時代干渉少年   作:絶神

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第?弾 謎の世界、少女との出会い

「なんだここは…」

 

大成は1人、全く見覚えの無い場所へと来ていた。

 

「一体…この島全体が空を飛んでいる…⁉︎」

 

大きな島が浮いている地形にいるようだ。しかし、大きな建物は半壊、土地も荒れている。

 

「やはり…あの穴に飛び込んだせいか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前

 

「ちょっと大成!!!いつまで寝てるのよ!!」

 

「今日は日曜だぞ…たまにはゆっくり寝させてくれよアリア…」

 

いつも通り、大成は勝手に部屋に居候しているアリアにつき回されていた。

 

「そんなんだからいつまでたっても腑抜けなのよ!!」

「いいじゃねぇか!!…ったく、眠気が覚めたわ。ちょっと外行ってくる。」

「あ、ちょっと!!」

 

大成はそのまま着替えて外に出てしまった。

 

 

「…起きてから妙な気配を感じる…。」

 

大成はただ飛び出したわけではなさそうだ。この世界のものとは思えない何かを感じ取ってそこに向かっている様子。

 

「ここか…」

 

少し離れた森の奥、そこには黒く歪んだ渦巻く空間が広がっていた。

 

「またフリーザが出てくるとかじゃないよな…」

 

前回も似たような展開があった。別次元に飛び、そこでフリーザと戦うハメになってしまった。

 

「まぁ、最悪ヒスればなんとかなるか…」

 

別次元に飛んだ時も、本来の世界の縛りがあるため、用心に越したことはない。

 

「おやおや…どーこにいくのかな??」

「⁉︎」

 

声がしたため、振り向いたらそこには…

 

「理子⁉︎」

「やっほー!大君のアイドルが戻ってきたぞ〜!」

 

先日、武偵殺しとして大成とアリアと対峙し、最終的には負け、イ・ウーに帰ったはずの峰理子がいた。

 

「なんでお前が!!組織に戻ったんじゃなかったのか!」

「んー…クビになっちゃった☆」

 

ケロッとした顔で言う理子からはなんとも重い感じがしない。

 

「クビって…やばいんじゃないのか?よく消されなかったな…」

「うん。理子、逃げ足だけは達者だから。大事な物は取られちゃったんだけどね…」

 

どこか悲しそうな顔をする理子。その大事な物が絡んでいるのだろう。

 

「そうか…とりあえず、俺は行かなきゃならないところがあるから、また話を聞かせてくれ。」

「あ!待って待って!!」

 

行こうとしたらまた呼びかけられたため振り向く大成。

 

「なん…」

 

振り向いた瞬間、唇に柔らかい感触が伝わる。

 

「忘れ物だぞ♪」

「…」

 

恐らく理子の言いたい忘れ物はキスの事ではなく…

 

「全く…なんて優等な子なんだろうか…心配してくれてありがとう。」

 

完全にヒスった大成は理子の顔に手を添えてそう言う。

 

「大成、理子のためにも絶対帰ってきてね?」

「あぁ、お前を置いて消えたりなんかしない。じゃあ、行ってくる。」

 

そう言って大成は穴へと飛び込んだ。

 

「私のロザリオのために…」

 

理子はそう呟き去って行った…

 

 

 

 

 

 

 

そして時は戻り…

 

「さて…とりあえず状況を把握するに…」

 

何者かがこの土地を荒らしている…とは分かる。

 

「時間も無いかもしれん、最初から超サイヤ人で行くか…」

 

大成は超化し、いまだ起こっている戦闘の場へと向かった…

 

 

 

 

 

 

 

 

「くッ…」

「炎髪灼眼の再契約阻止は誰から見ても大手柄!!悪く思うなよ…消えてもらうぜぇ!!」

 

チャイナ服の様なものを着た黒髪の小さな女の子とその横で動かない屍、そして女の子にまさにトドメをさそうとしているバイクに乗った物がいた。

 

「私はフレイムヘイズになる…」

「今回は諦めてもらうぜぇ…」

「私はフレイムヘイズになるんだ!!」

「死ねええ!!」

 

女の子にトドメが刺される瞬間、布のような物が横から伸びてきて、敵を掴み遠くへ投げとばす。

 

「ヴィルヘルミナ!!」

「お待たせしたであります。」

「ごめんなさい!私のせいで!!シロは悪く無いの!!」

 

ヴィルヘルミナと呼ばれるメイド服を纏った女性。そしてシロと呼ばれる屍。

黒髪の小さな女の子は自身のせいでこのような出来事になったと言っている様だ。

 

「ここに徒が現れた以上、ここで生活している時間ももう残されていないのであります。」

「…」

 

徒(ともがら)と呼ばれる存在。先ほどのバイクに乗った物がそう呼ばれる対象の様だ。

 

「フレイムヘイズとして生きる時が来たのであります…」

「えっ?」

 

その途端、先ほどの徒が起き上がり、なにか気弾の様なものを放ってくる。

 

「…」

「シロ!!」

 

それを先ほどまで動かなかった屍、シロが止める。

 

「敵の後続が来るのであります。」

 

「いかせねぇぇ!!!」

 

先より大きな気弾を放ってきた。屍ではとても弾けない大きさ…

 

そう、屍ならば…

 

 

「フン!!」

「だ…誰…⁉︎」

 

シロの前に立ち、気弾を片手で弾き飛ばした男がいた…。

 

「俺か?俺は遠い世界のお猿さんだ。」

「…味方…でありますか…?」

「そうだ。あの建物に用があるんだろ?ここはまかせろ。」

「助かるのであります。」

 

そういってヴィルヘルミナと呼ばれる女は黒髪の少女を担いで走って行った。

 

 

 

「シロともう1人の人が心配…」

「大丈夫。」

 

部屋に入ったヴィルヘルミナは少女の傷を包帯を巻いて処置している。

 

「ねぇ、ヴィルヘルミナもフレイムヘイズなんだよね…?」

「えぇ、私は万条の仕手、”夢幻の冠帯”ティアマトを元に生きるフレイムヘイズ。」

『初見挨拶』

 

ヴィルヘルミナの付けるカチューシャの様なものが喋り出し、びっくりする少女。

 

「どうして教えてくれなかったの?」

「先入観を与えないためであります。…その必要も無いみたいではありますが。」

「私はフレイムヘイズとして生きたいの!」

「…なら結構であります。私はあなたを誇りに思っているのでありますから…」

 

その時何かに気づいたヴィルヘルミナが窓の外を見る。

 

「どうしたの⁉︎」

「…嫌な予感がするのであります。」

 

 

 

 

 

 

「この骨野郎!!ちょこまか動きやがって…!!」

「…」

 

大成の前ではシロと徒の戦いが繰り広げられていた。

 

「…骨だけにしてはかなり動ける…」

 

今にも崩れそうな骨だが、動きは全盛期をにおわせるほどの可憐な動きである。

 

「…危ねえ!!」

 

大成がそういった時には遅く、シロは背後から突如現れた何かに不意を突かれ、体を切られてしまった。

 

「…できるな…」

 

シロはそのまま池に落ちてしまった。

シロを切った何者かは、徒の方へとゆっくり向かっていく。

 

「何故だ…!何故お前がここに!!紅世に仇をなすものが何で俺のところに!!」

「…」

 

「なんと…!あれは天目一個であります…!史上最悪のミステス…」

 

「強い徒を求めて殺戮を繰り返す…化け物トーチなどと呼ばれることもあるのであります…」

 

「あの男には悪いでありますが、時間稼ぎになってもらうのであります。」

「…」

 

少女は大成の背中を一目見て、部屋を後にした。

 

 

 

 

「くるな…くるなぁ…」

 

徒に天目一個はゆっくりと近づいていく。

 

「まさか…こいつがバル・マスケの同胞達を…!!」

 

徒は鍵の様なものを手に取り祈り始める。

 

「ベルペオル様…どうか力を!!」

 

「おっと…!俺を無視しないでほしいな…」

 

そこにサイヤ人の男が割って入る。

 

「お前…!!」

「見た所お前は強い…俺と戦ってもらう。」

 

大成は天目一個の前に立ち勝負を申し出る。

 

「無理だ…そいつは人間は切らねえ!」

「…なら…ハッ!!!!」

 

大成は天目一個に気弾を浴びせる

 

「…これなら正当防衛だろ?」

「…強者よ…」

 

天目一個は刀を構えて大成に斬りかかる

 

「ほっ!」

 

大成はそれを交わしてカウンターの回し蹴りを天目一個に浴びせる…が、固い鎧に包まれているためダメージが通らない。

 

「あいつ…生身で天目一個の動きを見切ってやがる!!」

 

徒はただ見つめることしかできない。

 

「…殺気を感じない…あいつ、俺を殺す気では無いのか…」

「その通りであります。」

「!」

 

そこにヴィルヘルミナと黒髪の少女が現れる。

 

「奴は、強い紅世の徒を相手にしかしないのであります。」

「さっきの…」

 

天目一個の前に黒髪の少女が立つ。

 

「天目一個!お前の求めるものは何だ!!」

「…」

「お前が導いてくれるのならば、炎髪灼眼の打ち手が相手になる!!」

 

その言葉にようやく反応を示す天目一個。

 

「炎髪灼眼……女、強者と見た…我と戦う権利あり…案内しよう…」

 

そういって天目一個は少女を抱えて宮殿の中へと向かっていく。

 

「…させるかよ!!!」

 

先ほどの徒が攻撃を仕掛ける。が、ヴィルヘルミナに止められる。

 

「お前の相手は私であります。」

 

そこに大成も加わる。

 

「なんだかよく分からんが、あの子は大丈夫なんだな。なら、こいつをぶっとばせばいい話だろ。」

 

ヴィルヘルミナは頷く。

 

「助太刀感謝するのであります。」

 

徒は鍵を掴み祈りだす

 

「ベルペオル様…俺に力を!!!」

 

その途端、徒の体に光が走り出す。

 

「何事でありますか⁉︎」

『危険察知』

「…あれはやばいな。」

 

大成の頬に汗が滲む。恐らく先程までとは比べものにならない力を感じているのだろう。

 

「…勝率が減ったのであります…」

「何言ってやがる。」

 

ヴィルヘルミナが大成を見る。

 

「俺がいるんだ。勝率はハナっから100%だ。」

 

ヴィルヘルミナは微笑んでフレイムヘイズの姿へと変身する。

 

「心強い…では、共闘をお願いするのであります!!」

「おう。」

 

徒は2人に目掛けて大きなエネルギーを放つ。

 

「なめんじゃねぇぇ!!」

 

先ほどとは比べものにならないエネルギー、2人はそれを避け、大成が真っ先に徒に間合いを詰めて攻撃を仕掛ける

 

「おらぁ!!」

「グェ!!」

 

徒は脇腹にモロに蹴りを喰らい、吹き飛ぶが体制を立て直し、次の攻撃を仕掛ける。

 

「しねぇぇえええ!!」

 

次は無数のエネルギーを放ってくる。

 

「チッ…」

「大丈夫であります。」

 

ヴィルヘルミナは包帯を扱い自分と大成の前に包帯の壁を展開。

 

「おぉ…」

「…しかし、思ってたより相手がパワーアップしてるのであります…あまり持たない…」

 

ヴィルヘルミナはキツそうな顔をしている。おそらく2人分守るのはかなりの力をつかうのであろう。

 

「だったら俺の分を解いてもかまわねぇぜ。」

「しかし…」

 

大成はヴィルヘルミナにウィンクして自分から包帯から抜け出す。

 

「悪いが一瞬で終わらせてもらう…」

「なにぃ!!」

 

大成は徒に接近しながら気を溜める。

 

「ロッソ…」

 

徒とゼロ距離に達した所で最大限の力で放つ

 

「ブラスターーーー!!!!!!」

 

徒はノーガードで受け、直撃。

 

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

そのまま徒は消滅してしまった。

 

 

 

 

 

「助かったのであります。」

「あぁ、奴の力はもう一体近づいてきていたやつを吸収して強くなっていたみたいだ。もう危険は無い。」

 

こちらの戦いは終わった。

 

「あとは…来たであります。」

「…あの子…何かが変わった…」

「えぇ、フレイムヘイズとなったのであります。そして、今から天目一個と戦う。」

 

少女と天目一個が対立。

 

「…邪魔はしないほうがいいな…俺はこれで…」

「かたじけない。…どこにいかれるので?」

 

大成は振り向くこともなく一言告げた。

 

「世界を救いにな。俺は忙しいのさ。」

 

そういって大成は元来た穴の方へと向かって行った。

 

なんだかんだ戦いを見届け、大成は帰る所まできた。

 

「あの子…見てるこっちまで焼けそうな…でも見惚れてしまいそうな炎を纏ってるな…」

 

先の場所からどんどん離れていく。最後に少女が叫んでいる言葉だけが微かに聞こえてきた。

 

「誰だか分からないけど、助けてくれてありがとう!!私は今日から贄殿遮那(にえとののしゃな)として生きていくわ!!」

 

大成はその名を脳裏の片隅に置いておいた。

 

「覚えておくよ…この世界の主人公となろうお姫様…」

 

 

いつか、この2人が奇妙な形で再開することとなるとはまだ誰も知らないまま…

 

 





コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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