「あ、大成く〜ん!!」
学校へと向かう大成を呼び止めるのは昨日魔女退治の際に偶然会ってしまった魔法少女の1人、巴マミ。
大成は彼女からすごいと言っても良いほど猛烈に迫られている。
「あ…あの、マミさん…ちょっと近すぎませんか…」
「?そうかしら?友達ってこういうものじゃないの?」
いや、一応男と女だよ⁉︎と突っ込みたかった大成だがそれを抑え、彼の腕に当たる柔らかい感触に耐えながらも必死に次の言葉を探す。
「マ…マミさんは3年生ですよね⁉︎えと、僕2年生なのでここで別れます!また、あとで!!」
「あ、ちょっと!」
下手くそながらもマミを振りほどきそそくさに大成は2年生のクラスへと姿を消していった。
「フフ…友達って楽しいわね」
「あ…危ない危ない…あの人は友達がいないのか…そもそも友達のレベルじゃないスキンシップだろ…普通の男なら死んでるぞ…」
ブツブツ独り言を喋りながらクラスへと入る大成。どうやら寝不足も重なり顔色が少し良くないみたいだ。
「あ!大成君!おはよ〜」
「お!おはよ〜さん。大成!」
昨日知り合ったばかりのクラスメイトの女子2人、鹿目まどかと美樹さやかに挨拶をされ、大成は少し驚きながらも挨拶を返す。
「あ、おはよう2人とも。」
「顔色が悪いよ?大丈夫?良かったら保健室に連れて行くよ…?」
真っ先に体調を心配してくれるまどか。とても人思いの優しい子の様だ。将来はとても良い子に育つだろう。
それにくらべて…
「まどか〜大成は男だからこれぐらいで根をあげてちゃあダメなんだよ〜?それよりも私の心配をしてくれよぉ〜ほら!みて!頰っぺたにニキビが一個できちゃったんだよー!」
美樹さやかは全く人を心配しようとしないのか、男をなんだと思っているのか。特に俺はすぐ体を壊す貧弱な奴なんだよ。と心で大成は呟いて、表向きには笑い流す。
「ありがとう鹿目さん。でも、美樹さんの言う通り。俺は男だからこれぐらいじゃグダグダ言わねえよ。」
「さすが!見直したぞ!」
会うのは今日で二日目であって見直すとは何をだと疑問に思ったがこれがさやかなりの場の和ませ方なのだろう。嫌いではない。
「そっか…あ!大成君って多分授業は途中からだと思うんだけど、良かったら私のノート貸してあげるよ!写しちゃって!」
「お、助かるよ。サンキューね、鹿目さん」
ポンっと頭に手を置いてまどかに笑みを浮かべる大成。無意識のうちに手を頭においてしまうのは彼の癖の様だが、さすがに見境い無しにやってしまうのはいつか逆手にとられるかもしれない。
だがまどかは少し頬を赤らめている様で転校初発からたらしに思われることは避けれた様だ。
「ちょっとうちのまどかに何するのよ!大成!成敗してやるんだから!!」
「ちょ!俺なんもしてないじゃな…グハッ⁉︎」
「ティヒヒ…2人とも危ないよ〜」
そんなこんなで大成は愉快な仲間が増え学校生活はなんなく進んでいくのであった。
「でね、昨日私、すっごいおいしいケーキ屋さんを見つけてね…」
「は…はぁ…」
放課後、また大成はマミに捕まり話を淡々ときかされていた。帰り道がほぼ一緒なため、彼がマミに捕まるのはほぼ確実なのである。
「(できれば早く帰りたいんだがな…)」
「聞いてる?大成くん」
「あ、はい!今度俺も連れてってください」
彼女の話を聞き逃すとふてくされてしまうためしっかり聞きながら大成は今後の行動について考えていた。
大成なりに考えた結果は、まずこの世界の改変の原因を探すこと。それまでは杏子と一緒もしくは単独で魔女を始末していく。それが今大成にできる行動であった。
「(!この気配は…)」
「ごめん大成君。先に帰ってて、用事を思い出したから私戻るわね。絶対にきちゃだめよ?」
マミはそう言ってきた道を引き返して行ってしまった。当然ながら大成はすべてを見通している。
「魔女退治だな…どれ、彼女の力を拝見するとしようか…」
念のため気を消して大成はマミを尾行し始めた。
数分後には結界へと辿り着き、なんとか圏内にいた大成はマミと一緒に結界へと入り込んだ。
「よし…マミさんは…おぉ、動きがキレッキレだ。銃を作り出せるのか、一発一発に強力な力が感じられる…力なら杏子より上だな」
分析しながら大成はマミにバレないよう追いかける。
あっという間に魔女の元へと辿り着いたマミは最大級の技で魔女を倒そうとする。
「!!すごい力だ…!パワーだけなら今の俺でもダメージは免れんぞ…」
「ティロ・フィナーレ!」
技名を叫びながら彼女から作り出された砲台から強烈な魔力が放たれる。
しかし魔女はそれをすり抜けて反動で動けないマミへと一直線に突っ込んでくる。
「避けられ…」
攻撃を食らう!と察し目を瞑るマミだが訪れるはずの痛みは訪れない。恐る恐る目を開くと目の前にいた魔女が遠くに吹き飛ばされている。
「な…何が起きたの…」
周りを見渡しても誰もいない。その背後からさらに追い討ちで光の光線がやってきて魔女を巻き込み大きな爆風を呼ぶ。
たちまち魔女結界は消えてしまいマミは唖然としながらその場に立ち尽くしてしまった。
「俺もサイヤ人をやってた身とはいえ…甘いもんだ…」
本来の歴史を変えているのが彼自身になっているとは分かってはいるものの知り合いが目の前で傷つくのは見ていられない。
ましてやこの世界の改変された出来事が分からないために一応目の前で起きる出来事は可能な限りなんとかしたい。
「ーーそれが改変するべき出来事だったら手遅れだからな…」
「貴方、さっき魔女の結界にいなかったかしら?」
「!」
急に声をかけられて振り返るとそこにはクラスにいた黒いロングヘアーの女の子が立っていた。
全く気配に気がつかなかったために少し警戒する大成
「…何のことだ?俺はなにもしていないし、そもそも魔女の結界ってなんだよ?お前アニメの見過ぎじゃないのか?」
「…」
なんとかこの場はやりすごしたい。
はい、俺は魔女をバンバン葬ってますなんて口にしてしまえばこの女に消されるかもしれない。余計なことは口走らないと決めた大成は自分は被害者だという話に持って行こうとする。
「…貴方は魔女の口づけでたまたま結界に引き込まれた。それを巴マミが救出した。と考えればいいのかしら」
「だからなんだよその魔女とか口づけとか!さてはお前、魔法少女もののアニメが好きなんだろ⁉︎そうなんだな!」
一部始終しか見ていなかったのは失敗かしら…と呟きそのまま黒髪の女はその場から「消えた」言葉の通り。
「…今何しやがった…俺でも見えなかったぞ…ともかくあいつは警戒しておかないとな…この世界の鍵になりそうな奴だ。」
大成はその後この世界の事、先程出会ったクラスメイトの事を考えながら帰った。
翌日
「さてと…今日も終わった事だし…杏子は今日は帰ってこないって言うし…単独で魔女でも解体するとしようかな…」
本日は佐倉杏子という縛りもなく大成は1日フリーである。昨日のクラスメイトーー暁美ほむらを尾行するのも手ではあったがまだ未知数なためその考えは捨てた。
「あ、大成君!」
「マミさん。…しまったこの人もいたか…」
校門でばったり会ってしまい嫌な予感がしていた。なんとそこにはまどかとさやかまでいる。
「鹿目さんとさやかまで…マミさんのはどういった繋がりなんだ?」
「えへへ…そりゃぁまあ色々とあるわけで…」
まぁ、この世界は魔法少女がありふれているんだ。この2人も魔法少女なのかもしれない。と考えに置いた大成はとりあえず何も知らないフリをする。
「今からCDショップに行くんだけど、大成君も来ない?オススメの曲とか教えて欲しいの!」
「まどかは演歌が好きだからなぁ〜年頃の男の子、大好きな彼の歌を知りたい気持ち…あっしにも分からなくはないがの〜」
「ちょっとさやかちゃん!大好きな彼って!そ…そんなんじゃ…!//」
「もう、2人とも戯れないの。ごめんね?大成君。私達ちょっと前から知り合いになってたの。大成君も来ない?」
一応まだ夕方だ。大成は夜に行動しようとしていたため暇といえば嘘になる。特に巴マミは魔法少女であるからこそ接触はしておいたほうがいいと踏んだ大成は一緒に行く事を承諾した。
「…曲は俺の世界とほぼ変わらないんだな…」
驚く事に大成の世界と文化は変わらないようだ。杏子の所にはテレビは愚かロクな家具もないため、文化には触れていなかったが、もしかしたらリアルにこういう面は被っているのかもしれない。
「ねぇ!大成君のオススメ教えてよ!」
「あぁ…俺はこういう歌が好きかな」
「お!私と一緒じゃん!気があうねぇ〜!」
そんなこんなでその場をやりすごし時間は午後7時。4人は帰り道を歩いていた。
「結構遅くなっちゃったわね…私は用事があるからここで別れるわね。また明日。」
「「マミさんさよなら〜!」」
「じゃあ、あたしたちも行こっか。大成も気をつけてかえるんだぞ〜」
「じゃあね、大成君。」
3人と別れ俺は皆が見えなくなるまでその場に立っていた。
「出てこいよ。いるんだろ?」
「よく分かったわね。」
暁美ほむら。どうやら身を隠して大成達を見ていたようだ。
「暁美さん。趣味が悪いな〜ストーカーなんてして」
「人聞きが悪いわね。私はあなたを監視していたのよ。」
どうも大成の事を敵視しているようだ。
「…でも今は貴方よりまどか達を追わせてもらうわ。魔女がまどかを襲う。」
「魔女…前言ってたやつか。そんな事が分かるんだね。」
「貴方には関係ない話よ。さよなら」
また暁美ほむらは目の前から「消えた」
大成は二回目にして彼女の力を見抜き始めていた。
「まぁ…これは時間を止めてるかなんかしてるんだろうな。気になるし追ってみるか。気でわかるから場所は分かるが魔女の結界に取り込まれるには近くにいないといけないしな。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「さ…さやかちゃん…どうしよ…」
「マミさんは帰っちゃったし…私達じゃ何もできないよ…」
現在少し時は進み、まどかとさやかは魔女結界に取り込まれている。
まさに今彼女達は使い魔に襲われそうな所である。
「さぁ、まどか、さやか、今こそ魔法少女になって戦うんだ。」
「きゅ…キュウべぇ…」
「その必要は無いわ。」
大成は影から見守り2人を助けようとしたが、そこに暁美ほむらが現れ2人を救出。そのまま使い魔を屠り、魔女を彼女の身につけている「盾」から取り出したロケットランチャーで始末してしまう。
「まどか、取り入ろうとするものが現れても。決して口を聞いてはダメ。キュウべぇと逢坂大成は危険よ」
「キュウべぇと大成君が…危険…?」
何とほむらはまどか達に余計な話を吹き込もうとしているようだ。
「それは聞き捨てならんぞ。少なくともそこの白猫と俺は関係していない」
「大成君!」
「現れたわね」
ファサッと長い髪の毛をなびかせながら暁美ほむらは話を進める。
「貴方はさっき私が時間稼ぎしてこの魔女結界に取り込まれない範囲にいたはずよ。なのになぜここにいるの?そして使い魔に襲われずに1人でここまで来れたのはなぜ?キュウべぇも見えているみたいね、怪しいにもほどがあるわ」
確かにまどか達から見たら俺は不思議な存在である。そこまで言われてしまうと俺が悪い人間に見られてもおかしくはない。
「た…大成君…」
まどかの顔は使い魔に襲われた恐怖と暁美ほむらに言われた言葉により俺にもその恐怖の眼差しを向けられてしまう。
「とにかく、まどかはもうキュウべぇと逢坂大成には近づかないこと。危険すぎるわ」
と捨て台詞を吐いて暁美ほむらはその場を去ってしまった。
「ごめんね…大成君のこと疑いたく無いんだけど…ほむらちゃんに言われたことが確かに…うなずけちゃうの…」
「…」
「答えられないんだよね…?大成君はどんな人なのか…言えない何かがあるんだよね…?」
「…」
答えられない。それは歴史に大きく影響してしまう上に俺自身がただではすまないかもしれない
「…ごめんね」
「…あたしも大成が何者か分からない。悪いけどまどかに何かしないで」
そのまま2人も去ってしまった。
「…明日から学校気まずいな…」
ただ大成はその場に立ち尽くしていたのだった。
長くなってしまいましたがこれで今回は区切らせてもらいます。
書いていると話しがどんどんおかしくなっちゃってる気がしますが、せめて流す程度には読んでいただけると嬉しいです!
コメントくれた方ありがとうございます!その一言が自分の小説を書く力になります!!
コラボして欲しいアニメがありましたら知ってる内容しかできませんが、お願いします!
-
進撃の巨人
-
灼眼のシャナ
-
ギルティクラウン
-
ドラゴンボール超
-
魔法少女まどか☆マギカ(原作編