ジャパリパークに迷子が二人。
一人は赤い服、一人は黒い服。
さて、あの子は何のフレンズ?
ジャパリパークのさばんなちほー。
「食べないでください!」
「食べないよ!」
その場所でそんなやり取りがあったのはほんの三十分前。
そこへ一人のフレンズが通りがかった。
「……」
黒い半袖、黒い手袋。癖のある髪が、帽子のように見える何か黒いものからチラッと覗く。
「…………イカナキャ」
羽は無い。耳も無い。だが、背中に黒くて四角い物体を背負っている。
その姿は、三十分前にそこに居た『かばんちゃん』にそっくりだった。
「……イカナイト」
そのフレンズは何処かへ向かう。理由は分からない。
ただ、『イカナケレバ』という焦りだけがあった。
――しかし。
「ココ、ドコ?」
完全に迷っていた。
――け も の フ レ ン ズ――
「もしかして……ナマケモノのフレンズ?」
『かばんちゃん』が『サーバルちゃん』にそう聞かれていたとき。
「……?」
例のフレンズは遠くに二人の人影を見つけていた。
「ン……?」
両手で双眼鏡のような丸を作り、目に当てる。
「……ソウダッタ」
うんうんと頷き追い掛ける。
二人が坂を登りきり反対側に降りている時、そのフレンズは坂の下まで辿り着いた。
「ヨシ」
そして登ろうとして
「ウワワ」
転がり落ちていった。
――け も の フ レ ン ズ――
「……」
例のフレンズはさばんなちほーの木の後ろにしゃがんでいた。
隠れているつもり。……バレバレだが。
そして木の向こうには二匹のフレンズ。
「むむむぅ……何処に行ったのだー!」
「アライさーん、はやいよー」
紺色っぽい服を着たフレンズ、『アライさん』とクリーム色の大きい耳を持つフレンズ、『フェネック』だ。
「フェネックはなんでそんなにノンビリ出来るのだ!? ジャパリパークの――」
「『危機』でしょ? 何回も聞いたよー」
「そうなのだ! だからノンビリしてられないのだ~!」
少しずつ声が遠ざかっていく。
「イッタ……?」
例のフレンズが木の後ろから覗きみる。
『フェネック』と目があった。
「ヒゥッ……!?」
慌てて、しゃがみこむ。今度は帽子のつばを握り、グイッと引っ張って顔を隠す。
「…………アライさーん」
「フェネック! 何をしてるのだ!? 置いていっちゃうのだ!?」
「………………あー。アライさーん、そこに面白いのが――」
「はーやーくー! すーるーのーだー!」
『フェネック』は木を見、『アライさん』を見て、
「……まぁいいか。待ってよアライさーん」
駆けていった。
もし書き続けるならば『けものフレンズ』のアニメ見て進めないと……。