俺たちが盗品蔵に急いで戻ると、スバルがフェルトに庇われた状態で倒れていて、ロム爺が棍棒を構えていた。
どうやら死人はまだ出てないようで、安心した。
「狂三!」
「わかってますわ。......
狂三は、霊装を顕現させ、自身の天使を呼び出した。
狂三の背後に、大時計が現れた。
「新たな来客かしら?強そうね。まあ、まずは......」
こっちを優先しましょうか。そう言って、殺人鬼......殺人女性は、スバルとフェルトの方へと向かって行く。
「やばいやばいやばい!いきなりこんなことになるとか、マジかよ!」
スバルが情け無い声を出しながら、未だに倒れた状態から動けずにいる。
「やらせませんわよ。<刻々帝>......
<刻々帝>による<七の弾>の効果で、殺人女性の動きが止まった。
「スバル!フェルト!早くその場から離れろ!」
そんな俺の声に反応して、スバルがフェルトを担いで走ってその場を離れた。
それと同時に、<七の弾>の効果が切れたようだ。
「⁉︎......消えたように見えたけどどういうことかしらね?」
「そんな事......今はどうでもいいですわよ」
「そうね」
「さあさあ、行きますわよ、わたくしたち‼︎」
影に潜んでいた狂三の分身体が、影からたくさん出て来た。
そして、殺人女性を取り囲む。
「スバル。ここから離れるぞ。ここにいちゃ、危ない」
「あ、ああ。わかった」
ロム爺にも声をかけて(自分も戦おうとしていたが、なんとか言いくるめた)、フェルトも一緒に盗品蔵の外に出た。
狂三は未だ戦っている。
それを見ていることしかできない。
それから、数分も経っていないと思う。
狂三が、盗品蔵内から吹っ飛んで来た。
「狂三⁉︎」
「くっ...。銃弾を避けるだなんて、聞いてませんわよ....!」
銃弾を避ける⁉︎
狂三の武器...ザフキエルは、長銃と短銃のニ丁の歩兵銃だ。
相手に撃って効果を与えるものは、銃弾が当たらないと、意味がない。
さらに、あの殺人女性は、
「もう終わりなの?」
「調子に乗らないでくださいまし!」
狂三は、もう一度<一の弾>を使おうとして、
「もう飽きたわね」
その言葉で、咄嗟に下がった。
右腕が、弾け飛んだ。
「狂三ぃぃぃいいいい‼︎」
「ぐ....大丈夫ですわ!
腕は治った。
だが、不安は消えなかった。
狂三が、負けるんじゃないか。
死んでしまうのではないか、と考えると、もうダメだった。
俺は守りたいんだ。
今まで救って来た精霊たちも、狂三も、スバルやフェルト、ロム爺も、そしてエミリアも。
失いたく、ないんだよ!
ーーーーーその瞬間。俺の右手には、
「士道.....?それは....なんだよ.....?」
スバルが困惑している。
無理もないだろう。
俺だって、出てくるとは思わなかった。
だけど。
これで、戦える。
五河士道ーーーー戦闘に、参戦。
どうでしたか?
UA5000突破!ありがとうございます!