東方project × ONE PIECE ~狂気の吸血鬼と鮮血の記憶~   作:すずひら

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前回のまとめ

・ラフテル強襲される
・フランちゃんおこ



神の敗北と狂気の吸血鬼

 

 

“私”は、楽しくなってきていたみたいだった。

 

最初はラフテルを襲われたことだとか、こぁを一歩間違えば危ないところまで攻撃していたことだとか、ラフテルで開発させていない飛行戦艦なんてものを持ち出してきたこととか、結構頭に来ていた。

だけど、群がる羽虫を数千単位で焼き尽くしたり、飛んできた砲弾を受け止め投げ返して船を墜としたりと暴れまわっているうちに割とどうでもよくなってきて。

それよりもここしばらくやっていなかった全力で体を動かすことが楽しい。

自分から襲いに来たのに、返り討ちにあっておろおろしている相手の姿を見るのが面白い。

何より、万を超えるほどのこれだけの大虐殺を行うのは久しぶりで、香ばしい肉の焼ける匂いや、芳醇な血の香りが素晴らしい。

それに、相手の見た目が翼の生えた人間だというのもいい。

まるで、天使を相手に戦っているようで、悪魔の王たる吸血鬼の私としてはとっても気分がいい。

勿論この世界にキリスト教なんてないし、私は別に天使なんかを嫌っているわけでも無いのだけれど、ポーズとして、ね。

なにか劇でも演じているような爽快感があるのは仕方ない。

……なーんて、考えてたんだろうと思う。

かつて人間だった“私”の精神ならこんな虐殺に耐えきれなかっただろうことを考えると、色々感慨深いものもある。

 

まぁそんなわけで大暴れしてるのはとても楽しかったから。

さっき現れた無粋な装甲戦艦には腹が立つ。

 

その装甲戦艦は見た目からして他の船と違った。

飛行戦艦には小さなタイプと大きなタイプがあるのだけど、装甲戦艦はその中の大きなタイプよりもさらに大きい船だった。

世界最大の飛行物体といえばかの有名なヒンデンブルクだろうと思う。

あれは戦艦大和をそのまま空に浮かべたような狂気の飛行船だけど、今目の前にある装甲戦艦はそれよりさらに大きい。

つまり、21世紀の地球でも実現していないようなブツ、ということになる。

形も丸みを帯びていて少し独特な感じがする。

そして何より船の周囲を石のようなもので覆っているのが特徴的だ。

いかにも“装甲船”って感じがする。

どうやって浮いているのかがとても気になる。

 

私はまぁこの船にも同じように魔法で極大火球(ロイヤルフレア)をぶつけてやった。

で、普通に効かなかった。

火球が船の装甲に吸い込まれるように消えていき、装甲戦艦はなにごともなかったかのように砲撃を再開してきた。

それどころか吸い込まれた部分から極大火球(ロイヤルフレア)が私に向けて飛んできた。

 

「は?」

 

私は一瞬あっけにとられて、回避もできずその攻撃をモロに喰らってしまう。

流石私の大魔法というか、砲弾の直撃を受けても傷一つつかないであろう服をボロボロにした上に、自慢の白い肌も焼けただれさせた。

特に直撃を受けた左半身がひどく、腕は肘から先がなくなってるし、左足は腿から下が炭化してしまっている。

私が日光を防ぐために身にまとっている妖力のガードのさらにその上から貫通してダメージを与えてくるとは、なんて凶悪な魔法なのか。

ここまでボロボロにされたのはかつて自分同士で殺し合ったフォーオブアカインド事件の時以来だ。

 

……魔法のチョイスが最悪だった。

ただの火魔法ならここまでの被害はなかった。

私が放ったロイヤルフレアは太陽を模した魔法だから、吸血鬼の私に特効があったわけだ。

自分の魔法を反射されるなんてこと、今まで考えたこともなかったから適当にイカロスチックな選択をしたのが完全に裏目に出たんだろう。

今みたいに反射される可能性があるならもうロイヤルフレアは使わない方がいい。

それに、吸血鬼が苦手な流水に通じる水魔法も同様に使用を控えた方がいい。

 

とりあえず、治療しなくちゃね。

まずは右手の手刀で左腕を肩口から切り落とし、足も付け根からばっさりいった。

痛いけど太陽の光に焼かれている部分は再生速度が非常に遅くなるから仕方ない。

指先の火傷くらいなら数秒で治るけど、半身を失うほどの怪我だとそうも言ってられない。

霧化しても身体の欠損は補えないしね。

つまり、しばらくは片手片足で戦うことになる。

空は飛べるからそこまで困りはしないけれど、鬱陶しい。

なにより、私の体がこんなひどい状態になってるのを見てられない。

うわー、こぁからすごい勢いで念話が飛んできてるけど……無視しよう……。

っていうか私の戦いはラフテルの人たちも見てるわけで、ちょっとカッコ悪いところ見せちゃったなぁ。

いやぁ、恥ずかしい。

これは少し、頼れるところを見せなきゃね。

 

「禁忌『レーヴァテイン』」

 

そう思い、右手に巨大な炎剣(レーヴァテイン)を顕現させる。

レーヴァテインは私のスペルカードの中でも最大の攻撃力を持つもので、吸血鬼特攻込みのロイヤルフレアと比べても数倍の威力がある。

……これも吸収・反射されるなんてことは流石にないよね?

 

少々不安になりつつも、私はレーヴァテインを装甲戦艦に向かって振り下ろす。

それが普通の飛行戦艦ならバターのように切れるか、一瞬で蒸発したことだろう。

……しかし。

 

「嘘……レーヴァテインで無傷って……」

 

一瞬幻覚を見ているのかと思ったほど、その光景は現実感がなかった。

どんなときでもすべてを焼き尽くしてきた私の切り札(レーヴァテイン)が、完膚なきまでに防がれたのだから。

今度はロイヤルフレアのように吸収された感じではなくて、装甲の表面をなでるだけに終わったような、そんな感じだ。

余波だけで装甲戦艦の周囲の普通の飛行戦艦はいくつも溶けたから、攻撃自体を失敗したわけじゃない。

 

「くっ、こうなったら」

 

切り札がダメなら奥の手、最終手段だ。

『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』ならばどんなに強固な装甲だろうと――。

 

「そ、そんな、ありえないっ!?」

 

能力を発動しようとして、愕然とする。

戦艦を覆っている石のような材質の装甲。

それには、“目”がなかった。

 

万物に存在する崩壊点。

存在の根幹を為すその点――“目”は形のないもの、例えば音や風といったもの以外ならば、生物無生物問わずあらゆるものに存在する。

私の能力はその“目”を自在に自分の掌に移動させるというモノ。

そのまま握りつぶしてしまえば対象の物体は崩壊する。

いってしまえば万物の心臓(コア)を、対象を視認しただけで崩壊させる反則級の能力。

相手がどんなに強かろうと、特殊な能力を持っていようと、存在そのものを崩壊させる。

対象がどんなに硬かろうと、複雑な機構を持っていようと、存在そのものを崩壊させる。

恐らく対人・対物に限れば最強の能力だと、自惚れじゃなく思う。

 

それなのに、その装甲には“目”がなかった。

これじゃあ、私の能力は使えない。

私は、私の能力が効かないモノに初めて出会ったのだった。

 

……だから。

驚きすぎて、頭が真っ白になって、私は飛来する“光”に気が付かなかった。

普段なら察知して避けられたそれを、頭のてっぺんからつま先まで余すところなく受けて。

――私という存在は消失した。

 

 

 

 

「や、やったぞ!」

 

人智を超えた化け物が()()したのを見て、私は喝采を上げた。

いや、私だけではなく、この旗艦に乗っている乗員全てが喝采を上げていた。

今だけは、共通の脅威を取り除いたことに対して、“支配民”も“一般民”も“奴隷民”も、身分の別なく共に喜んでいた。

恐らくは、他の艦の中でも同様の光景が広がっているだろう。

 

それにしても、すさまじいものだった。

あの敵もさるものながら、それ以上にすさまじいのは我が国の誇る技術力!

私も詳細は聞かされていなかったが、あの装甲戦艦のなんと頼もしいことか。

恐ろしい威力の火球を受けてもびくともしないのは当然としても、それを跳ね返すとは。

あれはおそらく、(ダイアル)によって攻撃を吸収し、放出する仕組みだ。

使われているのは炎貝(フレイムダイアル)……ではないな、あらゆる攻撃に適応できるよう絶滅種の万能貝(オールダイアル)が使用されているとみた。

 

くく……奴が自分の放った火球で焼き尽くされたときの呆然とした表情、あれはよかった。

それまで好き勝手に暴れまわってくれていたことの溜飲が下がるというものだ。

その後出した巨大な炎の剣には少々驚かされたが、それでも装甲に傷をつけることはできんようだったしな。

そして、どうすることもできなく無様に手を握ったり開いたりしているところに、衛星兵器の一撃だ。

 

衛星兵器はその名の通り、月の小衛星を改造した兵器。

まだ(ダイアル)が豊富にとれたころに作られたもので、その内部には夥しいほどの閃光貝(フラッシュダイアル)が搭載されている。

それにより、()()()()を蓄え、光線として放つのだ。

凄まじいエネルギーを一条の光に収束するために、その威力は絶大。

いかな化け物とても耐えきれるものではなく、直撃を受けて蒸発した。

本来はビルカの防衛用の兵器だが、青き星までも射程に収めていたとは。

やはりアレを作ったあの方は天才だ。

 

さて、そろそろ本来の仕事に戻らねばな。

 

「おい、お前たち、いつまで浮かれている。敵は排除したのだ、さっさと侵攻を再開するぞ」

 

「は、はい、司令官殿。もうこんなに暗いですしね、早くしないと」

 

「暗い? まだ昼下がりだろう」

 

何を言っているんだと、窓の外を見て、私はそこにいたモノと目が合った。

 

「――アハ」

 

いつの間にか空が暗くなっている。

暗雲が立ち込めているのだ。

いや、そんなことはどうでもいい。

なぜ、なぜ、アイツが、奴は確かに蒸発したはず――。

 

「――アハ、アハハハハ、アハハハハッ!」

 

 

 

 

終わったはずの戦場に、哄笑が響く。

それは心底楽しそうで、嬉しそうな声で、聞いているだけで――なぜか背筋に震えが走るような、嗤い声。

 

「――ああ、すごい、すごいよ、ほんとうにすっごぉい。まさか私を一回でも殺せるとは思わなかったよぉ。びっくりびっくりぃ。最期のあれは太陽の光を収束させたものだよねぇ。あそこまで完璧に吸血鬼(わたし)の対策をたてられてるとは思わなかったなぁ。それに、その装甲戦艦もすごいねぇ! “目”が見えないモノなんて初めて見たよぉ」

 

どこか、間延びしたような舌足らずな声。

幼い子供が発するようなそれを、聞いたことがある者がかつて一人だけいた。

ラフテルの巫女。

フランに初めて血を吸われた人間である彼女だけが聞いたことのある、“吸血鬼”フランドール・スカーレットとしての声だった。

 

「な、なぜ生きて……」

 

「なぜ? さぁて、なぜでしょぉう? ヒントはぁあそびだよ、あ・そ・び。あなたたちを玩具(オモチャ)にして遊んであげるって言ったじゃなぁい。だから私はおままごとに付き合ってあげたんだよぉ?」

 

「お、おままごと……?」

 

こたえるフランの瞳はどこか焦点のあっていないトロンとしたもの。

しかし、その瞳から吹き荒れる狂気は、それまでの比ではない。

ただそこに佇んでいるだけで、世界が捻じ曲がるように狂っていく。

 

「痛かったなぁ。熱かったなぁ。苦しかったなぁ。辛かったなぁ。――ひどいことをするオモチャは、いらない。壊しちゃお」

 

フランドール・スカーレットは確かに攻撃を受けてこの世から消滅した。

しかし、消滅したのは“禁忌『フォーオブアカインド』”によって生み出された分身の一人だ。

フランの存在自体にはなんの痛痒もない。

敵の命はコインいっこでも、フランの方はそうではない。

本体は離れたところで、暴れる“私”の姿を楽しそうだと羨ましく見ていた。

 

フォーオブアカインドで分身を作り出した理由は、警戒。

元の世界でも見れないような飛行戦艦なんてものを操る敵対勢力の、超越した科学技術を警戒したのだ。

なにしろ“科学”とは、妖怪である“吸血鬼”フランドール・スカーレットを殺しうる不倶戴天の敵であるがゆえに。

――そして、その懸念は実現した。

 

警戒していたとはいえ、フランは自分の実力に自信を持っていた。

だから、当初はさほど慎重さもなく、まさに“遊び”だった。

分身として弱い自分を作り出し、適度に戦わせて劣勢になったところで残りの分身と共に、「フランがやられたようだな……」「ククク……奴は四天王の中でも最弱……」「羽虫ごときに負けるとは吸血鬼の面汚しよ……」と言って登場でもしようかと考え、残りの分身と本体はラフテルの護衛をしていた。

ラフテルの住民が見ている前でエンターテインメントの一種にしようとするほどには、余裕があったのだ。

ところが、彼らは分身で弱く油断やミスがあったとはいえ、フランドール・スカーレットを一度とはいえ殺して見せた。

それも、禁忌『レーヴァテイン』や『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』すらも防いで、である。

特に、威力の落ちていたレーヴァテインはともかく、『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』については本体のフランが発動しようとしても“目”が見えずに不可能だった。

科学が妖怪を殺したのだ。

 

故に、遊びは終り。

 

始まるのは、蹂躙。

 

 

 

 

分身その2とでもいうべきフランは、装甲戦艦に向かった。

すでに特性は把握している。

レーヴァテインの火力すら弾く防護壁、その一部に攻撃を吸収し放出する仕組みが組み込まれている。

だが、あの装甲にはあらゆる攻撃が効かないが、恐らく全力パンチ一発で船は沈むだろうとフランは予想していた。

なにしろ船は浮いている。

いかに頑丈でも海に叩き落すように殴りつけてやれば沈めることは簡単だ。

一応、パンチの衝撃すらすべて吸収されてしまうという可能性が考えられたため、フランはもっと堅実な方法を選択した。

 

それが、あたりを覆う暗雲。

雷雲を呼び、暴風を起こし、豪雨を降らす暗雲をフランは魔法で作り出していた。

天候操作は砂漠で雨を降らせたように、お手の物だ。

無論フランは流水が苦手なので今は雨を降らせていない。

必要なのは、風。

 

フランが軽く手を振ると一瞬にして、装甲戦艦は制御を失い錐揉み回転を始める。

空中に浮いている以上、周囲の風の影響を受けないはずはなく。

その堅牢さが嘘であるかのように、装甲戦艦は一瞬で海の底へと沈んでいった。

しばし待っても浮いては来ない。

船と言いつつ、装甲の自重で沈むような、その程度の物だった。

 

 

分身その3とでもいうべきフランは、衛星兵器を処理する。

はるか遠くの大気圏外にあるだろうそれは、いかに吸血鬼の視力が良かろうと見えるものではない。

だいいち、今は分身その2が作り出した暗雲によって上空の視界は遮られている。

では、どうするか。

その場まで飛んでいく?

いやいや、ナンセンス。

そんなことをせずとも、魔法を使えば一発だ。

 

フランが発動したのは遠視の魔法。

はるか遠くにある物を見通す千里眼で、フランはその衛星兵器を見た。

そして、掌を軽く開く。

次の瞬間にはその可愛らしい小さな掌の中には、衛星兵器の“目”があった。

 

「きゅっとして、ドカーン」

 

ぐしゃり、と。

無邪気な子供が虫を潰すように、手が握られる。

たったそれだけで、遥か彼方の存在の崩壊点は砕け。

その衛星兵器は木っ端微塵に爆散した。

 

 

本体とでもいうべきフランは、周囲に浮かぶ飛行戦艦の後片付けだ。

しかし分身たちの仕事よりも楽かと言われれば、そうでもない。

なにせ、数だけはいる。

だから、フランは片っ端から壊していくことにした。

 

「ドカーン、ドカーン、ドカーン……綺麗な花をー咲かせましょうー」

 

ひとたび右手が握られれば戦艦が一つ爆発する。

乗員の血液が空に散り、鮮血の花が咲く。

飛んでくる砲弾は左手で虫でも払うかのように払い除け、無詠唱の魔法や時たま詠唱による魔法にて次々と命を刈っていく。

安易に船を墜とすような真似はしない。

海に落ちて乗員が生き残る可能性があるからだ。

フランはいっそ丁寧なほどに敵対勢力のすべてを空中で絶命させていく。

 

装甲戦艦が墜ち、衛星兵器の応答が消えた。

フランは大きい船から攻撃対処に選んだので、旗艦もすぐに花と散った。

頼みの綱も命令系統も消え、対して相手は三人に増えた。

そんな状況でビルカ兵たちのとった行動は、逃亡一択だった。

無論、フランがそれを許すはずもない。

 

逃亡ができないと知るや、恐怖に泣きわめきながら投降をする兵たちも現れた。

フランは、にこやかに投降を受け入れた。

そして、彼らを魔法で拘束しラフテルへと転移させる。

後の処理は、ラフテルの民がやるだろう。

自分たちの国を宣戦布告もなしに突然襲い、あまつさえ何よりも大切な“フラン様”に傷をつけたビルカ兵を、筋金入りの狂信者であるラフテルの民がどうするかは、まぁ分かりきっていた。

 

 

せっせと羽虫の処理を行うフランを止めたのは、衛星兵器の処理を担当した分身その3のフランだった。

 

「そろそろいいんじゃない、(フラン)? もうほとんど全滅したよ」

 

「え? 皆殺しにしないの、(フラン)?」

 

「んー、それでもいいけど、(フラン)もそろそろ腹の虫も収まったでしょ? 残りには拷問でもして本拠地の場所聞きださない?」

 

フランとフランの会話に、装甲戦艦を沈めたフランも加わった。

 

「あー、その方がいいかも。結局(フラン)が沈めたあの船も、何だったのかよくわからないし。あとでラフテルの人たちにサルベージしてもらうにしても、設計した人とかの話を聞いた方がいいかもね」

 

「ああ、なるほど。根絶やしにするにしても、残りの奴らの居場所を聞き出さないとかぁ」

 

「それにしても、終わってみれば結構楽しかったかな、(フラン)?」

 

「まぁね。(フラン)が油断してやられたのもまぁ分からなくはないよね。自分のことだし」

 

「ここまで大暴れすることってなかったもんねぇ。自覚して無かったけど(フラン)って結構ストレスたまってたりしたのかな?」

 

「んー、船旅も長かったしねぇ。海賊団も楽しかったけどそろそろ別のことをやってもいいのかもね、(フラン)

 

「そうだ、(フラン)。メイリンに連絡とっておかない? この後の処理とかも割と押し付けたい」

 

「いやいや、(フラン)、本音がダダ漏れだよ。それは言っちゃダメでしょ」

 

「えへへ、ごめんね、(フラン)

 

「でもそうだよね。ラフテルの事だからこぁに任せたいけど、今回も頑張ってくれてたしちょっとゆっくり休ませてあげたいかな」

 

「メイリンはもうアマゾン・リリーも結構軌道に乗ってるらしいしね」

 

「しばらく人手が必要そうだし、フォーオブアカインドこのまま発動させておく?」

 

「それでもいいけど、連続発動ってタイムリミットどれくらいか分かる、(フラン)?」

 

「いや、(フラン)に聞かれても。(フラン)が分からないなら(フラン)にわかるわけないでしょ」

 

「昔は三時間で頭が痛くなって、妖力的には一日くらいで限界だったけどね」

 

「いまならもうちょっとできるのかな」

 

「なんにせよ疲れたね」

 

「そうだね。ゆっくりお風呂入って休みたいなぁ」

 

「うんうん、ぐっすり寝たいねぇ」

 

「お疲れ様、(フラン)

 

「お疲れ様、(フラン)

 

「お疲れ様、(フラン)

 






ヒンデンブルク
世界最大の飛行船、その全長実に200メートル以上。
大きさとしては戦艦大和と相違ないレベル。
こんな大きなものがどうやって空を飛ぶかと言えば、水素で飛ぶ。
……水素ということで嫌な予感はするけれど、もちろん期待を裏切らず最後は大爆発で轟沈した狂気の船。

ありとあらゆるものを破壊する程度の能力
求聞史紀によればあらゆる“物質”に存在する目を破壊できるということなので、形のないものや概念などは破壊できない仕様です。

衛星兵器
あっさり壊されましたが、その実めちゃくちゃ厄介な代物です。
チャージが必要とはいえ、大威力の攻撃を光速で放つのでほぼ確実に命中&対象を破壊する恐るべき兵器です。

貝(ダイアル)
万能貝と閃光貝はオリジナルです。
ただ、閃光貝は灯貝の上位の絶滅種として原作に登場してもおかしくはなさそうです。
万能貝は、原作の斬撃貝の仕組みが意味不明なのでこんなのもありかなぁと。

追記:閃光貝はオリジナルじゃなく原作に登場してました……。
空島編には名前がないのですが、二丁拳銃に使用されていそうですね。
名前が出たのは空島編よりも後、ウソップがルフィと決闘する35巻でのことです。
ここで見る感じ非常に弱そうですが、衛星兵器に積まれていたものは絶滅種でもっとすごい&太陽にずっと近い位置で光を蓄えるので威力が高い、とでも脳内補完してください。
くぅ、チェックが甘かった……。

四天王の中でも最弱……
元ネタはギャグマンガ日和のソードマスターヤマトで、この話が掲載されたのはワンピースの連載開始後なのでフランが知っていることとのつじつまが合いません。
このような台詞はそれ以前のゲームなどでも見られただろうことを考えて大目に見ていただけると。
それにしてもフランちゃん四天王……つよそう。
ラスボス(レミリア)の後の裏ボスが4体いるって。

フランちゃんの本気
タグにせっかく「主人公最強」をつけているので。
色々悪さできる魔法もさることながらフォーオブアカインドが強すぎですね。
きっと4人で手分けすれば7日間で地表を焼き払うこともできる。
遠距離で『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』が発動できるのは完全に独自解釈ですが、物体を視認することと掌で目を握りつぶすことができればこんなのもありじゃないかと。


そんなわけで戦闘終了です。
結構あっさり終わってしまいましたが、結果が分かっている戦闘を長々とやるのもどうかと思ったので。
あと事後処理に1話か2話で「天空の戦」編は終了予定です。
衛星兵器を作ったという“あのお方”……一体何イリンなんだ……。
メイリン!? ハッ、まさかっ!?




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