時代干渉少年   作:絶神

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第6弾 魔剣

 

「白雪…」

 

大成は、この世界に来てから縛られている力を振り絞り、白雪の気を追っていた。

 

「不便なもんだ…あんだけ苦労して手に入れた力が世界感変わる度に使えたり使えなかったりよ…」

 

初転生で来たドラゴンボールの世界で壮大な修行、もちろん危険を伴ってはいたものの、サイヤ人という種族の「瀕死からの復活」を上手く扱い、かなりの力を蓄えてきた。

 

しかし、まどマギの世界では時間経過に比例して力が上がる、そしてこのアリアの世界ではヒステリアモードにならなければ力を思うように扱えないという縛りに本人は手を焼いているようだ。

 

「まぁ…常人よりは動けるし、気もなんとか察知できるからいいんだけどさ…」

 

そんな大成を何者かがつけていることに本人が気づく。

 

「さっきから誰かつけてるよな…」

 

殺気は感じられないため警戒はしていないようだが、そわそわしてしまう。

 

「よし…カマかけてみるか…」

 

大成は街の細い抜け道に入る。

 

「…来た!!」

 

待ち伏せして尾行者が抜け道に姿を表す瞬間に大成は飛びかかる

 

「誰だぁぁ!!」

「きゃぁぁ!!」

 

「きゃぁ…?」

 

大成は飛びかかった尾行者の甲高い声に疑問に思い恐る恐る顔を見る…

 

 

「ア…アリア…⁉︎」

「何よ!!急にだ…抱きついてきて!!早く離れなさい!!」

「わ…わるい!!」

 

慌てて大成はアリアから離れてアリアに何故尾行なんて真似をするのか聞く。

 

「そ、それは…あ、あんたがもしかしたら聖剣デュランダルの元に行くんじゃないかと思ったから、あんたがヘマしないようにパートナーとして見張っておこうとしたのよ!!」

 

アリアは大成に向けて指をさす

 

「べ、別にあんたの事が心配でつけてたんじゃないんだからね!!」

 

真っ赤な顔して噛み噛みに話すアリア。普通ならこれぞツンデレ、と言わんばかりに鼻の下を伸ばす男もいるであろう。

 

「そうか、ありがとな。」

 

大成はTHE・鈍感であった。

 

 

 

 

 

 

「さて、ここだな…」

「街のはずれにこんな所があるなんて…」

 

大成とアリアは白雪がいるであろう場所へと辿り着いた。

 

「アリア、白雪を探しに来たとはいえ、恐らく一筋縄ではいかない事態もあるかもしれない。危険だからここで待っててくれてもいいんだぞ?」

「愚問ね。あたしはあんたのパートナーよ。あんたをみすみす1人で中に行かせるほどあたしの腕も粗末なものじゃないわ。」

 

アリアは笑みを浮かべて話す。

 

「そうだったな。よし、いくぞ!」

 

 

 

中に入り、奥へと進む。

 

進んだところに手錠をされて身動きが取れない白雪を発見する。

 

「白雪!!」

 

「大ちゃん!!来ちゃダメ!!!」

 

その途端、来た道のドアが閉まり、排水溝から突如水が勢いよく流れ出す。

 

「何⁉︎」

「ちょ!!なんなのよ⁉︎」

 

その時、部屋中に加工された声が響き渡る。

 

「愚かな…たった2人で来るとは…ここで溺れ死ぬがいい…」

 

「誰だ⁉︎」

 

声に応えることはない。

 

「くそ…!梯子を渡れば二階にいけるが…白雪の手錠をなんとかしないと…!」

「私はいいの!!大ちゃんとアリアは逃げて!!」

「そんなことできるか!!!」

「!!」

 

大成はあたりを見回して鍵を探す。

 

「アリア!!お前も手伝ってくれ!!」

「あ…あたし…」

 

アリアの様子がおかしい。

 

「どうした!!」

 

「あたし…泳げないの…もう、水が腰まで来てる…このままじゃ…」

 

アリアは金槌のようだ。そうならば今この状況でリスクを冒して動けるのは大成しかいない。

 

「くッ…!!アリアは先に上に行ってろ!俺が何とかして白雪を助ける!!」

「ご…ごめんなさい…絶対に助けて来て…!」

 

アリアは先に梯子を上って上へと姿を消した。

 

「さて…どうしたもんかな…」

「大ちゃん…こっちに来て…」

 

白雪は小さい声で大成を呼ぶ

 

「何だよ!!今はそれどころじゃ…!!」

「いいから!!!」

 

渋々と白雪の前に行く大成。

 

「私…大ちゃんが好き…」

「なっ⁉︎何言ってんだこんな時に!!」

「こんな時だからこそだよ!!」

 

白雪は今度は大きく声をあげる。

 

「もう助からないよ…鍵もどうせ聖剣が持ってるに違いないよ…」

「そんなこと言うな!俺は諦めない!白雪をみすみす死なせて俺だけ助かるなんて嫌だ!!」

 

白雪は大成に向かって目を閉じて唇を向ける

 

「ねぇ…大ちゃん…キスして…」

「お前…!!」

「お願い!!!今だけでいいの…私に…最後の幸せを頂戴…」

 

白雪は涙を流している。大成はもうダメだと察している白雪を見て断れずに白雪の顔に顔を近づける。

 

「こうなったら…俺も死んでやる…アリアには悪いが、俺は今、助けられない命があること自体が耐えられない…」

「ありがとう…大好き…」

 

2人の唇が重なる。

 

 

 

 

 

「…大ちゃん、行って…」

 

「…何言ってんだか…」

 

大成の雰囲気が先程までとは明らかに変わって冷静な声になっている。

 

「大ちゃん…?」

「白雪。俺はさっき言ったよな…白雪を必ず助けるって…」

 

もう水は2人の顔にまで達している。このままでは溺れ死ぬ状況で大成は凛々しく微笑んでいる。

 

「何やってるの⁉︎私はもう思い残すことは…」

「いい加減にしろ!!」

 

突然怒鳴られて白雪は呆然とする。

 

「自分の命をそんな粗末に扱うな…!俺を頼れ!俺を信じろ!お前は俺の事、そんなに頼りなく見えるか⁉︎」

「そ…そんなとこないよ…!大ちゃんは私のヒーローだもん!!昔っから…私を助けてくれたあの日から…」

「…」

 

白雪はまた泣きながら大成に言う。

 

「助けて…大ちゃん…!!やっぱりまだ死ぬなんて嫌だよ…!!大ちゃんともっと一緒にいたいの!!」

 

「その言葉、確かに受け取った」

 

大成は白雪の手錠を掴む。

 

「これからもずっと、俺はお前のヒーローだ。」

 

パキン…

 

「え…?」

 

白雪は言葉が出てこない。彼女を拘束していた手錠が、まるで軟弱しきった骨のように簡単に壊れてしまったからである。

 

「ごめん。凄いあっさりしてるかもしれないけど、どうしても弱音吐いてる白雪に説教したくなってさ、でもちゃんと白雪は最後まで死にたくないって意志を持ってくれたからな。」

 

そう言って大成は白雪を担いで梯子に手をかけることなく二階へと飛び上がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、これでよしと。上がってくる途中にも排水溝があったから、それ以上水が溢れることも無いだろう。」

「その…大ちゃん…今のどうやったの…?」

 

大成は白雪にウィンクして話す。

 

「白雪、俺はお前のヒーローだぞ?お前のためなら何だってできる。お前の笑顔のためなら、どんな理不尽も覆して見せるよ。」

 

その言葉に白雪は顔を真っ赤にしてしまう。

 

「そそそそそんな…!大ちゃん、カッコ良すぎるよ!!もう、これは、け、結婚するしか…!!」

「何言ってんのよあんた達!!」

 

突然前方から声がしたため、大成と白雪は目をこじらせる。

 

「その声…アリア?」

「暗いからよく見えないわね。そうよ、白雪。」

 

真っ暗な部屋のため声でしか分からなかったが、姿が見えてようやくわかる。その声の主は間違いなくアリアであった。

 

「…」

「大成も、無事だったのね。良かったわ。」

 

白雪はアリアに駆け寄る

 

「そうなの!たいちゃん、すごいんだよ!」

「そう。2人とも、出口が見つかったから、こっちについてきて。」

 

言葉のままに白雪はアリアについて行こうとする。

 

「待て…」

「何?大成。」

「大ちゃん?」

 

大成はアリアを睨みつける。

 

「お前…誰だ?」

「誰って、大ちゃん!アリアだよ!!」

「そうよ。どこからどう見てもアリアじゃない?何を言い出すのよ。」

 

大成は白雪の手を引っ張りアリアから引き離す。

 

「俺には分かる。お前から流れる気は、アリアと別のものだ。なんなら今お前を気絶させてやってもいい…」

「…理子の言う通りだったな…お前は普通じゃない…」

 

口調がアリアではなくなり、声も別の女の声へと変わり、驚く白雪。

 

「え⁉︎え⁉︎」

 

アリアであった者の体から氷の冷気のようなものが現れ、アリアの体を包み込む。

 

そして本当の姿を表す。

 

「いかにも、私は神崎・H・アリアではない。私の名はジャンヌダルク。イ・ウーのメンバーだ。」

「…お前が聖剣デュランダルか。」

 

その言葉にジャンヌダルクは笑みを浮かべて剣を手に召喚する。

 

「そうだ。私はこの聖剣デュランダルの使い手…ここまでばれた以上、お前達はここで消えてもらう…!」

 

ジャンヌが剣を一振りすると、そこから氷の刃が大成目掛けて飛んでくる。

 

それをなんなく交わして大成はジャンヌに問う

 

「アリアはどうした!」

「奴ならこの奥で眠ってもらっている。かなりの使い手とは聞いていたが、何か集中が途切れていたみたいでな。不意打ちを喰らわせて眠らせた。」

「よくも…」

 

ジャンヌは聖剣を大成と白雪に向ける

 

「聖剣デュランダルに切れぬものはない…!」

「よくもアリアを!!!」

 

ジャンヌが大成に斬りかかる。しかし大成はそれを片手で受け止める。

 

「効かないな…」

「何だと⁉︎」

 

ジャンヌは慌てて間合いを取って聖剣に冷気を溜める

 

「銀氷となって散れ!!」

 

巨大な氷を生み出し大成に飛ばす。

 

「大ちゃん!!」

 

大成は氷が自身に触れる直前に気を放つ。

 

「ハッ!!!」

 

気迫だけで氷を弾いてしまった。

 

「ばかな…!!私の技を…」

 

「フン!」

 

次に小さな気弾を放ち、ジャンヌの聖剣デュランダルを破壊する。

 

「お遊びはおしまいだ…お前は俺には勝てない。」

「くッ…私の負けだ…ここは引かせてもらう。アリアはそこにいる。」

 

ジャンヌはそそくさと撤退してしまった。

 

「アリア!」

「ううん…大成…?」

 

大成が呼びかけ、アリアが目をさます。どうやら傷はないようで大成はホッとしてアリアを抱きしめる。

 

「良かった…お前に何かあったんじゃないかと心配した…」

「ちょっ!ちょっと!!」

「大ちゃんから離れなさーーい!!」

 

アリアを白雪が強引に引き離す。

 

「なにすんのよ!!」

「黙れ泥棒猫!!大ちゃんは渡しません!!」

「…ハッ!!」

 

その途端大成のヒステリアモードが切れたようだ。大成は先の行動に顔を赤くする。

 

「何やってんだ俺は…」

 

その横でアリアと白雪が揉めている。

 

「大成はあたしのパートナーなのよ!パートナーの心配するぐらい当然じゃない!!何よ泥棒猫って!!」

「た…大ちゃんとはさっき!キ…キスしたんだもん!!」

 

大成に戦慄走る。

 

「…まて…アリア…それは誤解なんだ…俺の意思とは裏腹に…」

「…あんたはほんとに欲まみれの猿ね…」

「まて!!アリア!!」

 

アリアが二丁拳銃を突き立て大成に発砲する。

 

「風穴ァァァァァァア!!!!!」

 

「ぎゃぁぁぁぁあ!!!」

 

なんだかんだで白雪も助けて一安心?であった。

 

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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