東方喰種録   作:しーや(厨二全開)

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台風も去り今は平和な日々を過ごしております

沢山の感想ありがとです!
これからもなにとぞよろしくお願いします




 

ーー白玉楼ーー

 

妖夢「はぁ!!」

 

上段からの攻撃

 

金木「くっ!」

 

それを咄嗟に防ごうとするがそれはフェイントで下段からの突きが本命だった

 

妖夢「せい!」

 

喉元を狙った突きでそれを体を捻って避ける。

 

金木「これで、どうだ!!」

 

捻った勢いを使って下段から斬りあげを行うがもう一方の刀で、防がれてしまう。

 

妖夢「甘いですよ..」

 

そのまま防がれてしまった刀を思いっきり踏まれ地面に刺さってしまった。

 

金木「なっ!?」

 

すかさず右手を離して距離を取ろうとするが刺さった刀を踏み台にした膝蹴りがモロに当たってしまった。

 

金木「がっ!!」

 

倒れ込んだ金木の胸元には妖夢の楼観剣が向けられていた

 

妖夢「筋は確かにいいです。目もいいですし、カンも鋭い。ですが動きが硬すぎですよ。心が真っ直ぐ過ぎてフェイントがフェイントになってません。」

 

金木「なるほど..。どう直せばいいんですか?」

 

妖夢「うーむ..。私的にはもっと生き甲斐を探したほうがいいんじゃないかと思いますよ。金木さんは生き甲斐というよりこれをやらなくちゃいけない、っていう意思しか無い気がします」

 

金木「確かに僕は強くなる事しか望んでない」

 

妖夢「ほうほう。結構なことです。でもそれだけじゃ足りません。もし私と金木さんで殺しあったら十中八九私が殺されるでしょう。剣術以外にもあなたは沢山の武器を持ってますからね」

 

金木「でも付け焼き刃な剣術で戦いたくない」

 

妖夢「強くなるなら一旦強くなることをやめましょう」

 

金木「は?」

 

妖夢「生き甲斐を見つけましょ?」

 

金木「そんなことしてる時間は..!」

 

妖夢「なら尚更見つけるべきです。」

 

金木「僕は!!強くなれれば..それでいいんです」

 

妖夢「あなたはなぜ強くないたいんです?」

 

金木「守りたい人達がいるから..」

 

妖夢「ご立派ですね。でも守れれば金木さん死んでもいいとか考えてますよね?」

 

金木「....」

 

金木は黙ってしまう。まさにその通りだから

 

妖夢「そんな人間に私は剣術を教える気はありません。生きる事を諦めてる人に教えたって何も生み出さない、つまり価値がないです。」

 

金木「そうですか..。」

 

妖夢「たとえ幽々子様のご命令でも嫌ですね。」

 

金木「....お世話になりました」

 

妖夢「まぁ、考え方が変わったら来てください。」

 

金木「僕の事を何も知らないくせに、あまり飄々と語らないでくれませんか?不愉快です」

 

妖夢「不愉快なのは事実だからですよ。とりあえず私もあなたの不幸面みてると不愉快なので立ち去ってください。」

 

そう言われ黙ってその場を立ち去る金木

 

幽々子「珍しく厳しいわね〜」

 

妖夢「当然ですよ!剣を交えれば考えている事もその人の事も大体は分かりますから..。」

 

幽々子「..ま、あなたに任せるわ」

 

 

ーー森ーー

 

金木「はぁ..。生き甲斐、生きる事を諦めてるかぁ..」

 

ふと池が見えて水面に自分の顔が写った

 

金木「はは、酷い顔だ..。あんな小さな子に言い負かさられるなんて..。あの子の言う通りだ、皆を守れれば僕は死んでもいい。それがいい事だなんて思ってないし、そうならないように強くなりたい。でもやっぱり死んでもいいっていう考え方はそう簡単に変えられないらしい。」

 

そして水面に写った顔を見ていると

 

リゼ「久しぶりね..金木くん」

 

金木「また、あなたですか。」

 

リゼ「強くなりたくて選ぶ強さを手に入れたのに何を今更迷ってるのかしら?」

 

金木「そうですね..。何を迷ってるんだろう。それすらも分からないんだ」

 

リゼ「一ついい事を教えてあげるわ。自己犠牲って分かるかしら?」

 

金木「え、そりゃ..」

 

リゼ「それはあなたの事を指す言葉よ」

 

金木「それってどういう..」

 

気づけば周りには誰もいないしリゼさんの姿も無くなっていた

 

金木「僕が自己犠牲..。なるほどね。他人の事も考えろってことか..。今は自分でいっぱいいっぱいだから、そっか心のよりどころを探せって事か..」

 

ふとなにかに気がついたのか少し微笑む

 

金木「流石師匠だな..。そんな事まで分かっちゃうなんて。生き甲斐かぁ..」

 

そう言って立ち上がり紅魔館に向かうのであった

 

ーー紅魔館ーー

 

金木「ただいま」

 

霊夢「あら?研じゃない」

 

レミリア「おかえりなさい」

 

フラン「おかえりなさーい!!」

 

フランが突進してきた

 

金木「おっと..。危ないよ」

 

フラン「だって最近研お兄ちゃんいないんだもーん」

 

咲夜「それと仕事もたまってるわよ」

 

金木「え、美鈴さんは?」

 

咲夜「働きすぎて倒れてるわ」

 

霊夢「容赦ないわねぇ」

 

煎餅を食べながらこっちを見ている

 

レミリア「研、あなた妖夢の所に行ったんじゃなかったかしら?」

 

金木「ちょっと叱られちゃいましてね..追い出されました」

 

霊夢「プッ!!ハハハハハ!なにそれ!!」

 

腹を抱えてわらっている。

 

金木「ちょっと、笑いすぎ」

 

殴りたくなる衝動を抑える

 

咲夜「ふっ..いやでも追い出されたなんて..くっ..」

 

金木「もう笑いたければ笑ってください」

 

観念した様子で言う

 

フラン「追い出されちゃったの?なんでー?」

 

金木「生きる事を諦めてるって言われた」

 

それを言った瞬間皆の笑いが止まった

 

霊夢「なるほどね。ま、一理あるわ。」

 

咲夜「そうね。この際変わるのもいいんじゃないかしら?」

 

金木「生き甲斐を見つけてこいって言われましたよ」

 

レミリア「生きる理由..ね」

 

フラン「研お兄ちゃんは死にたいの?」

 

心配そうな顔で見てくる

 

金木「いや、そういうことはないんだけどね」

 

咲夜「でも戦ってる時は結構無謀な事をしてるわよ」

 

金木「そうかなぁ」

 

レミリア「あなたは何をしてる時が楽しいのかしら?」

 

金木「読書?」

 

霊夢「もっと別の事で」

 

金木「うーん。分かんないな」

 

フラン「研お兄ちゃん、フランはね、研お兄ちゃんがいてくれたから今ここにこうしていられるんだ。それに能力の事も何とかしてくれるって言った、約束だよね?」

 

金木「うん。僕が生きてる限りね」

 

霊夢「それよ。なんで一生支えてやろうって気にならないの」

 

金木「だっていつかは幻想郷を出ていくつもりだし」

 

霊夢「それとこれとはべつよ」

 

フラン「だからフランからのお願い事一つきいてくれる?」

 

金木「なにかな?」

 

フラン「....死んじゃ、いやだ」

 

今にも泣きそうな顔で言ってきた。金木は悩んだ。頷いていいのか、今更自分が救われてもいいのかと、ここで赫子を使うために妖怪も食べてきたし、いろんな人も傷つけた。そんな僕が今更

 

霊夢「難しく考え過ぎよ。自分中心の考え方でいいじゃない。やりたいようにしたいようにしなさい」

 

金木「そうですね..。」

 

そして金木はしゃがみこんでフランと目線を合わせた

 

金木「分かったよ。でもきっと僕は無理をすると思うから、その時は..助けてくれないかな?」

 

フラン「うん!!」

 

即答だった

 

金木(なにか吹っ切れた気がする。僕は必要とされてたんだな。少なくともこの子に、自己中心的な考え方でもいいからやりたいようにやれ..。そうだね。その通りだ。僕は..まだ、死にたくない)

 




そろそろ話を進めていこうと思います

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