捏造設定、独自解釈、オリキャラなどが入る可能性があります。
それでも構わないという心の広い方のみ、先へとお進み下さい。
無理!という方にはブラウザバックを推奨致します。
ぐだ子はカルデアでの事は覚えていませんし、そもそも並行世界の同一存在です。
しかし、同じ人間ではありますから…何かはある、かもしれません?
ぐだ男は………。
虎VSオルタニキ。
タイガー、大被害。
ーー初○○はなんの味?
と言うあまり殺伐としないほのぼの展開からのシリアスが湧いてでました。
それではどうぞ、拙い作品ではありますがお楽しみ下さい。
「さあ、好きな獲物をとりなさい!」
バン、と指差す先には竹刀と木刀が幾つか立てかけられており、その脇には掃除用のモップが転がしてある。
「あー、ならこれで良いぜ」
と、迷わずモップを掴むバーサーカー。
「は?」
持ち手もまともに無く、かつ、プラスチックの安物の柄だ。
竹刀が打ち当たればへし折れるだろう。
「さあ、どこからでも構わんぞ?」
片手にダラリと柄を持って構えもせずに向かい合う。
「な、舐めプ?舐めプなの!?」
などと、タイガーご立腹である。
「ち、チェストーーッ!」
お約束の掛け声高らかに、大上段からの振り下ろし。
「は、緩い緩い。」
す、と半歩引いて頭を軽く振るように動かした、それだけ。
だが、先制の一撃どころか、返しの二撃目までも予測していたかの様に空を切る。
「なっ…?」
絶句する先生。
当たり前だ、バーサーカー、彼の真名はまだ聞いていないが…しかし、彼は英霊である。
過去、竜を、神を、打倒し、神代の魔法が飛び交う様な時代を生きてきたであろう英雄豪傑なのだ。
3、4、5、6、と先生の竹刀が空振りする回数も増え続け、段々と息が上がり始める。
時々、流石に後退しないと当たりそうなコースから振るわれるものだけ、モップの柄で、軽々と受け流す。
如何に藤村先生が鍛えていても。
彼からすれば児戯に等しいのだろう。
「な、な、な、」
「藤姉、諦めろ、実力差がありすぎる。」
と、衛宮先輩が諭すように声をあげた。
「や、やだ…やだーー!」
と、いきなり駄々っ子の様に泣き始める先生。
「うわーーん!どこの馬の骨かわからないBL野郎に士郎とられたーーっ、士郎が、士郎のお尻が開発されちゃうううっ!!」
「ちょっ、藤姉っ、なんでそうなるっ、無いからっありえないからっ!?最初は朔弥と二人がマズイって話だっただろうが、なんでオルクさんと俺をカップリングしてるんだっ!?」
「…なんだ、そっちがいいのか、テメェら?」
「「駄目っ(です)っ!」」
桜さんと先生がハモった。
桜さん…わかりやすいなあ…いっそ、可愛いくらいだ。
先輩はーー鈍すぎる。
あんな直球で誑し込む癖に。
無自覚とか軽薄な男よりある意味タチが悪い。
「……なんだ、お前…弟がとられんのが寂しいのか?」
オルクさん、何言い始めるんですか?
「なら、俺が寂しくなくしてやろうか、今晩からでも。」
そう言って、ぜーぜー肩で息をしている先生にす、と近づき。
先生の顎をクイ、っと指先であげた。
「え、ちょっ?」
先生が、反応するよりも素早く。
バーサーカーの唇が、藤村先生の唇を塞いでいた。
「っ、あ、や、え、ちょっ…」
わたわたともがく藤村先生が、段々脱力して…
くた、っとなってへたり込んだ。
「どうだ、気持ちよかったか?」
ペロリ、と舌舐めずりをしたバーサーカーは。
まるで子供が玩具を手にしたみたいな顔をしていた。
「キ、キス…キス…し、舌が、ぬろ、って…なんか、お、奥まで絡んで…あ、あ、あ、」
藤村先生、オーバーヒートして真っ赤になって放心状態だ。
「な、な、な、何してやがりますかっ、バーサーカーっ‼︎」
あ、思わずクラス名で呼んでしまった…マズイ。
「お、す、わ、りっ!!」
お前は心底反省しろ、と強烈に念じた結果。
「な…何ぃっ!?」
ビターーン!、とバーサーカーが、床に顔からダイブした。
そしてもそもそと、正座の姿勢になる。
『て、テメェッ馬鹿か、馬鹿なのかっ今令呪使いやがったなこの間抜けッ!?』
『令呪…?』
なんか、手の甲の痣が一画消えているが…これか?
『ああ、そうだこのウスラ馬鹿がっ、令呪はな…サーヴァントを律する絶対命令権だ、3回しか無い、しかも使い様によっては奇跡さえ起す大魔術の結晶だぞっ!?』
「先生に、謝りなさい、オルク。」
「ぬ…ぐ、なんで、謝らなきゃ…」
ひらひらと。
手の甲を見せつける様にバーサーカーに向けて振る。
「く、覚えてやがれテメェ…」
「謝り、なさい。」
「す、すまなかった…な…」
「え?あ、い、いやあの…」
正気に戻りつつある先生だが、やはりまだ混乱中の様子。
「もうしねえよ、悪かった。」
バツが悪そうに胡座をかきなおし、頭を掻く。
「あ、いえ…ハイ。」
なんか。
先生の視線が妙に熱っぽいんだけど。
どうするのよコレ。
ーー夕方。
「先輩、先輩…藤村先生、どうですか?」
極力本人に聞こえない様に小声で耳打ち。
しかし、必要無かったかもしれない。
コトコトと、鍋が火にかけられた音が響き、サク、サク、とキャベツを刻む刃音がリズミカルに聞こえる。
「駄目だな、もう今日は授業中まで魂抜けた感じだった。」
やっぱりか。
『バーサーカー…あんた何て事してくれたのよ…藤村先生完全に腑抜けちゃったじゃない』
結局、調べれば下宿先候補はここだったし、なし崩しにここに住めるみたいだからそのまま、今日は学校を終えてから夕食の支度を手伝っている、桜さんも一緒に。
『貴重な令呪でサーヴァントにお座りさせた馬鹿が何か言ってますねぇ、いやあ、聞こえねえわ、なんにも。』
まだ根に持っていたのか、意外としつこいな…
『知らなかったんだもん、しかたないじゃない…むぅ。』
それに、なんか嫌だったし。
ジュワッ、とカツが揚がる油の泡だつ音。
「まあ、仕方ないさ…藤姉は切嗣にばっかりかまってたから…未だに男に対して免疫薄いからなあ。」
なんであんな駄目な大人が持てるのか理解に苦しむ、とかなんとかつぶやきながらも手際よく調理は進む。
「先輩も大概鈍ちんだと思いますけどね…」
「ん?なんだって?」
「や、なんでもありませんよ〜」
桜さんの視線が痛いです。
「さて、盛り付けたら机に運んでくれるか?」
そう言いながら、カツをザクザクと美味しそうな音を立てて一口大にカットしていく。
「はあい。」
皿を持って、食卓に向かう途中にピ、とTVの電源が入る音がして、ニュースが流れ始めた。
ーー昨夜未明、このところ立て続けに起きているガス漏れ事故、4度目の騒ぎがありました。
一部では老朽化したガス管が原因とも、手抜き工事が原因とも言われていますがハッキリした答えは出ておらずーー
今回の被害は意識不明の重体が7人、軽症で、気分の悪さや吐き気を訴えた方が4人。
いずれも命に別状はありませんーー
そんな内容のニュースを聞きながら衛宮先輩が眉間にシワを寄せて画面を睨んでいた。
「桜、今夜は送るよーーあと、明日からはしばらく…ウチには寄らないほうがいい。」
前半を聞いてにこやかな顔をした直後、後半の会話で一気に顔を曇らせる桜さん。
「嫌です。」
「え、桜…?」
あー、そりゃそうだろうなあ…鈍ちんな先輩は解ってない…
危ないから遠ざけよう、ってのはわかるんだけどね…桜さんからしたらさっぱり理由がわからないだろうし…。
「私が邪魔ですか、いりませんか…?」
「いや、そうじゃないよ最近どうにも物騒だからさ…その、桜には危ない目にはあってほしくないんだ。」
「先輩…私、ごめんなさい先輩の気持ちもわからずに…」
「いや、俺こそきちんと説明すれば良かった、桜にはいつも助けてもらってるのにな。」
ああ、なんか空気が甘い、主に桜さんの側だけ。
先輩の鈍ちん、朴念仁。
「なんだ朔弥、お前は行かなくていいのか?」
「ーーなんでよ?」
「いや?お前はああいうのがタイプだと思ってたんだがな、違うなら構わんが。」
あの小僧、よく似てやがる。
なんてつぶやきは、私の耳には届かなかった。
***********************
夜の新都。
強い風が吹いている。
風はヒュウヒュウと風鳴りを響かせ、寒くなり始めた冬の街を凍えさせるには充分過ぎるほどに。
「…つまんないわ、サーヴァントは確かに全て召喚されたのよね?」
先に口を開いたのは少女。
年の頃は16歳〜18歳くらいか。
体格としては細身で、儚げな印象を受けるが、それなりに発育する場所は発育していて、歳を考えればまだ発育途上、末恐ろしい将来性である、どこが、とは言及はしないが。
少女は、白い、白磁のような肌に、ルビーの様に美しい瞳、銀糸の様に輝く白銀の髪。
清楚なワンピース姿で、まるで人形の様に可愛らしいその姿には似つかわしくないどこか冷たい声で従者らしき男性に話しかける。
「ああ、間違いない…教会からも打診を受けた上に…こちらの霊基盤にも反応があった。」
「ーー良いわ、セイバー。」
「なんだ、マスター、アインツベルン」
「その、家名だけで呼ぶのやめてよね…」
「そうだったな…すまない、イリヤ。」
ふ、と優しい表情になり男ーーセイバーはイリヤと呼ばれた少女を抱き寄せる。
「貴方はーーキリツグの、かわりなんだから…私を寂しがらせたら、ダメなの。」
どこか拗ねながらも甘える様に、男の胸に顔を埋める、少女ーーイリヤ。
「貴方が…バーサーカーで呼出せなくて良かった、なんて…こういう時は思ってしまう…私、アインツベルン失格かもね。」
背中で束ねた長く、癖のある黒髪に、引き締まった体躯、仕立ての良いスーツに身を包まれたその身体は…細身に見えるその実、よく見れば2メートルを越す長身、丸太が如き太い手脚。
逞しい、と一言に片付けられない、神々が与えた、美しい身体がそこにはあった。
「本来ならーー私はアーチャーの方が適正は高いのだがな…まあ、前回はイレギュラー続きだったと聞いている、アハト翁が最優のセイバークラスに拘るのも無理はなかろう、私とてバーサーカーで呼び出されていたら会話もままならなかったかもしれんからな…バーサーカーで呼び出す案が廃案になったのは僥倖だったよ。」
バーサーカーで呼び出された場合、大概のサーヴァントは大幅な基礎能力向上の恩恵の引き換えに理性を奪われ、とんでもなく多量に魔力を食う、燃費の悪いハイオク車を絶えず全開でエンジンを回し続ける様な無謀な状況になる。
過去、バーサーカーを呼び出したマスターは例外なく、魔力を食われ続けて自滅したほどだ。
ーー最強の魔術師として「造られた」イリヤにはその制御も可能だとは言われていたが。
「ブリテンの騎士王とーー最強と目された魔術師殺しまで使った挙句、聖杯は手に入りませんでした、なんて結果ーーお爺様は納得出来なかったんでしょう。」
そう続けた後、眼下を睥睨する様に見回してーーーー街の明かりを、まるで親の仇の様に睨みつけ、きゅ、っとセイバーの逞しい身体に腕を回す。
「安心しろーーお前の望みは、私が叶えよう、必ず…お前は私が守り抜く。」
セイバーは、どこか悲しげに決意を語る。
「キリツグはもう、居ない…私にはセイバー、貴方だけ、なの。」
少女はそれには答えず、どこかすれ違った主従の会話はそこで止む。
聖杯戦争、二日目の夜はこうして、過ぎていった。
【後書き的なもの】
はい!
はい!はいはーい!
先生は悲しい!助手1号の姿が!姿が!
ロリじゃあない、だと!?
と、タイガーの咆哮が聞こえてきそうな展開でした。
と、いったわけでアインツベルン陣営のサーヴァントは、セイバーです。
まあ、わかるとは思いますがアーサーでもアルトリアでもありません。
正体は、おいおいわかります。
現在の登場サーヴァント
セイバー 真名 ???
宝具 ???
出身地 ???
時代 ???
アーチャー 真名 ???
宝具 ① 干将・莫耶 (切り札は不明)
出身地 ???
時代 近代?
ランサー 真名 ???
宝具 2メートルを越す槍?
出身地 中国?
時代 近代?
バーサーカー 真名 クー・フーリン(オルタ)
宝具
出身地 アイルランド
時代 古代・神話期
判明分はこんな感じです。
バーサーカーのはまだ出てはいませんがあえて明かしてあります。
…他誰一人明かされてないんじゃもん…←
ま、クーフーリンですからね、有名だし。
と、言う訳で駆け足続きですが話にストックがあるからこその更新速度です、ストック尽きたらかなり頻度は下がるかと。
それでは、次回更新でまたお会いしましょう!
2016 5.27 20:18 自宅より某所に初稿投稿。