デートから始める異世界生活   作:シークレット/K

6 / 45
第五話 考察

 

...どう...おき.........さいし...!

 

声...?

 

『士道(さん)!』

 

目を覚ました。

 

「ここは...?」

 

異世界に来て、一番最初にいた所...だな。

しかも、さっきまで夕暮れだったはずなのに、真昼になっている。

でも確か、記憶が間違ってなければ、俺は...死んだ、はずだ。

 

「急に目が死んでましたわよ、士道さん」

「どうかしたのですか、士道」

 

目が死んでいた?

まさか、さっきのが夢だったとでも言うつもりかよ...。

いや、転んだ時に、ちゃんと痛みを感じたから、それはないと思う。

死んだ時は、ほぼ即死だったっぽいし、痛みは感じなかったけど。

 

「なぁ、狂三。鞠亜。俺...さっき死んだよな...?」

「何をふざけた事を言っているんですの?士道さん」

「そうです、士道。私達は、ついさっきこの変な場所に来たばかりではないですか」

 

つい......さっき?

何を...言っているんだ...?

 

「す...スバルは⁉︎エミリアは!」

「スバル...さんと、エミリアさん......ですの?そんな人は、知りませんわよ」

「うそ...だろ......?」

 

まさか、狂三が十二の弾(ユッド・ベート)を俺に撃った...とか?

いや、違うな。

もしそうなら、俺がここにいるのはおかしい。

なぜなら、もしそうなら、ここにいるはずの過去の自分はどこに行ったのか、という事になるからだ。

しかも、死んだ俺にそんな事をしても、どうにもならないだろう。

 

じゃあ、俺は何で生きてるんだ?

この世界には、魔法なるものが存在するらしいが、もう死んでしまった人を生き返らせる魔法や、時間を巻き戻す魔法なんて、聞いた事がない(厨二でそういうことを調べて楽しんでいた限りでは)。

それこそ、ゲームの中だけだ。

 

...ん?死んで、時間が巻き戻る...?

つまりは、そういう事なのだろうか?

厨二心が、ぶり返してきているのを感じる。

 

...死に戻り...って事か?

 

本当にそうだとしたら...。

 

『士道(さん)‼︎』

「うわっ⁉︎びっくりしたぁ」

「さっきから呼んでいるのに、無視する士道さんが悪いですわ」

「本当に大丈夫なのですか?」

「ああ。もう大丈夫だ。整理できた」

 

狂三と鞠亜に、最初から最後まで丁寧に説明をしてから(死に戻り以外のことを)、俺は辺りを見回す。

 

ーーーいた。

 

「おーい!スバルッ!」

「士道⁉︎」

 

よかった。ちゃんと合流できた。

 

「なぁ、士道。俺、死んだ気がするんだけど」

「ああ、大丈夫。あの後俺も死んだから」

「何が大丈夫なんだよ!」

 

叫ぶスバルに、俺はさっき考えた事を、天使の事抜きで伝えてみた。

 

「......なるほど。死に戻り、かぁー」

「推測でしかないけどな」

「で、これからどうするか、だけど」

 

そんな事、決まってる。

 

『盗品蔵!』

 

ハモった。

 

「よし!それじゃあ、行こうぜ!」

 

そう言って、スバルが歩いていくので、それについて行った。





UA3000突破ありがとうございます!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。