...どう...おき.........さいし...!
声...?
『士道(さん)!』
目を覚ました。
「ここは...?」
異世界に来て、一番最初にいた所...だな。
しかも、さっきまで夕暮れだったはずなのに、真昼になっている。
でも確か、記憶が間違ってなければ、俺は...死んだ、はずだ。
「急に目が死んでましたわよ、士道さん」
「どうかしたのですか、士道」
目が死んでいた?
まさか、さっきのが夢だったとでも言うつもりかよ...。
いや、転んだ時に、ちゃんと痛みを感じたから、それはないと思う。
死んだ時は、ほぼ即死だったっぽいし、痛みは感じなかったけど。
「なぁ、狂三。鞠亜。俺...さっき死んだよな...?」
「何をふざけた事を言っているんですの?士道さん」
「そうです、士道。私達は、ついさっきこの変な場所に来たばかりではないですか」
つい......さっき?
何を...言っているんだ...?
「す...スバルは⁉︎エミリアは!」
「スバル...さんと、エミリアさん......ですの?そんな人は、知りませんわよ」
「うそ...だろ......?」
まさか、狂三が
いや、違うな。
もしそうなら、俺がここにいるのはおかしい。
なぜなら、もしそうなら、ここにいるはずの過去の自分はどこに行ったのか、という事になるからだ。
しかも、死んだ俺にそんな事をしても、どうにもならないだろう。
じゃあ、俺は何で生きてるんだ?
この世界には、魔法なるものが存在するらしいが、もう死んでしまった人を生き返らせる魔法や、時間を巻き戻す魔法なんて、聞いた事がない(厨二でそういうことを調べて楽しんでいた限りでは)。
それこそ、ゲームの中だけだ。
...ん?死んで、時間が巻き戻る...?
つまりは、そういう事なのだろうか?
厨二心が、ぶり返してきているのを感じる。
...死に戻り...って事か?
本当にそうだとしたら...。
『士道(さん)‼︎』
「うわっ⁉︎びっくりしたぁ」
「さっきから呼んでいるのに、無視する士道さんが悪いですわ」
「本当に大丈夫なのですか?」
「ああ。もう大丈夫だ。整理できた」
狂三と鞠亜に、最初から最後まで丁寧に説明をしてから(死に戻り以外のことを)、俺は辺りを見回す。
ーーーいた。
「おーい!スバルッ!」
「士道⁉︎」
よかった。ちゃんと合流できた。
「なぁ、士道。俺、死んだ気がするんだけど」
「ああ、大丈夫。あの後俺も死んだから」
「何が大丈夫なんだよ!」
叫ぶスバルに、俺はさっき考えた事を、天使の事抜きで伝えてみた。
「......なるほど。死に戻り、かぁー」
「推測でしかないけどな」
「で、これからどうするか、だけど」
そんな事、決まってる。
『盗品蔵!』
ハモった。
「よし!それじゃあ、行こうぜ!」
そう言って、スバルが歩いていくので、それについて行った。
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