導入が思いつかなくて気付いたらこんなに間が開いてしまって.....。
誰か私に文才をください。
*フラクシナス艦橋→五河家リビング
に修正しました。
よく考えたら、この時、フラクシナスは撃墜されてましたね。
第三十一話 士道の不調
-士道side-
その日の朝は、特に気分が悪い訳でもなく、至って普通だった。
スバルとエミリアの二人が日課で村にラジオ体操をしに行くのを見送り、士道.....もとい、士織が屋敷内で仕事をしていると、馬車のような音が聞こえた。
「ロズワール、何か来たようだけど?」
「そうみたいだねーぇ。ちょっと挨拶してくるよ」
士道がロズワールに伝えると、ロズワールはそう言って対応しに行く。
どうやら、王都からの使者らしい。
エミリアは今いないので、応接室でロズワールと話して待つらしい。
ラムに二人に紅茶を持っていくことを命令されて、士道は応接室に行く。
「.....失礼します」
室内に入ると、ロズワールが使者の人.....猫耳の少女が話をしていた。
「うん?なかなか可愛いメイドさんじゃないの〜」
「そうだろう?ああ、シオリ。紅茶は机に置いてもらっていーぃよ」
「.....分かりました」
紅茶を机に置き、部屋を出ようとする。
だが、ロズワールに引き止められた。
そして、士道にとっての爆弾発言をした。
「これでもこの子、男なんだーぁよ」
「ぶふっ!?なんで言うんだよ、ロズワール!」
思わず敬語なしで口走る士道。
対して、猫耳少女の方は。
「こりゃびっくり〜!フェリちゃんと同じだねー!」
「お、同じ?」
「私もよく女の子と間違われるからねぇー」
「お前も男なのかよ!?.....お偉いさんはそういう趣味の人しかいないのか.....?」
「うん?いや、これはフェリちゃんの趣味だけど」
「同士だと思ったのに全然違った!?」
一連の会話の後、士道は疲れきってしまった。
ロズワールとフェリスから聞いた所、フェリスがこの屋敷に来たのは、スバルのマナ回復の為らしい。
エミリア自らに頼み込まれたということで、その回復させることが出来る張本人であるフェリスが直々にやってきたというわけだ。
「あーそうそう」
「うぇ!?ちょ、何を.....」
「動かないで、今調べてるから。シドウのマナの様子はーーーー。.......え?」
フェリスは士道に抱きつき士道が動揺するも、すぐに落ち着かせる。
そして、フェリスは予想外の表情をした。
「嘘でしょ、なにこれ.....」
フェリスの言葉に、眉を寄せるロズワール。
「どうしたんだい?なーにか面倒なことでも?」
「面倒?そんな次元じゃないでしょ、これ.....!?」
相当なのか、フェリスの表情は険しい。
失礼するよ、と言ってロズワールが士道額に手を当てて、目を閉じる。
ロズワールの表情も険しくなっていく。
「い、一体、どうしたんだよ?」
「.....シドウくん、落ち着いて聞きなさい。君の体は今、この王国を消滅させてしまう程の力を秘めている。.....いや、これは暴走といっていいのかもねぇー.....」
「むぅ、それフェリちゃんが言おうとしてたのに」
暴走.....?
まさか、精霊の力に何か異変が.....?
仮にそうだとして、士道に出来ることは何も無い。
こういったことには令音が一番頼れるのだが、この世界にいるわけもない。
「どうにかできないのか!?」
士道は焦っていた。
自分が原因で国が滅ぶなんてことは絶対に避けたい。
そんな士道の言葉に返すのは、フェリス。
「うーーん。緊急だけど、王都にシドウ連れてっていい?王都の危機となると、流石に見逃せないし。王都でなら、色々と調べられるし」
「そちらがいいというのであればいーぃよ。ただーぁし、シドウくんを殺す、なーぁんてことがないようにねーぇ?」
「それはもちろん。だったら、もう一人付き添いに連れてってもいいよー」
士道が会話に参加することなく、話は勝手に進んでいく。
「じゃーぁ、レム、シドウくんと王都に言ってきてくれるかーぁい?」
「分かりました!」
ロズワールが付き添い人にレムを指名し、何故か扉の外にいたレムが笑顔で嬉しそうに返事をする。
「じゃぁ、シドウくんも王都に行く支度をしてきなさい」
「.....分かった」
ロズワールに言われるまま、応接室を出て、自分の部屋に戻る。
士道は狂三に声をかけた。
「なんですの、士道さん?」
「狂三は今回、この屋敷に残ってくれ」
「........理由を聞かせてもらっても?」
「.....スバルのサポートに入って貰いたいんだ。何か、妙な胸騒ぎがするし.....」
「.....仕方ありませんわね。分かりましたわ。ただし、分身体は影の中に置いていきますわよ?」
「ああ。ありがとうな、狂三」
狂三は部屋を出ていった。
.....と、鞠亜が話しかけてきた。
「士道。.....無理だけはしないでくださいね?話を聞く限り、士道の体は今、危険な状態。なのに、私にも、狂三にも、士道に対して出来ることは何も無い。.....気休め程度に、励ますことしか」
「そんなことは無い!俺はこの世界に来てから、今まで....。今だって、鞠亜にも狂三にも感謝してる!励まされて、元気をもらってるんだ!いつだって、俺は二人に助けられてる。だから、気休め程度とか、言うなよ」
「.....そうですね。すみません、士道。どうかしていたようです。」
そして、士道が準備を終えた(男の服装に着替えた)のは、エミリアとスバルが帰ってきて、エミリアがフェリスとの会話を終えた直後だった。
エミリアはもうフェリスから事情を聞いているらしく、士道を心配していた。
スバルは訳が分からなくて混乱していたが。
「お、おい、士道!どこ行くんだよ」
「詳しいことは狂三に聞いてくれ。狂三本人をスバル、お前のサポートとして置いていくから」
「.....分かった。んじゃあ、また会おうぜ」
言いながら、ハイタッチを求めるスバル。
士道は一瞬戸惑い、そして笑みを浮かべて腕を上げる。
「ああ、また、な」
パンッ、という気持ちのいい音が鳴る。
一瞬、スバルが表情を歪めた気がしたが、気の所為のようだ。
士道とレム、フェリスが竜車に乗り込み、御者台には、ヴィルヘルム、と名乗った老人が座る。
そして、竜車は王都に向けて出発した。
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-琴里side-
「それで、士道の様子は!」
「依然、変わらないよ。だが、まだパスは弱いが繋がっている」
現在、五河家リビングでは、士道の状態に関する対策を考えていた。
精霊達も全員揃っている。
「このままだと、どうなる?」
疑問の声をあげるのは折紙。
そしてそれは精霊達全員が知りたいことでもある。
「この状態のままにしておけば、シンは向こうの世界で暴走を始める。この世界にいたならば、対策のしようはいくらでもあったが.....。残念ながら、この世界から向こうの世界へのアプローチすらできない」
「焦燥。本当に何も出来ないのですか?」
令音が説明をし、夕弦が焦りを見せながら問う。
「どうにかするには、士道をこちらの世界に引き戻すか、私達が向こうの世界に行くか.....。とにかく、私達が士道に会って、キスをして、パスをもう一度広げる必要があるわ」
だが、どちらにせよ方法は見つかっていないのが現状だ。
「シドー.....」
十香が暗い声をあげるが、その声は誰の耳にも入らなかった。
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-スバルside-
スバルは部屋に戻り、狂三に会っていた。
「.....狂三、士道は一体、どうなってるんだ?」
「.....精霊の霊力が暴走していますのよ。それで、王都に行ったんですのよ」
「.....だから、か」
「どうかしましたの?」
何か含みのあるスバルの言い方に、狂三は問う。
それに対してスバルは自身のシャツを脱いでいく。
「大声で叫びますわよ?」
「いや、好きで見せたいわけじゃないからね!?」
上半身裸になったスバルの右肩を見て、狂三はスバルが言わんとすることがわかった。
「士道が行っちまう前、俺はアイツとハイタッチしたんだ。.......そん時に、こうなった」
スバルの肩は、変な方向に曲がっていた。
これで士道に悟らせないようにするのは大変だっただろう。
狂三はひとつため息をつき、<刻々帝>を顕現した。
「<刻々帝>、<四の弾>」
スバルの肩に銃弾が撃ち抜かれ、肩は何事も無かったように元に戻った。
「士道さんの身に何が起きているのかは、わたくしにも分かりませんわ。どういうわけで精霊の力が暴走しているのか.....」
「そうか、狂三でも分かんないかぁー。.....まぁ、とりあえずエミリアたんのとこ行ってくる」
スバルはそう言い残し、部屋を出ていく。
これからまた、厄介なことが起きるんだろうな、という確信を持ちながら。
スバルの方は狂三がいるとはいえ、だいたい原作通りに進むということで、士道の方を書いていきます。
スバルの方も書いて欲しい、という方は、感想で言ってくれれば、多ければ書きます。
ということで、次はもっと早く投稿できる.....はず、です。