時代干渉少年   作:絶神

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第3弾 ファーストミッション

 

 

 

そして次の日。

 

「起きなさい!!バカ大成!!」

「うーん…今日は土曜日で学校ないだろ…休日ぐらい寝させろよ…」

「違うわよ!事件よ!!多分武偵殺し!!」

「何⁉︎」

 

武偵殺しという単語に著しく反応した大成は一気に眠気を飛ばして起き上がる。

 

「昨日の今日でまたかよ!!それで、場所は?」

「部活で武偵高校に向かっていくバスに爆弾が仕掛けられてるみたいなの!今丁度この家を通って行ったわ!!急いで追いかけるわよ!」

「了解!」

 

身支度を済ませて大成の家に置いてある武偵用の自動車を使いバスを追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

「この、バスヲ、指定場所マデ、少しでもスピードヲ、落とせバ、バスは、爆発し、やがりマス。」

 

バスを囲む数台の機銃から発せられる音声からは、バス内を騒然とさせる指示がされていた。

 

「嘘だろ…」

「死にたくない…」

「誰かなんとかしてくれ!!」

「嫌だ!!俺は飛び降りる!!」ガタッ

「おい!まて!!」

 

ダダダダダダダ!!!

 

「うわっ!!」

 

バス内の武偵達はパニックに陥り、窓から脱出を図ろうにも、それを熱センサーで捉えた機銃が銃弾を浴びせてくるため、身動き1つとれない。

 

「くそ…どうすれば…」

 

バンッ!!バンッ!!ガガガ…

 

「なんだ⁉︎」

 

外から銃声がし、機械が壊れる音がしたため、ゆっくりと外を覗くと、自動車から身を乗り出してこちらの様子を伺う大成とアリアがいた。

 

「おい!大丈夫か!!佐藤!!」

「大成!!良かった…!今、みんなを落ち着かせているところだ!!このバスは武偵高校まで向かっている。スピードを落とせばその場であの世行きだ!!どこかに爆弾が仕掛けられているはずだ!」

「分かった!俺達は外側から爆弾を探す!お前らは動けるやつでバス内に爆弾がないか見てくれ!」

「あぁ!」

 

とりあえずバス外の機銃は片付けたが、恐らく追っ手が来るだろう。丁度バスはトンネル内に入り、機銃が来る気配も無く、絶好のチャンスが到来している。

 

「アリア!とりあえずバスに飛び乗るぞ!!」

「ギリギリまで寄せたわ!あんたから乗りなさい!」

「了解!」

 

まず大成がバスの上に乗り、続いてアリアが飛び乗る。自動車は運転手を失い、そのまま反転して転がる。

 

「あ…あの車高いんだけどな…」

「無駄口叩くな!あんたは上を探して!あたしはバスの下を見てくる!」

「あいあいさー」

 

時速は100kmを超えているだろう。その中でバスの上を動いて爆弾を探すのは至難の技である。大成は上を歩いて探しているが、爆弾は見つかりそうにない。

 

「アリア!こっちはない!!そっちはどうだ!!」

「…あったわ…!!」

「よし!!俺も今いく!腰ロープを巻いてくれ!そのまま俺が抑えるから、アリアは爆弾を解除してくれ!」

「分かったわ!」

 

アリアは命綱を巻き、バスの上から逆さ吊りの形でゆっくりと下に降りる。

大成はその下ろす役だ。このままいけば無事に爆弾は解除できるだろう。

 

 

そう、無事にいけば…

 

 

 

 

バンッ!!

 

「くっ…!!もう追っ手が…」

 

先ほど退けた機銃が今度は3台もやって来た。

 

「くそ…両手塞がりで奴らを追い払うこともできん…頼むから気づかないでくれ…」

 

そう願うもむなしく、辺りから見ても注目の的になる大成はロックオンされてしまう。

 

「そこの人間、ハヤく、バスに入り、ヤガレ、でアリマス。サモなくバ、打つデ、アリマス。」

「まだか!アリア!!」

「だめ!!届かない!!あんたこそ大丈夫なの⁉︎」

「だめだ…打たれる…!!」

「チッ!!」

 

機銃が銃弾を放ち、大成の額めがけて飛んでいく。

大成が目をつぶるが、痛みはこない。

 

「……ア、アリア!!!」

「うぅ…」

 

アリアは大成を庇い、額に銃弾をかすらせてしまい血を流して気絶している。

 

「くそ…!!役を交代していれば、俺が囮になれたものを…!!」

 

そのままトンネルを抜け、大きなレインボーブリッジへと入った。

 

「…時間が30秒しかない…万事休すか……!!」

 

その時、バスに並行して隣を走るヘリを見つける。

 

「あ…あれは…レキ⁉︎」

 

ヘリから身を伏せてスナイパーライフルを構える女の子がいた。大成にはその子の名前が記憶に刻まれているようで、レキと呼ばれる子のようだ。

 

「…私は、1発の銃弾。」

 

女の子は全く息を乱さず、集中してスコープを覗く。

 

「ただ目標に向かって…」

 

そして引き金を引く。

 

「飛ぶだけ。」バンッ!

 

一瞬の出来事であった。スナイパーライフルから飛んできた1発の銃弾は、バスにつけられている爆弾の接合部を捉え、そのまま爆弾を飛ばし、海へと落下させていった。

 

 

ドドーン!!!!!

 

 

爆弾は丁度時間を迎え、海の中で大きな爆発を起こした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…助かった。レキ。」

「念のため、トンネルを抜けても爆弾を解除できていない場合は、私が仕留めろとアリアさんに命じられていたので。」

「そうか…」

 

大成は、それからひと段落した後、救急車の担架に運ばれていくアリアを見つめながら話す。

 

「これが俺のファーストミッションか…ダメダメでアリアも傷つけてしまった…」

「私はこれで。」

 

レキは任務遂行と共にそそくさにその場を去る。

 

「…この詫びは必ず返す…」

 

大成は自分の一定時しか活躍できない無力さを痛感した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…大成の真の力が見れなかったな〜…でも、次でその真偽を確かめさせてもらうよ。」

 

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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