デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

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第八話 再度の決意

 

俺たちが盗品蔵に急いで戻ると、スバルがフェルトに庇われた状態で倒れていて、ロム爺が棍棒を構えていた。

どうやら死人はまだ出てないようで、安心した。

 

「狂三!」

「わかってますわ。......<神威霊装・三番>(エロヒム)!......<刻々帝>(ザフキエル)!」

 

狂三は、霊装を顕現させ、自身の天使を呼び出した。

狂三の背後に、大時計が現れた。

 

「新たな来客かしら?強そうね。まあ、まずは......」

 

こっちを優先しましょうか。そう言って、殺人鬼......殺人女性は、スバルとフェルトの方へと向かって行く。

 

「やばいやばいやばい!いきなりこんなことになるとか、マジかよ!」

 

スバルが情け無い声を出しながら、未だに倒れた状態から動けずにいる。

 

「やらせませんわよ。<刻々帝>......<七の弾>(ザイン)!」

 

<刻々帝>による<七の弾>の効果で、殺人女性の動きが止まった。

 

「スバル!フェルト!早くその場から離れろ!」

 

そんな俺の声に反応して、スバルがフェルトを担いで走ってその場を離れた。

それと同時に、<七の弾>の効果が切れたようだ。

 

「⁉︎......消えたように見えたけどどういうことかしらね?」

「そんな事......今はどうでもいいですわよ」

「そうね」

「さあさあ、行きますわよ、わたくしたち‼︎」

 

影に潜んでいた狂三の分身体が、影からたくさん出て来た。

そして、殺人女性を取り囲む。

 

「スバル。ここから離れるぞ。ここにいちゃ、危ない」

「あ、ああ。わかった」

 

ロム爺にも声をかけて(自分も戦おうとしていたが、なんとか言いくるめた)、フェルトも一緒に盗品蔵の外に出た。

狂三は未だ戦っている。

それを見ていることしかできない。

 

それから、数分も経っていないと思う。

狂三が、盗品蔵内から吹っ飛んで来た。

 

「狂三⁉︎」

「くっ...。銃弾を避けるだなんて、聞いてませんわよ....!」

 

銃弾を避ける⁉︎

狂三の武器...ザフキエルは、長銃と短銃のニ丁の歩兵銃だ。

相手に撃って効果を与えるものは、銃弾が当たらないと、意味がない。

さらに、あの殺人女性は、<一の弾>(アレフ)(自身の時間を加速させ、超高速移動を可能にする)をつかっているのに、それについて来ているらしい。

 

「もう終わりなの?」

「調子に乗らないでくださいまし!」

 

狂三は、もう一度<一の弾>を使おうとして、

 

「もう飽きたわね」

 

その言葉で、咄嗟に下がった。

右腕が、弾け飛んだ。

 

「狂三ぃぃぃいいいい‼︎」

「ぐ....大丈夫ですわ!<四の弾>(ダレット)!」

 

腕は治った。

だが、不安は消えなかった。

狂三が、負けるんじゃないか。

死んでしまうのではないか、と考えると、もうダメだった。

俺は守りたいんだ。

今まで救って来た精霊たちも、狂三も、スバルやフェルト、ロム爺も、そしてエミリアも。

失いたく、ないんだよ!

 

ーーーーーその瞬間。俺の右手には、

 

 

 

<鏖殺公>(サンダルフォン)が、にぎられていた。

 

 

 

「士道.....?それは....なんだよ.....?」

 

スバルが困惑している。

無理もないだろう。

俺だって、出てくるとは思わなかった。

だけど。

これで、戦える。

 

 

五河士道ーーーー戦闘に、参戦。





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