「た…大成…君…」
マミの目の前には自分を友と呼んでくれた、帰っていてくれるのを待っていてくれる大切な存在が立っていた。
「話は後です。」
大成はお菓子の魔女を振り投げ、その間にマミの元へと駆け寄ってくる。
「動けますか?…っても腰抜かしちゃってますね…ちょいと失礼。」
「キャッ!」
大成はすくんで動けないマミを軽々と担いでまどかとさやかの元へと運ぶ。お菓子の魔女は投げられた状態から復帰したがかなりの距離を投げられたためにこちらに来るには多少の時間がある。
「まどか、さやか、マミさんをお願い。後は俺に任せて。」
「大成君…」
心配した眼差しでこちらを見つめる三人を背に軽く微笑みを向けた大成はお菓子の魔女の元へと飛んでいく。
「!!」
「驚いているな…俺の秘めたる力が分かるのか…?」
お菓子の魔女はマミの時とは違い少し警戒した様子でこちらの出方を伺っている。どうやら本能で大成の力を察しているようだ。
「じゃ、こちらからいかせてもらうぞ!」
大成は素早く飛び寄り、お菓子の魔女の顔面に打撃を加える。
お菓子の魔女は素早く抵抗し大きくその身を振り距離を取る。
「ふん。じゃあこれならどうだ!」
大成は手に気を集めて放出する。
見事に直撃して辺りは大きな爆風と共に煙に包まれていく。
だがしかしお菓子の魔女はこれといってダメージを受けた様子はないようだ。
大きくて長い体を大成の周りを取り囲むようにし高速で回り始める。
「む⁉︎何をする気だ…!」
素早い高速移動にどこから攻撃が来るかわからない。大成は冷静を保ちながら攻撃を待つ。
「ここだ!」
振り返り際に気弾を放ち命中と思いきや、それはフェイクで他方向から巨大な体をモロにぶつけられてしまう。
「グッ⁉︎やっぱまだこの程度なのか俺は…」
フリーザやコルドと戦った時の戦闘力には戻っているはずもなく、勝てると踏んで余裕をかましてはいた、先ほどは不意を突いて突き放すことはできたが、いざお互いに真正面から戦うと、思っていた以上に苦戦を強いられる。
「うらぁぁぁぁぁあ!!」
魔女に多数の打撃と気弾を交互に使い分けて打ち続ける大成。確実に打撃は命中し、気弾も直撃してるはずなのだが、なぜか魔女はピンピンした様子ですぐに起き上がってしまう。
「不死身か…何かカラクリでもあるというのか…?」
辺りを見渡す大成は一つ気になったものを見つける。
「さっきのこのデカイのが出てくる前にいたぬいぐるみみたいなやつ…」
それは最初魔女とご対面した際の可愛らしい魔女の着ぐるみである。
それがマミにやられた時とは違う場所に落ちている。
それも魔女の近くに。
「アレはなにかありそうだな…」
大成は魔女と戦いつつもその人形の方へ少しずつ、少しずつ近づいていく。
「はぁぁあ!」
大成は魔女の口の中に気弾を放り込んでやる。魔女の口の中で爆発が起きる。
「やった!」
「大成君!」
まどかとさやかは勝利を確信し喜びの声を上げる…が。
「いや、まだだ」
魔女の口の中からまた新しい魔女が姿を表す、その光景はまるで蛇の脱皮の様に何回も何回も大成が気弾を撃ち込んでも新しい魔女が顔を出す。
「そんな…不死身じゃんか…」
「違うわ美樹さん。どんな敵にも必ず弱点はあるものなのよ。大成君はおそらくそれを探して戦っているに違いないわ」
その通りである。大成は先ほどから目を睨ませている人形の抜け殻を狙おうとしている。
がしかし行く手をすぐ阻まれてしまう。魔女も危険を感じているのか中々隙を見せようとはしない。
「チッ…使いたくなかったんだがな…」
大成は距離をとり、力を溜め始める。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!…だぁぁぁぁぁあああ!!!」
「嘘…!あれ…大成だよね…?髪が…」
「さやかちゃん…私も同じこと思ってた…」
「私と同じ髪色に…」
「さぁ…第2ラウンド始めようぜ…」
大成は超サイヤ人へと姿を変貌させた。周りはたちまち凄まじい風圧に耐え切れず結界内のお菓子や使い魔は飛ばされてしまう。
その様子を見つめる白い猫ことキュウべぇ…
「(なんてエネルギー量なんだ…魔法少女でもないのに…逢坂大成…君はいったい何者なんだ…?)」
「こないならこっちから行くぞ!」
「ギ!」
警戒していた魔女だが気づいたら自分が宙に飛んでいた事に驚く。
目にも留まらぬ速さで蹴り飛ばされたのだ。
「まだまだぁ!!」
蹴り、殴り、掴んで投げ飛ばし、気弾を連打して追い打ちを仕掛ける。
まどか達三人は驚きの光景にただ呆気にとられて眺めていることしかできない。
「お前が何度も再生するなら、二度と再生できない様に消しとばしてやるまでだ…」
ヨロヨロと姿を表す魔女は頭に血が上ったのか口を大きく開けてこちらに突撃してくる。
大成はいつのまにか持っていた人形を魔女に向けて投げ、そのまま必殺技のモーションに入る
「ロッソ…」
魔女は口に変身前の人形が含まれて慌てて気を取り戻すが、もう遅い。目の前の敵を見ると死を直感したのか戦意喪失したようにボーッとその場に固まる
「ブラスター!!!」
大成から放たれたエネルギー波は魔女を覆い、そのまま消しとばしてしまった。
「…ふぅ…なんとか超化はできるみたいだな…初めからやっときゃ良かったぜ…」
結界は解かれて周りは病院へと戻る。それは結界主の魔女の消滅を意味し、大成の勝利をも意味した。
「「「大成(君)!」」」
声をかけられ振り返ると大成を輝きの目で見つめる三人の少女と、少し離れた所で安息を吐いた黒髪の女の子も立っていた。
「間に合って良かった…マミさん、もう少しで死ぬところだったんだぞ?」
「ご…ごめんなさい…私も油断していたわ…でも!大成君のあの言葉が無かったら完全に私は魔女に殺されていたわ…」
巴マミの死。これはこの魔女の戦いで避けられる出来事。
それを回避できたのはこの世界に干渉してきた1人の人間のもたらした事。
今回の出来事により暁美ほむらの大成に対する信頼は確実なものへと変わった。
「大成。」
「おぉほむら、すまんな、お前を助けてやってからでも良かったんだが…」
「いえ、それでは巴マミを助けることはできなかったわ。貴方は最善を尽くした。感謝するわ。」
そのままほむらはマミの元へ歩み寄り
「今回の事で分かったでしょう。貴女は1人で突っ込みすぎよ。私が倒すと言った時は素直に受け入れなさい。」
「…あなたが来て何か変わったと言えるのかしら?」
「私ならあの魔女を傷一つつくことなく倒せるわ。これ以上話しても時間の無駄よ。私はもういくから。」
そういってまどかを一目見てから大成の元へ寄り
「近いうちに次の話をするわ」
と言ってその場を去ってしまった。」
「全く…あの子はなんなのよ!私の事ちょっと嫌いすぎじゃないのかしら!」
その後マミの家で紅茶をもらって4人で話をしていた。
「まあまあ、ほむらは人と喋り慣れてないからさ…本当は優しくて良い子だから、許してあげてください。」
「大成君がそんなに言うなら…って私は別に怒っていません!」
プンプンと怒るマミの姿は可愛らしい。どこか大人っぽい姿には見えるもののまだ中学生だ。心理的な所は至ってわかりやすい。
「ところで大成君はさっき髪の色が変わったけど、どうやってやっているの?魔法少女とかでもないのに。」
「あ!私もそれ聞こうと思ってた!そろそろ洗いざらい吐いてもらおうかの〜」
まどかのさやかは大成が戦いで窮地を救ってくれたからなのか、昨日の気まずい雰囲気を忘れてしまったかのように語りかけてくる。
ここでまた秘密にしてしまって気まずくなるのも嫌だと思い、大成はある程度支障の無いように話をした。
「…まさか大成が地球人じゃないなんて!これもミステリー⁉︎さやかちゃん興味が止まらないよ!!」
「大成君は宇宙人で、この世界の破滅を防ぐために戦ってくれてる…ごめん、私も頭が追いつかないや。」
「まぁ。無理は無いさ、そもそも普通の中学生が魔法少女に変身して魔女と戦ってる時点で凄い話だろ?俺みたいなやつがいたっておかしくはないさ。」
大成はチラッとキュウベェを見て話をする。
「(あいつはほむらから聞いたが恐ろしい奴だからな…俺の事を興味深々で見ているはず…あまり細かい所まで話すのはやめておいて正解だろ。)」
「じゃあ、俺は帰るな。みんなも遅くならないように帰るんだぞ。」
「うん!じゃあね、大成君!」
マミの家を出て大成は杏子の待つ教会へと足を進める。
「あぁ…杏子もカンカンだろうな…もう8時だしよ…」
「大成君!」
声をかけられ振り返るとマミが立っていた。
「あれ?どうしたんですか?」
マミはモジモジしながらこちらを見つめて話す。
「私…本気だから!」ダッ
それだけ話してその場を去ってしまった。
「…何が?」
鈍感な大成にはその言葉を理解するのはいつになるのか分からないのであった。
なんとか早めに更新できました!
まどマギ編はそろそろ一旦区切りをつけて終わらせます!
次は一回セル編にもっていくか、緋弾のアリアを、挟もうかなと思ってます!
コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!
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進撃の巨人
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灼眼のシャナ
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ギルティクラウン
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ドラゴンボール超
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魔法少女まどか☆マギカ(原作編