「……せ…!!」
…?誰かの呼びかける声が聞こえる…
「たい…くん!!」
「(誰…?)」
「たいせいくん!!」
その声に意識を失っていた大成は現実へと戻ってくる。
「ハッ!!」
飛び起きた大成は呼び掛けていた声の元を見ると、そこには青色のショートヘアーのメイド姿の女の子が手を握って涙を流していた。
「良かった…大成君!!」
「レム…ってうわぁ!!」
途端にレムが大成の胸元に抱きついてきたため大成は顔を歪ませる。
「痛い痛い!!レム!!体が悲鳴をあげてる!!」
「生きててくれた…!!大成君!!」
そんな言葉を無視してレムは渾身のハグを大成へとお見舞いする。
「がぁぁ…また…意識…が…」
その時、大成の寝ていた部屋へラムがやってくる。
「全く…ラムの自慢の妹の抱擁に対して痛いだなんて…これ以上ない幸せに失礼ね。」
「ラムさん!!見てないで助けてよ!!レム離して!!」
「大成くぅん!!!」
レムはもはや別の世界に行ってしまったかのように大成の言葉が聞こえていないようだ。
「…レム!!」
大成は離れないレムのおでこに軽いチョップを喰らわしてレムを現実に戻す。
「あぅ……ハッ!!レムったらなんて事を!!」
「全くだよ…レム、ありがとな。」
大成はレムが一晩中つきっきりで大成の元で見ていてくれたのであろう、目の下にクマが出来て、瞼が泣き疲れて腫れているレムに感謝を込めて礼を言う。
「いえ…レムこそ申し訳ありませんでした…レムの勝手な行動で、大成君を襲うどころか、重症まで負わせる形に…」
「なぁに、誰にだって勘違いはある!こうして俺もレムも生きている!それだけで十分だよ?」
「大成君…」
そんな言葉にレムはまた目に涙を浮かべるため大成はアタフタしてレムを落ち着かせる。
「はぁ…全く…アイ、とりあえず今回の騒動はロズワール様が大目に見てくださるそうよ…」
「今回の件…?」
そんな大成の言葉にラムは更に呆れた顔をして話を続ける。
「貴方とレムと、そして今回アイとレムを傷つけた変な連中の騒動で滅茶苦茶になった森の片付けやらなんやらよ。ロズワール様が魔法で元どおりにしてくれたらしいわ。」
「…マジスカ…」
「大暴れしたアイも責任はあるけど、レムを救ってくれた訳だし…って事だそうよ。」
大成は青ざめた顔をしている…そんな大成の顔を見てラムは微笑を浮かべる。
「ま、これからは更に精進して屋敷で働きなさい。レムもこうしてアイを心から認めているみたいだし。」
「はい!大成君はレムを救ってくれた恩人ですから♪」
いつのまにか大成の呼び名が「逢坂君」から「大成君」に変わっているという事と、表情豊かに話しかけてくれる事からレムは本当に大成を認めてくれたのであろう。
「…ラムさん、レム。」
「ん?」
「はい??」
「俺は二人の事、何にも知らない。二人がどんな過去を辿ってきたのか、レムがどうして魔女教徒と呼ばれる奴らをあれだけ憎んで妬んでいるのかも…」
「…」
二人は黙って大成の話を聞く。
「でも、今回の騒動で、レムだけじゃない、ラムももしかしたら危険にさらされるかもしれないって分かった。だから、これからも二人を守れるように頑張る…」
「大成君…」
大成はそのまま話を続ける。
「頼れる二人の先輩方に追いつけるよう仕事も頑張るから、そんな二人が何か危険な奴らから襲われることがあったら俺は全力で守る!!これからもよろしくな!」
「…クスッ」
そんな言葉にレムはクスりと笑い、ラムはそっと目を閉じる。
「大成君、レムは大成君の事をただの仕事の後輩だと思いたくありません。むしろ、レムは大成君を一生守っていきたいと思ってます…」
「アイ、貴方はもう私達と同等の立場よ、レムを救ってくれた分は認めてあげるわ。」
そんな二人の言葉に大成はポカンとした顔をする。
「「だから…」」
「「これからもよろしくお願いします!(頼むわ。)」」
大成はニッと笑って体をベッドから起こす。
「おう!!任せとけ!!」
そんな時にまたまた新たな来客が扉を開ける。
「え〜と…もしかしてお取り込み中でした…?」
突如として現れた来客を見て、レムとラムはびっくりしていたが、一番驚いたのは大成であった…
「お前…その格好…!」
「え?」
この二人がこの世界に新たな革命を起こすのはまだ先の話である…
とりあえずはスバル君が最後に登場!
同じ異世界召喚の二人が今後どう展開を進めるのかはお楽しみに!
一応リゼロ編は白鯨、ペテルギウス編まで行こうと思いますがどうしても長くなってしまうので、淡々と進めるか、長く書いて一度どこかで区切らせていただく形になると思います!
コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!
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進撃の巨人
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灼眼のシャナ
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ギルティクラウン
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ドラゴンボール超
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魔法少女まどか☆マギカ(原作編