魔理沙「研!私の箒に乗るんだぜ!」
金木「え?あ、うん」
魔理沙「しっかり捕まっておくんだぜ?ブレイジングスターやるからな!」
金木「え!?」
その後金木は気づいたら人里前に着いていたという
金木「なんか酷い目にあった」
魔理沙「でも早く着いたんだぜ?」
金木「いや魔理沙がよくても僕がよくないよ..。特に体の方が」
魔理沙「意外と軟弱だな。あ、でも体はもやしみたいにほそいんだぜ」
金木「そのうち鍛えとくよ 」
そう言うくだらない話をしていたら
村人A「ひ、ひぃっ!?た、助けてくれ!」
?「なんで!?どこいっちゃうの!?」
聞き覚えのある声が聞こえる..
村人A「あ、あんた!あいつのダチなんだろ!?助けてくれ!」
魔理沙「おいおい..どうしたんだぜ?」
?「この声は..魔理沙お姉ちゃん?」
金木「な!?こいし..ちゃん?」
こいし「あ、研お兄さんもいるんだ..。」
村人A「あ、あとはお前らがなんとかしろぉ!!」
そう言って村人は走り去ってしまった。
こいし「なんで逃げちゃうの〜?おかしいな」
魔理沙「こいし。なんで目から血を?」
こいし「なんでって..とったんだよ?」
金木「とっ..た?」
金木の声は震えていた。それが怒りなのか哀しみなのか自分でもよく分からずに
こいし「うん。ほら!これ!」
こいしが取り出したのは、くり抜いた自分の目だった..
魔理沙「なんてことを..」
金木「なんで、何でそんなことをしたんだ!!」
こいし「ひっ!?だって..皆がこいしの目が気持ち悪いっていうからとってみたんだよ。」
金木「なんで、なんで..。君にはもう、世界が見えないじゃないか..」
こいし「見えなくても聞こえればいいの!こいしとお話してくれるだけでとっても嬉しいんだ!」
魔理沙「なにいってるんだぜ!そんなの詭弁だぜ!?」
金木「こいしちゃんはそれで幸せ?もう皆と遊べないんだよ?」
こいし「お話できればいいもん..。」
金木「ほんとに?」
こいし「..ほんとだもん」
金木「....100%じゃないけど、治せるかもしれない。」
魔理沙「お前の考えはわかるぜ?」
金木「うん。だけど君次第だよ。こいしちゃん」
こいし「どういうこと?」
金木「君は見えなくてもお話だけできればいいの?これからも一生。」
こいし「....それでもこうしなきゃ友達、出来ないもん」
金木「僕と魔理沙は友達?」
こいし「うん。」
金木「僕はこいしちゃんとお話だけじゃなくて遊んだりしたいな。」
こいし「...え?」
金木「鬼ごっことか、隠れんぼとか、トランプとか、弾幕ごっことか、他にも色々したい。綺麗な景色が見れるところに皆で行きたい。本だって読んであげたい。でもそれは目が見えないと出来ない事なんだ。」
こいし「こいしもお兄さんとかお姉ちゃんと遊びたい..」
金木「こいしちゃんは友達を作るために目を捨てた。だから今度は友達と遊ぶ為に目を拾おう?」
こいし「でも、これ以上友達が出来ないよ..。村人さん達には目をくり抜いたら友達になってやるって言われたし..」
魔理沙「そんなことを..あいつらは。」
金木「そんな事を強要する奴は友達なんて言わない!何か条件を付けて友達になるのは本当の友達だなんて、僕は絶対に認めない!」
こいし「お兄さん..」
金木「友達って言うのは辛い時に助けてくれたり、逆に助けてあげたり、馬鹿みたいに笑ったり、はしゃいだりする人の事を言うんだよ。沢山友達を作るなんて誰にだって出来ることじゃないんだ..僕だって友達って呼べる人は元の世界には1人しかいなかったんだから」
こいし「お兄さんも、友達いなかったんだ..」
金木「そうだよ..。だからって僕は友達が欲しいとは思わなかった。僕はどうでもいい奴らとだべったりするより大切な人と一緒にいる方が充分幸せだよ。」
こいし「羨ましいな..。こいしもそんな人、欲しいよ。」
金木「僕達がいるじゃないか。僕と魔理沙だけじゃない。この幻想郷には素敵な人が沢山いるんだ。だから探してみようよ。」
こいし「探すって言っても、こいし目が..」
金木「治したい?」
こいし「治したい..。そんな話聞いたら治したいに決まってるよ!」
金木「そっか..。なら治そう。魔理沙」
魔理沙「あいよ!任せとけ!」
金木はこいしを魔理沙の箒に乗せた。
魔理沙「しっかり掴まっとけよ!」
こいし「なになに!?」
そして物凄いスピードで永遠亭の方向に飛んで行った。金木もそれに負けじと全速力で走って行くのであった。
金木「ハァ..ハァ..僕も乗せてもらえばよかった..」
汗を垂らしながら金木は言う
魔理沙「いや、ただの人間がそのスピード出せるってほぼバケモンだぜ..」
?「あら?お客さんかしら?」
魔理沙「ああ。永琳、こいつの目を治してやってくれ」
永琳「ふーん。まあいいわ。こっちに連れてきなさい」
そうして暫くして待合室に永琳が来た。
永琳「事情の方は魔理沙から聞いたわ。金木くん..だったかしら?」
金木「はい。」
永琳「とりあえず簡潔に言うわね。あの子の目は戻るわ。」
金木「ホントですか!?」
永琳「ええ。ただ治るのに一ヶ月かかるのと目の中にある神経の損傷が激しいために視力がかなり低下するわ」
金木「それでも..治るんですね..」
永琳「ええ」
金木「なら..よかった」
金木は安堵したようで大きくため息をつく。
永琳「それにしても人里の連中がそんなこと言うなんてね。」
金木「多分冗談だったんでしょうけどね。」
永琳「多分ではなく確実にそうね」
金木「一ヶ月もこいしちゃんは目が見えないんですね」
永琳「まあ妖怪からすれば短いものよ。それで貴方はどうするのかしら?」
金木「....どういう意味ですか?」
永琳「何かしら仕返しするのか、と聞いてるの。私的には仕返しはして欲しいわね。最悪私からするわ」
金木「なぜそこまで?」
永琳「医者が患者に感情移入してもいいでしょ。それに妖怪と言えどあの子はまだ子供..そんな子にあれほどまでの事をしたんだから、それ相応の覚悟はしてもらわないと」
金木「僕自身はとても仕返ししてやりたいです。このまま放置していたらまた同じ事を繰り返すだろうから。でもこいしちゃんはきっとそれを望まない。だから僕達がやろうとしてるのはただの詭弁で自己満足だと思うんです。」
永琳「詭弁ねぇ..。あの子はまだ人里の人たちと友人関係になりたいと思ってるのかしら。」
金木「さぁどうでしょうね..。」
永琳「ま、仕返しの件はあなたに一任するわ。あと、この事は外部には漏れないようにした方がいいわ。特に地底の奴らには。」
金木「いえ、しっかりと伝えてきます。」
永琳「え?いや、馬鹿なのかしら?家族がこんな目にあって黙ってると思うの?」
金木「こいしちゃんがこんな事になった根本的な原因は家族にあると僕は踏んでます。第一、こいしちゃんが人里でどんな目で見られてるか知らないわけないのに人里に行かせてる時点でおかしい」
永琳「それは能力の問題ではなくて?」
金木「自分の意思で使ってるんですよ。こいしちゃんは」
永琳「そうなの?」
金木「はい。多分ですけど。友達を作りたいっていう気持ちが派生して発動してるのかと」
永琳「なるほど。鬼には止められてるって前に聞いたわ」
金木「だからといって放置していいものでもない。だから行きます。少しお仕置きをしに」
永琳「その笑顔が怖いわね。ま、殺さない程度にしてくれれば治せるわ。」
金木「なるほど..。なら半殺しで勘弁してあげましょうかね。僕の友達をほっておいた罪は大きいですから」
そう言って地底に向かう金木
永琳「はぁ..。相当キレてるわね。すました顔してもバレバレよ..。」
今回長めになっちゃいました!
すいません(;´д`)トホホ…