Fate/alternative   作:ギルス

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求めるは拳。
破壊の術理──拳に生き、槍を愛し。

ただ、武練を極めた先に。

その拳に、槍に。
二の打ちは要らず──。




第31話 『神々の系譜』

視界が白く灼ける。

急激な可視光線の変動に、サーヴァントの常人以上の視力は逆効果だった。

 

眼が良い分余計に光を浴びて眩む。

しかし。

一瞬の躊躇いこそあれ…そこまでだ。

涙を流したまま、それも眼は閉じたまま。

 

ランサー…否。

李書文は走り出した。

 

獲物が逃げた先、林の木々や残ったワイヤーも障害物にすらならない。

走るスペースがある以上、何処に何があろうが問題無い。

 

圏境──、中国における武術、或いは仙道の極みの一。

万物自然の気と己自身を合一化する事により周囲に完全に溶けて消える魔技。

…万物の気に合一すると言う事は即ち、周りが見えずとも何ら問題が無い。

仮に音や触感…五感悉くが奪われたとしても。

彼の神槍を止める事能わず。

 

「くく、カカカッ、やってくれた、やりおる、楽しいなあ…なあ!」

 

声が響く。

故に段々と後ろから迫っているのは解る。

だが、気配が無い、消えた。

 

「クソ、なんなんだ…魔力すら感じない…声だけが聞こえるなどと、これはどんな宝具だ…かの神槍にこんな逸話など──」

 

衛宮切嗣は焦っていた。

魔術師殺しと呼ばれ、何度も死線をくぐり抜けた自負がある。

 

それが。

気配を消したわけでも無い、喋りすらしている相手の位置が特定出来ない。

 

「怖いか、恐ろしいか、小僧!」

 

享年は70にもなろうという年齢だったと聞く。

ならば自分は確かに小僧だろう。

 

「ああ、怖いね気味が悪いっ、何なんだ李書文っ、貴方は一体何をしている…貴方ほどの武人が姿も見せず凶手(暗殺者)の真似事か!?」

 

「死地に於いて──闘争の場に於いてよもやその様な下らぬ誇りを問われようとは…我が楽しみを()に落とすで無いわ。今更その様な矜持は持たぬ、自尊心などという下らぬ妄想に取り付かれ、武を磨く道を謀り、己が意思を貫けぬモノなど意味は無い──。」

 

何かに気づいたかの様に会話が止まる。

…一瞬の静寂。

 

「ならば…とっくりと──敗北の味を知るが良い、人間っっ!!」

 

響いたのは轟雷そのもの。

響き渡る荒々しい声に導かれる様に雷の雨が降り注ぐ。

 

辺りは光と音の洪水に満たされ、一瞬何もわからないくらいに視界と可聴域が破壊されんばかり。

 

「こ、これは…っ!?」

 

驚くランサーの圏境が破れ、姿が見えた。

気による合一化は辺りを押し流すほどの広範囲の雷撃に蹂躙されてはとても保てるものではなかった。

 

「ほう!よく避けた、人間!」

 

「滅茶苦茶な奴じゃな、おい!?」

 

流石の“神槍”も慌てていた。

然もありなん…僕だって最初は度肝を抜かれたからな。

全く厄介だ、ああ、厄介だ。

余りにも規格外で、あまりにトンデモナイ。

だが。

それだけに──味方となればこれほど頼もしいものも他に居ない。

 

「…助けを求める、それはそう言う事だと認識して宜しいのですね?ミスタ、衛宮。」

 

「ああ、是非も無し…僕としても火力不足に悩んでいた何処に渡りに船さ、先ほどはワザと渋りもしたが…バレていたかい?」

 

「まあ、連絡先を聞いて少し考えたいなんて言いながら通話状態で黙って会話だけ流されればわかりますよ。」

 

「…違いない、すまないが宜しく頼むよ…あー…」

 

「…私の事は…そうですね、エレインとでもお呼びください。」

 

「了解した、Ms.エレイン。」

 

会話が進む間もアーチャーは彼らとランサーの間に仁王立ちして牽制している。

やがてしびれを切らしたランサーが吠えた。

 

「貴様ら、ワシを無視するでないわ!」

 

槍を構え、アーチャーに矛先を向ける。

 

「は、この私に…宝具でもない鋼を向けるか?死にたい様だなランサー、死にたくなければ宝具を出せ…その槍、捨て置いて、な?」

 

アーチャーの両腕に紫電が奔る。

それはバチバチと火花を散らしながらアーチャーの前方で弾け続けた。

 

「…確かに、落雷が槍に落ちては敵わんな。」

 

と。

あまりにあっさりと槍を手放し、再び徒手空拳になるランサー。

 

「生憎神秘だなんだとが薄い時代に生まれたものでな…他より幾分か丈夫で重い造りのこの槍以外、持ちあわせてはおらんよ。」

 

故に。

槍を手放して相手をしよう、と。

このアーチャー相手に言い放ったのだ、このランサーは。

 

「鬼に逢うては鬼と、仏に逢うては仏と──、心ゆくまで殴りあおうではないか!」

 

カッ、と笑いながら声をうわずらせ、雄叫びを上げるランサー。

 

「武人の矜持という奴か、先ほど否定していたわりには熱いことではないか。」

 

「勘違いするな…わしはな、強きものと存分に死合いをしたいだけよ…生前、ついぞ味わえなんだ生死を賭けた真の武を…競う相手に飢えていただけの事…そこに矜持など無いわ。」

 

「は…嫌いでは無いぞ。貴様の様に勇猛な猛者は貴重故な。もしも望むなら我が血を飲んで、神の末席に座る気は無いか、神性は無かろうとヌシならオリュンポスに置いても良かろうよ。」

 

「アーチャー…馬鹿…!」

自らの情報をうっかり口にするアーチャーにマスター、エレインが嗜める。

 

「オリュンポス…確か…ギリシャ神話の?そしてその雷の力…真逆御身は…神の列席に名を連ねた者か…!」

 

列席どころか頂点に居るのだが、そこはエレインも口にはしない。

 

「…勇者よ、返事は如何に?」

 

「は、光栄な事じゃがなあ…お断りだ。」

 

ニヤ、と笑いながら拳を構えるランサー。

 

「残念だ。ならば…敵として、その身の一切を滅ぼしてやろう!」

 

それを合図に。

戦いの火蓋は切られた。

 

一瞬にしてランサーが間合いを詰めようと神速の移動を見せる。

しかし、アーチャーもまた雷速の移動により同じだけ下がる。

そのまま両手から放たれた稲光りが地面を叩き、土が爆ぜた。

 

土煙がもうもうと立ち込め、視界が塞がれる。

だが、ランサーは圏境による気の合一により視界は要らず、アーチャーの神の眼もまた煙一つで視界を奪われる様なものではなかった。

互いに煙は意味は無く、ランサーが放ったのだろうか、気を纏わせた石が弾丸の如き速度を持ってアーチャーへ殺到する、それは恐ろしい威力の指弾だった。

指の力だけで弾かれた石塊は気を纏い、鋼鉄すら貫く魔弾と化し、それを電磁波を用いた反作用で反らしいなすアーチャー。

その直後には雷の雨がランサーを撃たんと降り注ぐ。

 

一進一退の攻防は、一見決め手を打てないアーチャーが不利にも見えた。

何せアーチャーの雷撃は強力だが今の所当たる気配が皆無。

対してランサーは徐々にだがその間合いを詰めつつある。

このままいけば遠からずランサーが懐に入り込み、強烈な一撃を見舞えば終わり。

──素人目にはそう見えた。

 

だが、実の所事はそう単純では無い。

ランサーは確かに一撃必殺と言える拳すら持つ、だが近づけない。

距離を詰めてはいるが先ほどの様な異常な速度を発揮されればまた離されるだけだ。

そしてアーチャーもまた、決め手を打つにはここはあまりに街中すぎた。

もし、先ほど以上の威力でランサーを仕留め得るだけの雷光を放つなら、街を巻き込むことになるのだ。

 

「ふん、流石は神の列席に名を連ねる者よな…なんじゃ先の異常な速度は、なんの手品か。」

 

「は?簡単な事よ。雷撃を調整して電磁磁石的な応用で浮かんで走っただけだ。」

 

アーチャーの説明はイマイチ分かり辛いが。

つまりは彼は人型のリニアモーターカーになった様なものであった。

足元に作り出した力場と、地面から微弱に発せられている磁力を増幅し、反撥させる事でまさに雷速を可能にしていた。

…仮に、人間がこの移動を行なった場合は身体が真っ二つに折れ曲がるだろう、急加速の負荷に耐えられずに。

 

「ふぅむ、やはり恐怖 (フォボス)の方では速さが足らんなあ…?」

 

「カ、カカッ!その速さでなお足らぬと来たか、楽しい、楽しいぞ…アーチャーッ…とと、難儀な事じゃな…身体が若いからか…強者を前にすると妙に落ち着かんわ!!」

 

満面の笑みでそんな事を宣い雷の雨を避けながら飛び回るランサー。

 

それを嬉々として追い撃つアーチャー。

 

 

「…ねぇMs.…エレイン。」

 

「何でしょう魔術師殺し (メイガスキラー)?」

 

「僕等完全に蚊帳の外じゃないか?」

 

「…普段役立たずな上にセクハラゴッドですから…戦闘でくらい死ぬほど役にたってもらいませんと。」

 

「…君、辛辣だね…」

 

「…。」

 

互いに会話が得意で無いマスター二人は直ぐに会話が尽きた。

沈黙したまま戦いの趨勢を見続けるだけ。

 

しばらくそうして落雷と石飛礫の飛び交う様を眺めていた二人の表情が凍りつく。

 

「──この、殺気…!」

 

「なんだ、どこかで…このぬたつく様な陰湿な気配…」

 

二人に向けられた明確な敵意。

それはワザワザその存在をアピールするが如くに発されていた。

 

「──久しいな、衛宮…切嗣?」

 

いつの間にか、公園の端には人型の影、そこに在るは黒。

漆黒のカソックに身を包んだ神の使徒。

 

「貴様…言峰──綺礼!?」

 

切嗣は目を剥いて眼前の「敵」を見た。

既に死んだ筈の男。

確かにこの手で殺した男がそこに居た。

 

「馬鹿な、馬鹿なっ、貴様は確かに…起源弾で撃ち、その上僕がこの手で心臓を撃ち抜いた!何故生きている…っ!?」

 

そして。

死した筈の男の頭上にある黄金。

街灯の上に手を組んで立つは全き黄金の王。

 

「貴方…貴方は…英雄王…ギルガメッシュ…!?」

 

その姿を見、エレインは瞠目する。

 

「ふん、我が名を知るか…この時代にあっても我の偉業は揺るがぬと見える…良い、特にそこな雑種の不敬は許そう、本来ならば我の名を軽々しく口にした時点で極刑ものだが…そこは時代故と寛容にもなろうではないか、貴様の美しさにも免じて、な。」

 

ナチュラルに上から見下しつつ口説きにかかるこの傲岸不遜が服を着た様な男。

エレインはいかな理由かこの黄金の英霊の真名を知りえた様だ、しかし──

 

「英雄王、だと…何故、貴様までが現界している、第4次から10年だぞ!?」

 

「ふん、我を誰と思っている?その程度の事造作もないわ…貴様こそしぶとい事よな?人の身であの中身に侵されながら良く今も戦えるものだ、そこは褒めてやらんでもない。」

 

お前の様な男に褒められても嬉しくもなんともない、切嗣はそう考えながらも別の領域でも思考する。

考えていた限りにおいて最悪を通り越した想定外。今ここでこの二人が現れるなど…!

 

「不思議かね?衛宮切嗣。」

 

「ああ、地獄から戻ってきたか…言峰綺礼。」

 

「酷い言われようだな…私はこれでも聖職者だぞ、逝くならば天に召されるのではないかな、私ほど敬虔な信徒もそうは居まい。」

 

不敵な笑み。

人を見下す様な嘲りの眼。

 

「間違いなく…貴様は言峰綺礼、なんだな…」

 

「私の様な人間が二人とこの世にいるものか、そして貴様には…今一度問わねばならぬ。」

 

「く、クク…やはり貴様らは面白い…いや、愉快であるぞ!」

 

「──マスター…何故出てきたかは知らぬがまた邪魔をしに来たのか。」

 

アーチャーと睨みあう形で乱入者に注視するランサー。

アーチャーもまた、二人を見て動きを止めていた。

 

「無粋よなあ…興が乗ってきたと言うに…なんなんだ、貴様らは。」

 

「は、貴様の様な愚物に言われようとはな…貴様は神に連なる者だな?その神気…虫唾が走るわ。」

 

忌々しげにアーチャー…ゼウスを睨みつける英雄王。

 

「ランサー、言ったはずだな?アーチャーには手を出すな、と。」

 

ギヌロ、と睨みを効かせる綺礼。

ランサーに対し、さり気なく左手の令呪をチラつかせる。

 

「ワシが容易く敗れると言いたいのか?」

 

「容易くとは思わん…だが、負ける。」

 

「舐められたものよな…神であろうが、鬼であろうが殴殺して魅せようではないか。」

 

ランサーは己がマスターを睨み返し、視線ですら人が殺せるのでは無いかと言う程に怒りを向ける。

 

「ランサーよ…貴様は勝てぬよ、そやつが真実神であるのなら──人の身から逸脱する術を持たぬ貴様は負ける、間違いなくな。」

 

黄金が語る。

人の身に過ぎぬ槍兵が哀れと言わんばかりに。

 

「ならば見よ…止めろと言うなら令呪を2画は使え…でなくばワシは止まらんぞ?」

 

「いいだろう、止めはせん…大言を吐くのならばやってみるがいい、…令呪二画を捧げる、ランサー…貴様の敵を、必ず殺せ。」

 

翳した令呪がキイン!と音を鳴らして魔力の塊が、李書文の身体へ吸い込まれてゆく。

 

「なんじゃ、話せるではないかマスター…八極拳を学んでおるだけあるな。」

 

笑いを一つ、鬼気すら立ち昇る背を向けて。

ゼウスへと再び向き直る李書文。

 

「アーチャー…いやさ…異国の神よ。」

 

「何だ、勇者よ。」

 

「我が一撃──躱してみせよ。」

 

腰だめに脚を沈め、震脚を静かに踏み込む。

構えは無窮。

武練の果てに至る一つの極致がここに在る。

 

それは彼の唯一の矜持。

武を磨く、武を放つ。

 

悉くを砕くが為の──ニノウチイラズ。

 

「神に槍する我が拳──徒手であろうと全てを砕く──」

 

これ以上の言葉は要らず。

これ以上の時間も要らず。

 

ただ、必倒の(ことわり)のみ。

 

神槍无二打 ( 我が拳に、二の打ち要らず)──…七孔噴血…撒き死ねい!! 」

 

今までを凌駕する速度で。

それまでを圧倒する気勢で。

 

拳/死が迫る。

 

躱せない。

これを躱すだけの技量はアーチャーには無い。

しかして、受ければ死。

 

ならば。

 

「見事なり──なればこそ…とく見よ…神の権能、我が系譜──顕れ出でよ。」

 

「アーチャー…まさか…止めなさい、それは貴方の…!」

 

マスターが止めろと叫ぶが遅い。第一…出さねば死に等しい痛みが待っている、それは御免被る。

 

災厄攘う神威の山羊盾 (アイギス・アマルティア )──!!」

 

煌びやかな装飾に彩られた真円型の盾。

それは…表面に神獣、アマルティアの鞣し革が貼られ、神の金属…アダマンが組み込まれた絶対不可侵の神の盾。

ゼウスが娘、女神アテーナーに貸し与えたとされる対神宝具。

 

李書文の无二打が絶死の拳ならば、これは全てを断絶し邪悪を打ち払う神の権能。

 

盾に阻まれた拳が火花を散らす。

魔力を喰い散らかし、権能すら殺しにかかるその脅威の拳が勢いを増す。

 

「カ、カ、カカカッ世界は広いッ!」

 

やがて。

その拳が血を噴き出した。

手首から先が砕けて微塵に散る。

 

「いいや、貴様はやはり人を超えておるよ…ワシが相手でなくば…言葉通り神々すら殺し得る拳であったわ。」

 

ギシ…メキメキッ、ビギンッ!!

 

高い音を立て、盾が二つに割れた。

神の一撃すら受け流す不可侵の盾が、だ。

 

「我が宝具…遥か連なる神成る系譜 (オリュンポス・ゴッズツリー)はわしに連なる神の宝具、捧げられた供物に至るまでを召喚する…中でもアイギスは絶対の護りであったのだが…貴様の拳は…神が編んだ概念すら殺してのけたか…李書文。」

 

「アーチャー、まだ儂は…生きておるぞ!」

 

と、足元にあった槍を片足で跳ね上げ、片手で掴むと同時に恐ろしい程の速度でアーチャーの眉間へと穿つ。

 

だが。

穂先がアーチャーへ届くことはなかった。

先ほど石飛礫てを逸らしたのと同じ電磁干渉。

槍が通常の金属に過ぎぬ以上その干渉を避けることは叶わなかった。

 

「ぬかっ、た…わ…ほんに…世界は広い…クク、業腹じゃがマスター、ギルガメッシュ…貴様らの言葉通りになってしもうたなあ…だが…満足じゃわい、神に一太刀…浴びせた故に、な。」

 

「何…?」

 

ギルガメッシュが怪訝な顔で問い返す。

直後、ゼウスの頬が深く裂けた。

血飛沫が舞い、赤いものが流れる。

 

「は…衝撃波で我が肌を裂いたか…本当に惜しい男よな…」

 

哀しげに呟いたゼウスの腕は、ランサー、李書文の胸を貫いていた。

紫電を纏う貫手が、霊核を破壊したのだ。

 

「盾が無ければ儂が死んでいただろう、誇れランサー、貴様は確かに全てを殺す。」

 

「は、敵に慰めの言葉を投げかけられようとはな…だが…それがギリシャの大神とあらば…誉れとすべきかのぉ…あぁ、だがやはり…悔、し……」

 

ランサーの身体が金の粒子となって崩れていく。

サーヴァントの死とはこう言う事だ。

霊基を保てず座へと還る。

 

(ち、消える間際に思い出すか…なんじゃ、■■■…おぬしがマスターなぞしておったのか…随分と冷たい顔をするようになりおっ、て…声をかけてやりたいが…は、もう声帯も維持できんな…すまんなあ、どうやら儂はお主らを害してしもうたようだ…)

 

書文の無事な片手が、ゼウスの後ろへと伸び、何かを掴もうかと言う様に差し出され。

最後にはふ、と微笑を浮かべ…そしてついに消え崩れた。

 

「ランサー…安らかに…さて、次はどなたが相手でしょうか…今、何故だか自分でもわかりませんが物凄くイライラするんです。」

 

「マスター…奴らの相手はワシがするんじゃから…下がっとれ。」

 

「…あの神父の相手は僕がしよう、エレインはサポートをしてくれると助かる。」

 

何故だか、この女性は信頼できる。

どこか…雰囲気が舞弥に似ているからか。

 

「…しかたありませんね、さあ…それでは行きますよ、アーチャー、切嗣!」

 

いきなり呼び捨てか、と少々面食らいながら切嗣もまた答える。

 

「…お手柔らかに、レディ。」

 

それを見た英雄王が無言で宝物庫を展開。

言峰もまた手に黒鍵──代行者が用いる簡易概念礼装を構えた。

 

「さあ…今度こそ…本当の答えを聞かせてもらうぞ…衛宮切嗣…!」

 

──夜の公園に、銃声が、響いた。

 




はい皆様こんにちは、或いは こんばんは、おはようございます!

皆様の背後に忍び寄る、這い寄る混沌 (ライダー/ギルス)です。

大変長らくお待たせいたしました。
更新です、pixivで書く書く詐欺しているギャグは難産してます、すいません。

と言うわけで…ゼウスがさらなるチート宝具を解禁。
だいぶ以前にこじつけくらいしようと指摘されていたゴルディアスホイール出した案件とかの答えです。

遥か連なる神成る系譜 (オリュンポス・ゴッズツリー)

ランク:EX

種別:召喚/収納宝具

レンジ:0〜???

最大補足:???

ゼウスに連なる神々を象徴する宝具以上の力を持つ「神器」を一時的に召喚する。世界中に語られるゼウスの神々の王としての権力を象徴化した宝具。
また、ゼウスに捧げられた供物、宝物もまた取り出す事が可能。
召喚した神器が破壊、ないし消失した場合はそれぞれの能力に応じて復活に時間を要する。
令呪を用いる事でさらなる力も開放可能だが、詳細は不明。

【内包神器】

災厄攘う神威の山羊盾 (アイギス・アマルティア )

さいやくうちはらうかむいのやぎだてと読む。
ゼウスが幼少時に乳を飲んだ神獣、アマルティアと言う山羊の革を舐めして貼り付けたラウンドシールド。金属部は後に悪乗りしたヘパイストスが補修と言う名目でアダマン鉱を練り込んだ。伝承上その様な事実はないが、この物語の中のヘパイストスはいわゆる魔改造大好きな発明家気質で、邪悪を攘い、拒絶すると言う概念をも何らかの理由で素通りされた場合ただの盾では砕けてしまう、と魔改造を施した。
しかし今回は逆にそれが仇となり、拒絶の概念が練り込んだアダマン鉱により弱くなっていた、通常その程度ならばあらゆる力を弾くだけの強力な概念武装(エクスカリバーの一撃ですら角度をつければ無傷で逸らしいなすだけの防御力を誇る)であるが、李書文が放つ一撃は正に必ず殺す技。
故にそれを遮る無粋は許さじと概念の理すら殺して見せたのである。
が、そこが李書文の限界。神盾と真っ向から打ち合った拳は砕けて散った、必ず防ぐ盾を砕き、必ず殺す筈の己が拳を失う…まさに「矛盾」である。

この他にも神威の車輪 (ゴルディアスホイール)や、多数の供物、他のオリュンポス十二神の神器も内包するが今回は上記の記載のみにとどめる。

と、言うチートでした。
本当にこいつなんで制御できてるんだ(白目

それでは皆様、また次回更新にてお会いしましょう!
しーゆー!!

復刻サンタイベント、リボン集め辛かった。
ライダー/ギルスでした。

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