「貴様はその前菜だ!!覚悟しろ!!」
「くっ…」
フリーザが大成に突進してパンチを繰り出す。咄嗟のことに出遅れたため重い一撃を浴びてしまう。
「がっ…!」
「フッフッフッ…所詮はただの猿、その程度では僕には指一本触れることはできないよ?」
フリーザは両足を合わせ、両手を広げて構えをとる。
「この星の中枢は俺が破壊した…お前も気がついているとは思うが、あと5分もしないうちにこの星はチリと化す…そしてお前は僕には勝てない…」
「へっ!まだ根をあげた訳じゃないんだから、もう勝ちました気取りはやめてほしいな。それって負ける奴のセリフだぜ?」
「調子に乗るなよ!猿野郎!!」
フリーザが片手で大きな気を放つ。大成は瞬時にそれを避け、フリーザの後ろに回り、後頭部に回し蹴りを命中させる。
「グッ⁉︎」
「ほら?指一本どころか片足が当たっちゃったぜ?」
「…生意気だよ。お前。」
フリーザは先ほどから見せていた余裕の目ではなく、本気で殺しにくる目になっている。
「…簡単にはいかなさそうだからね。お前にも見せてやるぞ。このフリーザ様の100%のフルパワーを!」
「(くるか…)」
フリーザが気を溜め始める。辺りから感じる強大な気が大成を心の芯から震えさせてくるのがわかる。
「ハァァァァァァァァ!!フンッ!!!!」
フリーザ100%フルパワー。その名に比例するかのようにフリーザの筋肉は倍近くに膨れ上がり、辺りを震撼させる。
「待たせたな…こいつがフルパワーだ…一瞬で楽にさせてやるぞ!!」
「…」バッ
無言で構えを取り大成は気を落ち着かせる。
「ハッ!」
「…!消えた!」「後ろだぁ!!」
フリーザが高速で大成の後ろに回り、先ほどの腹いせか回し蹴りならぬ回転しながら拳を大成の顔に命中させる。
「がはっ…」
「ハッハッハッ…所詮は猿だ!俺のフルパワーには手も足も出ないか!」
「なめんなぁぁあ!!」
大成は形成を立て直し、素早くフリーザの懐に入り込み、パンチの連撃を腹部に叩き込む。
「きかんな!」
ピクリともせず腹部を殴り続ける大成の腰を両手で掴み、そのまま下に投げとばす。
「口ほどにもない…もう死んだか。さっさと惑星フリーザに戻らねば。」
がらっ…
「むっ?」
フリーザが投げ飛ばした岩場の瓦礫から大成が出てくる。
「まだ生きていたか。いいぞ!そうでなくては面白くない。」
「…本気でいかないとやばいな…本来ならこのままでも倒せるんだがな…やはりあちらの時間軸では力が完全に戻ってない…」
ドゥ!!
「な…なんだと…⁉︎」
フリーザは驚いている。目の前のサイヤ人が、フリーザを苦しめた孫悟空と一緒の金色の戦士へと変化したからである。
「すまないな。俺はスロースターターでな…これからが本番だ。」
「超サイヤ人……フッフッフ…ついているぞ。俺は!伝説と呼ばれた戦士を2人もこの手で殺せるのだからな!!」
「ごちゃごちゃ言ってんじゃねえ!!今度はこっちから行かせてもらうぞ!!」
大成が目にも捉えられない速さでフリーザの目の前に接近、先ほどと同じく腹部めがけて連撃する。
「グァァァア⁉︎」
今度は違う。フリーザが痛みに耐えれず苦痛の声を漏らす。
「そらぁぁぁあ!!」
更に一撃、少し距離を置き、勢いをつけた蹴りをフリーザにお見舞いする。
「お…おのれぇえぇ!!」
「かかってこいやぁぁあ!!!」
大成が殴り、フリーザが殴り、大成が避けて、フリーザも避ける。
大成が蹴りをお見舞いすれば、フリーザもまた蹴りをお見舞いする。
まさにデッドゾーンの戦い。気づけばどちらも血まみれ、勝負はまさに真骨頂へと進んでいた。
「ハァ…ハァ…」
「ハァ…ゼェ…ゼェ…」
「サ…サイヤ人め…」
「ふぅ…この勝負俺の勝ちだ。」
「なっ⁉︎」
大成は急に勝利を確信したのか話す。
「お前は100%の力に体が耐えきれていない。もうピークが来ている。お前の体は悲鳴をあげている。」
「グ…」
大成の言う通り、フリーザの体はガタガタと震え始めている。それに体力も減り、息が荒い。
「どうだ?このまま続ければお前は負ける。提案しよう。このままお前が逃げ帰れば見逃してやる。」
フリーザは今の言葉に顔に血管が浮き出るほど怒り狂った顔をみせる。
「この俺に逃げろだと…?猿ごときに俺が…宇宙の帝王と呼ばれたこのフリーザ様がぁ!!!」
フリーザは拳を構えてこちらに飛びかかろうとしてくる。
「チッ…そう上手くはいかないか……」
!!!
「⁉︎今…!」
大成は今の一瞬に違和感を感じる。
「(今…確かに悟空の気を感じた!!まだ生きているんだ!)」
大成の感じた違和感は孫悟空の気であった。おそらく死んでいなかったのであろう。気絶か何かしていて気が感じられなかっただけ。
「…なら、やっぱここは正規の主人公に片付けて貰わないとな…」
「何をゴタゴタ言ってやがる!!」
フリーザは待ってはくれない。高速で大成に近づき、頭突きをくらわせる。不意を突かれて避けきれない大成は頭突きをくらってしまうが、宙で回転して体勢を立て直す。
「俺が…負けるかぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」
フリーザは完全に頭に血が上っている。なりふり構わず大成に向かって気弾を放つ
「チッ…こういう何考えてるかわからん奴の攻撃こそ避けにくいものはないぜ…!」
気弾は弾き、接近してきたフリーザの打撃は上手くかわす。が、大成も疲労を隠せない。火事場のくそ力を見せてきたフリーザの攻撃全ては防ぎきれず、ダメージを蓄積してしまう。
「くそ…まだか…!!」
「これで真っ二つにしてやろう!!」ブンッ
フリーザは両手にクリリンの放つ気円斬と同じ形状の気を作る。これをモロにくらってしまえば間違いなく体は裂けてしまうだろう。
「くそ…俺の苦手な分野じゃねぇか…!」
「しねぇぇぇええええ!!」
二つのデスソーサーが大成めがけて飛んでくる。大成はスピードをつけ離れるが、もちろんのこと追尾をしてくる。
「…」
「こっちにきてギリギリでかわして俺に当てようって考えだろう?残念だが俺にはそれは通用せんぞ!!」
ギリギリでかわしてもフリーザは意図的に操れるため、巧みに自分に当たらぬよう操作する。
どうしようもないため、大成には逃げるかフリーザに当てるしかない。
「クソッ!キリがねぇ…!!これだと俺もばててしまう!」
その途端大成の体力が限界に近づいたのか、速度が落ちてくる。次第に縮まる大成とデスソーサーの差。
「もうダメだ…!!」
その時
「なっ⁉︎」
大成は来るはずの死を覚悟していたが、驚くフリーザの声と轟く爆発音に後ろを振り向く。
「…!!!…やっとかよ…」
そこにはドラゴンボールの正規の主人公。初代金色の戦士、孫悟空が立っていた。
「タイセイ…⁉︎おめぇはドラゴンボールで地球に行ったんじゃ…⁉︎」
「訳ありでな…お前の知るタイセイであって、タイセイじゃないんだよ。」
「な…そ…孫悟空⁉︎生きていやがったというのか⁉︎」
フリーザは目の前の光景に絶望する。自分の怖れている超サイヤ人が2人。1人でさえ倒せるか分からないというのにそれがもう1人も増えてしまった。
先ほどまで怒り狂っていたが、さすがに今度は再び恐怖に体が震えてくる。
「…後は任せてくれ。おめぇは地球に帰るんだ。」
「…そうさせてもらう。お前がカタをつけるんだ。俺はもう疲れた。…どうやら、帰りの道もできてるみたいだからな。」
大成が後ろを振り向けば、最初に彼がやってきた空間が出てきている。おそらく、歴史改変は阻止できたため、本来の場所に戻れるようになったのであろう。
大成が戦ったこと時間軸は恐らく彼が経験したドラゴンボールの世界とはまた違う時間軸なのであろう。
本来なら彼は地球でメカフリーザとコルドを倒しているはずである。
「キ…キサマ!!逃げるのか…⁉︎」
「逃げる?違うな。お前はもうすでに俺に負けている。その怯えきったままの貴様はもう宇宙の帝王ではない。ただの自分が最強だと思い込んでいる宇宙人だ。俺はもう用は済んだ。後は悟空に譲ってやるって話だよ。じゃあな、自称宇宙の帝王さんよ。生きていたら会おうぜ。生きていたらな?」
「ふ…ふざけやがって…死にやがれぇえええ!!」
空間へと足を進める大成にフリーザは気弾を放つ…が。
孫悟空にそれを阻まれてしまう。
「貴様の相手はこの俺だぁ!!フリーザぁぁぁあ!!!!」
大成は空間へと入り、閉じていく最後の時まで悟空の背を見続ける。
「…サンキュー。タイセイ。」
小さな声でそう言った悟空の声を最後に、空間は完全に閉じられた。
次でまどマギ編は終わります。
次の章はセル編です。
その次はシャナの予定です
コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!
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進撃の巨人
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灼眼のシャナ
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ギルティクラウン
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ドラゴンボール超
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魔法少女まどか☆マギカ(原作編