時代干渉少年   作:絶神

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更新お待たせしました^ ^


元、人間のサイヤ人と現、鬼のメイド

ロズワール邸にて雇われの身となり早1週間が経過した。

 

大成はあれからというもの、レムという出来の良すぎる先輩と、ラムという毒舌の凄すぎる先輩二人に仕事を教わりながら日々を過ごしていた。

 

 

「いや、何もなさすぎないか…?」

 

早1週間ということもあり、物語の展開が遅すぎることに違和感、むしろ恐怖すら感じ始めていた。

 

「あっちの世界は大丈夫なのか…ブウはどうなっている…地球のみんなは…?」

 

まさに魔人ブウとの決戦終盤に差し掛かる瞬間にこの世界に飛ばされてしまったが故に、1週間という時間の経過は大成をあせらせる一方であった。

 

 

「アイ、今日もお疲れ様。1週間にしてはまぁまぁの出来ね。」

 

「逢坂君、今日もお疲れ様でした。1週間にしてはそこそこの上達ぶりだと思います。」

 

そんな事を考えている大成の元にメイド姉妹ことレムとラムが大成の元へ来る。

 

「あぁ、二人ともお疲れ様。まだまだこんなものじゃ二人には追いつけないし、一ヶ月も経てばマシになれると思うよ。」

 

「一ヶ月もアイと同じ屋根の下にいるなんて吐き気がするわね。そう思われないように頑張りなさい。」

 

「早速の罵声ありがとさん!!ラムさん!!」

 

もはやラムのこの罵声のようなフォローのような会話も慣れてきた。

 

「姉様を楽させてあげられるようにもっと頑張ってください。レムも出来る限りは教えてあげますから。出来る限りですけど」

 

「ありがとうレムさん。」

 

その一方、優しい言葉をかけてくれているレムなのだが、なぜかその瞳の奥には感情がまるでこもっていない。

 

「…」

 

「レ、レムさん?」

 

レムは大成の目を見たまま何も言葉を発さずにじっとこちらを見ている。いや、睨んでいる。

 

「何か気になることでもあるのか…?」

 

「…レムはアイの整ってない眉毛が気になって仕方がないのよ。そうよね?レム。」

 

「…姉様…」

 

そんなレムをラムが濁して話を逸らそうとする。

 

「…はい…レムは逢坂君の眉毛が気になっていました…」

 

「そうなのか?じゃあ今度整えてもらおうかな〜」

 

そんなはずがない。と言いたいところだが、下手に口出しすればこの場で何か揉め事が起こる気がする…と思った大成はそのまま話を鵜呑みにする。

 

「そうしてもらいなさい。レム、明日にでも整えてあげなさい。今日の所はもう寝ましょう。」

 

「はい、姉様。」

 

「二人ともおやすみ。」

 

そうしてレムとラムは大成の場を離れ、大成は屋敷の外に出る。

 

 

「すこし気分転換でもしに外に出るか…」

 

屋敷からすこし離れた場所に移動し、大成は森の中をただ歩き続ける。

 

 

「…どうしたもんかな…」

 

10分、20分、30分、1時間と歩き続けるが、大成を追い続ける「気配」が一向に途絶えない。

 

 

 

 

「いい加減に出てきたらどうかな…?」

 

 

 

その言葉を始まりに大きな鉄球のような物が大成目掛けて飛び出してくる。

 

 

「うぉ!?危なっ!?」

 

なんとか対応できた大成はそのまま鎖に繋がれたトゲ付きの鉄球の帰っていく場所を振り返る。

 

「…今度はそんなもの振り回して何をしようっていうのかな?」

 

 

「レムさん…」

 

 

その言葉と共に先ほどまで仕事を共にしていたレムが姿を見せる。

 

 

「…お願いがあります、逢坂君…」

 

 

 

「死んでください。」

 

 

 

再びレムは鉄球を大成目掛けて思い切りに振り回す。

 

 

「クソッ!!何がどーすれば仕事仲間に鉄球振り回す考えになるってんだよ!!」

 

「レムは一度たりとも仲間など思ったつもりはありません!!」

 

「ならどーして俺を殺そうってのかせめて聞かせろよ!!」

 

その質問にレムは一度手を止め大成の目を見て話す。

 

「貴方から…魔女の匂いがするんですよ…!姉様を傷つけたあの魔女教徒の連中と同じ匂いがプンプンするんですよ!!」

 

「魔女だぁ?」

 

なんのことやらさっぱり分からない大成。しかし当のレム本人は完全に頭に血が上っておりそのまま話を続ける。

 

「またレムから大事なものを奪おうというのですか!?姉様の代わりでしかないレムから姉様を奪うのですか!?だったらそうなる前にレムがあなたに制裁を加えてあげます!!」

 

「ふっざけんな!!俺は無関係だっての!!」

 

再び攻撃に入るレム。大成はただ防戦に回るしかなく、レムの出方をただ伺う事しかできない。

 

「どうすれば…?しかし気になるところが1つあるな…」

 

そう、大成は先ほどまではなかったレムの額の「角」が気になって仕方がない。

 

「(そういえば鬼って種族には角があるんだよな…?あの子はまさか鬼なのか…?)」

 

「うらぁぁぁあ!!」

 

レムは鉄球を振り回すだけでなく、今度は氷による魔法攻撃も絡めて攻撃してくる。

 

 

「チッ…!!仕方がないが眠ってもらうぞ…!」

 

大成はレムの懐へと一気に詰め寄り、腹部に目掛けて空気砲をお見舞いする。

 

「ガッ…!!」

 

そのままレムは圧に飛ばされて大木に背を打ち付ける。

 

「…とりあえずは眠ってろ…明日になったら話を聞いてやるから…」

 

そういって背を向けて屋敷に戻ろうとした…が…

 

「…!!」

 

再度鉄球の飛び交う音がしたため慌てて体を横に移動させ回避する。

 

「バカな…!!女の子にあれだけ強く気をぶつけたってのに…!」

 

「殺す…殺してやるぅぅぅ!!」

 

完全に目が充血しきって真っ赤になり、角も先よりも大きく、そして異様な光を放ち、まさにその姿は鬼そのものといった感じとなっている。

 

 

「がぁぁあ!!」

 

「そんな単調な攻撃あたるわけねぇだろ!!」

 

鉄球を回避した大成、だがその反対側からも鉄球が飛んできたため回避が間に合わず直撃する。

 

「がはっ!!」

 

いつのまにかレムは鉄球をもう一つ所持していたため、大成は不意に攻撃を喰らってしまった。

 

「(まてまて…!ダメージがでけえ…!こんなにも強かったか…!?)」

 

最初の攻撃よりも数倍に力が増していることに違和感を感じる大成。

 

「殺してやる!!!」

 

今度は魔法の攻撃を仕掛けるレム。先の氷とは比べものにならない、森一つを凍らせてしまうほど巨大な力を感じる。

 

「チッ!!完全に屋敷まるごと吹き飛ばす気か…!!」

 

止むを得ず大成は自分の必殺技「ロッソブラスター」の構えをとる。

 

 

「消え去れ魔女教徒ぉぉ!!!」

 

「いい加減に目ぇ覚ましやがれぇぇ!!!」

 

二つのエネルギーが互いに衝突し、大きな爆発が起こった。

 

 

 

 

 

 

「…ハァ…ハァ…」

 

「ぅぅ…」

 

大成はなんとか屋敷まで被害が及ばない程度にレムの攻撃を相殺することに成功。

 

レムには先ほどまであった角が無く、正気に戻っているみたいだ。

 

「ったく…俺は別にお前らに危害を加える気もないし、危害を加えられるつもりもない…」

 

「でも…ま、まじょは…レムが…姉様を…これではまたレムは…」

 

ボロボロになりながらもレムはそれでも魔女教徒を恨む姿勢を見せつける。

 

「…全く大したもんだよ…そこまでお前を本気にさせる何かがあるってのはよく分かった…とりあえず屋敷に戻るぞ…立てるか?」

 

「…はい…」

 

ようやくレムも大成を自分がどうにかできる相手ではないと認識したようで、立ち上がり、武器を下ろして大成に続いて歩いた。

 

 

その時…

 

 

「ほんっと使えない小娘ね、ミラ?」

 

 

二人の背後から強大なエネルギー波がレム目掛けて真っ直ぐに飛んでくる。

 

 

「レム!!」

 

「きゃぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

「ゴボッ!!ガハッッ!!」

 

「あ…逢坂君…いや…!!」

 

 

間一髪、レムを横に押し、自身が盾となる事でレムを守ることができたが…その代償は大きく、大成の腹部をエネルギー波が貫通し、大成は腹に大きな穴を作ってしまった。

 

 

「だ…誰だ…出て…こい…!!」

 

 

「フフ…まだ喋れるのね?」

 

「…」

 

そこには杖を持った女とその女の身長2倍程の大きな男が立っていた。

 

「初めましてね?私はトワ。こっちは私の作った人造人間、ミラよ。」

 

「じ、人造人間…だと…?」

 

血を吐きながらも大成はレムの前に出て戦闘形態にはいる。

 

「あらあら、無茶はしない方がいいんじゃないの?死ぬのが早くなるだけよ?ミラ?」

 

「雑魚が…」

 

ミラと呼ばれる人造人間の男は先ほど放ったエネルギー波を再び大成目掛けて放つ。

 

「逢坂君!!!」

 

レムは思わず目を瞑ってしまう。

 

大きな爆発と共に周りの木に潜んでいた動物や鳥が一斉にその場から逃げ去っていく。

 

 

「レ…レムのせいで…!!」

 

レムは自分の身勝手な行動のせいで大成が死んでしまったと思って涙を流す。

 

「か…勝手に殺すんじゃねぇよ…レム。」

 

「!!」

 

しかしこの男、そう簡単にくたばるほどのやわな奴ではないのである。

 

「俺の渾身の一撃を耐えただと…」

 

「へっ…!俺はまだ本気じゃなかったんだよ…!」

 

「あ、逢坂君の髪が…!」

 

大成の髪が金色へと光り輝き、一度は腹を貫いたエネルギー波を今度は片手で簡単に受け止めてしまったという現実にレムは驚きを隠せない。

 

「レム、俺はサイヤ人って種族でな、俺も人間ではないんだよ…。いや、人間をやめた身でもある…グッ…」

 

「逢坂君…喋っちゃダメ…!」

 

「聞け!!レム!!お前の目の前にいる男が…この俺が…お前の辛い過去も何もかも吹っ飛ばしてやる…!!」

 

レムは驚いて大成の話を聞く。

 

「魔女だか魔女教徒だか俺にはさっぱりわからんが…そいつらが今もレムやラムを苦しめてんだったら…俺がなんとかしてやる…!!だから…」

 

「あんまり無理すんな…!お前らは笑ってる方が似合ってる…レムはラムの代わりでもなんでもない…レムはレムだ!!もっと自分を大事にしろ…楽しく笑って生きようぜ?」

 

「!!」

 

そう言い大成は超サイヤ人2に変身する。

 

「さぁ!お前らまだやるってのか!!俺はお前らをすぐ消すぐらいの力はまだ残ってんぞ!!」

 

 

「…ミラ、ここは一旦引くわよ。」

 

「な!!あいつは死にかけだ!俺はまだ!!」

 

「今のあんたの最高の一撃を防がれちゃったんだから仕方がないでしょう。それにまたパワーが上がったわ…今のあんたじゃ逆に返り討ちにあうだけよ。」

 

 

「いいこと教えてあげるわ。歴史を変えているのは私たちよ…?」

 

 

そう言ってトワは杖からワームホールを出し、中に入り消えていく。

 

「…次は貴様より強くなって殺してやる…」

 

ミラもそれに続いて姿を消した。

 

 

 

「……やっと終わった…か…」

 

「逢坂君!!」

 

 

そう言って大成はそのまま地に倒れて気絶してしまった。




長くなってしまいました…

この先レムさんの大成に対する感情の変化をおたのしみに…!

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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