転生したけど、海賊でも海軍でもなく賞金稼ぎになります 作:ミカヅキ
ちょこっと師弟の過去話とゲストを1人…。
ゲストさんは今後も何らかの形で登場予定です。
━12年前、海軍本部━
「116、117、118……!」
海軍本部の鍛錬場に、その場に似つかわしくない幼い少女、
しかし、と
まだまだ
それは惜しい。
そう考えたミホークの行動は早かった。
「待て。」
「え?!」
一方、急に現れた男に幼女が驚いている。目を大きく見開き、固まっていた。
しかし、それに全く構う事無く自身の思う通りに行動するのが、“鷹の目”ミホークという男である。幼女から完全に
「ふむ…。腕を伸ばせ。」
「へ?」
いきなり現れて
「こ、こうですか?」
訳も分からず両手を前に伸ばして見せた幼女に再び
「…この辺りか。」
そう言うなり、ベルトに
「え!?」
「貸せ。」
「え、あ、はい。」
見知らぬ男の急な行動に驚愕したのも
「ナ、ナイフで
「優れた剣士ならばこの程度
恐る恐る、といったように尋ねてくる幼女に答えてやりながら、
ものの数分で、
「こんなところか…。振ってみろ。」
「は、はい!」
ずいっと目の前に突き出された
「1、2、3…!」
「止めろ。」
「えっ?!」
振れと言ったり止めろと言ったり、どうすれば良いのか?そんな顔をして見上げて来る幼女に、助言する。
「ただ振るのでは無く、打ち下ろす瞬間に左手の小指を意識しろ。右手の力は抜け。」
「は、はい!」
「もう1度やってみろ。」
「はい!1、2、3…!」
ビュッ!ビュッ!
明らかに先程までとは鋭さが違う。先程まではブンブンとどこか間の抜けた音だったのに比べ、今は一刀一刀が空気を斬り裂くように鋭い。
「良いだろう。」
しばらく幼女の素振りの様子を黙って見ていたミホークだったが、
「今の感覚を忘れるな。」
「はい!」
いつしか、幼女も何の疑問も無く教えを受けている。そこに、
「お―――――い!ターニャ、待たせて悪かっ、ぶふぅっ!!!」
駆け寄って来たは良いものの、足元にあった小石にものの
「大丈夫ですか?ロシナンテ少佐。」
ちょうど目の前で止まった海兵を見下ろしながら尋ねる幼女は、どうやらこういった事態に慣れているようだ。
「イッテェ―――…。ドジった…。」
のっそりと立ち上がった海兵の、
「悪いなターニャ。待っただろ?って、お前は“鷹の目”ミホークか?!」
そこで
「え?」
そこで何故かぎょっとしたようにミホークを振り
「おれを知っているのか?」
「当たり前だ!新しい“七武海”を知らない海兵がいるか!!だいたい、“七武海”とは言え海賊が何でこんな所をウロウロしてんだよ!?」
幼女への問いかけを自分に対してだと思ったらしい海兵ががなる。
「お前に言ったのでは無い。第一、本部内を見て回る権限は与えられている
しれっと返すミホークに、海兵が言葉に詰まる。その間に、ミホークは改めて幼女へ問いかけた。
「お前はおれを知っているようだが、何者だ?ただの子どもがこんな所には
「え、あ、おじいちゃんから新しい“七武海”が入ったって聞いたので…。」
「?お前の祖父は海兵か。」
「はい。えっと、あらためまして、モンキー・D・ターニャといいます。」
幼女、ターニャが名乗った姓に驚く。
「モンキー、という事はお前の祖父はガープか。」
「はい。」
まじまじと幼女を観察するミホークは知らなかった。幼女‐ターニャの方こそミホークの姿に驚いていた事を。
(げ、原作と全然
そう、今のミホークは
(イ、イケメンだ……!!!)
――――――これが、
━12年後、“新世界”━
「そう言えば先生。あたし以外に弟子はお取りになられないんですか?」
酒場兼飯屋で、この島の名物料理らしい、甘辛く煮た
「急にどうした?」
いきなり
「ガルゥ?」
ターニャの足元で生肉を味わっていたドゥーイでさえ、そんな
(何か似てるな、この2人(?)……。)
そんな事を思いながら言葉を続ける。
「いえ。前から疑問ではあったんですが…。確かあたしを鍛えてくださるようになったきっかけが、
そう言って料理を
「おれは剣士だ。」
「それは勿論、知ってますけども。」
急に何を言い出すのか、という顔をしている
「より強い剣士と“
そのミホークの言葉に、ターニャが一瞬きょとんとした。
「え?じゃあ、何故あたしを
「
「そ、そうですか…。」
ミホークの
「そ、それじゃあ、最近戦った剣士で最も強かったのはどんな剣士ですか?」
何となく
「ふむ…。
「
その言葉に、ターニャの“古い記憶”がもしやと刺激される。
「どんな剣士ですか?」
「確か名は…、“ロロノア”。“ロロノア・ゾロ”と言ったな。」
「“ロロノア・ゾロ”…。」
やはり、という思いと共にその名を
「その男はお前の兄の船に乗っているらしい。」
「…先生に認められた男を乗せている、という事はルフィの航海も順調みたいですね。」
ふふふっ、と
2年振りに再会した
因みに、コラさんはまだドンキホーテ・ファミリー潜入前で、午後から非番だったのでガープさんから子守を頼まれていました。
※後からこの段階では既に潜入していないとおかしい事に気付きましたが、バタフライ・エフェクト的な色々でズレたという事で…(汗)