時代干渉少年   作:絶神

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因果は永遠に

 

 

「ーーーーなんだ…⁉︎」

 

大成はあれからまどか達の世界に帰ってきた。

しかし最初にこの世界を離れるときに見た時の光景と、今大成が見ている見滝原の光景とは全く違う。

 

「…ここ…見滝原だよな…?」

 

街は半壊、そこら中が大きな竜巻に襲われたようにグチャグチャになっている。人の気配もしないため、死んでしまったと思われる。

 

「まどか達は…⁉︎」

 

大成はこの世界を共にしてきたまどか達を急いで探す。

フリーザとの戦いで負った傷も気にならないほど真剣に、胸に抱く最悪の事体を恐れながら

 

「まどか!!さやか!!マミさん!!杏子ぉ!!ほむらぁ!!」

 

叫んでも反応は返ってこない。それでも大成は声を張って呼びながら探し続ける。

 

 

 

 

 

「大成…君…?」

「大成…!」

 

声がして振り返ればそこには杏子とマミが傷を負ってはいるものの、大成の前に生きている姿を現した

 

「マミさん!杏子!よかった…無事だったんだな!!」

 

立て続けにそこにさやかとほむらも姿を現した。

 

「あ…あたしも生きてるよ…」

「大成…」

「さやか!ほむら!」

 

恐らくワルプルギスの夜を撃退したのであろう。その証に魔法少女が生きている。魔女の気配はしない。

 

「よかった!ワルプルギスの夜は倒したんだな!!4人で力を合わせれば勝てたんだな!」

「いいえ…」

 

ほむらの表情は、何度も勝てなかったワルプルギスの夜を撃退し、嬉しさに満ちた表情ではなかった。

 

「なんで…そんな顔してるんだよ…?なぁ、まどかはどこにいった?」

 

 

「大成…君?」

「まど…か…」

 

大成はまどかの姿をみて仰天する。まどかが魔法少女になっているのだ。

 

「ほむら…何が…」

「私達の力ではワルプルギスの夜が倒せなかった。そこでまどかがキュウベェの言葉に…」

 

どうやらまどかが魔法少女になり、ワルプルギスの夜は一撃で仕留められたらしい。

が、ほむらはまどかを魔法少女にさせないことも目標の一つであったため、浮かない顔をしている。

そこに杏子が話をかける

 

「な…なぁほむら、ワルプルギスは倒せたんだし、ここは喜ぼうぜ?まどかは魔法少女になっちまったけど…これからみんなでグリーフシード集めていきゃ…」

「それじゃ…遅いのよ…」

「え?」

 

ほむらはじっとまどかを見つめたままでいる。

まどかの所にマミが駆け寄り、話をする。

 

「鹿目さん!良かった無事で…!」

 

 

「全然良くない!!!!!」

 

⁉︎

 

急に大声を上げるまどかに全員が驚き彼女を見る。

まどかの目は光り輝いていない。絶望に包まれた目に満ちている。

 

「…みんな…みんな死んじゃった…もう…こんな世界で生きて行く価値ないよ…ママも…パパも…タツヤも…いない世界で……」

「鹿目さん…」

 

 

 

 

「こんな世界、消しちゃえばいいんだ」

「なっ⁉︎」

 

その途端、まどかのソウルジェムが割れ、彼女を包み込む。

辺りは地響きと共に崩壊していく。

 

 

まどかは魔女になってしまったのだ。

 

「ほむら…これが…」

「えぇ…最悪のシナリオよ。まどかが魔法少女になり、そして魔女へと変貌する。ワルプルギスをも一撃で倒せるまどかは、まさに最強の魔女よ。この世界はもうダメね…」

 

ほむらは立ち上がり、自分のつけている盾を起動する。

 

「お…おい!ほむら!どこいくんだよ!」

「転校生⁉︎」

「暁美さん…⁉︎」

 

ほむらは最後に一度、こちらを振り返り、申し訳ない、といった顔をしたまま、その場から消えてしまった。

 

「…過去に戻った…か…」

 

杏子達は察した。ほむらはもう意味のないこの世界は捨てたのだと。そして目の前の魔女に自分達は殺されるのだと。

 

「…これがあたしたちの運命なのかよ…結局は死んじまう…」

 

皆が諦めていた。そう、1人を除いて。

 

「…お前達は死なない。」

「…大成…?」

 

「できるだけ遠くに離れろ、この街よりも遠くに、ここにいては巻き添えをくらってしまう。」

「待て…何をするつもりだよ!」

「…行きましょう、美樹さん、佐倉さん。」

「ちょっとマミさん⁉︎…リボンが…⁉︎」

 

話を一番に理解したマミは杏子とさやかを拘束し、その場を離れようとする。

 

「大成君…まさか…お別れじゃ…ないよね…?」

「…いつかまた会えるんじゃないかな…」

「そう……さようなら…」

 

そのまま大成の名を叫ぶ杏子とさやかを連れたままマミはその場を速いスピードで離れていく。

 

「…この世界のお前らだけでも、これ以上苦しませてやりたくないからな…せめて、俺の手で終止符を打ってやる。」

 

大成が上を見上げれば、目の前には巨大な「何か」がそびえ立つ。

ギリギリシルエットで判別できる、おそらく鹿目まどかであった存在なのであろう。

 

「…あんな優しい子もこんな姿になっちゃうんだな…せめて…安らかに…」

 

大成は悲しい目をしたまま超サイヤ人へと変身し、手に気を集める。

それを思い切り魔女に放ち、直撃した魔女から街を飲み込むほどの爆発が広がる。

 

 

 

 

 

 

 

「…俺もこの世界とはおさらばしないとな…」

 

大成は目の前にできていた時空の入り口へと入っていった…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「お疲れじゃったの。大成よ。」

「神…へっ…バッドエンドだったぜ…」

 

大成に二度目の人生を与えた張本人、神様はへこたれて帰ってきた大成の前へと現れる。

 

「実はの…あの世界はまどマギといったアニメの世界でな…お主の経験した事は原作の前の話なのじゃ。」

「前…だと…?」

 

話はそのまま続く

 

「うむ…お主はあれが自分のせいで失敗したと思っているじゃろうが、それは違う。なにがどうあっても、あの結果にするのが正解なのじゃ。今回はあのまま時空の歪みを放置しておけば、フリーザがまどマギの世界に入り込み、暁美ほむらも殺されてしまうところだった…」

「なるほど…それを俺が防いだってことか…」

「うむ…あのフリーザはお主と戦ったフリーザとはまた違う時間軸のフリーザじゃ。どうやら最近世界の歪みがどんどんおかしくなっているようでの…」

 

大成は少し安心した顔をする。自分のせいで、フリーザと戦っていたせいであの世界が救えなかったと思っていたため、安心するのは当たり前である。

 

「それでも…あのままほっておけば杏子達は死んでた…それを救えただけでも満足さ…」

「うむ。いつかまた原作側の時間軸も経験することじゃろう。その時は歪みが発生しないように頼んだぞ。大成。」

「あぁ…少し休ませてくれ。体力が回復したらドラゴンボールの世界に戻らせてもらう。」

「うむ…」

 

大成はそのまま神の元を離れる。

神はまだ険しい顔をしたまま、全ての世界を見おろしている。

 

「…しかし…アニメの世界同士が絡み合って異変が起こるケースなど今までは無かったはずじゃが…嫌な予感がするのぅ…まさか、歴史をめちゃめちゃにしようとしている奴がおるのかもしれぬ…」

 

大成の知らないところでまた、何者かが動いているのであった…

 

 

 




まどマギ編はこれでひとまず終わりです。
最後は原作ではなく、ほむらの歩んできた時間軸の中の一つ、といった区切りにさせていただきます。
いずれまた本編もやると思います。

では、次はセル編です。

コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!

  • 進撃の巨人
  • 灼眼のシャナ
  • ギルティクラウン
  • ドラゴンボール超
  • 魔法少女まどか☆マギカ(原作編

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