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1
白い部屋。
「学園都市第二位……『
椅子に座り、本のページをめくりながら彼女は呟く。
「この世に存在しない物質を作り出す……か。非常に面白い
エトロスは本を閉じると椅子から降り、すぐ側にある本棚へそれを差し込む。
「……これは使えそうだ」
2
一方、皐月は。
「ナナ……シ?」
「そうそう!ナ・ナ・シ!そこらへんの『妹達』とは格が違うんだから覚えてよねっ!」
困った。そこらへんの『妹達』とは違うと言われても、見た目が全く一緒だからどう見分ければ良いのやら、と心の中で嘆く皐月。
「ま、自己紹介はこの辺にして。あなた!今さっき私がいるの分かってて隠れたでしょ!?」
「……ッ!!い、いやぁ、そ、そんなことは……」
「いーよいーよ分かってる。あなたは『あの事』をまだ引きずってるんでしょ?」
どうやらお見通しだったみたいだ。
「……やっぱり、その『事実』は消されてないんだよね……?」
「うん。あなた、皐月叶人が『妹達』を殺害し実験に影響を与えた事実はミサカネットワークからは消えてないよ!」
「そう……だよね」
「でも、安心して。あの実験が凍結した以上、これ以上あなたが私達に害のある行動を取るとは思えない。そう判断した私達はあなたのことをもう追うことはない」
つまり、無かったことになったというわけか。
なんだろう。どうしてだろう。ホッとしたいのに。心の中では安堵したいのに。
「そ、そっか。それなら……良かった」
「なに、なに。なんでそんな嬉しそうじゃない反応するの?なんでそんな暗い顔をするの?もっと喜んでもいい場面じゃない。なんせ、『妹達』から逃げる日々は終わったのよ?」
確かに、ナナシの言う通りだ。学園都市の『闇』から追われる恐怖は完全に払拭した。だけど……何だ。皐月自身にも分からないこのモヤモヤ感。
「いや……僕は、人を殺したんだよ。紛れもなく、一人の人間を殺害した。その事実を消されて無かったことにされるのが……なんとも……罪悪感が拭いきれない」
「じゃあ、今からでも警察に行って牢屋生活でも送る?」
逃げ回っていたあの頃なら、すぐにでもそうしたのかもしれない。でも、今は違う。そんな結末は絶対に嫌だ。
「それは……違う」
「矛盾してるよ、あなた。ひっちゃかめっちゃかなことを言っている自覚をした方がいい」
「訳の分からない事を言っているのは分かってる!!でも……もっと他に……やるべき事が」
「
「……、」
「図星……。あなたがあの人と幼馴染みという関係なのは分かってるよ。その上で、あなたは『妹達』を目の前で殺し、何の理由も説明せずに逃げた。お姉様は一体どんな気分だったんだろうね。信頼しているお兄ちゃんが人を殺して何も言わずに逃亡だなんて。さぞかし傷ついたよね」
何も言い返せない自分が悔しかった。
「だから、私からもお願いです。あの人に、どうか謝罪して下さい。一言でもいい。あなたの気持ちを素直にあの人にぶつけてください。これは、『妹達』の総意ではありません。私、ミサカ第一〇七七四号のお願いです」
なぜ、目の前の少女は頭を下げているんだ。
なぜ、僕がお願いされている?
お願いなんてされる立場か?
絶対的に僕が悪いのに、何だよ、この状況。
「……お願いだ。その頭をあげてくれ」
ギュッ、と拳を握り締め、
「これ以上……僕を惨めな男にしないでくれ……ッ!!」
ナナシが顔をあげた時には、皐月の顔が俯いていた。
「あ、もう一つ、お願いがあるの」
「……何だよ」
「今、お姉様が行方不明なの」
「……!?」
「数日前から姿を消していて学園都市中どこを探しても見当たらないの」
「おいおい……謝罪とか言ってる場合じゃねぇじゃん!?何でそれを先に言わなかった!?」
「あなたが浮かない顔をしていたからつい色々言いたくなっちゃって……。まぁ置いといて。仮にも学園都市第三位のlevel5だからそう簡単にはやられないとは思ってるんだけど、万が一……万が一にでも何かあったら……!!」
急にモジモジしだすナナシ。瞳にもうっすらと涙が溜まっている。
「私はあの人に返しきれないほどの恩がある。それを少しでも返すために、私はあの人を助けたい!お願い!お姉様を探して!」
「言われなくても!!」
「私も……いや、『
追いかけられる立場から、
今度は追いかける立場へと変わった、皐月叶人であった。
今回短くてすいません!!