カルデア男子たちの日常   作:3103

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 水着イベで男キャラ少ない。むしゃくしゃして書いた。
 
 おっ◯いはいい文明。





第1話

 なんか世界の崩壊を止めなくちゃいけないらしい。

 

 でもそんなことはどうだっていい。

 俺が今しなければならないのはオ◯二ーだ。

 割り振られた部屋の一室でズボンを、パンツまで下ろした俺は、皺一つないベッドの上に胡座をかいて座っていた。

 既に我が息子は臨戦態勢。バベルの塔にも比肩しうる雄々しさで、天井に向かってそそり立っている。

 最早後は発射するのみ。迸るリビドーを、身を焦がす情欲を。

 意識を深く高める為、深く深呼吸。右手を静かに竿に添える。

 

 イメージするのは常に最高のオカズだ。

 俺は今日あった様々な出来事を脳裏に浮かべる。

 志を同じくする後輩のおっ◯い。肉付きのいいお尻。身につける鎧の隙間から見える脇や太もも。

 どれもこれも捨てがたい。任務の途中じゃ無ければ、理性を切り捨て思わず頬ずりしに行っていた事だろう。

 だがそんな我慢はもうしなくていい。ここは俺の、俺だけの世界だ。誰も気にせず、欲望を解放する事が出来る楽園だ。

 意識を高め、完全に集中状態に至った俺は静かに息を吐く。

 

「全行程終了。投影開始ーー」

 

「マスター。今後の戦闘について少し話があるんだがーー」

 

 俺の右手が動き出すのと、部屋の扉が開くのはほぼ同時だった。

 錆び付いたロボットの様に、鈍い動きで入り口の方を見る。

 そこには紅い礼装に身を包んだ浅黒い肌の弓兵が、此方を見て曖昧な表情で沈黙していた。

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

「き、気を取り直せ、マスター。私は気にしていないから」

 

「もぅまぢ無理。。リスカしょ。。」

 

 膝を抱えて部屋の片隅、俯いていた俺に、紅いアーチャーことエミヤは曖昧な表情のままフォローを入れてきた。

 相変わらず筋力Dとは思えない程立派な筋肉だ。着ている赤原礼装の上からでもはっきりと分かる程のマッスル。

 だがしかし、三騎士の癖にステータスは頭がおかしい悪魔もどきと同じである。まさに見せ筋。是非も無し。

 

「……だから悪かったと言っているだろう。それに元はと言えば君の所為でもあるんだぞ。しっかり部屋を施錠しておけばこんな事にはならなかったんだ。他人の自慰行為を見せつけられた私だって被害者だ」

 

「うるさいうるさいうるさい!! お前にはわからんでしょうよぉ!! モテ無い男の気持ちなんてなぁ!! 冬木でもイギリス留学しても月いってもカルデアでもモテてモテてモテまくった色黒イケメンバトラーに話すことなんてねぇんだよ!! 帰れ!! 帰ってワカメと兄貴と乳繰り合って新たなお客さんでも開拓してやがれバーカバーカ!!」

 

 俺は手に持ったリスカ用のアゾット剣をアーチャーにぶん投げる。

 しかしアーチャー。これを華麗に回避。野郎、いつの間にか心眼使ってやがった。スキル使うなんて大人気ねぇぞ。

 こっちも令呪使っちゃうぞ。自害せよアーチャーってやるぞコラ。

 ……あっ。ダメだった。この令呪回復とコンテニューしか出来なかった。無念。

 

「……どこから突っ込めばいいのやら。……取りあえず落ち着け、マスター。傷は浅いぞ、しっかりしろ。金レアが男しか居ないからといってそこまで荒れる事は……」

 

「あああああああああっ!! 言ったなアーチャー!! 言ってはならん事をほざいたなアーチャー!! ウチのカルデアが見事に野郎しかいない事を知っての狼藉かっ!?」

 

「……早く第1章をクリアすれば良いだけではないか。そうすれば星三だが確実に女性サーヴァントが手に入るのに。マスターがいつまでも堕ちた聖処女のスクリーンショットを撮っているからこんな自体に……」

 

「だって邪ンヌは限定なんだよ!? ピックアップは終わったんだよ!? これを逃したらまたいつ出逢えるか……」

 

「……いや、あのジャンヌと邪ンヌは別物だし、わざわざスクショを撮らなくてもクリアしたストーリーなら何時でもマイルームで見返せるぞマスター」

 

「………………マジで?」

 

「ああ、マジだ。試してみるといい」

 

 言われた通り、近くに置いてあったパソコンを起動してみる。

 …………。……うわ、マジだ。特異点の出来事って書いてある。オルガマリー所長かわいい。ぺろぺろしたい。レフはマジ許さん。ぶっ殺す。

 

「……アーチャー、俺。明日から林檎かじるわ。さくさく直していくよ、特異点」

 

「それがいい。いつまでも低レベルのままじゃ、フレンドだって満足に出来んしな。クエストを進めれば聖晶石だって手に入る。ログインボーナスと合わせればすぐに召喚出来るようになる筈だ」

 

 いい笑顔でサムズアップするアーチャー。

 エミヤスマイル大安売りである。まだ初めて大して時間が経ってないのに見れるとは。UBWで費やしたあの時間はなんだったのか。

 

「……召喚、か。次こそは出るといいな、アーサー王」

 

「……私個人としては余り居を同じにしたくないのだが……。まあ、確かに彼女は強力なサーヴァントだ。召喚出来ればマスターにとって重要な戦力になる事だろう」

 

「可愛い女の子が来てくれんなら戦力なんてどーでもいいんだけどね。戦力は補充しなくても充分だし。どうでもいいから星一含め野郎しかいないウチのカルデアにマシュ以外の華が欲しいんだよ。フレポガチャ回しても一向に出てきてくんないマタハリさんに早く会いたいんだよ。もうレオニダスさんとスパさんの筋肉は見たくないんだよ……!」

 

「二人共もう宝具レベル5だからな。切実だな。……そんなに女性のサーヴァントが欲しいのか?」

 

 呆れ顔のアーチャー。

 俺の魂の叫びが理解出来ないらしい。

 これだからリア充(元)は。軽く舌打ち混じりに俺は答える。

 

「当たり前じゃないですかアーチャーさん。俺が何の為にこのゲーム……じゃなかった人類救おうと頑張ってると思ってんの? おっぱいタイツ師匠にしごかれたいからだからね? アンメアにサンドイッチされたいからだからね? おき太さんとイチャイチャしたいからだからね?」

 

「動機がこの上なく不純だなマスター。……こんな男が人類滅亡の鍵を握っているとは世も末だ。何者かはしらんが、人理を滅却したくなる気持ちも少し解る様になってきたぞ」

 

「うっせバーカ。お前だっておっぱい大好きな癖に何カッコつけてんだよ。お前言ってたじゃんか。死ぬ時はでっけぇおっぱいに埋もれて死にてぇって」

 

「それは君の発言だろう。勝手に私が言ったように捏造するんじゃない。……しかしまぁ、私も女性の胸部について興味が無い、といえば嘘になるな」

 

 こほん。と咳払いを一つするアーチャー。

 若干頬が紅い。恥ずかしさを感じながらも俺の話に付き合ってくれるようだ。

 なんだかんだ付き合いがいいんだよな、この正義の味方。流石多方面でオカンと呼ばれるだけの事はある。飯とかも用意してくれるしマジ感謝。

 だが種火マラソンはして貰う。明日は剣の日だし。宝具ぶっぱでガリガリ稼いで貰わねば。いつか来たるアルトリアさんの為に。

 

「と、いうと? アーチャーさん、貴方はどんなおっぱいが好きなのですかな? 大きいのですかな? 小さいのですかな?」

 

「なに。大小の二元論だけでは語れぬよ。女性の胸とは奥深い存在だ。一人一人、特徴があり個性がある。やはり一度触ってみなければ。その真意はわからないさ」

 

「……うわお。案外肉食系な意見が飛び出てきて驚いてるんですが一先ず置いといて。……アーチャー先生。質問があります」

 

「許可しよう。なにかね、マスター?」

 

「……やっぱ、その。……おっぱいって柔らかいんですか?」

 

 ーーおっぱい。

 それは最後の神秘。太古から伝わる豊かさの象徴。

 ミロのヴィーナスやサモトラケのニケなどの名だたる有名な芸術からも解る様に、女性の胸部は数多の男達を癒し、育み、鼓舞し、夢を与えてきた。

 俺も一人の男とし、それに夢を見て、人生の先達、名を残し死後も現世に存在する事を赦された『英霊』の知恵を借り、来たるべき『決戦』の為の備えを作る事にしたのだ。

 その俺の質問に対し顎に手を当てたままアーチャーは難しい顔をする。

 

「男性のに比べれば柔らかいが、君が思っているほど柔らかくは無いぞ。なんというかだな……。うん、口で説明するのは難しいな。実際に触れてみるのが一番手っ取り早いだろう。それがいい」

 

「あのねぇ……。……それが出来れば苦労してねぇんですよ。下界でそれが出来てれば、ワンチャン求めてこんな雪山の上にある怪しさMAXな施設の人体実験に応募したりしないんですよ。そこんとこ考えてくれませんねぇ……」

 

「……君は本気でカルデアにそんな理由で来たのかね? 冗談ではなく? ……いや驚きだ。バカだバカだとは思っていたが、まさかここまでとは」

 

「……はは、笑いたきゃ笑えよ。最初は俺だって冗談半分だったんだよ。駅前に貼ってあったし怪しいテレ◯ラにイタズラ電話掛けるくらいのノリだったんだよ。まさか本当にこんなとこに連れてかれて人類救う羽目になるとは思ってなかったんだよぉ!!」

 

 力の限り近くにあった白いテーブルを叩く俺。

 予想以上に硬かった。掌が滅茶苦茶痛い。痛くて私、泣いてしまいます。

 

「……その。アレだ、マスター。……まぁ、頑張っていればそのうちいいことあるさ、きっと」

 

「そんな十代に流行ってるJ-POPの歌詞みたいな慰めすんじゃねぇよ。万人受け狙いすぎて薄っぺらくてなんも感動しねぇんだよ。いいから黙っておっぱいの感触に一番近い物質教えろやオラァっ!!」

 

 再びテーブルを叩く俺。

 勢い良過ぎて手首から変な音が聞こえてきた。もう止めよう。

 

「……手が届かないから代用を立てようというのか。……悲しいな、マスター」

 

「うっせ早くしろ! スパさんとレオニダスさんに挟んでオルレアンに蹴りだすぞ!!」

 

「止めてくれマスター。その筋肉は私に効く」

 

 額を抑えて俯くアーチャー。

 あの二人のガチ筋肉には思う所があるらしい。

 しばらくそのままの体制で考えたアーチャーは、なんだか酷く曖昧な表情を浮かべながら答えた。

 

「……ば、蛮神の心臓とか。ソレに近いかも知れんな」

 

「マジでっ!? デーモンのハツっておっぱいなの!?」

 

 アーチャーが出した答えを頭の中に浮かべる。

 蛮族の心臓。見た目は紫色の心臓。ドロップした後も微妙に動いていてキモい。

 まさかそれがおっぱいみたいな感触をしているとは!

 俺はマイルームの倉庫を探って在庫を見る。

 しかし一つも見当たらない。

 ……しまった。昨日全部エミヤに喰わせちまった。

 それでこの弓兵、心臓の感触なんて覚えてたのか。

 ……くそっ! そうとわかってれば無理して再臨しなかったのに!!

 

「い、いや。あくまでソレに近いというだけだぞ? 私の記憶も随分昔のものだし余りあてにしない方が……」

 

「……こうしちゃおれん! 早速wiki見てドロップする場所探してくるわ! あんがとな、アーチャー! やっぱお前は頼りになるぜ!!」

 

 1分でも一秒でも早くこの手に『心臓』(おっぱい)を。

 いてもたっても居られず、部屋を飛び出す俺。

 遠ざかるマイルームから微かに、余計な事を口走った……! みたいな声が聞こえて来たが気にしない。

 俺はカルデアゲートを目指し、狭い廊下を駆け抜けて行った。

 

 

 

 

 

 ♦︎

 

 

 

 

「……あの、アーチャー殿。少しお尋ねしたい事がありましてな。よろしいか?」

 

「ああ、どうしたハサン殿。オルレアン攻略の事か?」

 

「いやそれが……。……先ほどマスターが私の所にいらっしゃってな。急に『妄想心音』(サバーニーヤ)を教えて欲しいと言い出しましてな。これは呪を用いた特殊な技術ゆえ、教授する事は出来ないと断ったのだが、どうにもしつこくて。……一体どうしたのだろうか? 何か変なものでも食べて身体を悪くしたのでは?」

 

「術の修練場にでも叩き込んでくればいい。デーモンの相手をすれば少しはマシになるだろう」

 

 

 

 

 

 


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