時代干渉少年   作:絶神

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サクサク更新です^ ^


ナツキスバル

「俺をこの屋敷で雇ってくれ!!」

 

今日の一日はとある1人の少年の一言から始まった。

 

大成の前にやってきた少年、ナツキスバルは、ロズワールにとってもとても大事な存在でもあるエミリアを救ってくれた礼を持ちかけたのだが、ナツキスバルは屋敷で働きたいと申し出た。

 

大成とレム、ラムの3人はその後スバルを正式に雇う話が決まった後に話し合っていた。

 

「姉様、また1人仕事仲間が増えるということになりますね。」

 

「そうねレム、アイもダメだけど、今回のお客様、改めバルスも大分使えなさそうで心配だわ。」

 

「さりげなく俺もディスらないでいただけます?」

 

いつも通り3人は一日の仕事の始まりでもある朝食の用意から始めていた。

 

「ですが姉様…その…お客様、改めスバル君から…」

 

大成の方を気にしながらレムはラムに不安げな表情を出す。

 

それを感じとった大成は優しくレムに言葉をかける。

 

「大丈夫だよレム。お客様、改めスバルも俺と同じ匂いがするかもしれないけど、俺が保証する。あんま考え込むなよ?」

 

「大成君がそう言うなら…」

 

まだ心の底から納得したようではないレムだが、今回は大成の件とは違い、思い切った行動を起こそうとはしないようだ。

 

「成長したな、レム。」

 

そういってレムの頭に手を置いて撫でる大成。

 

「ん…」

 

レムは嬉しそうに上目遣いに大成を見つめる。

 

「全く、いつのまに可愛い妹がこんな情けない男に躾けられたのかしら…」

 

「まてまて、躾てもいないし情けないも言い過ぎだ。」

 

そんな時に大成の元へ噂の新人が姿を現す。

 

「ここにいたか!えーっと…大成だっけ?ちょっといいか?」

 

「スバル…」

 

途端にレムの表情が暗くなるため、大成は慌ててフォローをいれる。

 

「だ、大丈夫だってレム!俺はもちろんスバルも危なくないから!!」

 

「いえ、レムは大成君がスバル君に取られてしまうのではないかと心配で…」

 

「「いや、そっちの気はねえよ!!俺!!」」

 

シンクロする2人であった。

 

 

 

 

「で?話ってなんだ?」

 

「単刀直入に聞く!!」

 

ビシッと大成を指差しスバルは話を続ける。

 

「お前、異世界から来ただろ!」

 

やはりそうきたか…と大成はスバルを見て話を返す。

 

「…ご名答。」

 

「よっしゃ!!やっぱりか!!」

 

ガッツポーズをしてスバルは目を輝かせる。

 

「ようやく心の底から仲間と思える奴に出会えて感激だぜ!!」

 

スバルは大成の手を掴んでさらに話を続ける。

 

「それで!お前は何か特殊な力とかもってんのか!?」

 

「まぁ…片手でスバルを消し去るぐらいは出来るけど?」

 

「なんだよそのチート能力!!俺だけ生身の人間ってすっげー理不尽!!」

 

ガーンといった顔でスバルはその場に崩れ落ちてしまう。

 

そんな大袈裟なリアクションに大成は微笑してしまう。

 

「お前には何も無いのか?」

 

「まぁ…あるっちゃあるんだけどさ…」

 

何か言いづらそうな顔をしてスバルは大成を見る。

 

「なんだよ、勿体ぶらずに言えよ?」

 

「あーー!!もうどうにでもなっちまえ!!」

 

スバルは自分に与えられた禁断の力の事を話そうと決心する。

 

「俺はな、《死に戻り》ができるんだ!!……ってあれ?言えた?」

 

今度は自分でカミングアウトしたと思ったらアタフタしだすスバル。

 

「死に戻りか…そりゃだいぶチートだな…」

 

「…は…はじめて…」

 

「ん?」

 

額に汗をかいてスバルは言葉を失う。

 

「なんだ?初めて?」

 

「あ、あぁ…死に戻りの事を今までエミリアにも話そうとしたんだけど、その瞬間に心臓が握りつぶされる様な感覚に襲われて話せなかったんだけど…大成には言えた…」

 

スバルは心の底から嬉しそうな顔をして今度は意気揚々と話し出す。

 

「やっぱお前も俺と同じ異世界から来たからこの事話せるって事だよな!!マジで俺今ちょーーー感動してるぜ!!」

 

「そ、そんなに嬉しいのか…」

 

「ったりめーだろ!!なんだかんだ一人で寂しかったんだよ!!これで大成は俺にとっては親友どうぜんだぜ!!」

 

今度はいきなり親友宣言をされて戸惑う大成。

 

「まぁ、嬉しそうで何より…ッッ!!」

 

その途端、大成もスバルが先に言ったような、心臓を握りつぶされる感覚に襲われる。

 

「ガッ…!!」

 

「お、おいどうした大成!?」

 

慌ててスバルは大成に駆け寄るが、その仕草が自分のとっていた仕草にそっくりですぐ状況を察する。

 

「ま、まさか…お前も…!」

 

なんとか息を整えた大成はスバルの思っているであろう事を説明する。

 

「あぁ…今の話でどうやら俺にも死に戻り関連の呪いみたいのがかかったのかもな…」

 

「ま、まじかよ…すまねぇ…!俺の軽率な判断のせいで!!」

 

「いや、大丈夫…なのかはわからんが、とりあえずは今生きてるからセーフ…」

 

大成はレムとラムの待つ調理場に足を進めていく。

 

「さ、これ以上長話してると先輩方に怒られちまう、また今度ゆっくり話そうぜ。スバル。」

 

そんな言葉にスバルはニコッと笑って

 

「ああ!よろしく頼むぜ!先輩!!」

 

大成にとっても嬉しい仲間が増えた瞬間であった。

 




まったり回が進んですいません…

今回においてスバルの死に戻り能力カミングアウトによってどんな制限が課せられたのかは今後明らかになっていきます…

次回からは展開も進めれるようにしていきます!

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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