メビライブ!サンシャイン!!〜無限の輝き〜   作:ブルー人

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時間が取れたので、すかさず投稿!


第15話 二人のネガイ

薄暗い森の中に、一人寂しく立ち尽くしていた。

 

繰り返し伝わってくる地面の揺れ、そして怪獣の鳴き声。

 

「■■■■ーーーーッッ!!」

 

光線を受けて四方に肉片を撒き散らし死滅する、一体の怪獣。

 

ーーーーこれは夢だ。

 

そう気付くのに時間はあまりかからなかった。

 

いつも、前触れもなく突然目の前に浮かぶ景色。モザイクのようにノイズがかった赤と銀の巨人が自分を見下ろすようにして、語りかけてくる。

 

ーーーー次に彼は、こう言うはずだ。

 

『これから先の未来、お前に幸せがーーーー』

 

確信する。これは過去に体験した、自分自身の記憶の映像だと。

 

巨人の言葉が最後まで聞こえないのは、未だその記憶をハッキリと思い出せないからだ。

 

(あんたが…………)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めた。

 

この夢を見た後は、酷く頭が痛む。封じられていたものを、無理やりこじ開けたような奇妙な痛み。

 

「あんたが……ベリアルなのか?」

 

 

◉◉◉

 

 

日々ノ未来は、自分の両親が親族と共に眠る墓の前で膝を折り、目を閉じ、手を合わせていた。

 

心を落ち着かせる線香の匂いが鼻をくすぐり、遠くの方で波の音が聞こえてくる。

 

未来は瞼を開き立ち上がると、穏やかな口調で話し始める。

 

「聞いてくれよ。千歌達のライブは大成功でさ、部として正式に活動できるようになったんだ。二人にも見せてあげたかったよ」

 

笑いながら話す未来の中で、メビウスは黙り込んでいる。この墓の前にいる時は、極力未来とは話さないようにしているのだ。

 

「じゃあ俺は学校あるから。また来るよ」

 

 

 

 

 

墓石に背を向けてその場から離れようとする未来の前に、一つの人影が現れた。

 

「あなたは……たしか……」

 

「やあ。また会ったね」

 

爽やかな表情と黒ずくめの服装を見て思い出す。チラシ配りの時に一度会った男だ。

 

「お墓参りかい?」

 

「はい。あなたも?」

 

「いいや、ボクは君に会いたくて来たんだ」

 

何を言ってるんだこの人は、と一瞬本気で顔が引きつる。落ち着いた言動から放たれる狂気にあてられ、男が急に怪しく見えた。

 

『……ッ⁉︎未来くん下がって!』

 

(メビウス?)

 

未来の身体の主導権を握り、咄嗟にメビウスブレスを左腕に出現させるメビウスを見て、黒ずくめの男は少し驚くような顔を見せる。

 

「君は……この星の人間ではないな⁉︎」

 

「ああなるほど……、君がメビウスか。普段は未来くんの身体の中にいるってことね。……いいの?それ、人道的に」

 

「目的はなんだ⁉︎」

 

警戒心を露わにするメビウスに、男は呆れるように溜息をつき、両手を挙げてホールドアップの体勢になる。

 

「よしてくれ。今はボクから仕掛けるつもりなんてない」

 

「なんだと……?」

 

『……メビウス。俺に話させてくれ』

 

未来が再び前に出て来ると、メビウスブレスを消滅させ、男に一歩近づいた。

 

「やあ。君と話がしたかったんだ、未来くん」

 

「あんたは……一体誰だ?」

 

「宇宙人……としか言えないな。ところで、ボクからのプレゼントはちゃんと届いてるかい?」

 

「プレゼント?」

 

まさか、と咄嗟にポケットの中にしまっていた”光の予言”のメモが書かれた紙に触れる。

 

「それの内容を知るのに苦労したよ。あそこは宇宙警備隊がウヨウヨしてたんだ」

 

「光の国に侵入したってことか……⁉︎」

 

「ああ安心して。他に変な事はしてないから」

 

ヘラヘラと緊張感が感じられない笑みを浮かべる男に、不安と共に怒りまで湧き上がって来る。

 

「なあ教えてくれ。光の予言は何を意味しているんだ?」

 

「やっぱりね。あれだけじゃ理解できないと思ってたよ」

 

男は空に浮かぶ太陽を指差し、未来も自然とそちらに視線が動く。

 

「エンペラ星人を、倒す方法さ」

 

「なっ……⁉︎どうやって⁉︎」

 

「そう慌てないでくれ。元々教えるためにここに来たんだ」

 

男は終始笑ったままだ。

 

清潔感のある見た目とは裏腹に、心の中は醜いまでにどす黒い”闇”を感じる。

 

「全部で十存在すると言われる、”光の欠片”を集めるんだ」

 

「光の……欠片?」

 

「それさえあれば……君達はもっと輝ける。ボクはそれが見たいんだ」

 

男はそう言うと漆黒の霧を全身から放出し、自身の身体をみるみる包み込んでいった。

 

「おいっ!待て!!」

 

余りにも遅く手を伸ばした未来だが、その指先にすら触れることなく、闇は霧散し、男がいた痕跡は跡形も無く消えていた。

 

 

◉◉◉

 

 

「ほんと⁉︎」

 

「はいっ!よろしくお願いします!」

 

スクールアイドル部、その部室。

 

先日勧誘した花丸とルビィが、なんと体験入部をしたいと部室まで訪れてくれたのだ。

 

「やったぁ!うぅ〜やったぁ……!やったーー!!」

 

目に涙を溜めて喜ぶ千歌は部屋を飛び出す勢いで驚異的なジャンプを見せる。

 

「これでラブライブ優勝だよ!レジェンドだよ!」

 

「千歌ちゃん待って。体験入部だよ?」

 

「要するに、仮入部っていうか、お試しってこと。それでいけそうだったら入るし。合わないって思ったらやめるし」

 

「そうなの?」

 

千歌はキョトン、とした顔で花丸とルビィの方を向く。二人は少し気まずそうに「いや、まあ色々あって」と笑った。

 

「生徒会長のことね?」

 

ステラの問いに頷く花丸とルビィ。

 

「あ、はい。だからルビィちゃんとここに来たことは内密に……」

 

そう語る花丸の話を聞かずに、千歌は早速Aqoursの広告ポスターに花丸とルビィの名前を付け足す。

 

「よっ!できたぁ!」

 

「千歌、人の話は聞きなさい、ね?」

 

ステラに小突かれる千歌。やはり同じ屋根の下で暮らしているだけあって、前よりも距離が縮まっている様子だった。

 

 

 

「…………」

 

そんなやりとりに見向きもせず、未来は険しい表情でメモ用紙を睨んでいた。

 

エンペラ星人を倒す方法ーーーーそう言われて引き下がれるはずがない。ましてや自分は、この地球を守る責務を担ったウルトラマンの片割れなのだから。

 

「ん?未来くん、それなにー?」

 

「あっ!」

 

千歌はひょいっ、と軽く未来の手からメモを奪い取ると、最初の行から目を通し始める。

 

「……えーと、一の光……」

 

「か、返せ!」

 

「あ!」

 

読み終える前に千歌の手から必死に紙を奪い返す未来。余裕の無いその表情を見て、曜は浮かんだ疑問を口にした。

 

「それ、この前取ってたメモ?結局なにかわかったの?」

 

「別に……」

 

「調べ物?なら私達も手伝っーーーー」

 

「千歌達には関係ないだーーーーッ!」

 

つい大きな声を上げそうになったのを寸前で呑み込む。今の自分は焦燥のせいで冷静ではないと理解しているはずだ。

 

怪訝な顔で未来を覗き込む千歌を見て、未来は落ち着いた態度を取り戻した。

 

「……なんでもないよ。それより、花丸ちゃんとルビィちゃんの体験入部の件が先だ。まずは一緒に練習やってもらうのが一番だろ、梨子?」

 

「えっ?う、うん、そうね。じゃあ私が作ってきた練習メニューがあるからそれをーーーー」

 

話題を別の方向へ逸らし、みんなの視線をホワイトボードへ向けさせる。

 

「……なにやってんのよ……」

 

ステラは苦い顔をしている未来を見て、眉をひそめた。

 

 

◉◉◉

 

 

練習を開始する、となって次に問題となるのは場所だ。

 

グラウンドはソフトボール部が使っていて、ダンスの練習が出来そうな場所がなかなか見つからない。

 

「さて、どうするか……」

 

「他に空いてる場所といったら……」

 

「屋上はダメですか⁉︎」

 

そう提案してきたのは、ルビィだ。

 

「μ'sはいつも、屋上で練習してたって!」

 

「そうか!」

 

「屋上か!」

 

「行ってみよー!」

 

たしかに屋上を使う部活は浦の星では他に見たことがなかった。広さも十分にあり、振り付けの練習をするにはもってこいの場所だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

校舎に戻り、屋上へと向かった千歌達。

 

「うわ〜!すっごぉーーーーい!!」

 

ここに来たのは初めてだったのか、あまりの興奮にまたも大ジャンプを披露する千歌。

 

他のメンバーもここにやって来るのは初めてで、遠くの方でくっきり見える富士山や強い日差しに衝撃を受ける。

 

「太陽の光をいっぱいに浴びて!海の空気を胸一杯に吸い込んで!」

 

おもむろに灰色の地面に手を当て、「あったかい」と呟く千歌。

 

「……っ……?」

 

ーーーー未来には彼女が一瞬、”輝いて”いるように見えた。

 

 

彼女の隣に円を描いて並び、同じように地に手を当てて暖かみを実感する曜達。

 

「ほんとだ」

 

「気持ちいいずら〜!」

 

(ずら……?)

 

リラックスしきった花丸は目を瞑り、背を地面に預けて気の抜けた声を出す。

 

「さあ、始めましょうか」

 

「じゃあいくよー!Aqoursー!サンシャインー!」

 

まずは手始めに、以前ファーストライブでも披露した”ダイスキだったらダイジョウブ”の振り付けを練習することに。

 

 

 

 

 

「ワンツー!スリーフォー!ワンツー!スリーフォー!」

 

ルビィと花丸、それぞれに一人ずつ付いて順番に振り付けを教えていく。

 

二人とも呑み込みが早く、数回こなしただけでほとんどの動きをマスターしていった。

 

(よほどアイドルが好きなんだな……)

 

ルビィも花丸も、ダンスをしている時は眩しいくらいの笑顔を見せる。

 

以前ルビィは生徒会長であるダイヤの妹と聞いたが、彼女と同じものを感じるのだ。

 

(ダイヤさんもスクールアイドルに妙に詳しかったし……。もしかしたら……)

 

 

◉◉◉

 

 

練習を一段落終え、部室に戻ってきた未来達。

 

「今日までって約束だったはずよ?」

 

「ご、ごめん……あはは」

 

歌詞の締め切りまで間に合わなかったのだろう。梨子から注意を受ける千歌、という構図も最近は見慣れてきた。

 

「途中まではできてるんだけど……」

 

「ちょっと見せて……って、これ……」

 

ノートを開いた途端に目を大きく開かせる梨子。不思議に思い、曜やステラ、未来までもが後ろから覗き込む。

 

曲のタイトルには”ウルトラマン”の文字が見えた。

 

「千歌……お前まさかメビウスを題材にした詞を書こうとしてたのか?」

 

「うん!私達を怪獣から守ってくれるヒーロー、ウルトラマンメビウス!曲のアイディアにいいかなと思って!」

 

綴られている言葉を見る。「大きな心」「決して負けない」「僕らのヒーロー」…………。

 

ーーーー未来には、その言葉の何もかもが、今の自分に相応しくないと感じた。

 

「それいい!未来くんも何か考えてよ、名付け親なんだし!」

 

「ウルトラマンの曲かぁ……。私もある程度考えとかないと……」

 

「やめておこう」

 

冷めきった言葉が部室に響き、その場にいた全員の視線が未来へと集中する。

 

「やっぱりこういうのは、千歌達らしい、千歌達だけの歌にしたほうがいいんじゃないかな」

 

「もっとオリジナリティを出すってこと?」

 

「まあ、そんな感じ」

 

我ながら少々苦しい言い訳だったか、と後悔に近い反省が胸を駆け上がっていく。

 

ずっとノートから目を離さず、俯いたままの未来に何かを察したのか、ステラも続いて言葉を重ねる。

 

「そうね。曲作りまでウルトラマンに頼るわけにもいかないわ」

 

「それもそうかぁ……残念……」

 

「この曲はまた別の機会に使いましょうか」

 

軽くステラに会釈した後、未来はノートを千歌に返す。

 

「さあ、もう少ししたら練習再開しよう。俺、飲み物買ってくるよ」

 

背を向け、千歌達に顔を見せないまま、未来は部室から飛び出すように出て行った。

 

『未来くん……大丈夫?』

 

(なにが)

 

『いや……。今朝、あの宇宙人に会ってから何か……』

 

(心配しないでくれ。……ちょっと落ち着けないだけだ)

 

廊下には未来の足音だけが木霊し、誰もいない細い空間が余計に未来の不安を煽った。

 

 

◉◉◉

 

 

「これ、一気に登ってるんですか⁉︎」

 

「もっちろん!」

 

「いつも途中で休憩しちゃうんだけどねー」

 

「でも、ライブで何曲も踊るには、頂上まで駆け上がるスタミナが必要だし」

 

今度は淡島神社の階段を一番上まで登るメニューだ。

 

(余計なことは考えるな……。俺はスクールアイドル部のマネージャーなんだ!)

 

そう心に決め、未来は真っ直ぐな瞳で目の前の階段を見据えた。

 

「じゃあμ's目指して、よーいドォーン!」

 

千歌の合図を皮切りに、七人は一斉に地を蹴り、走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だ、大丈夫?花丸ちゃん……」

 

「ら、らいじょうぶ……ずら……」

 

走り始めて数分後。

 

最後尾を走る花丸の隣に付き、今にも倒れるのではないかとハラハラする。

 

「未来さんは……ルビィちゃんに……付いてあげてください……!」

 

「いやいやいや!そういうわけには……!」

 

「ルビィちゃんは……、ルビィちゃんは……!」

 

花丸は先を走るルビィの背中を見て、魂魄を吐き出す勢いで叫んだ。

 

「ルビィちゃんは走らなきゃ、ダメなんです!」

 

有無を言わせない気迫に圧倒され、未来は思わず数秒間硬直する。

 

『今のは……』

 

 

 

 

 

 

 

 

「……わかった。無理はしないでよ!」

 

「……!はいっ……!」

 

花丸を追い越して、上へ上へと駆け登る未来。

 

直後、メビウスは何か勘付いたような様子で口を開いた。

 

『未来くん。もしかしたら…………』

 

(どうかしたのか?)

 

『エンペラ星人を倒す方法……。”光の欠片”は、人間の中にあるのかもしれない』

 

(なんだって……⁉︎)

 

『今、彼女の中に強い光の力を感じたんだ。……君に匹敵するほどの』

 

(そんなことが……っ?)

 

気になって仕方がないが、今は花丸に言われた通りルビィを頂上まで登り切らせることに集中だ。

 

前を走るルビィに追い付き、ゲキを飛ばす。

 

 

「ルビィちゃん、後少しでてっぺんだ!」

 

「は、はい……っ!」

 

 

段々と視界に入ってきた頂上では、既にゴールしていた千歌、曜、梨子、ステラが待機している。

 

ルビィに応援の声をかける千歌達。

 

 

 

そしてついにルビィが頂上へ登りきった瞬間ーーーー

 

(…………ッ⁉︎)

 

世界の隅々まで照らせるような、眩いまでの光が、彼女達から発せられたように見えた。

 

「やったよ、登りきったよーーーー!!」

 

 

◉◉◉

 

 

階段を降り、学校に戻ろうとする途中。テラスで一人立ち尽くしている少女の姿を見かけた。

 

「お姉ちゃん⁉︎」

 

「ルビィ⁉︎」

 

「ダイヤさん⁉︎なんでここに……」

 

「これはどういうことですの?」

 

無断でルビィがスクールアイドル活動をしていたことに怒ったのか、ダイヤの表情がほんの少し険しくなる。

 

「あの、ダイヤさん!これはですね……」

 

「いいんです、未来さん」

 

ルビィはそう言うと自らダイヤの前へと踏み出し、自分の持つ勇気を振り絞り、言い放った。

 

「ルビィ……!ルビィね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

赤い光が世界を照らす夕暮れ時。

 

ルビィが自分のキモチを打ち明けたその日ーーーー国木田花丸は、未来達の前に姿を現すことはなかった。

 

 

◉◉◉

 

 

「よろしくお願いしますっ」

 

「よろしくね!」

 

「はいっ頑張ります!」

 

清々しい笑顔で千歌に入部届けを手渡すルビィ。きちんとダイヤの許可を得て、正式にスクールアイドル部の一員となったのだ。

 

「そういえば……花丸ちゃんはどこに?」

 

先日の練習の後、花丸は戻ってこなかった。

 

彼女はおそらく、勇気を出しきれていないルビィの背中を押すことが目的だったのだろう。

 

「私……ちょっと図書室に行ってきます!」

 

「あ、ルビィちゃん⁉︎」

 

部室を出て行くルビィの後を追うように、千歌達も戸を開いて駆けて行く。

 

(人の光が……エンペラ星人を倒す方法……)

 

未来は走りながらポケットの中をまさぐり、メモ用紙を取り出す。

 

…………ーの光。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

図書室。

 

窓から覗いてみると、悲しそうな顔で一冊のアイドル雑誌を眺める花丸の姿が見えた。

 

ゆっくりとページを閉じ込めるようにする花丸に、ルビィは咄嗟に部屋の中に入り、訴える。

 

「ルビィね!花丸ちゃんのこと見てた!」

 

 

…………二の光。

 

 

「ルビィに気を使って、スクールアイドルやってるんじゃないかって!」

 

 

…………三の光。

 

 

「ルビィのために、無理してるんじゃないかって、心配だったから!」

 

 

ーーーーメモに書いてある一文、一文字を、見落とさないようにしっかりと読み進めていく。

 

 

 

「でも練習してる時も、屋上にいるときも、みんなで話してる時も、花丸ちゃん、嬉しそうだった!……それ見て思った」

 

 

ーーーーそして、とある一文を目にした時、未来とメビウスの中に雷に打たれたような衝撃が走った。

 

 

「花丸ちゃん好きなんだって!ルビィと同じくらい、好きなんだって!スクールアイドルが!!」

 

「ま、マルが…………?」

 

 

 

同時に、叫びたくなるほどの歓喜の気持ちが、胸の中で溢れかえった。

 

 

 

「ルビィね!花丸ちゃんとスクールアイドルできたらって、ずっと思ってた!一緒に頑張れたらって!」

 

「それでもオラには無理ずら。……体力ないし、向いてないよ……」

 

「その雑誌に写ってる凛ちゃんもね、自分はスクールアイドルに向いてないって、ずっと思ってたんだよ」

 

「……!」

 

 

 

 

 

「でも好きだった。やってみたいと思った。最初はそれでいいと思うけど?」

 

「…………」

 

「ルビィ、スクールアイドルがやりたい!花丸ちゃんと!」

 

 

 

 

 

ーーーー四の光。他者を思いやりその背中を押す、信託の輝き。

 

ーーーー五の光。縛るものに囚われず決意の道を往く、勇気の輝き。

 

掠れたシャープペンシルで書かれた二行の文が、未来の視線の先にあった。

 

 

 




ルビまる加入と同時に物語の駒を進める回でした。光の予言の詳しい内容は第7話参照です。

次回からはしばらくオリジナルのエピソードを展開していきたいと思います!お馴染みのウルトラ怪獣、そして今作オリジナルのキャラクターも登場しますよー!

今回のプチ解説は、この作品での渡辺曜ちゃんについて!

これまでメビライブサンシャインでは、曜ちゃんは未来に対して特別な感情を抱いているような描写を書きましたが……その理由は二人の過去にあります。
彼女ももちろん光の予言に当てはまる一人なのですが、その力を見せるのはいつになることやら。

そしてなんで今回の解説が曜ちゃんなんだって?……次回が曜ちゃん回だからだよぉ!

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