Fate/alternative   作:ギルス

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儚い花よ、人の夢よーー
別れは、いつも唐突にやってくる。
どんなに拒んでも、どんなに避けてもーー

セイバー、参戦。



第13話『別離/醒』

「マスターが?」

 

「ああ、お前を呼んでんだよ、早く行けや。」

 

「ーー、、、」

 

「何だ、何を鳩が豆鉄砲喰らったみてえな顔してやがる?」

 

「ああ、申し訳ありません…貴方の口からその様な雑事が出てくるとは思いませんでした。」

 

「ーーお前、俺をなんだと…」

 

「バーサーカーでは?」

 

「ーーいや、まあ…違わねえがよ…」

 

暖かな記憶、ここで無いどこか、遠い、遠い記憶が流れ込む。

 

*********************

 

ドォン、と揺るがす音がした。

 

変貌前と比べて体躯が3倍、いや4倍には膨れ上がったライダー、メデューサを見上げ、バーサーカー…クー・フーリン・オルタはその眼に怒りを浮かべる。

 

「ーーどこの馬鹿の差し金だ…英霊を使い潰す様な真似をーー」

許されると思うな、と。

今は回想もできない奥底にある記憶が瞬きの間に不快感を瞼にに焼き付ける。

映るのは、己が槍に霊核を貫かれた自らの姿。

ーー幻、というにはやけにリアルなそれは。

恐らくは実際に辿った末路の一つなのだろう。

 

八方から襲い来る蛇に対し、両手に槍を構え、二槍を振り回し引き裂いていく。

 

「JyAaAaAaAaAaAaAaAaAaAaAaAa!!」

 

言葉すらまともに発することも無くなったその巨軀がビルを揺らしながら尾を打ち、髪の毛が変じた無数の蛇をけしかける。

 

「無様だなあ…メデューサ!」

頭をよぎるのはこちらに召喚されてから見たわけでは無い、背の高い眼鏡をかけた美女の姿。

 

「ーー良い女は皆、俺の前から死んで消えやがる…だが、良い女が醜く変わるのも見過ごせねえな!」

 

槍に引き千切られた蛇は紫色の体液を撒き散らしながら屋上のコンクリートに落ち、白煙を上げて消滅して行く。

面倒だが、削る。

そして1秒でも早く、霊核を砕いてやるーー

そう独りごち迫る殺意を槍で、肘で、膝で、爪で切り裂き打ち捨てていく。

そこにーー

 

異物が紛れ込んだ。

 

「バーサーカー!無事かっ!?」

 

衛宮士郎。

特大の馬鹿が、馬鹿面下げてやってきた。

 

「ーーお前、馬鹿かっ、いや大馬鹿だ!」

思わず叫び、同時に士郎へと迫る蛇を切り裂き阻む。

 

「馬鹿とはなんだよ!」

士郎もまた、獲物を構えていた。

それは、黒白 (こくびゃく)

迫る蛇がバーサーカーが一瞬目を離した隙に士郎を襲う。

が、それは士郎の両手に構えられた刃に阻まれた。

振り抜くは黒刃、返すは白刃。

交差した鋼が交わる位置に、再び黒が停止する。

 

「ーー銃剣 (ソードバレル)展開ーー弾倉 (カートリッジ)セットーー」

 

是・切り嗣 ぐ銃刃(ナインバレル・ブレードファング)ーー、」

 

黒い銃身、銃口の下に見えるのは刃。

肉厚で、折れず、曲がらず、刃毀れしない、そんな概念を詰め込まれ成型された不屈の刃。

 

白い銃身、銃口の下に備わるは刃。

細身で、しかしその刃は触れたものを両断する為にあるかの様なーー鋭利な、片刃。

日本刀にも似たそれはしなやかで、かつ鋭い。

 

「ーー射出、開始(フル、ファイア)!!」

 

***********

 

息が切れた。

これだけの高層ビルを駆け上がった代償だ。

しかし、精神は冴え渡り今までにない程の高揚を見せる。

 

目前の脅威ーー平和を脅かすモノ。

今ならば。

 

魔術回路がすんなりと繋がる、廻る。

軽い。

ギアが一気にトップまであがる感触。

 

「バーサーカー!無事かっ!?」

 

アーチャーが教えてくれた。

不器用な男の、精一杯の助言。

彼は言った、お前の中の最強をイメージしろ、と。

 

『ーー故に、勝とうと思うな、最善を尽くせ、己の中の最強をイメージしろ。』

 

あの言葉と。

凛の、献身がーー

衛宮士郎の中の常識を超えて力を生み出した。

 

何故かバーサーカーから馬鹿呼ばわりされた。

馬鹿とはなんだ、と返しながらも身体は熱を持ち、魔術回路が励起し、駆動する。

 

己が最強のイメージ。

それは、幼き日の壊れかけた自分を繋ぎ止めてくれた憧れの人。

その、孤独な背中。

 

何故だろう。

その背がーー赤い誰かと。

重なって見えた。

 

俺に銃はあわないと。

暗にアーチャーが諭してくれたのは分かった。

分かり過ぎた。

だが、剣の延長であるのならば?

銃であり、剣。

 

その両の(かいな)の先に顕現するのは銃にして剣。

2丁2刃の銃剣が銃口をーー目の前の脅威ーー

メデューサへと、向けていた。

 

「ーー銃剣 (ソードバレル)展開ーー弾倉(カートリッジ)セットーー」

 

その笑顔が、あまりに嬉しそうだったから、憧れた。

 

是・切り嗣 ぐ銃刃(ナインバレル・ブレードファング)ーー、」

 

夢を語るその顔がーーあまりにも悲しいから、俺が叶えると、約束した。

 

そうだ。

俺の中にイメージがあるなら、それは俺が憧れた正義の味方の。

切嗣の力に他ならない。

 

「ーー射出、開始 (フル、ファイア)!!」

人を脅かす、人知の埒外の邪悪がいるのなら。

それは、滅ぼされなければならない。

 

「喰ら、えぇぇぇーーっ!!」

放たれた弾丸は刃。

放たれては再生する刃は時間差で撃ち出された白と、黒。

 

白は切り裂く。

進路上の全てに対して、切り裂く事を強くイメージした、起源弾の切って、嗣ぐ、の「切る」イメージを内包した魔刃にして魔弾。

 

黒は、抉り、再生を阻む。

「嗣ぐ」イメージを内包し、無差別に振りまく魔弾にして魔刃。

 

白はメデューサの尾を深々と切り裂いた。

紫色の血が吹き上がり、その次の瞬間には傷が再生していく。

 

黒は偶々、バーサーカーが切り裂いた傷口に吸い込まれーー

傷口から壊死を広げていく。

 

「GiiyAaaAAaaaaAaaAAa!?」

 

身悶えするメドゥーサ、いや。

ゴルゴーンの怪物。

 

「は、小僧ーーやるじゃねえか。」

褒美だ、と。

その口が無音に紡ぐ。

次の瞬間、瀑布の様な槍の連打がメドゥーサに殺到した。

 

「GAaAaAaAaauAAAAAAaAa!?」

 

見る間に削りとられて肉片を撒き散らし、血を霧と噴き出しーー

徐々にその動きを鈍らせていく。

 

その巨軀の奥底。

メデューサの蛇体の中心、人で言うなら胎盤にあたるあたりに光が見えた。

霊核だ。

体組織の大半を削り殺され、再生をしようと魔力が渦巻いている。

 

「く、そ再生が早いーー」

 

「これで足らねえって言うのか?」

 

二人が並んで呟いたのは同種の感想。

即ち、このままでは目の前の脅威を排せ無い。

 

「ーーアイルランドの大英雄ともあろう者が、いささか情けなくは無いか。」

 

そこに。

響く声はーーアーチャーでは無い。

低く、厳かに。

 

屋上のコンクリートの上に着地したのは。

仕立ての良いスーツに身を包んだ…長身の男。

長い癖毛が後手に撫でつけられ、額が出てその目がよく見えた。

端正な顔立ち、引き締まった肉体美。

その体積に反してあまりにバランスのとれた体つきがその身体をむしろ小さく印象づける。

近づいてみれば逆にその大きさに驚くほどだ。

また、その首に手を回して白磁の様な肌、紅玉の様な瞳をした女性が抱きついている。

 

「ありがとうセイバー、降りるわ。」

ス、と大事そうに地面に足をつくまでまるで壊れ物を扱うように繊細な動作で扱われ、降りた女性は。

 

「ーー初めまして、ライダー、バーサーカー…いえ、クー・フーリン。」

 

ライダーの単眼がギロ、とセイバーとその女性に向けられる。

身体はすでに7割を再生し終えて。

 

「そして…会いたかったわシロウ・エミヤ」

 

「ーー君は、誰だーー、」

 

「何故名前を、かしら?」

 

「簡単な話ね…キリツグは元気?」

 

「ーーそうか、義父のーーいや、ごめん分からないんだ、俺も切嗣が今どうしてるのか。」

 

「愚図は嫌いよーーセイバーを伴い現れた時点で私が敵だとわからないかしらーー」

 

「テメェ、誰だ?敵だってぇのは嫌と言うほどわかりきっちゃいるがな…一方的に悟った物言いをされるのは気分が悪ぃな、え?」

バーサーカーの言葉にセイバーが僅かに動き、女性の前に出た。

 

「良いわセイバー、そうね…せめて名乗るのが礼節と言うものだったわ。」

そう前置き、セイバーの横に並んだ後、答える。

 

「我が名はイリヤーーイリヤスフィール・フォン・アインツベルンーー、こう名乗れば解るかしら?」

そう名乗り、何故かその視線は斜め前のビルに一度向けられ、その後また士郎達へと戻る。

 

「アインツベルンーーなるほど…御三家の一つ…か。」

 

「ふふ、そうよーー狂戦士 (バーサーカー)のわりに物知りじゃない貴方。」

 

「御三家?」

 

「始まりの御三家…この聖杯戦争をおっ始めた魔術の大家の一つ…マキリ、遠坂、そして錬金術の大家アインツベルン。」

 

「そう、その通り…そして此度の勝者の名となるわ。」

女性が手を挙げると、セイバーが動いた。

再び前に出、手を翳す。

そこに紅蓮の炎が現れ、形を成す。

 

「セイバー、焼き尽くしなさい。」

 

「承知した。」

構えたそれはーー赤々と輝く長く、巨大な剣。

灼熱を纏う刀身は美しく、畏れを感じさせる、まさに神々を前にしたかの様な。

 

「な、なんだあの剣ーー構造どころか材質すら視えない?」

士郎の眼は、解析を得意とする。

事にそれが剣であるなら尚更に、だ。

現に今両手に持っている銃剣もまた、アーチャーの使う双剣を視て着想を得、作り上げた礼装だ。

 

「神が鍛えし我が御剣(つるぎ)ーーとくと味わえ。」

一振り。

空気が灼け、メドゥーサの身体に斜めに切り込みが奔る。

二振り。

交差した剣閃が、炎を吹き上げる。

 

「ギッ…!?」

痛みからか、メドゥーサの牙の隙間から、僅かにまだ人型をしていた時の声に近い呻きが漏れた。

 

「ーー終わりだ、怪物 (バケモノ)ーー燃え尽きろ。」

 

「SygyAaAaAaAaAaAaAaAaAaAaAaAa!?」

 

「焔気解放ーー灰と成せ。」

ゴァ、と。

空気をその熱波が上空へと巻き上げ、メドゥーサの巨軀が火柱に包まれる。

 

「ーーな、なんて威力だ…炎の、剣?」

士郎の驚きも無理はない。

 

あれ程に苦労したメドゥーサの再生を簡単に上回り、焼いていくその威力。

火柱は赤から青、白へと色を変える。

どんどんと高温になっているのだ。

 

「ーーちっ」

バーサーカーが吐き棄てる様にそれを見る。

 

やがて声どころか影すら残さず。

メドゥーサのその巨軀が燃え尽き、消えた。

 

「さて、次はどちらだ?」

不敵に笑みを浮かべたセイバーの剣先が。

二人に、突きつけられた。

 

**************

 

ビルからビルへ、跳ねるように移動していた赤い影が止まる。

 

「アーチャー?」

凛が何事かと問えば。

 

「ーーライダーが、消滅した。」

唐突な一言。

 

「えっ?」

 

「先ほどライダーが異様な姿に変貌してバーサーカーと、それにあの小僧を交えて戦闘を続けていた様だが…横合いから入ってきたサーヴァントが一瞬にしてライダーを…」

話す声が硬い。

当然だろう、あの暴力の塊の様なバーサーカーから獲物を一瞬にして奪ったと言うのだから。

 

「ーー相手はバーサーカー以上に?」

 

「ああマズイなあれは、規格外過ぎる。」

 

「ーー気づかれていると思う?」

 

「この距離、加えて相手はおそらくセイバー…普通ならば気づかれてはいまいがーー」

保証は出来ない、とアーチャーは言う。

 

「…それでもこのまま無策で近づくよりマシ、でしょう?」

 

「ああ、そうだな…奇襲を仕掛ける。」

そう言うや取り出した黒塗りの洋弓。

 

「ーー貴方がアーチャーらしい戦い方をするのってもしかしなくても初めてじゃない?」

クス、と笑いながら凛が語る。

 

「ふ、よく見ておけ…君が如何に優秀なサーヴァントを引き当てたかを、な?」

そんな軽口を最後にアーチャーの眼は獲物を見定める。

 

「ーーI am the bone of my sword…」

詠唱。

同時、その手には剣が顕現した。

それは光に変換され、光の矢へと変わる。

 

「ーー射抜けーー偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)ーー!!」

 

*******ーー…

光が見えた。

暖かで、優しい光が。

 

薄桃色の桜の花弁が舞い散り、その中で自分は誰かに膝枕をされている。

 

「綺麗ですねーーサクラ。」

そう、舞い散るのは桜の花だ。

 

「…ライダー?」

 

「お別れ、ですーー願わくばもう少しアナタを見ていたかったのですが…怪物に堕ちてまでああも一方的にやられようとは…屈辱です…が、不思議に悪い気はしないのは何故でしょうね。」

 

或いはそれは。

偽りの王が見せた不器用な優しさ (怒り)のせいであろうか。

 

膝の上の誰かさんは、面食らった顔で固まっている、かと思えば。

 

火がついた様に叫び始めた。

 

 

「お別れ?おい、巫山戯るなよ、巫山戯る…巫山戯るなよっ、じゃあ僕はどうなるんだ、この愚図っ!」

 

「慎二ーー貴方は捻くれてはいますが…存外優しい男です、できるなら…この花吹雪の様にか弱く、儚いーー貴方の妹を…」

 

「なんだよっ、お前結局桜が大事なだけかっ、僕は、僕なんかどうでもいいんだよな、分かってたさ、ああ!分かっていたとも!」

 

「ーー最後まで我儘ですね、貴方は。」

 

「なんだよっ、お前がーー」

 

ふわ、と。

身体が持ち上げられて。

ライダーの胸に掻き懐かれた。

 

「本当は、誰かに甘えたかったのでしょう?」

 

「なっ、違うっ僕はーー僕なんか、」

 

私はーー最後に救われたのかもしれない。

まさか、姉二人以外にこんな私の死を悼んでくれる人が…二人も居るのだから。

 

「慎二ーー今は貴方がマスターです、だから…桜にも伝えて下さい。」

 

私が、消えてしまうことを。

貴方と、貴女を置いていく不甲斐なさを。

 

「叶うなら、あなたがたを二人とも長く長く、見守りたかったーー聖杯を得たら受肉して、桜と、慎二と、三人で河原を歩くんです。」

 

「お前、何をーー」

 

「擬似的とはいえ、マスター…貴方の記憶を見たのを許してくださいね…嫌いでしたよ、貴方の事は…でも、貴方がどうして魔術師たろうとしていたのかーー視て、しまいましたから。」

 

「勝手な、事を言ってんじゃ、ない、よ…」

声が、涙に咽ぶ。

 

「ふふ…嫌いでしたよ、嫌い、でした(、、、)。」

 

幼い桜と慎二。

幼くして養子にされた桜。

それは自分が才能を持たなかったから。

だからこんなにも華奢で、愛らしい女の子が。

 

人の道を外れた外法に染められてしまった。

 

嫌だ、嫌だ、自分が嫌だ。

こんなにも頑張ってるのに認められない。

どんなに足掻いても、桜に敵わない。

桜を魔術から救いたいのに、桜の才能を超えなければ桜は救われ無い。

 

死んだ様な目で、蟲蔵の地下に横たわる少女の姿を幻視する。

 

「勝手に、見るなーーこの、デカ女!」

 

「…その言葉を言った人間は今まで例外なく引き裂いてきましたが…喜びなさい慎二ーー貴方が一人目の生存者ですよ。」

そんな馬鹿な言葉を紡ぎながら、ライダーは慎二を抱き寄せ、頬に唇を落とす。

 

「女神の祝福、ですよ…せめて貴方が生き延びられる様にーー」

 

「女神?お前、馬鹿も鏡を見てから言えよ?」

辛辣な言葉はしかし、涙でぐしゃぐしゃの顔ではまるで意味が無い。

 

「貴方こそ、自分の表情…見てみなさい慎二。」

 

そう言って、顔を近づけ、瞳を見つめられた。

ライダーの瞳越しに映る自分は、それは酷い顔をしていた。

 

「さあ今度こそ…お別れです、さようなら、慎二ーー桜を大事にしてくださいね。」

 

「お、おい、待てよ!」

手を伸ばす。

届け!届け!届け!

 

ライダーの姿が消えていく。

伸ばした手は空を切り、頬の熱だけが残った。

 

ーーああ、どうして自分の手はいつも届かないのだろう。

 

 

 

 

夢は其処で終わり。

恐怖に駆られて逃げた先ーー

転げ落ちた階段の踊り場の鉄臭い匂いで目が覚めた。

 

瞬間、空気が振動した。

焼けた風が吹いて。

階段通路を熱気が満たした。

傍には燃え落ちた本が一冊だけ。

 

「ーーなんだよ、夢は、終わったはずじゃないのかよーー」

 

あんな恥ずかしい真似しやがって、あんな事を自覚させておいて…

 

「ーー自分一人、居なくなるなよ…デカ女。」

塩辛い味が、鼻の奥まで満たしている気がした。

 




【後書き的なもの】

はい、皆様おはようございます、こんにちは、こんばんは。
いつもコメント、評価ありがとうございます。

それと、ぐだ子…まだ復活描写が出来ないーー
セイバーとの前哨戦がこの後入ります。
それにケリがついたら衛宮邸に戻って復活描写ができる、はずーー。

今回は士郎の、捏造設定が入り込みました。
この作中での士郎は、切嗣から少なからず戦闘技術、魔術などの手ほどきを受けています。
原作版zeroの切嗣より幾分かましな体調である切嗣は、なんだかんだ渋りながらも彼に生き残る為の技術としてそれらを教えています。
得意な環境で育てられた彼が、いずれ戦いに身を投じることになってしまうもしも、の為に。
その結果、固有結界の特性が僅かながら変わっています。
また、一部魔術刻印のコピーを施されているために原作士郎からは逸脱した強さを得るに至りました。

今回士郎が使用した魔術、劣化宝具とも言えるものに関してのデータです。

○『是・切り嗣ぐ銃刃(ナインバレル・ブレードファング)』ランク:D〜???

最大補足:1〜???
最大射程:0〜???

人造宝具(イミテーション・ファンタズム)
見た目は黒い2丁拳銃に刃をつけたモノ、銃把は真っ直ぐに剣の柄の様に伸ばし、変形、剣形態で二刀として振るう事も可能。
(DMCの主人公が持っていた銃に近い感じと言うと解りやすいかな?)
士郎が内包する「剣」を弓矢ではなく銃により発射する発想に至り、独自に昇華された「無限の剣製(アンリミテッド・ブレードワークス)」の異なる形の一端。
射出時にはスライドした刃が銃口前にせり上がり、魔力の爆圧により発射される。
今回は使う機会は無かったが、銃口からは刃を番えずに魔力塊を弾丸として凛のガンドの様に打ち出す事も可能。
番える刃が変わる事でその威力、効果もまた変容する。
基本的に射程はアーチャーの弓に劣るも、連射性能と汎用性においては勝る部分を持つ。
魔力消費もまた、投影する刃の種類により上下し、作中持ち入られたのは干将・莫耶に起源弾の特性を上乗せしたもので、不死殺し(イモータルキラー)の力を内包する、威力はDランク相当。
剣の所有者の経験記憶を読み取れない代わりに射出速度は弓で射る場合の数倍の速さであり、英霊でない身でありながら英霊に通じる程の飛び道具として運用可能。
もしも士郎が英霊であるなら、最速のランサーですら捉えるであろう弾速である。

と、言う能力でした。
もし士郎がこのまま英霊化するならばやはりアーチャー、もしくは狙撃での暗殺が可能な点からアサシン、精神の壊れ方故にバーサーカーにも適正がありそう。

ーーそれと、駆け足でしたしねじ込んだ感が半端ないですが、拙作の慎二は実はキレイな慎二でした。

ーーライダー、少しは報われたかなあとか考えながら夢のお別れシーンを入れたとかなんとか。

セイバーが、あまりに唐突に来た感じが否めませんが…ここまでで正体に気づいた人いるんだろうか?
初期投稿元では44人中、12名がバレバレと答え、19名が確信は無いが、とお答え頂きました。

あちらでもこちらでも、共通して頂いた答えの中で何故かラーマ、と言うお答えが多かったのですが、おそらくは前書きに書いた神の呪い、のくだりが誤解を招いたのかな、と。
答えは割とシンプルで。
剣に拘ると答えが出ないと言うセイバークラスにあるまじき答えだったりするのですが。
実はその剣自体は本作のセイバーが持っていた逸話より、その後に手に入れた人の逸話の方が有名です。
ーーしかもその人もその剣より他に象徴する武器があったりしますから、一般的にこの剣自体は知名度が低いんですよねぇ。

まあ、つまるところ、セイバーはーーおや、誰か来たようだ。
「ーーーーーー!?」

暗転。

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