 

「私も八幡さんの絵見たいです」

 

 

 

 

はじめさんに同意するように望月が俺に眼差しを向けてくる。涼風とゆんさんは苦笑い気味でひふみ先輩は戸惑い気味にファイトだよと拳を握っている。

 

 

 

「まぁ……何か思いついたら参加ってことで」

 

 

 

「うん!よろしくね!」

 

 

 

 

無言の圧力に負けた俺はとりあえず脳内で構想を練っていく。男の子向けか…どの世代だろうか。与えられた骨組みに肉を着けるようにして思考を繰り返す。

 

 

 

「青葉ちゃんには特に期待がかかってるからね〜よろしく頼むよん!」

 

 

 

「頑張ります」

 

 

 

クスクスとからかうようなはじめさんの言い方に遠慮がちに答える涼風の横でプリントがクシャと強く握られる音がしてそちらを見てみると、まるで身体からメラメラと炎を出しているかのような望月が。

 

 

 

「あ…刺激するようなこと言っちゃった私…?」

 

 

 

「ははは」

 

 

 

 

地雷を踏み抜いたはじめさんに乾いた笑いを浮かべた涼風は望月に声をかけようにもかけられないため、次の話題へとシフトする。

 

 

 

「あとひふみ先輩アートディレクターの件なんですけど…」

 

 

 

「え!?」

 

 

 

そりゃ八神さんが抜けて、遠山さんがプロデューサーに回ったら自然と経験も実力もあるひふみ先輩があがるだろう。他の2人も異論はないのか「すごい」「実力やな〜」と賞賛している。

 

 

 

「や、やっぱりやらなきゃ…ダメ? グラフィックチーム全員をまとめるのは…ちょっと…」

 

 

 

しかし本人はそんな期待されてもとしおらしくプリントで顔を半分隠す。確かにひふみ先輩に実力はあれど全体をまとめあげるカリスマ性とかはないのかもしれない。だけど俺はどこにでもついてく所存だし、逆らうやつも触れれば30秒で死に至るヒキガヤ・ヘイズをお見舞いしてやれば問題ない。だが俺にそんな獰猛な能力はない。

 

 

「実力的にはひふみ先輩なんです!せめてキャラコンペが終わるまでだけでも…ダメですか?」

 

 

 

 

「そ、それじゃあ…コンペまで…わかった」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

はじめさんの熱に押されて妥協して納得したひふみ先輩は自分の席へと戻っていく。それに釣られて涼風や望月も自分のパソコンと向かい合い作業を開始した。

期待されてる涼風に、初めて自分の力を発揮出来る望月。二人とも気合いも熱意も見てるだけで伝わってくる。

 

 

 

 

「……はぁ」

 

 

 

 

それに対して誰にも聞こえないくらい小さなため息を漏らしたゆんさんの表情は芳しくない。今のため息に込められたのは嫉妬、というやつだろうか。俺じゃなきゃ聞き逃しちゃうくらいの音量だ。涼風と望月の背中を見ながら発せられたそれは、自分だけ何の期待もされていないという失意なのだろう。

 

 

 

誰にも期待されない。

俺からすれば羨ましいことこの上ない。期待されないということは、勝手に誰かが裏切られた気にもならないし、自分も気負うことなく己の作業に熱をそそげる。それの結果が良ければ褒められて次の期待へと繋がってしまうが、悪いか可もなく不可もなくなら「まぁあいつはこんなもんだし」と記憶にも残らず流される。

 

 

 

誰の記憶にも残らず、ただ目の前の仕事を終わらせたら文句も言われない。なんて素晴らしいことなのだろう。勝手に期待して勝手に裏切られた気になるなんてのは、お互いに良くない気分だろう。

だから、俺はゆんさんが抱えている感情を理解できないし、する気もない。けど、はじめさんは期待はしてなくても、ゆんさんを信頼してるから何も言わなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

……あくまで可能性の話だが。

 

 

 

 

 

 

###

 

 

 

 

 

下準備から1週間ほど経ってキャラコンペ当日。一体今までどこにいたんだという量の人間が社内で1番広い会議室に集まっている。おそらく、背景やエフェクト班からも何人か来ているのだろう。

 

 

 

 

「本日はコンペに向けて多くのご参加ありがとうございます!」

 

 

 

 

カッターシャツにスーツ用のズボンといつものラフなスタイルから引き締まった装いのはじめさんは大衆の前で司会を執る。まぁ企画者なのだから当然だろうか。

こういうことをするのが楽しいのか緊張してる様子はなく、むしろ口角を上げて楽しんでいる様子だ。

 

 

 

 

「えっと、最初は…皆きっと気になってますよね。涼風さんのデザイン」

 

 

 

 

「ちょっハードル上げないでくださいよ!」

 

 

 

 

それを証拠に涼風をいじったはじめさんに何人かの笑いが起こる。中にはひふみ先輩のように苦笑を浮かべてるものもいるが、掴みはOKだろう。

 

 

 

「では涼風さんからお願いします。どうぞ!」

 

 

 

 

「はい…!」

 

 

 

プロジェクターの前に立ち左手でPCを操作しながら、映し出されたデザインに涼風が説明を加えていく。いかにも、といった風貌の少年達がネット検索で一番最初にヒットしそうなユニフォームを着ている。

それに俺は眉を顰める。いつもの可愛い推しではなく、在り来りというか、誰にでも思いつきそうなイラストだ。

 

 

 

「…なんや絵柄変わりましたね青葉ちゃん」

 

 

 

「うん」

 

 

 

言葉ではオブラートに包んでいるが、ゆんさんもどこかしっくり来ないという感じの口調だ。ひふみ先輩も思うところがあるのか頷きの言葉を出したにも関わらず微動だにしなかった。

 

 

 

「私は純粋に部活ものとしてキャラクターをデザインしてみました」

 

 

 

 

「あ、うん、そう…私もこんな感じのをイメージしてて……あれ………?」

 

 

 

戸惑いの声を出すはじめさんに涼風はぎこちないままの笑顔で審査員席を見つめる。

 

 

 

 

「あ…! ごめんなさい。変な反応をしてしまって。とても良いと思うんです。まさにこれって感じで…だけどなんだろう…」

 

 

 

はじめさんはそこで言葉を切ったが、あえて繋げるなら「これじゃない」と言ったところか。イラストを凝視していた葉月さんは顔を上げると涼風に尋ねた。

 

 

 

「涼風くんとしてはこのデザイン気に入ってる?」

 

 

 

「え? も、もちろんです!」

 

 

「…悪いけど無難に選んでもらおうっていう意識を感じて私はつまらないかなって思ってる」

 

 

 

──涼風くんはもっと気持ちのこもった絵を描けるはずなんじゃないかな?

 

 

 

 

押し付けられた期待に応えるために可もなく不可もないデザインをした涼風に突き刺さったのは失望の意。こんなもんじゃないだろという勝手な思い込み。

 

 

 

「そ、そうですよ! 普段の青葉ちゃんならもっと良いのが描けますよ。だ、だから次回までにいつもの調子で描いてきてくれるかな?」

 

 

 

「…はい、すみませんでした。描き直します」

 

 

 

沈んだ空気を上げるため大袈裟な身振り手振りでまくし立てたはじめさんに涼風は萎縮気味に頷くと観衆の中へと戻っていく。

 

 

 

「えっと、じゃあ次は…あ、やっぱりいる」

 

 

 

そう言ってはじめさんはすぐさま後ろを振り向いて瞳を、まるで最初からそこにいるのを知ってたかのように1発でゆんさんに狙いをつけた。

 

 

 

「ゆ…飯島ゆんさんお願いします」

 

 

 

「…はい!」

 

 

 

続いて2番バッターはゆんさん。投影されたスクリーンにはパンクでアメリカのストリート街でバスケットをしてそうなやんちゃで悪そうなギザ歯を剥き出しにした少年少女達だ。

 

 

 

「私の描いたキャラクターも少年達ですが世界観は少し違います。ポップカルチャーの中でもストリート系をイメージしました。試合も縄張り争いみたいなイメージです」

 

 

 

 

「凄い、この発想はなかった…確かにゲーム性ともしっくりくる…」

 

 

 

確かに悪くないデザインだし、縄張り争いという点からストーリーも構築しやすい。男の子向けでもあるし、こういうデザインは女の子も手に取りやすい。

 

 

 

「わぁいいですね。この雰囲気」

 

 

 

 

「おおきに」

 

 

 

遠山さんからも好印象なようでゆんさんは笑顔を浮かべる。そのままコンペはどんどんと進んでいき、様々な案が出されるが今までで一番好印象だったのはゆんさんのだが、他のもはじめさんは「ここがいい!」「あーなるほど!」と褒めちぎっていた。

 

 

 

「じゃ、次は比企谷さん?くん?言い難いな…お、お願いします!」

 

 

 

普段名前で呼んでいるせいか俺の苗字を呼ぶのに不慣れみたいですね。でも、ヒキタニって呼ばなかったから許しちゃう!

 

 

 

というか、この流れで俺なのか。あと呼ばれてないのが望月だろ? 望月の前座か嫌だなぁ。あれだぜこれで俺が変なの出したら失望されて「あなたとは違うんです」と俺より遥かに上のデザインを叩きつけてくるに違いない。

ここはさっさと適当に発表して引き下がろうとキーボードを叩いてスクリーンに俺のデザインを映し出す。その瞬間、場の空気が固まったような気がしたが、まぁ男の俺が発表するんだしそうはなるかと気にしないでおいた。

 

 

 

 

「えーっと、じゃあ俺?僕?……まぁ俺でいいや」

 

 

 

 

「待って」

 

 

 

もうそろそろ3年目社員とは思えないぶっきらぼうさで話を始めようとしたらはじめさんに制された。あれ、やっぱり私とか僕みたいな丁寧な一人称の方が良かっただろうか。怒らせたかなって考えてるとはじめさんが机を叩いて立ち上がる。

 

 

 

「何これ可愛い…!」

 

 

 

 

「へ?」

 

 

 

 

「八幡!説明を!」

 

 

 

 

「あ、はい…」

 

 

 

怒られると思ってたら、はじめさんは目をキラキラと輝かせて俺に説明するように促してくる。身構えていた俺は脱力してプリントを見ながらプレゼンを始めた。

 

 

 

 

「えっと、男の子向けって聞いたんで魔法少女にしてみました。でも、常時だと面白くないんでゲージが溜まったら変身できるみたいな感じで」

 

 

 

変身前は学校の制服、あるいは小学生くらいなら私服とか体操服の姿で、変身後は華麗で綺麗で可憐な衣装を身にまとっている。べ、別に俺の趣味じゃないんだからね!男の子向けって聞いたからこういうデザインにしたんだからねッ!

けど、これだと大きな男の子の方が連れそうだなと思ったんだけど全部描ききったあとだからこれでいいかなって。妥協って大事。

 

 

 

チラッと観衆の様子を窺うと男の子向けなのに魔法少女…?と首を捻る者もいれば、興味深そうに顎に手を置くスーパーバイザーの姿も見える。

予想外の反応に呆気に取られているといつの間にか俺の前にやって来ていたはじめさんは俺の手を握った。

 

 

 

「いいねそういうの!うん!これなら男心も女心も掴んで離さないよ!」

 

 

 

 

ブンブンと俺の手を握って上下し、相当俺のイラストというか女の子の衣装がドストライクだったのかはじめさんは親指を突き立てて俺に押し出してくる。

そんなテンションが荒ぶっているはじめさんを尻目に見ながら葉月さんが口を開く。

 

 

 

「君は本当に私の予想を超えてくるね」

 

 

 

 

「あ、どうも」

 

 

 

 

ぺこりとお辞儀をして元の場所に戻る。褒められてるのか呆れられてるのか分からなかったが、もしかしたら両方なのかもしれない。にしても、思いの外ウケが良くてビックリだ。

 

 

 

「それでは最後は望月さんお願いします」

 

 

 

 

「……はい!」

 

 

 

 

大トリを飾るのは望月で、その目は決意と覚悟に満ち溢れた目だ。ぎこちない歩き方でスクリーン前まで行くと、ガチガチとお辞儀をして説明を始めた。

そこに映し出されたのは鉄や金属で出来た鎧や兜。

 

 

 

「小学生の男の子が好きそうなものといえばロボットです。そして私が考えたのは…ロボットバトルです」

 

 

 

 

男の俺より、男の子らしい着眼点をしていた望月は自分の世界観をさらけ出す。プレイヤーが少年となりパーツを組み合わせてロボットチームを編成。ドッジボール以外にもパーツを収集する楽しさそれをカスタマイズする楽しさを想定しており、1つで2つ楽しめる内容となっていた。

 

 

 

「面白そう……」

 

 

 

そんな感想が漏らされ、声の主を見れば桜ねねは慌てたように手を横に振る。

 

 

 

「あ!いや、私はあおっちを応援してるけど〜…ははは…」

 

 

 

涼風からの視線に気づき誤魔化すように言う桜。しかし、望月のイラストをチラ見しながら言われると説得力に欠ける。誤魔化すのが下手だなぁ桜はと眺めているとはじめさんは息を呑む。

 

 

 

「正直驚きました。想定外のイメージを提示してくれた飯島さんと比企谷さんも、もちろんよかったですが…望月さんの案は確実に小学生男子にウケると思います」

 

 

 

まだ決定ではないがはじめさんがコンセプトとして1番気に入ったのは望月の案らしい。なお、イラストなら俺のが1番だそうだ。完全にはじめさんの好みによる主観だが、褒められて悪い気はしない。

 

 

 

「それでは第一回コンペは終了します。追加の指示などあれば今日中に出しますのでお待ちください!」

 

 

 

その言葉で締めくくられて、文字通り『ドッジボールファイト(仮)』のコンペは終了した。俺はふぅと脱力して力を抜く。はじめさん達はこれからどの案に絞るのかを決めるため別の部屋へと移っていく。

 

 

 

「やったじゃんもも!」

 

 

 

 

「ありがとう…」

 

 

 

 

拳を握って絶賛する鳴海に、望月は浮かない様子だ。そんな彼女に涼風は作ったような笑顔で話しかけた。

 

 

 

「一歩リードだね。…悔しいよ」

 

 

 

その声音は、とても悔恨を持つようなものでなく、とりあえず付け加えたかのように聞こえたのは俺だけだろうか。

 

 

 

「なんでへらへらできるんですか?」

 

 

 

「え?」

 

 

 

 

「正直…がっかりです」

 

 

 

 

涼風は知らない。知っているのは、望月が目標にしているのは八神さんということのみ。しかし、自分がそれまでの目標にされてることは知らない。

だから、望月が何故失望しているのか分からない。戸惑いの表情を浮かべた涼風に望月は気持ちを顕にして口を開く。

 

 

 

「あんなの、私の好きな青葉さんの絵じゃないです」

 

 

 

 






ドッジボールファイトね、小学生の頃とか体育が雨の時にしたことあるけどわざと真っ先に当たって外野に行ってましたね。逃げるのは楽しかったけど、投げるのは不慣れだったので。



ということでコンペ編その1です。その2、その3は来月辺りに書きます。3月半ばまで暇がないので、書けたら書くみたいな調子で過ごします。失踪とかは多分?ないのでよろよろ。

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