落第騎士の英雄譚  兇刃の抱く野望   作:てんびん座

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返信できていない感想もありますが、それらにも全て目を通しているのでこれからもどうかお願いします!


駆逐してやるッ、一体残らず……!

 《既危感(テスタメント)》と疼木祝――それは能力と伐刀者の組み合わせにおいて黒鉄一輝の知る限り最凶の例の一つである。

 

 通常、予知能力はその察知の方法から大まかに数種類に分類できる。主に視覚、聴覚、そして第六感などのタイプだ。この中で群を抜いて多いのが視覚のみ、あるいは視覚や聴覚などの複合、そして第六感から未来の情報を得るタイプである。

 視覚タイプは文字通り魔眼や鏡などから未来の映像のみを読み取る。複合タイプは鏡や水面に映る映像と音声などから未来を知り、第六感タイプは直感や予知夢、時には超自然的な現象から未来を察知するという。疼木祝という少女の《既危感》は、分類的にこの第六感タイプに当てはまるだろう。

 

 

 では、彼女は何から未来の情報を得るのか。――それは経験(・・)だ。

 

 

 彼女の伐刀絶技の恐ろしいところはここにある。

 そしてその恐ろしさを、あるいは祝本人よりも一輝はよく知っている。

 

(あの日――)

 

 一輝が思い返すのは、初めて祝と繰り広げた決闘。

 あの時、大鎌の動きを見切ったと確信した一輝は《一刀修羅》による決着を図った。全身から溢れ出す魔力に任せ、持てる剣術の全てを尽くして彼女を斬り伏せんと刃を振るった。

 だが……

 

(あの日、僕は彼女に一太刀たりとも入れることができなかった。掠らせることすらもできなかった)

 

 あのような奇妙な感覚は一輝にとっても初めてだった。

 己の誇る秘剣を振るえば、まるで既知であるかのように完璧に対処してみせる。必殺の戦術は、まるで見慣れた光景であるかのように裏をかかれる。ならばと鍛え上げた剣術による手数で圧倒しようと考えれば、まるで長年共に修行した同門の友であるかのように手慣れた様子で刀を捌かれた。

 

 その時、一輝は間違いなく己の剣の全てを知られていた。

 

 守勢に回った彼女には《一刀修羅》などまるで意味をなさない。

 虚を突こうにも祝は心が読めるかのように回り込み、退こうと足を下げれば踏み込まれる。まるで詰将棋のようにこちらの手が潰されていく。《一刀修羅》によって強化された身体能力さえ、祝の魔力放出による瞬間的な膂力と瞬発力によって相殺された。

 あらゆる戦術や可能性を追求して敵に勝つ――それが一輝の戦術だ。しかし“こちらを知り尽くしている”という予想外にして初めて体験する戦術に、一輝にはもはや成す術など残されていなかった。

 結局、最後は一輝の魔力切れで決闘は終了。

 指の一本も動かせずに倒れ伏した一輝は、血の一滴、痣の一つすらも作らずに己を完封した祝をただ見上げることしかできなかった。

 そして後に知る。彼女のその恐ろしい予知能力の正体を。

 

 《既危感》は祝の肉体に降りかかる未来の災厄を因果の流れから自動的に察知し、それを“経験”という感覚を通して祝に伝える伐刀絶技だ。それが人による“害”であろうと、自然による人の意志が介在しない“害”であろうと関係ない。

 

 例えば剣。

 《既危感》は彼女に剣が振り下ろされる因果を察知したのならば、「剣によって斬り殺された、傷つけられた」という未来の経験を祝へと齎す。この“経験”は非常にリアルなものとして祝の脳には刻まれるらしく、彼女の感覚では『その姿勢から繰り出される技を何万回も受けたことがある』かのように感じるほどの強烈な既視感(デジャヴ)を覚えるという。それも視覚に限らず、五感全てを通した限りなくリアルな既視感を。

 よって祝は、敵の剣が振り下ろされる前には既に失敗の経験と知識を得ている状態が完成してしまう。『失敗は成功の母』とはよく言ったもので、祝は身を以って学習した未来の(しっぱい)を回避することで生存(せいこう)の未来を掴み取ることができる。

 

 殺され、傷つけられ、害された未来の自分から贈られてくる遺言(テスタメント)

 

 それが祝の伐刀絶技の正体だった。

 しかし、だ。

 

(本当に脅威なのは、疼木さんがそれを使いこなせるだけの強さを持ってしまっているということだ)

 

 当然ながら無敵の能力など存在しない。

 そこには必ず何らかの弱点があり、そして攻略法が存在する。

 その一つとして、予知能力そのものの致命的な弱点が挙げられる。それは未来を知ることができてもそれに対処できなければ意味はないという弱点だ。回避も対策もできない絶望の未来など、もはや予知をするだけ無駄というもの。

 しかし七星剣王として相応しい技量を持った――否、歴代の七星剣王と比較しても尋常ではない戦闘能力を保持する彼女は、あらゆる絶望的な未来であろうと真っ向から乗り越えてみせる。それだけの純粋な強さが祝にはある。

 未来の死を、絶望を、災厄を跳ね除ける圧倒的な強さ。それこそが疼木祝が持つ《七星剣王》の称号を支える最も堅い土台なのだ。

 そしてこの強さこそが、祝が一輝から完璧な勝利を捥ぎ取ることができた理由だった。一輝が今まで習得してきたあらゆる秘剣、秘術、奥義――それらは全て、祝の前では凡百の一撃に成り下がる。彼女元来の強さと戦闘経験の前では、初見という意表を突く状況でなければほぼ通用しない。しかし彼女の伐刀絶技はその絶好の機会を完全に無効化する。

 繰り出される前に、それを祝は既に身を以って学んでいるのだ。身に降りかかる未来の“害”を過去の経験として飲み干してしまう彼女にとって、その未来が訪れた時には既に秘剣は秘剣ではない。

 

(つまり、相対的に中途半端な武術しかない僕には彼女に勝つ手段がない)

 

 未来予知という能力がある以上、隠し玉や不意打ちという手段すら彼女には通じない。災害や障害物といった偶然の“害”すら、彼女の進む因果に収まっている限り予知されてしまう。そこに『疼木祝という存在を害する』という因果が存在している限り、彼女を狙おうと狙うまいと、殺意があろうとなかろうと関係ない。

 しかも自身への“害”という因果に対象を絞っているためなのか、はたまた単純に能力が強力無比であるためなのか、祝は「予知を外したことはない」と公言している。これが本当ならば予知を誤ることも期待できないだろう。

 

 

 “害”という概念において、彼女に不測の事態はほぼ起こりえない。

 

 

 他の学生騎士を凌駕する力量を持つ祝と、不確定要素(きせき)を狩り尽くす《既危感》の組み合わせはもはや反則だ。彼女にマグレで勝つことはできないということなのだから。

 つまり、本物の強者でなければ彼女に勝つことは不可能ということになる。

 

(彼女がそうあろうと鍛えてきたのか、あるいは伐刀絶技をそういう方向に調整してきたのかはわからないけれど……能力と伐刀者の組み合わせに隙がなさすぎる)

 

 己の身を守るという一点に関して言うのならば、彼女の《既危感》ほどに優れた予知能力はそうは存在しない。

 そして、一輝が祝と闘う前にその《完全掌握(パーフェクトビジョン)》を完成させなければならない理由もここにあった。敵が己を知り尽くしてしまう性質を持つ以上、こちらはそれ以上に敵を知り尽くすしかない。それこそ、人格やその在り方まで全てだ。最大の武器である武術で彼女を圧倒できない以上、最低でも一輝は『読み』という土台で祝に並び立たなければもはや勝負にすらならないのだから。

 

 祝がこちらの戦術を読み尽くすというのならこちらもまた祝を読み尽くす。

 そして同等のレベルに築いた土台を踏み台に、祝の力量を超えた刃を以って正面から勝利を掴む。

 これが一輝の出した結論だ。いや、これ以外に祝に勝つ術は一輝にはない。

 

 しかし一輝は既に悟らされていた。その《完全掌握》までの道程の険しさを。彼女の人格や在り方は、一輝にとってあまりに甘美に過ぎた。思わず憧憬を抱いてしまうほどには。

 最低でも《完全掌握》を遂げなければ勝機はない。しかし《完全掌握》をしてしまえば、自分は彼女の修羅道に引き摺り込まれて道を踏み外すことになるかもしれない。勝負に勝つために信念を曲げるのでは、それこそ勝利する意味がなくなってしまう。

 まさに疼木祝という少女は、一輝にとって最悪の相性をこれでもかと揃えた伐刀者だった。

 

(……クソッ)

 

 らしくもなく一輝は内心で毒づいた。

 それも無理はない。もはや状況は八方塞がりに近いのだ。

 不屈の闘志は未だに一輝の中で燃え続けている。しかしその熱を解き放つことが一輝にはできない。それがどうにも歯痒くて仕方がなかった。

 

 

 

 ◆  ◆  ◆

 

 

 

「未来の“害”を常にって……それじゃあ基本的に全ての戦闘が予知に引っかかるってことじゃない……!」

 

 ステラさんが信じられないように呟いた。

 流石はヒロイン、理解が早い。確かにステラさんの言う通り、私の《既危感》は戦闘において凄まじい効果を発揮する。なぜならば害とは戦闘において必要不可欠の概念であるためだ。むしろ相手を害する行動こそが戦闘の本質であり、つまり“害”という概念を排してしまえば戦闘そのものが成立しない。

 しかも私の《既危感》は予知の精度が他に類を見ないほど非常に高く、ノストラダムスの大予言やマヤの予言など鼻で笑うレベルでバンバン的中する。

 確かに話だけを聞くのなら反則級の予知能力だろう。

 

「もしかして、ハフリさんにはもう次の試合の様子が視えている……とか言わないわよね?」

「いやいや、流石にそこまでは予知できませんよ。私の予知圏内は基本的に直近の未来。訪れる害の規模によって幅はありますけど、流石にそこまで先の未来は捉えられません」

 

 ここが《既危感》の微妙な点の一つだ。

 予知できる未来が凄まじく近い。具体的にはほぼ数秒だ。この理論を詳しく説明すると気が遠くなるほど話が長くなってしまうのでかなりザックリと行くが、その原因は『細かな因果にとって人間の意思は不確定要素が過ぎる』という要素が大きい。

 

 例えば、A地点からB地点へとある人物が移動するという“巨大で強い因果”があるとする。この因果の流れを動かすことには凄まじいエネルギーと因果への影響力が必要なので変動することはまずないのだが、そこへ至るための細かな道筋や速度はその移動する人物の意思に委ねられている。よって『その人物がAからBへ行く』という漠然とした予知ができても『その人物がどのルートで向かい、何歩で到達し、道の右側と左側のどちらを歩き……』というような細かすぎる因果の流れまで予知するのは、“人間の意思”という不確定な存在のせいで死ぬほど難しくなってしまうのだ。

 人は平気で「気分ではない」という理由のせいで道を変える。歩調を乱す。人間の意思が一律の法則性や規則性を持たない以上、もはや細かい未来は無限大だ。

 

 そしてそんな事象の連続なのが戦闘というもので。

 細かな動作の一つで生死が決定してしまう戦場においては、その“細かな因果”が私への害に直結する。

 よって“細かな因果”がほぼ確定的なレベルに達したところ――即ち「これからこういう攻撃をこういう手順で繰り出すぞ」と敵が意思の内で決定した瞬間に《既危感》は害となる未来を察知する。

 つまり最悪の場合、相手が反射的に動いたせいで「自分は0.1秒後に殴られる」なんていうクソの役にも立たない未来が予知されることもあるのだ。

 

 まぁ、流石にそこまで切羽詰まった予知はあまりないけどね。

 意思の他にも人体の構造上の可能性、装備の可動限界、間合い、地形、持っている武術の癖などの数多で複雑な因果が絡まり合い、大体は数秒前には敵が繰り出す害の因果は9割がた決まってしまう。これによって数秒前の予知が成立するというのが戦闘中の《既危感》のメカニズムだ。

 

「――という感じで割と簡略化して説明してみましたけど……ステラさん、理解できています?」

「大まかな感じではね。私は因果干渉系の能力を持っていないから実感は湧かないけど」

「凄くザックリとした説明ですからね。御祓さん辺りならば感覚を掴めたかもしれませんけど、ステラさんには流石に難しすぎました」

 

 先天的に目が見えない人は色という概念を理解することができない。

 同じように因果に対する感覚というのは因果干渉系の伐刀者にしかわからないだろう。これを言葉で説明しようとすると、どうしても常人には理解しがたい理論や話し方を展開することになってしまうのだ。

 むしろ「なるほど、さっぱりわからん」という人の方が普通だろう。あれだ、「イザナミだ」を読んだときの読者の感覚に近いと思う。

 

「でも、割かし遠い未来でも予知できることはありますよ? 例えば人間の意思がほぼ介在しない自然現象などがそうです。大きい地震や津波レベルともなれば3日前くらいに予知できたりしますし。あくまで私に直接的な害があるものに限りますが」

 

 まぁ、わかるといっても「絶対にないけど、昔ここで大きい地震に遭遇したような」といった曖昧な感覚だけど。震災のせいで家屋倒壊に巻き込まれる、というような細かな未来は後から徐々に予知していく形になる。

 しかし本当、予知能力者的には人間と比べて自然はヤバいくらい素直で素晴らしいよ。

 大規模な自然現象は基本的に先程言った“巨大で強い因果”に分類されるので、基本的にかなり前の段階から《既危感》に引っかかる。オマケに自然は意思など持たないため、その全ての動きは凄まじく機械的だ。よって細かなブレもなく本当に予知がしやすい。

 最近はますます精度が上がっている(・・・・・・・・・・・・・)せいか天気の崩れまで予知できるほどだ。今日の雨だって「このまま山で燥いでいたら雨に降られて濡れた」という可能性の経験を《既危感》が察知したおかげで30分前には対処を始めることができた。

 同じような理由で障害物の存在も予知しやすい。物は意思を持たず、常に外部からの物理的なアプローチのみで成り立っている。だから私は雨の森の中でも足を滑らせることはないし、枝に引っかかることもない。

 

「……あの、ハフリさん」

「何です?」

「説明してもらってからこんなことを聞くのもおかしいけど……本当に私に伐刀絶技のことを話して良かったの? それもこんなに詳細な情報を」

 

 疑いと申し訳なさを混ぜ合わせた表情をしたステラさん。

 私がこんなに馬鹿正直に自分の秘密を喋ったことが納得できないのだろうか。まぁ、これから闘う相手に偽情報を流しているのかもしれない、と疑ってかかるのは伐刀者として大変良いことだと思うが。

 

「別に構いませんよ。さっきも言ったように少し調べればわかる情報ですし。それに大鎌(わたし)の強さは《既危感》の存在を知られた程度では揺るぎませんから」

「……ッ」

 

 実際、マジな話ここのところはこの予知は殆ど役に立っていないしね。

 何が起こるかわからない戦場に立ってこそこの伐刀絶技は威力を発揮するのに、学生騎士との試合では予知を使うまでもなく私の地の戦闘経験で普通に対処可能だ。

 そして私の《既危感》は常時発動型とはいえ、もはや目を瞑ってでも対処できるレベルの害には流石に反応しない。もはや(しっぱい)の可能性が極小となれば、それは“ほぼあり得ない可能性”と見做されて予知から弾かれてしまう。

 最後に《既危感》が戦闘中に発動したのは……春休みに《解放軍》鎮圧の特別招集をされた時になるのか? あの破軍からは私と東堂さんと貴徳原さんのスリーカードが出されたやつ。

 あとはもう天気予報くらいにしか使えていない。

 ……まぁ、つまりだ。

 

 

 大鎌が強すぎて予知が死にスキルになっているということだねっ!

 

 

 いやぁ、辛いわぁ~。的中率100%の予知能力だっていうのに活かす機会がなくて辛いわぁ~。

 それもこれも、もはや予知を必要としないほどに研ぎ澄まされた刃! 万能と言っても過言ではない対応能力! そして何より発揮された武器としての性能! つまり大鎌がこんなに強すぎるのが悪いんだよ!

 ああっ、大鎌のせいで私の《既危感》がどんどん産廃になっていく! 大鎌が最強すぎて本当にごめんね!

 

 なんて考えていると、何やらステラさんが今までと違う色の視線でこちらを見てきた。

 何か恐ろしいものでも見るかのような目なんだけど、どうしたの?

 

 

 

 ◆  ◆  ◆

 

 

 

「別に構いませんよ。さっきも言ったように少し調べればわかる情報ですし。それに私の強さは《既危感》を知られた程度では揺るぎませんから」

「……ッ」

 

 その威風堂々とした振る舞いに、ステラは思わず圧倒されていた。

 表面上はいつも通りの穏やかな振る舞いでありながら、その言葉の裏には己の強さに対する絶対的な信頼があった。ともすれば傲慢や慢心とも取られるその自信。しかしそれを身の程を弁えない愚者の言葉と捉えることはステラにはできなかった。

 七星剣武祭を制したという実績があるから、実力の一端を垣間見たという経験があるから、己を打倒した一輝が強いと評したから――ではない。

 

 ステラの奥底で燻る本能が、祝の存在をこの瞬間にどうしようもないほど恐れたからだ。

 

 今の言葉が祝にとってどういう意味を持っていたのかはステラにはわからない。あるいは言葉通りの意味なのかもしれない。

 しかし何気ない今のやり取りを終えた瞬間、ステラの中の本能は目の前の少女を“少女の形をした本物の怪物”であると認識していた。もはやステラの本能は、目の前でほわほわと笑う彼女がいつでもこちらを殺すことができる存在なのだと主張して止まない。

 

(なるほどね。確かにこれはヤバいくらいに本物だわ……)

 

 毛布で温められたはずの背中に冷たい汗が一筋流れる。

 先日の《狩人》のように、才能に溺れた偽物の強者ではない。祝は当たり前のように“覇者”なのだ。ごく自然で、当然のように強者として君臨している。

 試合の時に普段の様子とまるで変化がなかったことにもこれならば納得がいく。彼女にとってのあの穏やかな自然体とは、それこそが戦闘態勢なのだ。闘おうと思わずとも闘え、殺そうと意識する必要もなく殺せる領域にまで魂を昇華させてしまっている。だから彼女は殺気を放つこともなく、殺意を抱くこともない。

 『殺意』とは即ち、人間が発する“敵を殺そうとする意思”だ。その意思が目つきや語気、体捌き、あるいは魔力の猛りやそれに触れた大気などに影響を及ぼし、それを感じ取れる者だけが初めて『殺気』と呼ばれる超感覚を知ることができる。逆に言うのならば、己を律し、精神と肉体を御する者ならば自在に殺気を放ち、同時に消し去ることもできるだろう。

 しかし祝は違う。

 きっと彼女は何らかの原因で敵に怒りを抱いていようと殺意は抱かない。なぜなら敵を殺さないという選択肢は、わざわざ自分で選ばなければならない選択肢だから。“敵を殺そうとする意思”が本能や魂のレベルで定着してしまった彼女からは、もはや殺気という名の違和感は発せられない。

 

(人は極まりすぎると、こんな領域に至ってしまうというの……!?)

 

 俄かには信じられないことだった。

 敵を殺すのが当然で、闘うことが自然という状態で人間の精神が安定するなど。一体どんな思考回路をしていればそんな思考を保ち続けることができるというのか。

 

「ハフリさん……貴女は……」

 

 ――貴女は、どんな人生を歩んできたというの……?

 その言葉をステラは口にすることができなかった。

 不意に祝が立ち上がり、扉へと視線を滑らせたためだ。その直後に一輝もその視線を鋭くし、ステラも違和感に気付く。

 

「これは……地震?」

「本当だ、確かに揺れている。でも……」

 

 揺れている。それは間違いない。しかし一輝が言い淀んだ理由をステラもすぐに理解した。

 山小屋の床が、グラッ、グラッと断続的に傾くような感覚。しかしそれにしては少しおかしいのだ。地震ならば普通は地面が波打っているかのように揺れるはずだ。だというのにこの揺れはいつまで経っても断続的なのである。一定の間隔で小休止を挟むそれは、地鳴りというよりはまるで巨大な足音のようで……

 

「……まさか、本当に巨人なのか!?」

「じゃないでしょうかねぇ。まぁ、何にせよ二人は中にいてください。パパッと手早く片付けてきますから」

「……えっ!? ちょ、ちょっと!」

 

 まるで散歩に行くかのような気軽さで祝は動き出した。

 壁にかけてあった雨合羽を羽織り、そのままフードをかぶったところでステラが我に返る。

 

「私も行く!」

「ちょ、ステラ落ち着いて! もしも巨人が狂暴だったら戦闘になるかもしれない。病人のステラに無理させるわけにはいかないよ。大丈夫、僕も行ってくるから」

「えっ……でも、私も巨人見たいし……」

「あっ、僕と疼木さんの身を案じてくれたとかじゃないんだね……」

 

 一輝とステラがそんなやり取りをしている間に、足音と思われる振動は小屋のすぐ傍まで近づいてきているようだった。ステラを説得している一輝に痺れを切らした祝は、「もう行きますよ」とそのまま二人を置いて扉を開け放つ。

 そして、そこにあった光景に祝は「お~」と感心したように口を開いた。そしてその視線を上へ、上へ、上へ――

 

「こうして直に見ると意外にデカいですね」

 

 その視線の先には、首が痛くなるほど見上げなければならないほどの巨人がいた。

 事前情報の5メートルという情報よりもかなり大きい。全長は10メートルに達するほどで、それが小屋の前に佇む姿は異様でしかなかった。その身体は人間のような肉によって構成されたものではなく、恐らくは土塊と岩の集合体だろう。その姿を祝の後ろから眺めたステラは「エヴァの中身とか進撃してくる感じのを想像していたのに!」と声に出すほどショックを受けている。

 確かにこの姿では巨人(タイタン)というよりは巨人(ゴーレム)だ。

 

「って、そんなことを言っている場合じゃ……!?」

 

 一輝が慌てて《陰鉄》を展開したのと、巨人がそのサイズに見合う巨大な足を持ち上げたのは同時だった。

 持ち上げられた足は、巨人が前傾姿勢になると同時に凶悪な踏み潰し(ストンピング)となった。まるで蟻を踏み潰すかのような単純な動作。しかし巨体を見れば歴然のその大質量が繰り出せば、それは人間を殺すには充分すぎる殺人的な攻撃だ。

 

「逃げてッ、ハフリさん!」

 

 ステラの悲鳴があがる。

 三人の中で最も先頭に立つ祝へ、その小さな身体を粉砕せんと巨大な足が迫っていた。

 しかしそれに対し、祝は一歩も足を動かそうとしない。それどころか、まるで受け止めようとするかのように左手を持ち上げ……

 

「えいっ」

 

 衝撃で大気が爆発し、爆音が山肌を駆け巡る。

 祝の左手と足が接触した瞬間、巨人は宙を舞っていた。振り下ろされた足は付け根までが粉砕され、その原型を留めていない。残された軸足は完全に宙に浮き、巨体は背中から背後の地面へと倒れ込んだ。その瞬間、その質量に見合う凄まじい轟音が先程の爆音を追いかけて山中に響き渡り、大量の泥と千切れた木々が巨人の転倒に巻き込まれて粉塵のように舞い上がる。

 魔力放出だ。

 その質量差を覆すほどの威力を持った魔力放出によって巨人の足は砕かれ、それだけでなくその巨体を押し返されてしまったのだ。

 その非常識極まりない反撃を繰り出してみせた祝は、しかしそれを誇ることもなく一輝たちに向き直ると、「見てください」と巨人を指差して何やら講釈を始めてしまう。

 

「やっぱり巨人の正体は魔術でしたね。学生騎士の二人には珍しいでしょうけど、ああいった戦法を取るのは『鋼線使い』と呼ばれる伐刀者です。ほら、巨人を構成する岩から微かに魔力を感じるでしょう? 彼らは魔力の糸によって遠隔操作で傀儡を操り、遠距離から一方的な攻撃を――今話し中」

 

 起き上がろうと上半身を上げた巨人。しかしにべもなく言い放った祝は、一瞬で展開した《三日月》を振り向き様に巨人へ投げ放った。爆風のような唸りをあげた《三日月》は巨人の眉間に直撃し、そのままその頭部を跡形もなく吹き飛ばす。

 その反動で再び巨人の上半身は地面へと叩き付けられ、先程の地響き以上の揺れが小屋の戸口に佇むステラたちを襲った。

 

「……ねぇ、イッキ。日本の学生騎士はレベルが高いって聞いているけど、10メートルもある巨人を正面からあんな一方的にぶっ飛ばせるのって全国レベルでは割と普通のことなの? だとしたら私、井の中の蛙みたいで凄く恥ずかしいんだけど」

「安心して、ステラ。彼女が普通じゃないだけだから」

 

 状況はまさに一方的だった。

 祝はその絶対的な質量差などものともせず、それどころか先程からその場を動いていない。しかも会話する余裕すら見せており、巨人は全く相手になっていなかった。むしろ敵対的な立場にある巨人が気の毒に思えるほどだ。

 しかし巨人を背後から操る鋼線使いもこのままの状況に甘んじる気はないらしい。

 俄かにその巨体が崩れて岩塊に戻ったかと思うと、なんと細かな岩塊が新たに組み合わさることで複数の人影がゆらりと立ち上がったのだ。今度の傀儡は2メートルにも満たない人型とはいえ、その数は思わず一輝が息を呑み後退りするほどに多い。ざっと見ただけでも百体近くはいる。

 

「鋼線使いっていうのはこんなこともできるのか……!」

「なるほど。質で勝てないのなら数でってわけね。イッキ、ハフリさん。こればかりは私も加勢するわよ。この数、流石に二人だけじゃ多勢に無勢――」

 

 白い雨合羽が翻る。

 ステラと一輝が止める間もなく、祝は目にも止まらぬ勢いで岩の傀儡の群れへと突入した。そして新たに《三日月》を展開し直すと、鈍色の刃が次の瞬間に閃光と化す。

 

「数が多ければ勝てると思ったんですかね」

 

 一閃――魔力放出によって当たり前のように音速の壁を引き裂いた斬撃が、数体の傀儡を纏めて粉砕した。

 斬撃の勢いに身を任せて飛び上がった祝の蹴りが手近な傀儡に炸裂し、十数体を巻き込んで森の奥へと吹き飛ぶ。

 背後からその隙を狙おうと傀儡が飛びかかれば、振り向き様の裏拳によって木っ端微塵となるだけに留まらず、その破片が散弾のように飛び散って他の傀儡を穿っていく。

 それでも祝の足は止まらない。数の暴力で攻め立てる傀儡たちを、個の暴力が蹂躙する。豪雨による足場の悪さなどものともせず、大鎌を手に踊って踊って踊り狂う。

 

「温いですね。私を仕留めたければこの三倍は持ってきてください」

 

 そこは完全に祝の独壇場だった。

 刃は岩に徹らない。拳で岩は砕けない。――そんな常識を嘲笑うかのように彼女はそれを成す。

 傀儡の1体が拳を振り上げている間に間違いなく六、七体は消し飛んでいる。彼女が踏み込むだけでその場所は一秒で空白地帯と化す。百倍に近い数の差など何の有利性も持ち合わせてはいない。

 ステラのような炎を操る力もなく、一輝が闘った《狩人》のような特殊な能力もない。誰にでもできる基礎的な能力と技で、祝は敵を瞬く間に殲滅していく。

 

「これが最強の学生騎士の実力ってわけ……!?」

 

 単純で純粋で、そして馬鹿馬鹿しくなるほど普通に強い。それが祝の動きを見てステラが感じたことだった。

 魔力放出によって強化されたその敏捷力と瞬発力は、ステラの目から見ても学生騎士の領分を越えている。速度のロスを極限まで削るその体捌きと魔力放出による瞬間的な加速は、《一刀修羅》を用いた一輝に重なるところがある。両者を単純に比較することはできないが、ステラには優劣を付けられるほどの差があるとは感じられなかった。

 また、同じく魔力放出によって強化された刹那の膂力も凄まじい。流石に圧倒的な怪力を誇るステラには一歩も二歩も劣るだろうが、逆に言うのならば全力の一輝とほぼ同等の速度でステラに少し劣る程度の膂力を振るってくるということだ。それも一輝のような一分間という時間制限などなく。

 

「小細工なんてなく、誰にでもできることを最高レベルでやっているだけ。それがハフリさんの強さなのね」

 

 一体、どれほどの修練の果てに辿り着いた領域なのか。

 祝の強さをそのレベルに高めているのは、間違いなく彼女の魔力制御能力だ。現に先程から一切の魔力を感じさせない彼女は、ステラでは想像もできないほどの高効率で低燃費な魔力運用をしているのだろう。そしてそれすらも伐刀者ならば誰にでもできる能力の応用でしかない。

 

「こんな風に単純に強いだけ(・・・・・・・)の人がいるだなんてね。武術でランク差を覆すイッキといい、本当に世界は広いわ……」

「僕と彼女では比較にならないと思うけどね」

 

 木の葉のように空中へ蹴散らされる傀儡たちを眺めながら一輝は苦笑する。

 その単純な強さを身を以って知っている一輝の瞳に驚愕はない。しかし己の敵を油断なく再確認する戦略家としてその目は祝に向けられていた。

 しかし一輝たちが改めて祝の強さを確認させられている一方、祝は状況に少々の停滞を感じ始めていた。

 適当に傀儡を蹴散らしていた祝だったが、先程から蹴散らした傀儡と動いている傀儡の量にズレを感じ始めてきたのである。それで砕けた岩に戻った傀儡を注視してみれば、なんと岩の欠片が集合して新たな傀儡を作り出しているではないか。ふと周囲を見渡せば、森の奥まで吹き飛ばした破片まで引き摺られるようにこの場に戻ってきている。

 

「傀儡の再生とは、また器用なことをしますね」

 

 こんな展開、原作にあったかなぁ……?

 記憶の中に意識を馳せながら、祝は内心で首を傾げる。原作だけでなくアニメ版ではどうだったか……、と考えつつ、とりあえず近場の傀儡を大鎌で纏めて薙ぎ払った。

 

「ハフリさーん。傀儡の数が戻ってきているようだけど、やっぱり手を貸したほうがいいかしらーっ?」

 

 小屋の戸口から、毛布をかぶった状態で声を張り上げるステラ。

 確かに彼女の手にかかれば傀儡を跡形もなく焼き尽くすこともできるだろう。しかし祝は「大丈夫で~すっ」と手を振ってみせた。

 事実、それは強がりではない。祝もこれまでに鋼線使いと呼ばれる伐刀者と闘った経験はある。そしてそこから『対鋼線使い』と言える戦術を編み出しているのだ。

 

(もう“警告”も充分でしょうし)

 

 軽業のような俊敏さを見せていた祝が唐突にその足を止める。

 そして手近な傀儡に近づくと、徐にその胴体に左の貫手を叩き込んだ。その身体は岩でできているというのに、貫手は豆腐を貫くようにその胴体へとめり込む。

 すると、だ。

 

 全ての傀儡が一斉に動きを止めた。

 

 味方が何体潰されようと動きを乱すことなく行軍していた傀儡たちが、文字通り糸の切れた人形のように微動だにしなくなる。

 その中で一体が最後まで抵抗するように悶えていたが、やがてそれも他の傀儡たちと同じようにその動きを止めた。

 

「よ~し、中継点(ハブ)は無事に掌握っと。このまま術者まで糸を一気に伝って――」

 

 鼻歌混じりで祝は魔力を行使する。

 刀華に余計なことをするなと散々言われていたため、祝もここまでは警告代わりに穏便な(・・・)方法を取っていた。しかしそれを無視してここまで執拗な真似をするというのならば、こちらも手段を選ばないというだけの単純な話だ。

 そして祝の中では、警告を無視するということは何をされても文句は言えないということで……

 

「まっ、相手が相手ですし《月頸樹(げっけいじゅ)》でも死ぬことはないでしょう」

 

 どうでもいいですけど。

 そう呟いた瞬間、祝の左手から大量の魔力が糸へと流し込まれた。

 

 

 

 ◆  ◆  ◆

 

 

 

「……酷い様だな」

 

 開口一番、男は眉を顰めて言い放った。

 その言葉と視線に晒された長身の人物――平賀玲泉は、まるで気にした様子もなく「いや、全くです」とお道化てみせる。

 

「新しいハブの試験を兼ねたちょっとした悪戯だったんですけどねぇ。藪を突いてみれば蛇どころか鬼に遭遇してしまいましたよ。高々10メートル程度の《機械仕掛けの神(デウス・エクス・マキナ)》では相手にもなりませんか。流石は音に聞こえた七星剣王」

 

 ほら、と平賀が左腕を掲げてみせる。いや、正確には掲げようとした。

 しかしその動きに耐えかねた左腕はぶちぶちと千切れる音を立て、肘から先が床に落ちてしまう。その細い左腕だったもの(・・・・・)は異様な姿となっていた。袖の下からはびっしりと鈍い光沢がその身を覗かせており、千切れた断面すらもそれは例外ではない。もはや肌と呼べる部位はほぼ残されておらず、その一面は鋼色で覆われてしまっている。

 

「まるでウニかハリネズミになった気分ですよ。あぁ、酷い酷い。よく見れば胸元まで侵されている」

 

 平賀が身体を(まさぐ)れば、千切れた左腕の残りはもちろんその延長にある胴体まで同じ現象が起こっていた。

 男はしげしげとその様を眺めると、その光沢の正体を知るなり「ほう」と興味深そうに口の端を吊り上げる。

 

「相変わらず面白いことを考える女だ。この刃、全てが霊装(・・)なのか」

「みたいですね。いきなりボクの糸を伝って魔力を流し込んできた時は何事かと思いましたけど、その魔力で不完全な霊装擬き(・・・・)を作り出すとは。おかげで滅多刺しにされてしまった」

「奥多摩からここまでの距離がありながら、糸で繋がってさえいれば遠隔でも霊装を作り出せるのか。……ますます面白い」

 

 転がった左腕の残骸から男が刃を一本引き抜いてみれば、確かに覚えのある刃だった。

 この現象の下手人である少女の霊装にあった短剣の部位だろう。刃の根元を見れば、空気に溶けるようにその先の部分が崩れている。一本でも多く刃を相手に突き刺すため、残りの部位はあえて展開せずにいるのか。

 目の前の鋼線使いは魔力が全身に行き渡る前に無理やり糸を断ったようだが、それでもこの殺傷能力。昔から自分にはない発想を闘いに持ち込む奴だと男は思っていたが、どうやら何年経とうとそれは変わらないらしい。

 

「フフフ、七星剣王といっても所詮は学生騎士だと少し侮っていましたよ。彼女、最後の攻撃は間違いなくボクを殺しにかかってきていましたよ? 幻想形態を使うこともしないとは、殺意に満ちていますねぇ」

 

 事実、この攻撃の殺傷能力は尋常ではない。

 “肉体を内側から刃で刺し貫く魔術”など、どれほど殺意に溢れた発想力があれば思い付くというのか。

 食らったのが平賀でなければ、間違いなくこの魔術によって筋肉や内臓、果てには脳を刻まれて死んでいただろう。

 しかし男はその言葉を嘲笑するように鼻を鳴らした。

 

「戯け、あの女が殺意など持つものか。どうでも(・・・・)()()()()()()()。アイツにとって敵の生死など考慮に値することのない些事だ。あれはどこまでも己の力を試し、高めることしか眼中にない求道の怪物。恐らく今回のこれも、邪魔だから排除するという以上の意図はないだろう」

「その排除とやらで相手が死ぬことになっても彼女には些事であると? 学生騎士でありながら、随分と頭の螺子が外れたお方だ」

「貴様が言うな」

「ああっ、確かに!」

 

 男の言葉に、平賀は狂ったように隻腕となった腕で腹を抱えて笑った。

 それを不快そうに一瞥した男は改めて手の中の刃へ視線を落とす。

 その鋼色を見ていると、不意に胸元が疼いた。この感覚も久しぶりだ。ここに残された“傷痕”は、時折己の意思で蠢いているかのような痒いともこそばゆいとも言えない不思議な感覚を男に齎す。その度に男は、自分の肉体がこの傷をつけた女を自ら斬りたがっているのだと感じていた。そしてそれはこの男も望むところでもある。

 

「……ふん、早ければ《前夜祭》で相見えることになる。《紅蓮の皇女》共々、精々首を洗って待っていろ」

 

 不敵に笑う男の手の中で、水に晒された砂の城のように刃が崩れて消えた。

 

 

 

 

 

 

 




やっと巨人戦(野球ではない)を迎えられました! 展開が遅くて本当にすみません。
あと、伐刀絶技の説明がわかりにくくてすみません。自分で書いていても「イザナミかよ」と思えるほど書きにくい場面でした。
それと前回のあとがきで書いた通り、主人公のステイタスを載せておきます。

【伐刀者ランク】B
【伐刀絶技】《既危感》etc.
【二つ名】七星剣王
【人物概要】大鎌というハンデを努力で覆したシンデレラ(笑)

【攻撃力】C
【防御力】D
【魔力量】A
【魔力制御】A
【身体能力】A
【運】F

恵まれた魔力量を持ちながら、それを活かすための直接的な攻撃力のある能力を持ち得なかったことからこの評価になった感じです。魔力放出による爆発力は【攻撃力】ではなく、ここでは【魔力制御】の項目にプラスされていると想定しました。
そうでないと氷塊とかを一瞬で作り出せる珠雫の【攻撃力】がDだったり、《犀撃》で岩も砕ける一輝の【攻撃力】がFなのが納得できなかったので。
……こんな感じのステイタスでお願いします(震え声)

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