時代干渉少年   作:絶神

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恐怖と悪魔

「これで終わりだ、天津飯。」

 

セルが捨て身の天津飯の新・気攻砲から脱出し、もう倒れる寸前の天津飯にトドメを刺そうとしている。

 

「ビッグバン・クラッシュ!!」

 

セル第二形態の大技が放たれた。

 

「餃子…皆…すまん…!!」

 

天津飯も死を覚悟した瞬間。

 

シュン!!シュン!!

 

「なに⁉︎」

 

天津飯が何者かの手によって助けられたのである。

それに驚いたセルは辺りを見回し、その正体を目の当たりにする。

 

「…孫悟空か…」

「貴様がセルか…思ってたよりもそうとうやべぇ奴のようだな…」

 

現時点では悟空でもセルには到底及ばないため、いつもは好奇心旺盛の悟空も焦りの汗が滲む。

 

「…それにしても孫悟空、どうやって天津飯を私の気から助けられた。お前がここに来る気配すらしなかったぞ。」

「瞬間移動ってやつさ。オラはそれができる。」

「瞬間移動だと⁉︎」

 

セルもさすがにその技には驚きを隠せない。

いわばそれはチート級の技であり、戦闘において厄介な技でもある。

 

「っと!ピッコロもまだいきてる!!!天津飯、後少し耐えてくれよ!!」シュン

「また消えた⁉︎」

 

再びセルの目の前から悟空が瞬間移動で消える。今度は瀕死のピッコロを海から救い出した。

 

「おのれ…そいつらは私の敵ではないが、孫悟空。貴様はわたしの脅威となりかねん。今ここで消させてもらうぞ。」ダッ!!

「くっ!」

 

セルがすさまじい速度で悟空に迫り来る。

悟空はあまりの速さに瞬間移動で神様の宮殿へ戻るために気を探る動作が遅れる。

 

「死ぬがいい!!」

 

「おいおい、そう焦んなよ。」

⁉︎

 

不意にセルの後ろから声がしたため、慌ててセルは悟空を襲う手を止め、後ろを振り返る。

 

「…誰だ…」

「俺もサイヤ人さ。名はタイセイ。以後お見知り置きを。」

 

大成のおかげで間一髪の悟空は瞬間移動でその場から立ち去る。

 

「グ…逃げられたか……それにしても貴様も気配が感じられなかった…まさか…」

「そう、瞬間移動だ。」

「おのれ…得体のしれん奴も増えた上に瞬間移動持ちが2人とは…」

 

セル自身は悟空を前にした時点では戦闘力的には全く恐れるにはたらないが、この男、大成を前にしたセルはどことなく恐れを心の奥に感じ取っていた。

 

「…それでお前は何をしに来た。まさか私の完全体への計画を邪魔しに来たのではないだろうな。」

「まさか。」

 

大成はセルの元へ歩きながら近づいて話を続ける。

 

「お前が完全体になることにはむしろ同意だ。俺はサイヤ人。お前がさらなる成長を遂げ、俺と対等に渡り合えるレベルにまで達するためにも。」

「変わったやつめ…お前の発言はこの地球、いや、全宇宙の危機になゆかもしれんのだぞ。」

「俺は強くなるために苦となる道を探しているんだ。」.

 

「悟飯の進化のためにもな…」

 

先を見越した大成はそう呟いた。

 

「孫悟空達も消え、お前は私の邪魔をしないというのならば、私は逃げた18号を追わせてもらうぞ。」

「好きにしろ。」

 

そう言ってセルは大成の元を離れていった。

 

「さて…宮殿に戻るか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様の宮殿

 

「助かったぞ…デンデ…」

「いえ!お役に立てて良かったです!」

 

あれから瀕死だったピッコロと天津飯は悟空に宮殿まで連れてきてもらい、デンデに体力を全開にしてもらっていた。

 

「よう。」

 

遅れて大成も宮殿に到着する。

 

「タイセイ。おめぇも瞬間移動ができるんだな〜。オラびっくりしたぞ!」

「天才と呼んでくれ」ドヤッ

 

少しギャグまじりにドヤ顔するタイセイを悟空はマイペースに流して話を続ける。

 

「でもよ、レベルそのものが変わったって感じがするなぁ。精神と時の部屋でそうとう修行したみてぇだな。」

「うむ…同化した神の記憶をみてみたが、精神と時の部屋を知っている以外にもあのセルの存在も早い段階で知っていたみたいだな。」

 

ピッコロに怪しげに見られて少しまずいと思う大成。

 

「あぁ〜実はセルとはお前らよりも早く対面してたんだよ!!えぇ〜っと…だから知ってたんだ!!」

 

下手くそな語弊からは嘘と感じとれてしまう。

 

「…まぁいい、そんなことよりもセルが18号を追いに行ってしまったのだろう?早くそれを阻止せねば…」

「だがピッコロ。俺たちではもう歯が立たない…行ったところで無駄足になるぞ…悟空なら勝てるんじゃないか?」

「いや、無理だ。今のオラはピッコロよりも弱いからな、そのピッコロで歯が立たないんなら、オラにも無理っちゅうことだ。」

 

沈黙が訪れる。大成は今にもお前ならいけるんじゃないか?と聞かれる気がしてならない。

 

「ベジータ達がもう出てくるだろ。あいつらに任せよう。俺もベジータに人造人間は殺るなって言われてるからな。勝てるかは分からんが。」

 

シラを切ったように大成は誤魔化す。

 

「話をすればもう来たみたいだぞ。」

 

ガチャ…

 

扉が開く音がして、中からベジータとトランクスが姿を現す。

 

「おぅ、早かったな!」

「貴様が忘れていったブルマの作った重力室を使っただけだ。」

「あ、しまった、忘れてた。」

 

「…」

「大変だったろ。あいつと修行は。」

「えぇ…」

 

トランクスはおそらく自分のイメージしていた父とは段違いの姿を見たからであろう、かなりテンションが低いようだ。

 

「次はカカロットが使うのか?」

「あぁ、オラと悟飯で修行させてもらう。」

「なら、悟空達が出たらまた俺が入らせてもらおうかな。」

「おろ?タイセイはまだ48時間使いきってねぇのか?オラてっきりみっちり修行したと思ってたぞ。」

「あぁ、多分あと4時間分は使えるかな?あっちでいうと2ヶ月分ぐらいは修行できるからな。充分だ。」

 

大成はまだまだ修行し足りない様子だ。

 

「まだまだ強くなんだな〜。オラも負けちゃいられねぇ!よし!悟飯!行くぞ!またな!タイセイ!セルを倒すなよ!ベジータ!」

「さて…それはどうかな…?」

「おぅ!悟飯も頑張れよ!」

「はい!ありがとうございます!」

 

そうして悟空と悟飯の親子ペアは精神と時の部屋へ入っていった。

そしてベジータとトランクスは早速と己の力を見極めにセルの元へと行き、タイセイはやる事がないため、そのまま神様の宮殿で休憩をとりつつ、悟空達が出てくるのを待つことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは事は原作通りに進み、時は約10日が経過、セルゲーム開催当日となった。

 

 

孫一家の家

 

「悟飯ちゃん!ぜってぇに無理するじゃねえだぞ⁉︎悟空もオラの悟飯ちゃんに戦わせるようなことするじゃねぇだぞ⁉︎ぜってぇだぞ⁉︎」

「わ…分かったよ…」

「そ…それじゃあ、いってきます…」

 

 

 

カメハウス

「クリリン、ヤムチャ、天津飯。ワシはとてもお主達の戦いについていける身ではないからの…ただお前達の勝利を願うだけじゃ…誰1人欠けることなく、セルを倒してきてくれ…」

「武天老師様、オレ達はぶっちゃけセルと戦えるレベルじゃないから、悟空達に委ねるしかないんですよ…」

「まぁ、行くだけいくけどな!」

「あの時俺の気功砲を受けてピンピンしていたセルよりも段違いに強い…しかもベジータでさえ歯が立たないとなると、俺たちの出番はないな…」

「な…なんじゃい!!かつてワシの弟子でもあったお前達にカッコいいこと言いたかっただけなんじゃ!!早く行ってこい!!」

 

 

 

神様の宮殿

 

「ついにこの時がやってきたか…俺も精神と時の部屋で修行はしたが…正直セルには手も足も出る気がしん…悟空やタイセイ達に賭けるしかないのか…」

「ピッコロ、死ぬな…ポポ、それを祈るだけ。」

「ピッコロさん、どうかご無事で…」

「すまんな、ポポ、デンデ。じゃあ、行ってくる」

 

 

カプセルコーポレーション

 

「あ、あんた達、セルなんかぶっ飛ばしてきてよね!!あたしにはちっちゃいトランクスがいるんだから!!ベジータもおっきいトランクスもセルなんて余裕でしょ⁉︎」

「今回ばかりはオレも余裕こいてはいられん。最悪俺たち全員死んだら、お前は宇宙船でも乗って逃げるんだな。」

「すいません母さん…俺たちでは正直どこまでいけるか…」

「じょ…冗談じゃないわよ…」

 

 

 

 

 

各々が己の胸に覚悟を踏みしめ、決戦の地へと降りたつ心構えをしている中、1人の男は何かを感じ取ったのか、セルゲーム会場とは違う方向へと進んでいた。

 

 

 

 

岩山

 

 

「…なんだ、この宇宙船は…見たところついさっきここに来たばかりのようだな…まだ宇宙船に熱がこもっている…」

 

大成は先ほどから感じる違和感を頼りにある岩山の奥にそびえ立つ大きな宇宙船の前に立っていた。

 

「おや?あなたはサイヤ人ですか?」

「⁉︎」

 

不意に話しかけられた方を見た大成は衝撃のあまりに言葉を失ってしまった。

 

「ブ…ブロリー…!!」

「ブロリーの事を知っているようだな。あいさつするのだ。ブロリー。」

「はじめまして…ブロリーです。」

 

 

まさに衝撃のイベント。この運命の日、セルゲーム当日に最悪の来客が訪れてしまった。

 

 

 

「お〜い!タイセーーーイ!!こんなとこで何やってんだよー!早くセルんとこいこうぜー!!」

「あ!バカ!!こっちにくんな!!」

「カ…カカロッ…ト……ぐ…ぐうぅぅ…」

「気を静めろ!ブロリー!」

 

ブロリーはたまたま通った悟空をみて頭をおさえながらうめき声を上げ始める。

幼少期に悟空の鳴き声にうなされていた記憶が呼び起こされているようだ。

 

「カカロット…カカロットォ!!」

「ま…まずい…!!

 

 

「おい!おめぇ誰だ?おめぇもセルゲームに出んのか?やめとけって!殺されッゾ!その力じゃセルにはかてねぇぞ?ハハハ!」

 

「グ…ウオオオオオォォォオォ!!」

 

 

セルゲーム会場

 

 

「セルゲームを始めるぞ…だと言いたいところだが、メインディッシュの孫悟空と大成が来ておらんではないか、」

「チッ…何をやってやがるあのバカ共め…!」

「それどころかはるかに高い気が発生しているようですよ!!悟空さん達、大丈夫かな…」

 

 

 

岩山

 

「ふぅぅぅ…カカロット、まずお前から血祭りにあげてやる…」

「な…なんだ…あいつ…バカでけぇ気を持ってやがる…」

「くそ…最悪のシナリオだ…悟空…お前は悟飯を連れてセルゲームにいけ。ここは俺がなんとかする。」

「で…でもおめぇ…」

「いいからはやく!!」

 

悟空と悟空は戦場を抜け出して、ブロリーは逃すまいと気を悟空達にはなつ

 

が、それを大成は片手で弾きかえす。

 

「!!」

「お前の相手はこのおれだ!!」

「ブロリーが伝説の超サイヤ人になってしまった以上、もう誰にも止められない。お前もサイヤ人の様だが、自ら死にに行くとわな。」

 

パラガスにそう告げられたが大成はニヤリと笑みを浮かべてブロリーに中指を立てる

 

「何を笑っている?」

「お前を俺が倒した所で歴史は変わらない…お前は今ここで俺の実力を試す実験台にさせてもらうぞ!!」

「貴様を殺してすぐカカロットも血祭りにあげてやる…」

 

2人のサイヤ人が、セルゲームの裏側で激闘を繰り広げようとしていた…

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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